見出し画像

『日本茶のすべてがわかる本』読み合わせノート 第6章 お茶の審査

日本茶検定の公式テキスト『改訂版 日本茶のすべてがわかる本』を、お茶好きの二人がゆるく読み合わせるシリーズ。今回は第6章「お茶の審査」。


お茶好きの二人、しずくとなみ。いろんなお茶屋さんに足を運ぶうちに、もっとお茶のことを知りたくなってきた。そこで日本茶検定の参考書の『日本茶のすべてがわかる本』を一緒に読み合わせてみることに。二人が気になったところを語り合う、そんなゆるい読書記録です。


なみ: しずくくん、今回は第6章「お茶の審査」だよ! お茶の良し悪しをどうやって見極めるのか、プロの世界をのぞいていこう。

しずく: 外観審査から内質審査、さらに科学的審査まで、審査の方法って結構奥が深いんだよね。道具にもこだわりがあるし、面白い章だったなあ。

なみ: さっそくいってみよう!


📚 今回読む本

『改訂版 日本茶のすべてがわかる本 ── 日本茶検定公式テキスト』

▼ 全10章構成


1. お茶の審査って何を見ているの?

官能審査には「外観審査」と「内質審査」の2つがあります。外観審査は、お茶そのものの形状や色沢を見るもので、内質審査はお茶を湯で浸出した液の色(水色)、滋味と香気を見るものです。

なみ: お茶の審査方法って、人の感覚で見る「官能審査」と機器を使う「科学的審査」があるんだね。品評会では100℃で淹れて点数をつけるって聞いたことがあるよ。

しずく: 官能審査は外観審査と内質審査に分かれていて、外観では形状や色沢を見て、内質では水色・滋味・香気を見るんだよ。見た目と中身の両方からチェックするんだね。

なみ: 外観審査で「芽揃い」っていう言葉が出てきたんだけど、最初ちょっとピンとこなかったな。

しずく: 大きさや形が揃っていることみたいだね。粉や茎があまり混じっていないものがいいとされているみたいで、均一であることが品質のポイントなんだって。


2. 審査道具の謎 ── 黒い拝見盆と米国式審査茶碗

外観審査に用いる深さのある盆。黒色エナメル塗装を施したブリキ製の角盆が多い。拝見盆またはカルトンともいう。

白色磁器製の茶碗。容量約200mL。「米国式審査茶碗」と呼ばれる。

なみ: 審査に使うお盆って、黒いのがあるよね。なんで黒なんだろう? 白い方がお茶の色がわかりやすそうな気がするんだけど。

しずく: なんでだろうね。茶葉の緑色を見るから黒い方が見やすいのかな? 逆に水色を見る審査茶碗は白い磁器製で、浸出液の微妙な色の違いがわかるようになってるんだよね。

なみ: なるほど、目的に合わせて色が選ばれてるんだね。審査茶碗が「米国式」って呼ばれてたのもちょっと気になったな。なんでアメリカ?

しずく: 形の由来みたいだけど、詳しい経緯はちょっとわからないね。あと秤は上皿天秤が主流だけど、最近は電子秤も使われてるみたい。


3. お茶の市場で帽子がないと入れない?

新茶の季節になると、お茶の市場や仲買で真剣な顔をしている人たちの姿を見かけます

なみ: コラムに書いてあったけど、実際に見たことはないんだよね。

しずく: これが全国的にそうなのか、静岡だけで見られるものなのかは気になるところだよね。その場に入るのには役割ごとの色の帽子があって、それがないと入れないらしいよ。

なみ: 八十八夜が近づくとお茶専門店の仕入れ担当者がその年のお茶を選びにくるって書いてあったね。それって一般の人が見られるような場所でやってるのかな?

しずく: どうだろうね。産地のお茶を直接仕入れるのか、問屋を通して買うのかとか、流通の仕組みもいろいろあるんだろうなあ。産地まで行くのは大変だから、問屋が集めてくれたものを買うパターンもありそうだよね。


4. いいお茶は握ると滑る? ── 形状と色沢の基準

良いお茶は、大きさや形が揃っていて細く締まり、細長く丸くよれていて、粉や茎などがあまり混入していないものです。

良いお茶は重量感があって表面に艶があり、握った時に滑るような感触があります。

なみ: いいお茶の基準がはっきり書いてあったね。細くしまっていて、丸くよれていて、粉や茎が少ないもの。握った時に「滑る感覚」っていうのが気になるなあ。

しずく: 表面に艶があると、サラッとこぼれ落ちるみたいな感触になるんだと思うよ。重量感も大事で、同じぐらいの量を手にのせた時に、しっかりよれているお茶の方がぎゅっと詰まっているから重く感じるんだよね。

