同じ台風でも、体に残るものは少し違う― 沖縄と関東で感じた、空気と暮らしの違い ―
ハイサイ。
ととのえ職人、五木田穣です。
このnoteでは、心と体と思考のズレをやさしくととのえる話を、日々書いています。
今朝、
「台風一過の朝、すぐに日常へ戻らなくていい」
という記事を書きました。
台風が過ぎたあと、
外の風や雨は落ち着いても、
体と心はすぐには戻らない。
強い風の音。
窓に当たる雨。
気圧の変化。
予定が変わる感覚。
家の中でじっとしていた時間。
そうしたものを、
体はちゃんと受け取っています。
だから、台風が過ぎたからといって、
すぐに通常運転しなくてもいい。
揺れた体と心を、
少しずつ戻していけばいい。
そんな話でした。
その続きで、もう一記事書きます。
同じ「台風」でも、
沖縄で感じる台風と、
関東で感じる台風は、
違う質のものです。
元々、関東に住んでいて、
今は沖縄に住んでいるから
その違いを感じています。
どちらが大変か、
どちらが怖いか、
そういう話ではありません。
同じ「台風」という言葉でも
定義が違う。認識が違う。感覚が違う。
同じ自然現象でも、
土地が違えば、
体に残る感覚も変わる。
暮らしの形が違えば、
思考の動き方も変わる。
体は、天気だけではなく、
その土地の空気や、暮らしの構造まで受け取っている。
今回は、そんな話を書いてみようと思います。
沖縄で感じる台風は、自然が近い
沖縄で感じる台風は、
自然が暮らしのすぐ近くまで入ってくる感じがあります。
風の音が強くなる。
雨が横から叩きつける。
窓や扉が鳴る。
外に出ることができなくなる。
風向きが変わる。
吹き返しが来る。
空気全体が湿って重くなる。
風が重い。
進行速度が遅い。
長く、長く、滞在し、
染み込んでいく感じがあります。
家の中にいても、
外の自然の動きが、
すぐそばにある感じがします。
もちろん、建物の中にはいます。
けれど、
風の音や雨の気配が、
壁や窓を通して、体に届いてくる。
その強さが違う。その質が違う。
沖縄で台風を感じる時、
自然の力の大きさを、
体全身で思い出します。
今日は外へ出られない。
今日は予定通りには動けない。
今日は待つしかない。
今日は自然の流れの中にいる。
そういう感覚が、
かなりはっきりとあります。
沖縄の台風は、
暮らしが一度、自然の方へ引き戻される感じがします。
関東で感じる台風は、予定と思考が揺れる
一方で、関東で台風を感じていた時は、
少し違う感覚がありました。
もちろん、風も雨もあります。
台風そのものへの怖さもあります。
でも、それに加えて、
頭の中がとても忙しくなりやすかった気がします。
電車は動くのか。
帰れるのか。
仕事はどうなるのか。
移動して大丈夫なのか。
予定は変更するのか。
何時に出ればいいのか。
どの路線が止まりそうなのか。
誰に連絡すればいいのか。
関東の台風は、
自然そのものに加えて、
都市の仕組みや予定が崩れる感覚が強かったように思います。
仕事。
学校。
人との約束。
ニュース。
運行情報。
帰宅のタイミング。
台風が近づいてくると、
自然の変化を感じる前に、
思考が先に動き出す。
「どうする?」
「間に合う?」
「動ける?」
「止まる?」
「変更する?」
「帰れる?」
そんな問いが、
頭の中に増えていく。
台風の速度が速く、一過性のもの。
風の強さは感じるが、重さは感じなかった。
重さを感じない分、思考が動きやすく、
台風の速さと、思考の速さが
連動していたように感じます。
関東で感じる台風は、
体というより、
まず予定と思考が揺れる台風だったなと感じています。
沖縄の台風は、体が構える
沖縄の台風では、
体が構える感じがあります。
風の重さ。風の音の低さ。
感じる怖さが違う。
風が強くなる前から、
どこか体が外の気配を受け取っている。
空気が湿ってくる。
雲が厚くなる。
風の流れが変わる。
外の音が少しずつ変わる。
台風がくるな。
これはでかいぞがわかる。
外出が危険だということがわかる。
すると、
体も少しずつ、内側へ入っていく。
外へ向かう力が弱まり、
家の中で過ごす準備をする。
