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感じる力が、習慣を変えていく― 気づく、わかる、できるの順番 ―

ハイサイ。
ととのえ職人、五木田穣ごきたゆたかです。

このnoteでは、心と体と思考のズレをやさしくととのえる話を、日々書いています。

先日、
「気温より、湿度に疲れる日」という記事を書きました。

沖縄に帰ってきて、那覇空港に降り立った瞬間、
モワッとした空気を感じました。

気温だけで見れば、関東の方が高かったかもしれません。

でも、体が感じたのは、数字ではない暑さでした。

湿気を含んだ空気。
体にまとわりつくような重さ。
呼吸が少し浅くなる感じ。
肌の上に、空気が乗ってくるような感覚。

その時に思ったのです。

体は、数字より先に、空気を感じている。

そして、そこからもう一つ、書きたいことが出てきました。

それは、

感じる力があるから、気づくことができる。
気づくことができるから、対処することができる。

という話です。



体は、いつも先に感じている

私たちは、何かを変えようとする時、
すぐに「何をすればいいか」を考えます。

どうすれば、疲れにくくなるのか。
どうすれば、体調を崩さずに済むのか。
どうすれば、習慣化できるのか。
どうすれば、もっと整うのか。

もちろん、方法を知ることは大切です。

でも、その前にもっと大切なことがあります。

それは、
今の自分がどういう状態なのかを感じることです。

暑い。
重い。
だるい。
眠い。
呼吸が浅い。
肩に力が入っている。
お腹が張っている。
頭が働きすぎている。
心が少し急いでいる。

そうした小さな感覚に気づけないまま、
方法だけを増やしても、うまくいかないことがあります。

なぜなら、
自分の状態に合っていない方法を選んでしまうからです。

体は休みたいのに、さらに頑張る方法を選ぶ。
心は落ち着きたいのに、予定を詰め込む。
頭はもういっぱいなのに、さらに情報を入れる。
本当は減らしたいのに、足そうとする。

こうして、整えようとしているはずなのに、
かえって苦しくなることがあります。


気づく、わかる、できる

人の習慣が変わるまでには、

気づく、わかる、できる

という順番があります。

いきなり「できる」にはいきません。

まず、気づく

「あ、今ちょっと疲れているな」
「あ、呼吸が浅くなっているな」
「あ、体が重いな」
「あ、今日は無理に進めない方がよさそうだな」

そうやって、自分の状態に気づく。

次に、わかる

「湿度が高いから、体が重いのかもしれない」
「昨日、少し無理をしたから、今日は疲れが出ているのかもしれない」
「予定を詰めすぎて、余白がなくなっているのかもしれない」
「本当は休みたいのに、頭だけが急いでいるのかもしれない」

気づいた感覚に、少しだけ理解が加わる。

そして、ようやく「できる」に進みます。

今日は、少し早めに休もう。
予定をひとつ減らしてみよう。
水を飲もう。
深呼吸しよう。
少しだけ歩いてみよう。
スマホを見る時間を減らそう。
無理に考えるのをやめよう。
体を冷やしすぎないようにしよう。
いつもより少しゆっくり動くようにしよう。

