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「また仕事が続かなかった…」HSPで転職を繰り返すあなたへ。特養で16年続けたOTが答える6つの問い

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履歴書を書きながら、ふと手が止まる。

職歴の欄に、また一つ職場が増える。「自分はどこに行っても続かないのかもしれない」。そう思った夜が、何度かあるかもしれない。

ネットで「HSP 仕事 続かない」と検索すると、「1年半続けば良い方」「転職を繰り返してしまう」という相談がたくさん出てくる。同じように感じている人が、たくさんいる。

私は作業療法士として16年、5つの職場を経験してきた。社会人1年目は1年で辞めた。大阪のリハビリ病院は4年。地元のデイケアは3年(リストラ)。精神科は2年。そして今の特養で7年目を迎えている。

HSP・ISFJ気質を持つ私が、5回職場を変えながらも、結果として16年支援職を続けてこられた。今日は、その経験から見えてきたことを、6つの問いに答える形で正直に書いていきたい。

「続かない自分」を責めている人に、少しでも届けばと思っている。


Q1. 「HSPだと仕事が続かないのは普通ですか?」

正直に答える。

HSPだから仕事が続かない、というのは違うと思っている。

私は今の特養で7年目を迎えている。10年近く働けそうな感覚がある。HSPでも、続けられている。

ネットで「1年半続けば良い方」という声を見ると、たしかにHSP特有のしんどさはわかる。でも全面的には共感できない。3年以上続いている人の方が、現場感覚としては多いと思う。

では何が「続く・続かない」を分けるのか。

私は、**HSP気質そのものではなく、「自分らしくいられる環境を選べたかどうか」**だと思っている。

具体的に言えば、続かなくなる要因はいくつかに絞れる。人間関係(横の関係も縦の関係も)。職場の規模感。自分が今、どこまで他者を受け入れられる精神状態にあるか。そして職場環境そのもの。

これらが自分にとって重なりすぎると、どんなに気質が強くても、いずれ限界が来る。

逆に言えば、自分にとって「しんどくなる要因」が少ない環境を選べれば、HSPでも続けられる。

これは精神論ではなく、5つの職場を経験した私の実感だ。


Q2. 「『辞めたい』のは甘えですか?」

これは断言したい。

辞めたい、は甘えじゃない。

人にはそれぞれ違う辛さがある。私以上につらい思いをしている人もいる。私自身、何度もつらくなって職場を退職してきたが、精神論でどうにかなる問題ではなかった。

追い詰められた人間の辛さは、追い詰められたことがある人間にしかわからない。

社会人1年目、私は毎晩23時まで罵倒され続けていた。「この書類なんで間違ってんのよ?こんなんもできやんのか?」と机を叩いて怒鳴られた。「これ間違えたんやから他の部署に謝ってこい」と言われた。

私はただ、つらかった。逃げ場もなく、頼る人もいなく、本当につらかった。

(この時期の詳細は、別の記事に書いている。よければ最後にリンクを貼っておく)

ただ、ここで一つだけ、伝えたいことがある。

**辞めるか踏ん張るか、の分かれ目は「頼れる人が一人でもいるかどうか」**だと思っている。

誰も頼れない職場なら、辞めた方がいい。一人でも頼れる人がいるなら、頼ってみてからでも遅くない。

自分の弱さをさらけ出すことは、悪いことじゃない。恥ずかしいかもしれないけれど、弱い自分を認めて、相手に知ってもらうのも勇気がいる。泣いたっていい。

自分のことを知ってもらって、それでも環境が変わらないなら、その時こそ環境を変えるべきだ。

逆に、信頼できそうな人がいるのに「どうせダメだろう」「内面をさらけ出すのが不安」と思って動いていないなら、そこにこそ勇気が必要かもしれない。

「踏ん張る」というのは、我慢することではない。自分をさらけ出してみる勇気のことだ。


Q3. 「HSPに向いている仕事って結局何ですか?」

ネットを見ると、「HSPに向いている仕事リスト」がたくさん出てくる。在宅ワーク、クリエイター、図書館司書、カウンセラー。よく挙げられる職種だ。

これに対して、私の率直な意見を書く。

カウンセラーは、ある意味私の仕事に近い。向いている部分はあると思う。ただ、人の感情を深く受け取り続ける仕事だから、HSPだからこそしんどい部分もある。全員に合うとは限らない。

