コロナワクチン接種後の心筋炎、なぜ専門家は評価できないのか?
元ワクチン担当大臣が「心筋炎について反ワクが騒いでいるが、全然気にすることはない」と、説明している動画をTwitterで見ました。動画がいつのものか気になったので、今回はこの発言をもとに心筋炎について掘り起こします。
動画はいつのものなのか?
拡散されている動画は、白いタートルネックのセーターを着た元ワクチン担当大臣が話をしていますが、いつ、何のために撮影されたものか書かれていませんでした。拡散されている情報を見るときは、いつ、何のために撮影されたものか確認することが大切だと思います。
調べてみたところ、2021年12月5日に配信された「【河野太郎のLIVE配信】たろうとかたろう」(下記)の一部であることがわかりました。事前に質問を受け付けて、それに対して答える機会を作っているようです。
心筋炎に関する発言は、14:52ぐらいから始まります。確かに、「心筋炎について反ワクが騒いでいるが、ほとんど軽症なので全然気にすることはない」というようなことを語っていました。
もう1本、同じような動画で左にクリスマスツリーが写っているものが拡散されていますが、それもこのシリーズです。こちらは、2022年12月18日に配信されたものでした。こちらでは、18:30頃からワクチンの話をしています。
コロナワクチン接種後の心筋炎は軽症なのか?
厚労省が公開している副反応疑いの報告に、心筋炎の事例も多数あります。10歳未満でも、報告医師が「生命を脅かす」と分類した事例もありました(下記参照)。
下記の事例では、報告医師が「因果関係あり」と評価しています。
心筋炎に関しては、コロナ感染による発症とワクチン接種後の発症について、厚労省の印象操作というか、詐欺のようなミスリードが問題となりました(下記参照)。
接種後に心筋炎を発症して死亡した事例もあり、専門家の評価で因果関係が認められた事例がないからといって、なぜ「全然気にすることはない」などといえるのでしょうか。
専門家の評価
専門家の評価に関しては、過去の記事でも取り上げました。下記は2022年1月30日に書いたものなので、元ワクチン担当大臣の動画(白いタートルネック)と近い時期の情報です。
ワクチン接種後の心筋炎について、時系列で見てみます。
心筋炎がリスクとして追記されはじめたのは、2021年7月頃です。まずは、接種券と一緒に送られる説明書に追記されるようになりました(下記参照)。
その後、2021年12月には添付文書にも追記されました。あの動画の頃には、製薬会社も「重大な副反応」として追記していたということです。




現在の添付文書(第20版)にも、同じように書かれています。
「頻度不明」とはいえ、添付文書に「重大な副反応」として追記されたということは、ワクチン接種との因果関係が否定できないと考えられているからではないのでしょうか。
前述の動画で、「(コロナに感染して心筋炎になる人がいて、そちらは重症なことが多く)、ワクチンでも心筋炎になる人がいるが、確率的にも小さいし軽症だから気にすることはない」と言っているので、河野氏自身もワクチン接種によって心筋炎を発症する人がいることは認めています。
それにも関わらず、副反応疑いの報告を評価する専門家は、これまでの事例はどれもα評価(ワクチンと症状名との因果関係が否定できないもの)にしていません。
以下、現時点で最新の資料です。
資料1-4-1 新型コロナワクチン接種後の心筋炎又は心膜炎疑いとして報告された事例の概要(コミナティ筋注) (2023年1月20日公開)
以下、ファイザー社製成人用(起源株)の例ですが、モデルナ社、ファイザー社小児用等も同様です。

※評価記号
α:「ワクチンと症状名との因果関係が否定できないもの」
β:「ワクチンと症状名との因果関係が認められないもの」
γ:「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」
頻度不明だけれど「重大な副反応」として心筋炎の可能性があると添付文書に書いてあり、接種後に心筋炎が発症したなら、ワクチン接種との因果関係は否定できないと考えるのが普通ではないのでしょうか。
少なくとも、ブライトンレベル1は心筋炎と確定しているので、接種後でブライトンレベル1なら、α評価になると思うのですが、なぜα評価にできないのでしょうか。
ブライトンレベル4を減らす努力をなぜしないのか?
ブライトンレベルについては下記のように分類されていますが、レベル4(情報不足)が多いことも疑問です。

