休職のリスク・デメリット、全てまとめてみた
休職のお悩み相談をしている、きゅうまるです。
休職は、心や体を守るための大切な選択肢です。
ただ ── 私が実際に休職してみて、そして多くの休職相談を受ける中で痛感したのは、「休む」ことで守れるものもあれば、削られていくものが多すぎるという現実でした。
お金、人間関係、キャリア、制度上のリスク…。
この記事では、7つの側面から、休職のデメリット30個を具体的に載せています。
労務の現場で数多くのケースを見てきた社労士経験者として、そして自分自身が休職を経験した立場として、休職のデメリットとリスクを余すことなく解説します。
ちなみに、時間がない方は、各章の最後にある「🏷️ミニまとめ」だけ読めばOKです。
これから休職を検討している方も、すでに休職中の方も、ぜひ参考にしてください。
①制度上のリスク ─ 契約・規定・社会保険
▶休職は法律で保障されておらず、休職制度がない会社もある
「診断書を出せば休職できるだろう」と思っていたら、そもそも制度がなかった…というケースも実際にあります。
「就業規則に定めがない=休職できない」と決まったわけではありませんが、「絶対に休職できる制度」というわけではありません。まずは会社の就業規則の確認が必要です。
▶休職期間には上限が設けられている
「最長6か月」「最長1年」と決まっているケースが一般的です。
期限までに復職できなければ、自動的に退職扱いとなることもあります。
あと少しで回復しそうなタイミングで、退職を迫られる人も少なくありません。
ただ、実は、「期間満了=必ず退職」ともいえないんです。
(参考記事👇)
▶原職復帰の保証がない
復職後、必ずしも元の部署や役職に戻れるとは限らず、人員配置や組織再編の影響で別部署への異動や降格が行われる場合もあります。
法律的にも「原職復帰の義務」はなく、会社には配置転換の裁量があります。逆にいうと、元の部署への復帰が難しいことも珍しくありません。
▶休職期間中の評価は停止・マイナスになることが多い
休職期間中は、査定・評価的は停止・マイナスになることが多いです(制度上明確にマイナスとされているケースあまりないですが)。
また、昇給や昇進試験の受験資格がリセットされることも。
この結果、復職後の給与やキャリアの進み方が遅れる可能性があるのです。
▶有給休暇が減る、もしくはゼロに
有給は「出勤率8割以上」で付与されるため、長期休職で条件を満たせなければ翌年の有給がゼロになることも。
復職直後に有給がないと、通院や体調不良の際に困る場面が出てきます。
詳しくはこちらの記事で👇
▶育児休業・介護休業の給付金、失業手当が貰えなくなるケースも
長期間休んでいたり、在籍期間が極端に短い場合でなければあまり影響はないですが、育児休業給付金や介護休業給付金、失業手当が受給できなくなる可能性もあります。
▶福利厚生の一部が利用できなくなる
資格取得支援や社員割引など、一部の福利厚生は休職中に利用不可となることも。
スキルアップや自己投資の機会を逃すことにつながります。
💬私のひとこと
私も昔は「休職制度はどこも同じ」と思っていましたが、実際に就業規則を読むと条件の違いに驚きました。休む前の確認が命です。
🏷️ミニまとめ ー 制度上のリスク
📌法律保障なし/期間上限あり/元場所復帰とは限らない
📌評価・有給・給付金・福利厚生まで影響が波及しやすい
②お金のリスク ─ 傷病手当金や収入減の影響
▶給与が減る、またはゼロになる
私傷病休職は多くの場合、無給であり、唯一の収入は傷病手当金(ざっくり給与の約3分の2)ですが、手取りは現役時より大きく減ります。
固定費や生活費の見直しが必要になることも少なくありません。
(参考記事👇)
▶収入が途絶えても、社会保険料や住民税の支払いは続く
特に住民税は前年の所得で計算されるため、初年度は負担が重く感じやすいでしょう。
また、傷病手当金が給与の2/3支給されるとしても、実際に手元に残るのは5割〜6割程度が相場です。
(参考記事👇)
▶賞与が減額または支給対象外になることも
勤務実績や評価期間によって額が変わるため、休職期間が長ければ減額や不支給となる場合も。
治療費の足しにと期待していた人にとっては大きな誤算となります。
なお、ボーナスは支給日の数カ月前の期間を基に算定されることが多く、休職してすぐにボーナス支給日を迎える場合は満額支給となることもあります。
▶退職金算定額が減る可能性
休職期間が勤続年数にカウントされない、もしくは評価・基本給の低下によって退職金額が下がることにつながります。
長期休職で据え置き給与が続けば、将来の退職金が数十万円単位で減ることもあるのです。
