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センバツ2025ベストナイン、プラスアルファ版『たくさんの感動ありがとう』

球春を彩った11人のスター候補


投手 石垣元気(健大高崎)


捕手 山田凛虎(智辯和歌山2年)


一塁 荒井優聖(智辯和歌山2年)


二塁 細谷丈(聖光学院)


三塁 為永皓(横浜)


遊撃 池田聖摩(横浜2年)


左翼 阿部葉太(横浜)


中堅 藤田一波(智辯和歌山)


右翼 福元聖矢(智辯和歌山)


救援 奥村頼人(横浜)


DH 新田光志朗(花巻東)


石垣でしかない理由

まず投手は成績だけでいえば、奥村頼人織田翔希の横浜優勝コンビ、智辯和歌山の渡邉颯人を推す高校野球ファンが巷に溢れ返っている。

あるいは春の清々しい旋風で魅了した浦和実業の石戸颯汰を湛える声も少なくない。

とはいえ、石垣元気よりスタンドをどよめかせた高校球児がいるだろうか?

お茶の間の関心を一番に引いたのも、十中八九で石垣のはずだ。高校野球のスピードボールに勝る、世の耳目を一手に集めるものはない。

今大会の初登場時には、1球ごとにスタンドが騒めき立った。次の試合も初球からセンバツ最速タイの153kmをマーク。これは昨夏に計測した、甲子園での自己最速記録でもある。

そして次の打者で155kmというセンバツ史上最速の新記録をあっさり樹立。「とんでもないことを仕出かすに違いない」とチラつかせつつ、それをドンドン達成するリアルほど面白い話はない。

惜しくも次のベスト4で横浜打線に攻略され涙を飲む結末にはなったものの、実はこの因縁対決で発動させた火事場の馬鹿力こそが、石垣をベストナインに決めた最大のポイントだ。

これには3つある。代り端の火消し成功捕まっても3者連続三振、最強横浜を相手に二の舞を演じなかった3つだ。

特に二の舞は、持ち直してからのラスト3イニングを2安打に抑え、要所も三振で乗り切っている。今大会における自身初の失点を許した、阿部葉太から三振を奪えた点が大きい

前の回に失点の口火を切られた、上位打線2人を打ち取ってからの阿部だ。いくら2アウトとはいえ、余裕で一発も有り得る。

石垣クラスに見られる豪腕あるあるの反発リスクも伴うだけに、ストレートをウイニングショットにする配球は是が非でも避けたい場面。増して相手は三振が滅法少ない阿部だ。

からの決め球は真っスラ、まさに山本由伸のカットボールを彷彿とさせる投げっぷりで仕留めている。

ちなみに体格も石垣と近い、山本由伸のストレートの平均球速は154km前後。それに対し石垣は、まだ高校生にして常時150km超をポンポンと投げ込んでいるだけに、近未来の超一流メジャー候補と言っても過言ではない。

さらに加えるならば、マイナー契約ながらも破格の金額でアスレチックスに入団した森井翔太郎に続く、スケールと将来性を秘めた10年に1人の逸材だ。

こんなところで、もう石垣の話はいいだろう。後半のメジャーうんたらは、ベストナインの評価対象ではないが。


和製デラクルーズ

ショートストップは守備の花形だけに、今大会も多くの名場面が生まれている。

開幕ゲームで魅せた柳ヶ浦の亀安歩汰を皮切りに、軽快なフィールディングを連発させた早稲田実業の川上真、細谷との鉄壁二遊間コンビを誇った聖光学院の石澤琉聖と激戦区だ。

そうしたなかで横浜の池田は、球際の強さやグラブ捌きにとどまらず、地肩の強さも光った。深い位置からの鋭いスローイングは、プロ顔負けのスピードかつ力強さだ。

さすがは中学時代にジャベリック競技で名を残しただけはある。ゆくゆくはエリー・デラクルーズのようなタイプの選手へと成長するだろう。


試合の流れを変える男

セカンドもショート同様にセンターラインを担う要。それ故に、今大会も多くの守備自慢による本領発揮のオンパレードで彩った。

攻守で強いインパクトを残したイーマン琉海を皮切りに、市立和歌山の有本悠真、バースデー合唱に応える鉄壁ディフェンスで沸かせた“ニシタン”の藤本進源と枚挙に暇がない。

そうしたなかで、試合を大きく動かすだけの攻守を連発させたのが、聖光学院の細谷丈だ。再三のファインプレーにとどまらず、自らのバットでも試合を大きく動かしてのけた。

聖光学院の躍進を支え続けた「影の大黒柱」といったところだ。

そんな訳で、他のポジションについては解説不要でいいだろう。それだけ横浜と智辯和歌山が強すぎた、ということだ。各々の特徴は以下で触れてあるから、そこで確認してくれ。


侍ジャパン打線を組んでみた件

全国には惜しくもセンバツという大舞台を逃しながらも、今回のベストナイン戦士に引けを取らない逸材がゴロゴロいる。

概ねのところ、以下の通りだ。

上記のなかには今回のベストナインと重複する球児もいるが、彼らを間引いてメンバーを構成したとしても、おそらく力差はどっこいどっこい

それなら、今回のベストナインでも世界を相手に戦える、ということだ。少し先にはなるが、9月のワールドカップを見据えた「世界一を獲れる」ていでの侍打線を組んでみた。


1番センター 藤田一波(右投左打)

取手リトルシニア出身:176cm77kg

世界を制する上で、藤田のトップ固定を抜きに語れない。

多彩な攻撃パターンを繰り出せるにとどまらず、塁に出ても足業で圧力をかけられる、相手チームが強烈に嫌がるであろうタイプだ。

相手の対策を掻い潜る狡猾なまでの奇襲攻撃も“お手の物”と、手が付けられたものではない。


2番レフト 阿部葉太(右投左打)