食糧や水を確認する。
買い出しに行く。
ベランダを片づける。
台風情報を確認する。
窓の外を見る。
風の音を聞く。
停電や断水の可能性を考える。
そして、
台風が来ている間は、
体のどこかが緊張している。
何かをしていなくても、
風の音を聞いているだけで疲れる。
眠っているつもりでも、
眠りが浅くなる。
家にいるだけなのに、
体の奥に疲れが残る。
それは、
体がずっと自然の力を感じているからなのだと思います。
沖縄の台風は、
体に残ります。
音として残る。
湿度として残る。
緊張として残る。
家の中で待っていた時間として残る。
そして、台風が過ぎたあとも、
すぐには抜けません。
関東の台風は、頭が先に疲れる
関東で感じる台風は、
頭が先に疲れる感じがありました。
もちろん、体も疲れます。
雨の中を歩く。
傘をさす。
濡れる。
電車に乗る。
人混みに入る。
帰宅に時間がかかる。
それだけでも十分に疲れます。
でも、それ以上に、
台風が来る前から、
頭の中が働き続けている。
明日は出勤できるのか。
予定はそのままでいいのか。
この時間なら帰れるのか。
電車が止まる前に動くべきか。
逆に動かない方がいいのか。
誰かに連絡するべきか。
何を優先するべきか。
都市の中で暮らしていると、
自然の変化が、
すぐに予定や移動や判断に結びつきます。
だから、
風や雨そのものを感じる前に、
頭が先に対応しようとする。
台風がまだ近づいている段階で、
すでに思考が疲れている。
そんな感覚がありました。
これは、関東に限らず、
都市部で暮らす人には、起きやすいことだと思います。
自然の揺れに加えて、
社会の仕組みの揺れも受け取る。
その両方を、
体と心と思考が受け止めている。
それが、都市部での台風。
沖縄では、早め早めに公共交通機関やお店などが閉まります。
台風がきたら、みんなが、やーぐまい(家にこもること)する。
だから、あきらめがつく。
余計なことを考えずに済む。
すべてを受け入れる、自然を受け入れる、沖縄の空気も感じます。
土地が違えば、体の受け取り方も変わる
同じ台風でも、
土地が変われば、
体の受け取り方は変わります。
沖縄では、
自然の近さを感じる。
関東では、
都市の動きや予定の乱れを感じる。
沖縄では、
風や湿度や家の中で待つ時間が体に残る。
関東では、
交通や仕事や移動の判断が思考に残る。
もちろん、これは単純に分けられるものではありません。
沖縄でも、予定は変わります。
関東でも、自然の怖さはあります。
ただ、
どこで暮らしているかによって、
台風の感じ方には違いが出ます。
そして、その違いを、
体はちゃんと受け取っています。
体は、
天気だけを感じているわけではありません。
その土地の空気。
暮らしの流れ。
移動の仕方。
備え方。
人との距離。
予定の組み方。
社会の動き方。
そうしたものを、
まとめて受け取っている。
だから、
同じ台風でも、
体に残るものは少し違うのです。
ととのえ方も、土地によって変わる
体の受け取り方が違うのなら、
ととのえ方も同じにはなりません。
その人、その土地、その環境によって、
方法が異なるのです。
沖縄で台風を受けたあとは、
まず体の緊張をほどくことが必要かもしれません。
風の音を受け取っていた体。
湿度を受けていた体。
家の中で構えていた体。
眠りが浅くなっていた体。
その体を、
少しずつゆるめていく。
水を飲む。
外の空気を感じる。
肩の力を抜く。
深呼吸をする。
安全を確認してから、少しずつ動き出す。
一方で、関東や都市部で台風を受けたあとは、
思考を落ち着かせることが必要かもしれません。
予定の変更。
交通の情報。
仕事の段取り。
連絡のやりとり。
移動の判断。
そうしたことで走り続けた頭を、
少し休ませる。
情報を見る時間を減らす。
すぐに次の予定を詰めない。
判断をひとつずつにする。
無理に遅れを取り戻そうとしない。
帰ってきたら、何もしない時間を少しつくる。
沖縄には、沖縄の戻り方がある。
関東には、関東の戻り方がある。
そして、
その日、その時の自分にも、
その時の戻り方があります。
