【創作大賞感想文】心に残った「珠玉の夫婦エッセイ」3選
今回、創作大賞に初めて応募した。応募してみると、そこには今までとは全く異なる景色が広がっていた。
今までにも作品を読み、感想を書いたことはあったが、単純に「おもしろい!」「すごい!」という感動しかなかった。
応募した瞬間、すべての作品はライバルとなる。おもしろい作品との出会いの感動は、恐怖へと変わる。
でも、その恐怖を忘れるくらい、「読めてよかった」と思える作品も多かった。わたしは書くより読む方が断然好きだ。それでも、書き手としての自分を思うとき、なぜわたしにはこんな風に書けないんだ!と身もだえする。
そんな葛藤と闘いながら読んだ中で、とりわけ心に残った珠玉のエッセイをご紹介する。
第1弾は、わたし自身にとって身近な「夫婦」について書いた作品にしぼってみた。
みくまゆさん「夫には内緒ですよ」:夫婦のやり取りが秀逸で、思わず笑顔になれる
みくまゆさんの強みは、その人物描写にある、と思う。
結婚10年を経た夫婦の淡々とした日常が、絶妙な会話劇で進んでいく。
みくまゆさんは旦那さまを魅力的に書こうとはしていないと思うのだけど、にじみ出ているのである。「みくまゆさんから見える旦那さま像」から、年月を経た夫婦のゆるぎない愛情が、駄々洩れているのだ。
このエッセイの魅力は、そこにあると思う。
さらに素晴らしいのが、みくまゆさんがダイエットを決意するときの心情描写である。ダイエットの目的が、決して「夫のため」にはならないこと。わかる、わかりすぎる…!と結婚18年を迎えるわたしは膝を打つしかない。
でもだからといって、愛がないわけではない。それが夫婦というものなのだ。
大塚ぐみさん「『毎日ハナコ』という、夫しか読者のいない日記連載をしていた話」:思いがけない着地に胸が震えた
ぐみさんのnoteは今回初めて読んで、いくつか一気に読みふけってしまった。その中で特にこの作品は、話の展開が予想を大きく裏切り、その分強く胸に響いた。
タイトルの通り、ぐみさんが夫に「毎日ハナコ」という短い日記をメールで「送りつけていた」という話。
こう聞いただけなら、「あ、そう」で終わってしまいそうなのだが、この話はそれだけでは終わらない。「なぜ毎日日記を送り続けたのか」という問いが、最後にまったく別の意味へ反転する。
ほのぼの読み進めると、予想外の展開に突き落とされるけれど、最後は静かなやさしい余韻に包まれる…感動さえ覚えるほどの。
余談だが、わたしも以前に少しだけ「毎日ハナコ」に似たことをしていた。一日ひとつだけ楽しいことを探して絵日記を書いていたのだ。(その話はわたし自身のエッセイに書いている)
あららさくらさん「愛おしき私のASD夫」:その特性ゆえに補い合える夫婦の愛おしさ
さくらさんはリケジョらしい。それゆえか、理路整然とASD(自閉症スペクトラム)やカサンドラ症候群についての説明が続く。でもすごく読みやすい。あっという間に作品世界に引き込まれる。
あるとき、頑固な不眠症に陥ったさくらさん。悩んだ末に、彼女はある行動を起こす。えええ?とちょっと驚いた。わたしもなかなかに手ごわい不眠症だが、同じことはできない。
そして、彼女の不眠症を支えるのが、ASDの夫のある行動。これが、まさに「ASDだからこそできたこと」なのだ。
そこまでの夫婦の経緯も丁寧に描かれているが故に、夫婦の愛おしさが、じんわりと心を包み込んでくれる。
創作大賞の応募作を読んでいると、こんなスゴイ作品を書ける人が全国にこんなにいるのか、と圧倒される。悔しくもあるが、それ以上に読者として幸せでもある。これからも、心に残った作品を少しずつ紹介していきたいと思う。
【創作大賞読書感想「夫婦エッセイ編」・終わり】
わたしも今回、エッセイ部門に応募しています。もし興味があれば、こちらも読んでいただけたらうれしいです。
◎「幸せになりたくて選んだ人生」が、間違っていた話
幸せとは?を考え続けた人生の行きついた先。特に、昭和から平成にかけて青春時代を生きた女性には共感していただけるかも。
◎36歳からの人生の作り方
これからクリエイターになりたいという30代、40代、50代の方に読んで欲しいエッセイ。しかし長いです(全25回)
なので、25回をテーマごとに分類し、興味あるページだけ読めるようにしました。
コチラ1話目。順番に読み進められます。
いいなと思ったら応援しよう!
もし、この記事を読んで「面白い」「役に立った」と感じたら、ぜひサポートをお願い致します。頂いたご支援は、今後もこのような記事を書くために、大切に使わせていただきます。