厚労省のサイトには、医師等へ副反応疑いのお願いが書かれたページがあります。そこには、心筋炎の場合に書き込む調査票が公開されています。
心筋炎調査票[PDF:199KB]
ブライトンレベル4の「情報不足」というのは、この調査票の項目で足りないものがあるということなのでしょうか。もしそうだとしたら、周知が足りないのではないでしょうか。医師への負担にはなりますが、国民の命に関わることなので、もっとちゃんと協力をお願いするべきです。
また、接種後の心痛などで受診する場合、この項目を検査してもらうようにと、国民にも知らせるべきではないのでしょうか。そうすれば、レベル4は減るはずです。
そういったこともワクチン担当大臣の仕事だと思うのですが、そのような周知もせずに「反ワクチンが騒いでいるが気にすることはない」などと、なぜ言えるのでしょうか。ワクチン担当大臣の仕事は、接種を勧めるだけではないはずです。国民の健康や命を守るために、リスクも含めて、必要な情報を知らせることも大切な仕事ではないのでしょうか。
河野氏の在任期間は2021年10月4日までだったので、動画の時点ではもう担当大臣ではないようですが、国民からの質問に答える立場であるなら、その時点でわかっていることは正しく伝えるべきです。
2023年1月6日のブログでの発言
2022年12月31日付のブログでの発言も、たいへん腹立たしいものでした。
その後、2023年1月6日にも、ワクチンに関する記事がありました。
2023.01.06
新型コロナウイルス感染症の最も効果的な対策はワクチンです。
世界の多くの国々では、ワクチン接種はリスクを大きく上回る利益を提供するとして、強く推奨されています。
(略)
いずれのワクチンについても、死亡、心筋炎・心膜炎、肺塞栓症、4回目・5回目接種、5~11歳の小児接種、6か月~4歳の乳幼児接種、オミクロン株対応ワクチンなどについて、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと評価されました。
(略)
世界各国でワクチン接種が行われ、その結果が調査、報告され、ワクチンの有効性と安全性が確認されている中で、ワクチンに関するデマやフェイクニュースを流したり、物理的に接種を邪魔することによって、他人がワクチンを接種するのを妨げようとする動きがあります。自らがワクチン接種をしないという選択をするのは自由ですが、他人のワクチン接種を邪魔するのは、大きな問題です。
(略)
ご家族を失ったご遺族の悲しみはいかばかりかと思いますが、これまでにワクチンとの因果関係が否定できないと判断された事例はありません。
(略)自分がワクチンをうつかどうかは自分の判断ですが、デマやフェイクニュースで他人の判断に影響を与えようとする行為は、やめるべきですし、やめさせるべきです。
冒頭に「新型コロナウイルス感染症の最も効果的な対策はワクチンです」とありますが、河野氏は2022年3月に3回目接種をして、7月に発熱や喉の痛みが出てPCRで陽性となっていました。つまり、発症したということです。
特例承認の審査で認められた唯一の効果である「発症予防効果」さえなかった、あるいは3ヶ月程度しか持続しなかったことを自分で示したので、説得力がありません(下記参照)。
岸田首相も2022年8月12日に、4回目接種を受けた後、8月20日夜から微熱やせきなどの症状が出て翌日PCR検査を受けたところ陽性が判明。こちらも発症しています。
「ワクチンとの因果関係が否定できないと判断された事例はありません」と言っていますが、死亡事例に関して「因果関係が認められない」と評価された事例もごくわずかです。大多数を「評価不能」で放置しているだけなのに、なぜ安全だといえるのでしょうか。
以下は、ファイザー製成人用(起源株)の死亡事例です。「因果関係が認められない」と評価されたのは、たった10件です。この評価を見て、安全だと思えるでしょうか。

リスクや起きた事実など、国民に必要な情報を知らせないことが問題なのに、動画では「反ワクの言うことは気にするな」などと否定するだけで、このような事実をきちんと伝えようとしていません。デマを流しているのは、どちらなのでしょうか。