▶副業は基本的に認められない
療養専念義務により、就業規則上、副業は禁止されていることがほとんどです。
軽作業や在宅ワークでも許可なく行えば懲戒対象となる恐れがあります。
また、就業規則に休職中の副業禁止の明記がなくても、休職中は原則として認められません。また、傷病手当金の支給停止につながる可能性も高いです。
休職中は素直に休みましょう。
(参考記事👇※長いです)
💬 私のひとこと
「傷病手当金があるから大丈夫」…私もそう思っていました。固定費の重さと、手取りが5〜6割になる現実に、早めの家計見直しが必須だと痛感しました。特に、社会保険料…重い(涙)
🏷️ミニまとめ ー お金のリスク
📌手取りは5〜6割へ/社会保険・税金、家庭の固定費は続く
📌賞与・退職金ダウン/副業NGまで見据えた資金計画を
③キャリアのリスク ─ 昇進・評価・転職活動への影響
▶会社からの心象が悪くなる
たとえ制度上は査定・評価に影響しないとされていても、実際にはマイナス評価を受けるケースが多く、出世しづらくなるのが現実です。
ケガや一時的な病気であれば影響は限定的ですが、精神疾患の場合は厳しく見られる傾向が強いでしょう。
▶転職活動の大きな足かせに
休職歴を履歴書や職務経歴書に必ず記載する必要はありません。
休職中も在籍はしているため、形式的にはブランクにはなりませんが、長期化すると転職先にバレる場合があります。
もし、精神疾患による休職を選考過程で伝えた場合、不採用となるの確率が跳ね上がります。
また、選考過程で、健康状態や通院状況を聞かれたり、申告させられたりすることも多く、虚偽が発覚すれば懲戒処分の対象になることも。
休職経歴を公表すれば転職難易度は大幅に上がり、伏せたまま活動すれば入社後までリスクを抱えることになります。
(休職者の転職については、マガジンにまとめています👇)
▶業務知識やスキルの陳腐化も避けられない
休職中に業務フローや業界動向が変化し、復職後に「浦島太郎状態」になることも珍しくないのです。休職期間が短期であればあまり問題にはなりません。
▶社内での存在感や発言力が低下
プロジェクトから外れ、重要会議に呼ばれなくなるなど、影響力の低下は心理的にも大きなダメージとなります。基本的には、「休んでしまった」という罪悪感からも、自分の主張がしずらくなります。
▶復職後に業務量や責任が減る
配慮として負担軽減される一方、「重要なポジションには戻せない」という判断から、昇進ルートから外れるケースも少なくありません。
💬 私のひとこと
復職初日、「席も役割も変わっていた」現実に、胸の奥がズシンと重くなる方も多いよう。私は、休職中に転職活動をしましたが、本当にやりにくかったです。
🏷️ミニまとめ ー キャリアのリスク
📌評価・存在感は下がりやすい/転職は難度アップ
📌スキル維持と、休職歴の開示・非開示それぞれの方針決めが必須
④人間関係のリスク1 ─ 職場の人との距離感
▶同僚や上司との距離感が生まれる
物理的に離れているだけでなく、心理的距離も広がり、復職後には雑談や情報共有の輪に入りづらくなることがあります。あれ、飲み会に誘われなくなったな...なんてことも。
▶職場の人間関係が変化
異動や退職、新入社員の加入などで、復職時にはまったく新しいメンバー構成になっている場合も少なくありません。
その場合はゼロから関係を作り直す必要があり、大きなエネルギーを消耗します。
▶職場の理解が得られにくい
精神疾患による休職は特に、周囲からの理解を得られない場合が多く見られます。
誤解や偏見が根強く残れば、居心地の悪さが長引く可能性も否定できません。
💬 私のひとこと
私の職場でも、今まで呼ばれていた集まりや飲み会にも、復職後は呼ばれなくなった人もいました…
また、休職中、ちょっとした言葉が誰かのNGワードになっていて、それを知らず地雷を踏んだなんて話も。
🏷️ミニまとめ ー 人間関係のリスク2⃣
📌同僚・上司と溝ができる可能性がある
📌人間関係の再構築が必要になることも
📌理解不足から「居づらさ」が生まれる
⑤人間関係のリスク2 ─ 家族・友人・ご近所さん
▶家族に対して申し訳なさ・情けない気持ちが生まれる
「収入が減っているの…」という負い目を感じやすくなります。
家族が働く姿や疲れて帰宅する様子を見ると、「自分はまだ戦力外だ」という情けなさが胸に広がります。
その感情を溜め込むと関係悪化につながるため、感謝や現状を素直に共有することが大切です。
また、夫婦関係や恋人関係では、立場がどうしても弱くなりがちです。
▶友人に説明しづらい、優しい言葉が時には重荷になることも
外出や遊びの誘いを受けても、「働いていないのに楽しんでいいのか」という罪悪感が芽生えがちです。