なみ: 逆に硬い茶葉だとうまくよれなくて大きくなって、隙間ができるから軽く感じるということだね。


5. 色沢の見方 ── 深蒸し煎茶はちょっと特別

色沢の良いお茶は、濃くて鮮やかな明るい緑色をしていて光沢があります。しかも全体の色が均一でムラがありません。

ただし、深蒸し茶の場合はやや黄色みを帯びていても良く、普通煎茶よりも粉が多いため、光沢がなくてもかまいません。

なみ: 「色沢」って言葉、初めて聞いた気がする。色と光沢を合わせた表現なんだね。

しずく: いい煎茶は濃くて鮮やかな明るい緑色で、光沢があって、全体の色が均一でムラがないものとされてるね。深蒸し煎茶については、分けて考えられているんだね。

なみ: 深蒸しだと粉が多くても光沢がなくてもいいんだね。

しずく: 外観審査は経験が浅い人でも比較的取り組みやすいって書いてあったよ。家にあるお茶を並べて比べてみるだけでも練習になるみたいだよ。

なみ: ただ家にあるのは仕上げ茶だから、荒茶の審査基準とはちょっと違う感じになっちゃうかもね。


6. 香気と滋味 ── 「いいお茶」はバランスで決まる

香気は「新鮮香」(すがすがしい香り)や「みる芽香」(若芽の香り)、「火香」(火入れにより付く独特の香り)など、お茶特有の香りの強弱を中心に評価します。

滋味は、苦味や渋味、うま味、甘味のバランスを見ますが、お茶の種類によって好ましいバランスが異なります。

なみ: 内質審査は香りと味を見るんだね。香気は茶殻を掬い上げて、そこに含まれる香りを嗅ぐんだって。「新鮮香」はすがすがしい香りのことだけど、「青臭」との境目ってちょっとわかりづらくない?

しずく: 新鮮香はフレッシュな新茶の香りで、青臭は行きすぎた青っぽさっていう感じかな。減点項目を見ると、青臭のほかに硬葉臭、茎臭、こげ臭、むれ臭、萎凋香なんかが並んでいて、かなり細かいよね。荒茶の状態で詳しい人と一緒に嗅ぎ比べてみたいなあ。

なみ: 「蜜香」も減点項目に入っていたのがちょっと意外だった。東方美人茶のような特定のウンカ(害虫)に噛まれた場合は蜜のような香りになると聞くけど、そういう話じゃないんだろうね。

しずく: 萎凋香も烏龍茶では大事な要素なのに、緑茶の審査では減点になるんだね。評価基準がそれぞれにあるんだろうね。

なみ: 滋味は苦味・渋味・うま味・甘味の4つのバランスなんだね。「滋味がいい」っていうのは、つまりこのバランスがとれているということだ。

しずく: そう。どれか一つが突出して強いと美味しいとは感じないから、調和していることが大事なんだよ。あと面白かったのが、味を感じるのは舌の味蕾だけど、香気は喉を通過する時に鼻腔で感じるから、味というのは正確には「香味」って言うんだって。

なみ: 浸出液が冷めると苦味や渋味を感じやすくなるっていうのもあったね。審査で飲み込まずに吐き出すのは、舌に味が堆積して次のお茶がわからなくなるからって、いうのも聞いたことあるな。


7. 科学の力で審査する ── でも最後は人間の舌

現在広く採用されている科学的審査法は「近赤外線分光分析法」で、近赤外線をお茶に照射することによって、お茶の成分ごとの量を測定するものです。

お茶の品質を決める外観や香気、水色、滋味といった要素は非常に繊細なものであるため、単純に数値化できるものではありません。お茶は人が飲むものですから、各要素のバランスに気を配りながら最終的な評価は人間の官能に頼って行わなければなりません。

なみ: 近赤外線を照射して、水分・アミノ酸・カテキン・カフェインとかの成分量を測定できるんだね。NDF(中性デタージェント繊維)っていうのが食物繊維のことだって書いてあって、これで茶葉がどれぐらい若いかもわかるんだろうなって思った。

しずく: アミノ酸が多いと言ってもそれだけで狙った味になるかというとそれは別の話なんだよね。香りの成分もいろいろあって、今の分析機器ではまだカバーしきれないパラメーターがたくさんあるんだと思う。

なみ: 数値だけじゃ全部は測れないってことなんだね。機械がスコアをつけても、最終的には人が飲んでどう感じるかが大事なんだろうなあ。

しずく: カテキンひとつとっても種類がたくさんあるし、苦味・渋味・うま味・甘味に香りを加えた総合バランスを数値だけで表すのは難しいよね。科学的審査は便利なツールだけど、人間の官能審査と組み合わせてこそ意味があるんだろうなあ。


8. 利き茶の世界 ── 産地を当てる闘茶会

現在は各地のお茶の行事において、玉露や煎茶などを使った「闘茶会」がよく開かれています。

なみ: 最後に「闘茶会」のコラムがあったよね。利き茶で産地を当てるやつ、楽しいんだよなあ。前の世界お茶まつりの時に全問正解したんだよ!

しずく: あれはすごかったよね。同じ「やぶきた」で産地が静岡県内の「牧之原」とか「梅ヶ島」という違いのお茶が出てきて面白かった。

なみ: またやりたいな。家にあるお茶で当てっこするのもいいかも。

しずく: 家のお茶だとすぐバレちゃいそうだけどね。


次回は第7章「お茶の生産・流通・消費」。お茶がどうやって届くのか、その流れを追っていくよ!


↓↓Chanokiではオンラインで八女茶のティーバッグを販売しています↓↓

こちらの記事もぜひ。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集