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ラブバグ(虫)の存在の空しさに思ったこと

数年ぶりに、あの虫をよく見かけるようになった。
大量発生とまではいかないけれど、歩いているとあちこちで視界に入る。 ラブバグ。 その名の通り『愛の虫』——四六時中、オスとメスがくっついたまま飛び回る、黒い虫。

短い命のほとんどを交尾しながら過ごし、人には嫌がられ、美しい夏を楽しむ暇もなく消えていく。 大量の卵を産んでも、我が子の顔を見ることもない。 神様はどうして、こんな生き物を作ったのだろう。

病院の建物の壁に、はいつくばる彼らを目にした。
中に入って、すっかり小さくなってしまった大好きな義理ママの病室に入る。手術を終えたばかりで、まだ痛みを抱えている彼女が、私の手をぎゅっと握って、つぶやいた。 「どうして神様は、私をこんな目に合わせるのかしら」

多少の不運や都合の悪さなら、「これも成長のため」とか「人生の肥やし」なんて理由をつけて納得させることもできる。 けれど、世の中にはどれだけ考えても、どうしても答えが出てこない理不尽がたくさんある。

すべてに意味を求めても、きっと無駄なのだ。

いつでも無理に前を向いて、ポジティブに生きられるわけでもない。 ただ、答えのない現実に直面したとき。 せめて、目の前のものに対して、優しい気持ちでいられたらいいなと思う。

自宅に戻って窓を開けたとたん、1匹のラブバグがのこのこと歩きながら入ってきた。人を刺すわけでも病気を運ぶわけでもない。パートナーを探しまわっているのだろうか。1週間足らずの命を、ここで終わらせることもないよ、と窓の外に追いやった。

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