在宅ワークは、人と関わる時間が少ないので合うと思う。私自身、もし作業療法士でなければ、機械的な作業の仕事をしたかった時期もある。

図書館司書は、利用者から見られる立場でもあるし、人とも関わる。「人と接しないから楽そう」というイメージとは少し違う気がする。

クリエイターは、そういう閃きがある人ならいい。でも誰でもできる仕事ではない。

そういう意味では、noteでの副業は、HSPの適職に近いかもしれない。自分のペースで、自分の言葉で、書ける時に書ける。

ただ、ここからが本題だ。

「向いている仕事リスト」よりも大事なものがある。

私が16年支援職を続けてこられた理由を一言でまとめるなら、**「やりがい」「楽しさ」「居心地」**の三つに尽きる。

今の特養は、もちろん疲れる場面もある。でも「居心地」が良くなった職場だ。だから「すぐに辞めたい」という気持ちにはならない。

職種より、この三つが揃うかどうか。それが本質だ。


そしてもう一つ、意外に思われるかもしれないが、HSPの方に介護職を一つの選択肢として伝えたい。

「HSPは対人職を避けるべき」という意見をよく見る。でも私は、現場16年の感覚として、介護はむしろ向いている人がいると思っている。

理由は三つある。

一つ、利用者様をお世話する仕事がベースなので、相手の細かい変化に気づけるHSPの感受性が、そのまま強みになる。

二つ、やりがいを感じやすい。「ありがとう」が直接返ってくる仕事は、思っている以上に少ない。

三つ、2025年問題で人手不足が深刻化している今、求められている職種だ。働き口を選びやすく、職場環境の選択肢も多い。

もちろん人間関係のしんどさは介護現場にもある。でも「対人職=HSPに不向き」と一括りにするのは、違うと私は思っている。


Q4. 「特養という"重い現場"でなぜ16年続けられたんですか?」

特養は、看取りがある。認知症の方への対応がある。多職種連携がある。一般的にはHSPに最も重そうな環境だ。

なぜ続けられたのか。

正直、特養に来た当初、看取り期の利用者様を見て驚いた。

「飲まず食わずなのに、放っておいて大丈夫なの?」

それまで病院で働いてきた私には、看取り期の自然な経過というものが、最初は理解しきれなかった。

でも今は違う。死は誰にでも訪れるもので、それを変えることはできない。看取り期の方が穏やかに最期を迎えられるよう、ポジショニングや環境を整えること。それが私の役割だと、ようやく腑に落ちた。

思い入れの強い利用者様の看取りでも、感覚は変わらない。もちろん寂しさはある。でも「しんどい」という消耗ではない。


そして、HSP気質が強みになる瞬間が、特養にはたくさんある。

一番大きいのは、利用者様の訴えをしっかりと受け止められることだ。

過去の記事に書いたが、認知症が進んでも、人は感情を残している。言葉にならない不安、表情のわずかな変化、声のトーン。それを丁寧に拾えるのは、HSP気質があるからこそだと思っている。