説明しづらさから距離を置くようになり、結果的に孤立感が強まる可能性もあります。
そもそも、友達には休職の話をしなかったことで、やりづらさがストレスになることも。
付き合いを断ち切らず、自分のペースで交流できる環境を工夫することが大切です。
▶ご近所さんの視線
休職中は、昼間に外を歩くだけでも近所の目が気になることがあります。
特に小さな町では噂話の種になることも。本人は療養中でも、周囲には事情が伝わらず誤解されやすいのが現実です。こうした視線や噂への不安が、余計なストレスにつながることも。
ただ、今はテレワークのある時代なので、そこまできにならないかもしれませんね。
💬 私のひとこと
私の場合、妻に申し訳ない気持ちで心が張り裂けそうでした。友人と会う場面では、何を・どこまで言うか?など、ただ遊ぶだけなのに、考えなければいけないことが増えるので疲れることも。
🏷️ミニまとめ ー 人間関係のリスク2⃣
📌家族に対し後ろめたさが生まれやすい
📌友人には説明しづらく疎遠になることも
📌優しい言葉が、時には重荷になってのしかかる
📌ご近所さんの目線が気になる
⑥心と生活のリスク ─ 習慣や体力の低下、心の負担
▶生活リズムの乱れ
通勤がなくなることで生活リズムは乱れやすくなります。
起床や就寝時間が崩れ、一度崩れた習慣を元に戻すには時間と努力が必要です。
▶罪悪感の重くしかかる
「自分だけ働いていない」という感覚で、罪悪感が重くのしかかります。
これが社会的孤立感を増幅させ、メンタルの回復を妨げる要因になり得ます。
友人や家族との会話が気まずくなるケースも少なくありません。
▶つきまとう不安感、憂鬱
休職中の不安は想像以上に大きなものです。
キャリア、お金、人間関係、将来…とにかくあらゆることが不安の対象になり得ます。
とにかく時間があるため、ネガティブなことをグルグル考え続けたり…
私にとっては、これが休職の代償として最も重くのしかかった要素でした。
休職中、私はこんな気持ちがずっと続いてました👇
▶「働く力」がなくなる
体力や集中力、コミュニケーション能力など、働くための基礎的な力が低下します。
復職初期にいきなり全力で働くのは、現実的に難しいでしょう。転職する場合は周りの配慮がないため、もっとしんどいかもしれません。
💬 私のひとこと
朝10時に起きても「まだ眠い」。そんな日が続き、働く自信が遠のきました。将来、お金、キャリア…色んな不安が強烈に襲い掛かってきます。この「不安感」は、休職中に最も私を悩ませた悪魔でした。
🏷️ミニまとめ ー 心と生活のリスク
📌生活リズムが崩れ、復職時苦労する
📌体力、能力、コミュ力など、「働く力」が低下
📌罪悪感・不安は大きいので覚悟が必要
⑦復職後のリスク ─ 影響はあとにも残る
▶復職後も給与は低下
慣らし勤務期間中は短時間勤務や軽減業務が多く、その分給与も減ります。
生活設計の見直しを迫られることになるでしょう。
▶復帰後の再発に要注意
復職直後に繁忙期や人手不足が重なると、想定以上の負担がかかります。
結果として、再び体調を崩すリスクが高まるのです。
一度休職した人が、再度休職するというケースは多いです。自分の体力や気持ち、能力が落ちていることを自覚していないと、より再発のリスクが高いといえます。
▶理解のある人がいなくなったら
上司や同僚のサポート体制に依存している場合、その支援者が異動や退職をすると環境が一変します。
それまで築かれていた復職環境が、一気に厳しいものになる可能性があります。
💬 私のひとこと
「戻ったら助けてくれるはずの上司」が、復職前に異動。考えただけで恐ろしいです。守ってくれる環境が必ずしもあるとは限らないのですね。
🏷️ミニまとめ ー 復職後のリスク
📌給与はしばらく戻らない前提
📌繁忙×再発リスクに備える/支援者を複数確保
最後に
しんどかったら、休むべき。
本来、「デメリットがうんぬん」、「リスクがどうだ」を気にする必要はありません。
ですが、休職者の相談を受ける中で、「知らなかった」では済まないケースを多く見てきました。
とにかく、「休職」というのは、関わる領域が多すぎて全体像が見えにくいんです。
そして厄介なのは、「間違っていた」と気づくのがいつも後からだということ。
今のあなたに、見えていないリスクはありませんか?
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
「ちょっと気になるな」と思っていただけたら、ぜひフォローしてもらえると嬉しいです。
きゅうまる
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