こういう小さな行動が、
自分の状態に合った調整になっていきます。


感覚力がないと、対処がズレる

たとえば、体が重い日。

その重さに気づけないと、
私たちはすぐに自分を責めます。

「やる気がない」
「怠けている」
「もっと頑張らないと」
「ちゃんとしないと」

でも、体が重い理由は、
意志の弱さではありません。

湿度の影響かもしれない。
睡眠不足かもしれない。
気圧の変化かもしれない。
疲労が溜まっているのかもしれない。
心が少し緊張しているのかもしれない。

感じる力があると、
すぐに自分を責める前に、立ち止まることができます。

「これは怠けじゃなくて、体からのサインかもしれない」

そう思えるだけで、
選ぶ行動が変わります。

責めるのではなく、調整する。
無理に進むのではなく、少し休む。
詰め込むのではなく、余白をつくる。

感じる力は、
自分を責めないための力でもあります。


習慣は、感覚から育っていく

習慣化というと、
毎日やること、継続すること、仕組みをつくること、
そういうイメージがあるかもしれません。

もちろん、それも大切です。

でも、習慣は、
ただ根性で続けるものではありません。

本当に続く習慣は、
自分の感覚とつながっているものです。

体が楽になる。
呼吸が深くなる。
気持ちが落ち着く。
少し眠りやすくなる。
朝が少し軽くなる。
自分に戻った感じがする。

そういう実感があるから、
人はまたやってみようと思えます。

逆に、
どれだけ正しいことでも、
自分の感覚につながっていないものは続きにくい。

「やった方がいい」と頭ではわかっている。
でも、体が向かわない。
気持ちが乗らない。
続けるほど苦しくなる。

それは、意志が弱いからではなく、
まだ自分の中で、感覚と行動がつながっていないだけかもしれません。


教育とは、感覚を取り戻すことでもある

私は、教育というものを、
ただ知識を伝えることだとは思っていません。

もちろん、知識は大切です。

でも、知識だけでは人は変わりません。

知識が、自分の体感とつながった時、
はじめて行動が変わっていきます。

暑さについて、知る。
湿度について、知る。
疲労について、知る。
呼吸について、知る。
心と体と思考の関係について、知る。

そして、それらを自分の感覚と重ねてみる。

「あ、これのことかもしれない」
「今の自分に起きているのは、これかもしれない」
「だから、今日はこうした方がいいのかもしれない」

そうやって、
知識が感覚とつながった時、
人は自分で調整できるようになります。

  1. 教育。

  2. 感覚力。

  3. 調整力。

  4. 習慣化。

この順番が、とても大切です。

  1. 知ることで、感じ方が変わる。

  2. 感じ方が変わることで、気づけるようになる。

  3. 気づけるようになることで、調整できるようになる。

  4. 調整できるようになることで、少しずつ習慣になっていく。

だから、
習慣を変えようと思ったら、感覚力が必要なのです。


感じることは、弱さではない

現代は、感じることよりも、
考えることの方が重視されやすい時代です。

効率よく。
正しく。
早く。
無駄なく。
論理的に。
結果を出す。

そうやって頭を使うことは大切です。

でも、頭だけで進み続けると、
体の声や心の反応が置き去りになります。

疲れているのに、まだ大丈夫だと思う。
苦しいのに、これくらい普通だと思う。
休みたいのに、止まったらダメだと思う。
違和感があるのに、気のせいにする。

その小さなズレが積み重なると、
自分の状態がわからなくなっていきます。

だからこそ、感じることが大切です。

感じることは、弱さではありません。
敏感すぎることでもありません。
面倒なことでもありません。

感じることは、
自分を守るための力です。
自分に戻るための力です。


すぐに変えなくていい

ただし、感じたからといって、
すぐに変えようとしなくてもいい。

ここも大切です。

「あ、疲れているな」と気づいた。
でも、すぐに休めない日もあります。

「あ、力が入っているな」と気づいた。
でも、すぐに抜けないこともあります。

「あ、考えすぎているな」と気づいた。
でも、思考が止まらない日もあります。

それでいいのです。

気づいたからといって、
すぐに完璧に変えなくていい。

まずは、気づけたことが大切です。

気づくことは、
自分から離れすぎないための小さな始まりです。

そこから少しずつ、
わかることが増えていく。
できることが増えていく。
選べることが増えていく。

習慣は、急に変わるものではありません。

小さく気づくこと。
小さくわかること。
小さく試すこと。

その積み重ねが、
いつの間にか、自分の暮らしを変えていきます。


ととのえるとは、感じる力を取り戻すこと

ととのえるとは、
いつも完璧な状態になることではありません。

毎日同じように元気でいることでもありません。

気温や湿度が変わる。
予定が変わる。
体調が変わる。
心の状態が変わる。
考えていることも変わる。

その変化の中で、
今の自分に合う、力加減を見つけていくこと。

それが、ととのえるということです。

そのためには、まず感じること。

今日の体はどうか。
今日の心はどうか。
今日の思考は急いでいないか。
呼吸は浅くなっていないか。
力は入りすぎていないか。
何かを満たそうとして、余白を失っていないか。

そうやって、自分の状態にやさしく気づいていく。

感じる力が育つと、
自分を責める前に、調整できるようになります。

無理に変える前に、
今の自分を見られるようになります。

頑張るか、やめるかだけではなく、
少しゆるめる。
少し減らす。
少し待つ。
少し戻る。

そんな選択肢が増えていきます。


感じる力が、習慣を変えていく

習慣を変えるというと、
何か大きな決意が必要な気がします。

でも、本当は、
もっと小さなところから始まっていきます。

「あ、今日は少し重いな」
「あ、今、呼吸が浅いな」
「あ、ちょっと詰め込みすぎているな」
「あ、これは休んだ方がいいサインかもしれない」

そんな小さな気づき。

その気づきが、
行動を少し変える。

行動が少し変わると、
体の感覚が少し変わる。

体の感覚が変わると、
また気づきやすくなる。

そうやって、
感じる力と習慣は、少しずつつながっていきます。

気づく。
わかる。
できる。

この順番を、急がなくていい。

まずは今日、
自分の体が何を感じているのか。

そこに、少しだけ耳を澄ませてみる。

それだけでも、
ととのえることは、もう始まっています。

また、次の記事でお会いしましょう。

ととのえ職人
五木田穣


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