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コラム38「正解がない」のに、決め続けなければならない──後継者の経営という仕事

会社を引き継いだ後継者から、よく出てくる言葉があります。

「何が正しいのかわからない」

これは、能力不足の話ではありません。

むしろ真面目で、責任感があり、
ちゃんと考えている人ほど、この状態になります。

なぜなら、
後継者の経営には“正解”が存在しないからです。


引き継いだ瞬間から、前提がズレている

承継直後の会社では、
こういうことが同時に起きます。

・既存事業は続いている
・でも、昔ほど利益が出ない
・幹部はベテラン化している
・現場は忙しい
・新しい挑戦もしなければいけない
・銀行対応もある
・社員の生活も背負っている
・創業者との比較もされる

つまり、
「守る」と「変える」が同時に来る。

しかも、
答えを知っている人はいません。


多くの後継者は「正解」を探し始める

だから最初、
多くの人はこう考えます。

・成功事例を探す
・コンサルに答えを求める
・セミナーを回る
・SNSで情報収集する
・“正しい経営”を学ぼうとする

もちろん、学ぶこと自体は大事です。

ただ、
ここで苦しくなる人が多い。

なぜか。

「自社の状況」が、
どれとも完全には一致しないからです。


後継者の経営は、“再現”ではない

ここを誤解すると、
かなり苦しくなります。

経営は、
他社の成功事例をコピーすれば上手くいく世界ではありません。

特に承継企業は、

・歴史
・人間関係
・資金構造
・幹部構成
・顧客特性
・地域性
・創業者の影響力

が全部違う。

つまり、
「自社としてどう意思決定するか」
を作らなければいけない。

これが、
後継者の経営です。


だから必要なのは、“正解”ではなく「判断基準」

現場で本当に必要なのは、
万能な成功法則ではありません。

むしろ必要なのは、

・何を優先するか
・どこまで投資するか
・何をやらないか
・どこで撤退するか
・誰に任せるか
・何を守るか

を決めるための、
「判断基準」です。

ここが曖昧だと、

・会議が終わらない
・幹部が動かない
・現場判断がズレる
・全部社長確認になる
・社長だけ疲弊する

という状態になっていきます。


不確実な時代に必要なのは、「未来予測」ではない

最近は、
未来予測や経営手法の情報が大量にあります。

でも実際の現場では、
予測通りに進むことの方が少ない。

だから重要なのは、

「未来を当てること」

ではなく、

「変化しながら意思決定できること」

です。

・小さく試す
・キャッシュを守る
・違和感を放置しない
・現場の変化を見る
・撤退基準を持つ
・都度、前提を見直す

この積み重ねが、
実は“死なない経営”に繋がります。


後継者が本当に苦しいのは、「孤独」より“整理されていない状態”

相談現場で感じるのは、
後継者は「孤独」そのものよりも、

“頭の中が整理されていない状態”

で苦しくなっていることが多いということです。

・問題が混ざる
・感情と論点が混ざる
・優先順位が混ざる
・守りと攻めが混ざる

その状態で考え続けると、
人は動けなくなります。

だから必要なのは、
「答えをもらうこと」ではなく、

“考えられる状態を取り戻すこと”

なのだと思います。


最後に

後継者の経営は、
正解を探す仕事ではありません。

不確実な状況の中で、
会社としての判断基準を作り、
決め続ける仕事です。

だからこそ、
一人で抱え込みすぎると、
思考が止まります。

もし今、

・何を優先すべきかわからない
・会議しても整理されない
・全部自分が抱えている
・考えているのに進まない

そんな状態が続いているなら、
それは能力不足ではなく、
「整理されていない状態」なのかもしれません。

私は普段、
後継者・第二創業・新規事業責任者の方を中心に、

・論点整理
・意思決定の前提整理
・会議設計
・判断基準の言語化

などを通じて、
“考え続けられる状態”を一緒につくる支援をしています。

必要な場合は、
60分の壁打ちからでも大丈夫です。

※事例は一部加工しています。実在の企業・人物とは関係ありません。


📩 初回60分相談はこちら
「幹部が動かない」「会議が決まらない」「自分が抱えすぎている」
そんな状態を、構造から一緒に整理します。

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✉ info@jissenstrategy.com

熊谷 篤
実戦経営アドバイザー/中小企業診断士

承継・第二創業・新規事業の現場で、経営者が判断できる状態をつくる伴走支援を行っています。

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