大河ドラマ感想記『豊臣兄弟!』決戦前夜
大河ドラマ感想記「豊臣兄弟!」
第一回:二匹の猿
第二回:願いの鐘
第三回:決戦前夜
第四回:桶狭間!
第五回:嘘から出た実(まこと)
第六回:兄弟の絆(きずな)
第七回:決死の築城作戦
第八回:墨俣一夜城
第九回:竹中半兵衛という男
第十回:信長上洛
主役の仲野太賀さん
普段ドラマを見る習慣がないので、主役の仲野太賀さんは大河を視聴するまで存じていなかった。ウィキペディアで確認して、驚愕の事実を発見した。
えっ、ちょっと待って?
父は俳優の中野英雄さんなの!?
とはいえ、中野英雄さんは北野武監督作品『アウトレイジ』でしか拝見したことがない。仲野太賀さんからは父親の面影をまったく感じなかったので、今でも信じられない。しかし演技の確かさは、やはり父親譲りといったところだろう。
「小一郎、力を貸してちょ」
兄の藤吉郎が弟の小一郎に言った「〇〇してちょ」は、どうやら名古屋弁らしい。続く場面でも名古屋弁が聞けるかと思っていたが、それらしいセリフは最後まで出てこなかった。
「大河ドラマで登場人物が現代語を話すのはおかしい」と文句を言う人がいる。しかし、そういう人ほど今回登場した宴の唄については知らないだろうから、真に受ける必要はない。面白ければ些細なことはどうでもいいと思うし、実際、大人気作品でそのような批判を耳にしたことはない。
かまってちゃんな小一郎
事あるごとに「帰る」と言い出す小一郎は、愛を確かめるために離婚を迫る妻のようなものだ。周囲の人間、特に直(白石 聖)はそのことを見透かしているからこそ、小一郎に発破をかけ、中村に帰るのを思いとどまらせた。
私のような視聴者は先の顛末を知っているので、小一郎を「かまってちゃん」にしか見えず、早く武士として活躍してほしいと思ってしまう。しかし、武士としての覚悟がどう定まっていくのか。それこそが『豊臣兄弟』の見どころなのだろう。
父の仇討ち展開
豊臣兄弟の父については、詳しいことがわかっていない。
父が味方に手柄を奪われたという設定は史実にないオリジナルストーリーなので、桶狭間の戦いでどのように仇討ちが描かれるのか興味深い。もし城戸小左衛門が討ち取られたら、また新たな憎まれ役が登場し、豊臣兄弟を苦しめることになるだろう。柴田勝家と敵対するまで、どれほどの強敵が立ちはだかるのか楽しみだ。
今川義元の器量
進軍しながら蹴鞠に興じる今川義元は、さすが東海一の弓取りと呼ばれた器量である。
織田信長の気力を削ぐという作戦は実に見事で、実際ドラマでは織田家の家臣はうろたえていた。日常だけでなく戦いにおいても焦ったほうが負けだ。落ち着いた者だけが勝利を導くことができる。
以前、世界的ベストセラーの「FACTFULNESS」を読んだのだが、そこにも焦りは禁物であると書かれていた。そのことを今川義元は知っていたのに、それでも桶狭間の戦いで自身の首が討ち取られてしまったので、織田信長が何枚も上手だったということなのだろう。
なんだかんだで、義元の嫡男・今川氏真は生き残り、今川氏の嫡流は1887年まで続いた。そう考えると、豊臣家よりスゴいと言えよう。
それにしても、今川義元を見るたびに大鶴肥満の顔がどうしても浮かんでしまう。顔立ちや雰囲気が似ているから芸名を大鶴肥満にした、という話を聞いたことがあるのでこればかりは仕方がない。桶狭間の戦いが終わるまでの我慢である。
草履取りの解釈
なるほど、そう来たか。
「秀吉の草履取り」は有名なエピソードの一つであるが、「父の仇の草履と間違えて信長の草履を盗んでしまった」という面白い展開となった。
豊臣兄弟はあれやこれやと信長の怒りを買わないようにと機転を利かせる。藤吉郎のおだて上手と小一郎の知恵が信長を感心させ、新しい草履取りのエピソードは兄弟二人の長所をより際立たせるものになった。
『光る君へ』以来
どこかで見たことのある徳川家康だなぁ、と公式サイトで俳優さんの名前を確認してウィキペディアでチェック。
『光る君へ』の周明といえば、紫式部の相手役で最期のシーンが多くの視聴者に衝撃を与えた。オリジナルキャラクターから豊臣兄弟と大変ゆかりのある史実上の人物とは大抜擢である。
端正な顔立ちの俳優さんが選ばれたのは、『どうする家康』への配慮もあるのだろう。個性派俳優だとギャップが大きくなってしまうからだ。松下洸平版の家康はどう立ち回るのか。こちらも楽しみである。
むすび
次回は序盤の大戦「桶狭間の戦い」が始まる。
織田信長の出陣と桶狭間の死闘の裏で、豊臣兄弟はどう父の仇討ちを行うのか。次回も見逃せない。
追加

『ドラマ感想文』応募作品の中でスキの週間一位を獲得しました。皆様ありがとうございます。感謝!!
《了》
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