繊細さは、消すべき欠点ではない。使い方を知れば、誰かを支える力になる。


ただし、特養でも消耗する瞬間はある。

上司に「ちょっと来て」と呼ばれた瞬間、心臓がドキッとする。

「何かやらかしたかな」と反射的に考える。理性では「そんなはずない」とわかっていても、体の方が先に反応する。

マルチタスクになりすぎた時も、HSPの脳は限界が早い。複数の感情、複数の依頼、複数の判断が同時に押し寄せると、処理が追いつかなくなる。

社会人1年目の罵倒の記憶は、16年経った今でも、こういう瞬間にうっすらと顔を出す。完全には消えない。たぶん、これからも消えないと思う。

でも、消えなくていいと、今は思っている。消えないまま、消耗しすぎない働き方を選べばいいだけだから。


Q5. 「辞めたいけど辞められないとき、どうすれば?」

私自身、「辞めたいけど辞められない」期間があった。

社会人1年目だ。

国家試験に落ちて、浪人しながらリハビリアシスタントとして働かせてもらっている、という負い目があった。「辞めたら次がない」と本気で思っていた。

辞めたいのに辞められない。本当につらかった。

その時期に、PTの主任から言われた言葉を今でも覚えている。

「お前、ケツ割って逃げるんか?」

OTの主任には、毎日罵倒されていた。STの主任とはあまり接点がなかった。誰にも頼れない、四面楚歌の日々だった。


正直に言う。

「辞められない時期に何をしておけばよかったか」と聞かれても、当時の私には何もできなかった。副業も、運動も、人脈作りも、貯金も、何の役にも立たなかった。

だから今、過去の自分にアドバイスするなら、こうだ。

もっと早く逃げた方がよかった。

義理を通してしんどい思いをする必要はない。それは自分の課題じゃない。アドラー心理学で言う「課題の分離」を、当時の私は知らなかった。

「ケツ割って逃げる」は、立派な選択だ。逃げることと撤退することは違う。自分を守るための判断は、弱さではない。


ただ、本当に経済的・状況的に辞められないという人もいると思う。

そういう人にもう一つ伝えたいのは、「辞めるための準備期間」として、今の時期を捉え直すことだ。

ゆっくりと別の職場をリサーチする。少しでも自分を出しやすそうな環境を探す。面接で「人間関係はどうですか」「離職率はどれくらいですか」を聞いてみる。

辞められない期間を、ただ耐える時間にしないこと。次に行くための情報収集の時間に変えること。

それだけで、心の持ちようが少し変わる。


ちなみに私自身、今でも上司からの急な呼び出しはネガティブに考えてしまう。16年経っても、ここは変わらない。

でも知識も経験も身につけてきたから、ネガティブに考えても、その先で持ち直せる。それが、続けてきたことの一つの収穫かもしれない。


Q6. 「HSPだと職場でカミングアウトすべきですか?」

結論から言うと、ケースバイケースだ。

私自身、今の特養ではHSPであることをカミングアウトしていない。言う機会がなかったし、今のところうまくやれているからだ。

ただ、特養に勤め始めた頃、もし同じようにつらくなることがあったら、言っていたかもしれない。HSPという言葉を知ったのも、ここ数年の話だ。


カミングアウトするかどうかの判断基準は、いくつかある。

理解のありそうな上司や仲間が一人でもいるなら、伝えるべきだと思う。

ありのままの自分を知ってもらわないと、相手もこちらを理解できない。HSPじゃない人には、私たちが何に対して傷つくのか、本当にわからない。それは相手が悪いのではなく、感覚が違うから当然のことだ。

逆に、**退職することが既に決まっているなら、言わない方がいい。**伝えても、状況が変わらないなら、消耗が増えるだけだ。

そして、現状を打破したい、環境を良くしたいと思っているなら、勇気を出して伝えるべきだ。

Q2で書いたことと重なるが、自分をさらけ出す勇気は、現状を変える唯一の方法だったりする。


ただ、これだけは伝えておきたい。

相手が何に対して傷つくのか、HSPじゃない人にはわからない。

これは責めているのではなく、事実として書いている。だから、伝えなければわからない。伝えても完全には伝わらないかもしれない。それでも、伝えることでしか動かないものがある。


おわりに

5回辞めて、それでも16年続いた。

私が伝えたいのは、「続けることが偉い」という話ではない。続けられた職場と、続けられなかった職場の両方があった、というだけの話だ。

辞めたい時は、辞めていい。逃げたい時は、逃げていい。

ただ、その先でまた別の場所を探して、もしHSPの自分に合う「居心地」を見つけられたなら、案外続いていくかもしれない。

私の場合、それが特養だった。あなたの場合は、別の場所かもしれない。

「続かない自分」を責める必要はない。続かないのは、まだ自分に合う場所に出会っていないだけかもしれないから。

今日も、誰かが履歴書を書いている。「また転職か」と思いながら。

その一人に届けば、と思って書いた。


作業療法士16年目|特養・ユニットケア勤務|元認知症ケア指導管理士|HSP・ISFJ


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