体は、土地ごとの空気を覚えている
沖縄に移住してから、
私は空気を感じることが増えました。
那覇空港に降りた瞬間の、
モワッとした湿度。
雨上がりの道に残る匂い。
海の近くを歩いた時の風。
台風前の、
少し落ち着かない空気。
台風後の、
どこか洗われたような空と、
まだ湿り気の残る地面。
そうしたものを、
体が覚えていきます。
一方で、関東に行くと、
また違う空気を感じます。
移動の多さ。
人の流れ。
電車の時間。
道路の音。
建物の密度。
台風の時に気になる交通情報。
その土地には、
その土地の空気があります。
そして、
その空気に合わせて、
体も心も思考も反応します。
だから、ととのえ方は変わる。
どこにいても同じではない。
誰しもが同じではない。
沖縄にいる時のととのえ方。
関東にいる時のととのえ方。
出張中のととのえ方。
家に戻った時のととのえ方。
台風の前のととのえ方。
台風の後のととのえ方。
その時、その場所に合う力加減を探す。
その都度、調整していく。
それが、ととのえるということです。
自然は、思う通りには動かない
台風を通じて、
自然は人間の思う通りには動かないことを思い出します。
どれだけ予定を立てていても、
風が強ければ外に出られない。
どれだけ段取りをしていても、
交通が止まることがある。
どれだけやる気があっても、
体が気圧や湿度の影響を受けることがある。
私たちは、
日々の中で、
自分の予定や思考を中心に動きがちです。
でも、自然は、
その外側にあります。
そして、私たちの体も、
本来、自然の一部です。
だから、
自然が揺れる時、
体も揺れます。
暮らしが揺れる時、
心も揺れます。
予定が揺れる時、
思考も揺れます。
それは、
自然と共にある私たちの
自然な反応です。
土地の空気を受け取っている。
自然の変化を受け取っている。
暮らしの揺れを受け取っている。
そう見られるだけで、
自分への意識や感覚が少し変わります。
同じ台風でも、体に残るものは少し違う
沖縄で感じる台風と、
関東で感じる台風。
同じ台風でも、
体に残るものは少し違います。
沖縄では、
自然の近さが体に残る。
関東では、
都市の揺れが思考に残る。
沖縄では、
風や湿度を受け取る。
関東では、
予定や移動の判断を受け取る。
どちらが良い悪いではありません。
どちらが大変という話でもありません。
ただ、
土地が変われば、
台風の感じ方も変わる。
そして、
感じ方が変われば、
戻り方も変わる。
そのことを知っているだけで、
自分の体への見方が少し変わります。
「なんで疲れているんだろう」ではなく、
「何を受け取っていたんだろう」と見る。
「早く戻らなきゃ」ではなく、
「どこから戻せばいいんだろう」と見る。
「いつも通りにしなきゃ」ではなく、
「今いる土地と、今の自分に合う力加減は何だろう」と見る。
その問いが、
ととのえる入口になります。
土地に合わせて、ととのえる
ととのえるとは、
どこにいても同じ方法で、
同じように「整える」ことではありません。
沖縄には沖縄の空気があります。
関東には関東の空気があります。
台風の前には、台風前の体があります。
台風の後には、台風後の体があります。
湿った季節には、湿った季節の呼吸があります。
移動の多い日には、移動の多い日の思考があります。
その日、その場所、その体に合わせて、
力加減を「調える」。
それが、
「ととのえる」ということだと思っています。
同じ台風でも、
体に残るものは少し違う。
体の感じ方がは少し違う。
だから、
戻り方も、同じでなくていい。
沖縄で感じた台風のあとには、
体の緊張をほどくように。
関東で感じた台風のあとには、
走り続けた思考を少し休ませるように。
その土地の空気に合わせて、
自分の呼吸を戻していく。
自然と暮らしと体のあいだで、
今の自分に合う場所を探していく。
自分に合ったやり方を見つけていく。
そんなふうに、
少しずつ、自分をととのえていけたらいいですね。
ととのえ職人
五木田穣
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