グリット(grit)を育むということ
こちらの過去記事⤵️のコメント欄へ、Testnationさんへの返信として、私はこう書きました。
“「親の敷いたレール」は所詮、親が見知った時代の「他者の成功の軌跡」であることがほとんどです。数年前デューク大学が「今ある職業の60%は将来なくなる」という趣旨だったかの提言をしましたように、未来に存在する職は親の想定を超えていて、親が完璧に親亡きあとの子の人生のレールを敷くことはできない。ならば、道なき路へ自ら分け入り自分の後ろに独自の軌跡を描く力を持たせられるように育てるしかない。”
さて、その力を持たせるにはどうしたらいいの?
子どものために転ばぬ先の杖を常に用意して万難を排除し全方位へ保険をかけておきたい親心を踏まえて、サヤ・ユウ パパさんはこんな記事を書かれています。
おそらく教育熱心とされる多くの親御さんには思い当たる節があり、ご自身を重ねながら読まれたのではないでしょうか。中でも私の目を引いたのは、下記の一文でした。
本当の保険は、本人があとから学び直せることである。
そこに辿り着くまでの方策として、サヤ・ユウ パパさんはIBを挙げておられます。
我が家は子どもたちが幼少期からずっとIBスクールで学んできました。
振り返りますと、IBを通じて子どもたちが得た最大の収穫は、グリット(grit)ではないかと考えます。
グリットを持たせられれば、本人があとから学び直せることにつながるような気がしています。
では、グリットを育むにはどうしたらいいのか。
ある時、就学前のお子さんを持つ知人(○○さん)から「将来IBスクールで学ぶにあたり、良いスコアを収めるためには今から何をどう準備したらいいですか?」と尋ねられました。
それに対する私の回答は次のようなものです。
“もしマニュアル的なアドバイスをお求めでしたら拍子抜けなさるかもしれません。
むろん、IBというカリキュラム自体は設定目標がありマニュアルが存在しないわけではないのでしょうが、それはどちらかというと、『教える側』のためにあるのではないかと私には思えます。
『学ぶ側』の子どもにとっては、それぞれのやり方で、ひたすら貪欲に乗り越えるしかない、10代の壁の1つでありましょう。それを親が代わって備えてやることもマニュアル化することも困難だと感じます。
実際にDPを修了した上の子と、ハイスクールの途中までIBで学んだのち渡英してAレベルを修了した下の子に、○○さんのお尋ねを投げかけてみました。
すると返ってきた答えは、以下の通りでした。
ご想定の回答から外れていてがっかりなさらなければよろしいのですが…。
上の子からは、(これはほぼ私が件のご質問を拝読した直後にモヤモヤ浮かんだものをズバリと突いたと言えるのですが)
子どもらしい子ども時代を送ること。
その年齢でしかできない経験をいっぱい積むこと、いっぱい感じること。
そして、ひたすらたくさん、遊ぶこと(お友達を作って一緒に、という意味も含む)。
下の子からはもっと具体的で、
長年の実績とノウハウを持っているIBスクールに小学部から通っていれば、エスカレーター式にDPをうまくやれるようなプログラムが組まれているので、とにかく目先の毎日毎日の課題を一生懸命こなすこと。
わからない箇所は先生やお友達にどんどん聞いて教えてもらって、疑問点を残したまま次へ行かないこと。
私は、自分ではIBをやってこず見守る立場でしかありませんでしたが、傍観していて最も不可欠だと感じた要素は、
土壇場の瀬戸際でもあきらめず粘れること。
打たれても打たれてもへこたれないで立ち上がる強さを保っていること。
でした(注:書いた時点では意識していませんでしたが、これすなわちグリットですよね)。
そして、そのような強さはどうやったら培えるかと考えたら、まさに上の子の回答に帰着するような気がします。
下の子の回答にもある通り、IBスクールへ行った子は、親が殊更けしかけずとも、しかるべき学年になれば自然とIBやDP試験を意識するようになりますから、我が家みたいにIBの「あ」の字もDPの「で」の字も発せずIBが何かもよくわかっていなかった無知な母を持っても、通過してくれました。
私は、「何も」しなかったのです。
「面白そうだなあ~」と感心しながら、ただひたすら横で眺めていましたら、「ママは面白がってるだけでいいだろうけど、やってる本人は大変よ!」と、よく子どもたちに叱られましたっけ。
我が子かわいさのあまり「転ばぬ先の杖」を用意してやりたい親心は理解しているつもりですが、あまりお役に立たない回答になってしまいごめんなさい。”
Testnationさんの直近の記事にも、私は真っ先にグリットを思い浮かべました。
低年齢対象のボーディングスクールは解の1つとなり得るのではないでしょうか。
我が子を5歳と6歳でスイスのボーディングスクールへ留学させたことで、上の子が述べた子どもらしい子ども時代を大自然の中で過ごし、下の子が述べたわからない箇所や疑問点を残したまま次へ行かずに毎日コツコツ積み上げる勉学習慣の下地が作られたと思っています。
※子どもらしいって何か、についてはいずれかの機会に。
最後に付記しますと、サヤ・ユウ パパさんは別記事で、海外大進学界隈の現状についても取りこぼしなく網羅した渾身の長文をまとめられています。ご一読を!
