食品製造は屋内でも守られていない――温度管理、原材料高、定着難が利益率を削る
みなさま、おはようございます。東城です。
【1,023字】
食品製造業は、屋内産業であるため外気の影響が小さいと思われがちですが、実際には温度管理負担、電気代高騰、原材料価格の不安定化、人材定着難によって利益率が強く圧迫されています。
外国人材の受入れは進む一方、衛生・安全・品質管理の教育負担が増え、現場の運営力がそのまま収益差に直結する時代に入りました。
食品製造の現場は、一見すると農業や建設より気候変動に強いように見えます。しかし実態は逆で、屋内だからこそ温度と衛生を守るコストが重い産業です。
夏場の工場内は、加熱工程、包装工程、冷却工程、洗浄工程が重なり、現場ごとの温度差も大きくなります。
冷房で全てを解決できるわけではなく、工程ごとの衛生基準や温度帯管理が必要になるため、電力負担は単純な事務所空調よりはるかに大きくなります。
そこに物流費上昇と原材料高が重なります。小麦、油脂、乳製品、肉類、包装資材、調味料など、多くの原料は国内外の天候や地政学リスクの影響を受けやすく、価格が不安定です。
つまり食品製造業は、工場の中にいながら、外の世界の変化を原価で受ける産業なのですね。
外国人雇用も、この産業では重要な柱になっています。しかし、食品工場で必要なのは単純労働力だけではありません。衛生ルール、異物混入防止、機械の安全、温度管理、鮮度の判断基準、作業速度、ライン全体の連携、報告の正確さ、など、多くの学習が必要です。
ここで母語教育や指導体制が弱いと、品質事故、ケガ、離職が発生しやすくなります。
採用はできても定着しない、あるいは定着しても品質面の不安が残る、という悩みが広がりやすいです。
今後の食品製造業は、人手不足産業というより、原価管理と現場教育の再構築産業として見るべきです。価格転嫁できる企業とできない企業、教育に投資できる企業とできない企業、電力負担を吸収できる企業とできない企業の差が、はっきり広がっていくでしょう。
実務への指針
食品製造分野では、外国人材の雇用の提案をするなら、採用人数よりも、衛生教育、作業理解、母語対応、離職防止まで含めた品質と定着を守る設計を前面に出していくように気をつけていきたいです。
次回のテーマ
工場や物流の苦しさは、企業の中だけでは完結しません。地域の道路、交通、医療、生活基盤が弱ければ、人は残れません。次回は、その土台となる地域インフラを見ていきたいです。
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