愛知豊橋ボーイズ出身:179cm85kg

ここはもう、ドジャース打線そのもの。いわば高校野球バージョンのリアル大谷翔平だ。

初回から藤田を一打で返せるポイントゲッターはもちろん、相手へのプレッシャーと卓越した選球眼をもってチャンスも広げられる。

仮に藤田が倒れたとして、相手を休ませない。なにしろ一発ドカンがあるだけに。


3番セカンド 細谷丈(右投右打)

横手リトルシニア出身:173cm73kg

仮に藤田・阿部が共倒れでも「ただでは転ばない男」、それが細谷だ。しかも数少ない右打者だけに、ここで一旦のメリハリがつけられる。

やはり短期決戦は、智辯和歌山が見せたように試合序盤のスピードアタックが肝。細谷が見せた集中力をもってすれば、初回から相手チームに魔物を発動させる曲者、という警戒心を植え付けられるに違いない。


4番ライト 福元聖矢(右投左打)

大阪箕面ボーイズ出身:180cm90kg

昨夏も含め、まだ甲子園の福元しか見ていない高校野球ファンのなかには、三振バッターの印象を拭えない人が一定数いる。

確かに2季連続の甲子園では三振も目立った反面、今大会に限っては長単打を広角に打ち分けられる技術も光った。

しかも元から大振り一辺倒というタイプでもない。公式戦の通算成績を見れば一目瞭然だ。

豪打を誇る智辯和歌山において通算打点もチーム断トツの超強力ポイントゲッターにして、足も藤田と匹敵するスピードを有する。


5番ファースト 荒井優聖(右投左打)

取手リトルシニア出身:170cm84kg

勝負強さは今大会で証明済み。懐の広さも鋭いスイングも前評判通りの活躍を見せた。

そして何より打席に入った際の怖さ、いわば「ただならぬオーラ」を発しているような威圧感が半端ない。ひと昔前の大阪桐蔭が漂わせていたオーラと近いものがある。

取手シニア時代は、藤田とバッテリーを組む下級生の正捕手として中学日本一を経験し、全米選手権Vメンバーの主将も務めた筋金入りの野球エリートだ。


6番ショート 池田聖摩(右投左打)

熊本中央ボーイズ出身:176cm72kg

こちらはU15侍ジャパンの中心選手。アジア選手権ではショートと投手の二刀流で、最優秀防御率にも輝いている。

名門横浜に進学後も早々に投手デビューを果たし、夏には1年生にして「背番号6」を勝ち取った天才肌。不動のショートストップとして決勝までの全試合にスタメン出場している。

続く秋の神奈川大会では、阿部を凌ぐチーム最多の12安打を残した。投げてはMAX145km、まさに走・攻・守の三拍子が揃ったニュータイプの二刀流。投手としても頭数に入れられる貴重な戦力だ。


7番キャッチャー 山田凛虎(右投右打)

東海中央ボーイズ出身:176cm78kg

さあ2人しかいない右打者をどこに持ってくるか。しかも、ただの右ではない。

魔腕こと石戸颯汰を苦しめた1人で、次々と大会注目の好投手を打ち崩した智辯和歌山のヒットメーカーだ。

7番という打順は6番も含めて、打線の「切れ目」。今大会を通しても分かるように流れの変わり目だ。

この打順から好機を迎えるのか、それとも終わってしまうのか、という局面を左右する打順といえる。

だからこそ下位からチャンスへと広げられる、勝負強いタイプを据えるのが定石だ。早稲田実業の中村心大が、その典型例の1つ。

本来は3番を打つ大会屈指の中距離スラッガーだが、結果的に7番に下げたことで下位のチャンスシーンを多く作っている。山田も中村と同じような働きを見せてくれるに違いない。


8番DH 新田光志朗(右投左打)

金ケ崎リトルシニア出身:180cm79kg

メジャーリーガーさながらの体格とフルスイングで魅了した、高校通算13本塁打の長距離砲。ちなみに大谷翔平のの門下生でもある。

そのパワフルスイングを世に知らしめたのが、石垣元気とのストレート対決だ。

甲子園最速に並ぶ155kmの豪速球に全く振り負けることなく、センター前までロケットランチャーのように弾き返している。もうメジャーリーグで見るようなワンシーンでしかない。

今大会は期待されたホームランこそ不発かつ長打も1本にとどまったが、左右に打ち分ける広角スキルを披露し、OPS14割超という驚異的な数値を残した。

韓国・台湾勢も新田のスイング目の当たりにすれば、否でも超深めの守備シフトを敷かざるを得ないだろう。

そこを逆手に取った、単打を狙える技術も併せ持つ恐怖の8番バッターだ。

しかも健大高崎とのベスト8決戦では、初回から阿部葉太さながらのスーパーダイブでも魅せている。なので、ありきたりなDHという訳でもない。

今回の外野陣に引けを取らない身体能力の持ち主でもある。


9番サード 為永皓(右投左打)

中本牧リトルシニア出身:172cm84kg

新田ように大柄ではないが、パワーはベストナイン屈指。横浜スタジアムでも軽々とスタンドインさせるだけの力を持っている。

昨夏も地方球場ながら、あわや場外という特大の1発を含む合計2本塁打を残したほど。


クローザー 奥村頼人(左腕)

滋賀野洲ボーイズ出身:178cm82kg

今大会は防御率を落とす結果にはなったが、ここぞで三振を奪える本来の力は随所で魅せている。名門不動の4番として、バットでも優勝に貢献した点は大きい。後輩の池田同様に貴重な二刀流の戦力だ。



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