はじめての学級経営④休み時間 その2
学級経営の中でも「生の声」が聞こえやすいのが休み時間です。
授業と授業の間、子どもたちの声が校庭や廊下に響くあの時間。
担任は、何を大切にしてどのように過ごせばよいのでしょうか。
実は、この休み時間の過ごし方を丁寧に押さえることが、学級経営成功のカギになります。
本記事では、「5分休み」「20分休み」「昼休み」それぞれの時間帯で「何を」「どう」過ごせばいいのか、具体的な方法とポイントを紹介します。
最後まで読むと「これなら自分にもできそう!」と感じ、子ども達と先生の心身を整え、成長をうながす休み時間を迎えられるようになると思いますよ。
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▲こちらの記事を読まれた方は【2.「20分休み」の過ごし方】からご覧ください。
<目的>
担任としての休み時間の過ごし方を理解する
<要点>
<休み時間で大切にしたいこと>
「子ども達が"安心して休める"休み時間にする」
「子ども達との信頼関係を構築する」
「先生も子ども達も病気の予防をする」
「先生も子ども達も心と体を休める」
「先生も子ども達も次の時間の準備をする」
「子ども同士の関係性を育む休み時間にする」
<手法一覧>
職員室、教室で休む/一緒に遊ぶ(校庭、室内)/全体を見る(ひとりでいる子、遊びの誘いに乗らない子など)/遊びに誘ってみる/準備の仕方を教える/手洗い・うがいをする/担任は徐々にフェードアウトして子どもだけで遊ぶ機会を増やす
<関連コンテンツ>
1.「5分休み」の過ごし方
授業と授業の間にある短い休み時間、"5分休み"。
子どもたちにとっては、ほんの一瞬の時間かもしれません。
しかし、短い時間であっても担任は5分休みを蔑ろにしてはいけません。
次への準備をすることで、"心と体"が学習に向かえるように整える時間になります。
⑴「5分休み」と「20分休み」のちがい
5分休みは「休み時間」というより、“次の授業に向けたメンテナンス時間”です。
同じ「休み時間」でも、それぞれ“意味”と“役割”があります。特に、5分休みと20分休みではまったく役割が違います。
例えるならー
5分休みは、F1のピットイン
20分休みは、高速道路のサービスエリア
F1のピットインは、レースの合間にわずか数秒でタイヤ交換や給油などを行い、次の走行に備える戦略的な準備時間です。
ドライバーもピットクルーも、集中したまま次のレース展開を見据えて動いています。
教室でも同じです。
子どもたちは次の授業のノートや教科書を出したり、トイレや水飲みをしたりと、心と体を次の1時間に向けて切り替えることが大切です。
それに対して、高速道路のサービスエリアは、長距離運転の合間にちょっと一息ついて、おいしいものを食べたり、リフレッシュしたりするための心と体を休めるための時間。
つまり、
5分休みは“次の授業のための準備時間”
20分休みは“安心してリフレッシュするための休み時間”
この違いを先生自身が意識できているかどうかで、学級全体のリズムや落ち着きが変わってきます。
そして、この違いを子ども達にも伝えるようにしましょう。
<伝え方の例>
5分休みは次の授業のための準備の時間だよ。5分間で心と体を整えると、すぐに勉強のスイッチを入れることができます。早く勉強のスイッチが入ると、それだけ集中して授業の時間を過ごせますね。準備がしっかりできる人は、もっと賢くなれますよ。
F1のピットインはピンとこないかもしれませんが。(笑)
時間があるなら、ピットインの様子を見せるとイメージしやすくなります。
動きに一切無駄がなく、見ているだけで惚れ惚れします。
⑵子どもに「準備の習慣」を教える
次の授業が始まるまでに、子ども達がどのような状態になっていることが理想でしょうか。
まずは理想をイメージしてみましょう。
私の場合、
次の1時間、前向きに学習に臨める"心と体"が整っている
クラスの全員がこの状態になっているのが理想です。
次に、より具体的な様子を想像します。
トイレや水飲みを済ませ、授業の準備ができ、「よし次も頑張ろう」と心が学習に向いた状態で、定刻までに自席にいる
もちろん、「4月からこれができている」なんてうまい話はありません。
ですが、担任が理想を具体的に想像しない限りは、子ども達をそこへ連れていくことはできません。
担任の想像力と行動力が、子ども達の可能性を広げます。
少し熱くなりすぎてしまいました。話を5分休みに戻します。
<授業開始時の理想>
次の1時間、前向きに学習に臨める"心と体"が整っている
<具体的な子ども達の様子>
トイレや水飲みを済ませ、授業の準備ができ、「よし次も頑張ろう」と心が学習に向いた状態で、定刻までに自席にいる
そのために、子ども達がすることは、
✅トイレに行く
✅手洗いをする
✅水分補給をする
✅机上を整える
主にこの4つになります。
クラス全体に伝えるときは、覚えやすいように
「5分休みは"4点セット"をして、次の授業の準備をするんだよ~」と伝えます。
具体的には、
⑴少しでもトイレに行きたいときは、トイレに行く
⑵トイレに行った後は、手洗いをする
⑶のどが渇いていなくても、水を一口飲む
⑷机の上は"なにもない"、ものをゼロにして着席する
「トイレ・手洗い・水飲み・つくえ」
これが"4点セット"です
5分休みの役割と価値を共有した上で、具体的な手順を教えていきましょう。
適切なタイミングは、1時間目が終わる5分前。
このタイミングにするのは、
6時間授業の日なら、
直後の5分休み、3,4時間目、5,6時間目の間の5分休み…と、
その日に実践する機会がたくさん確保できるためです。
少し早めに授業を終わらせて、先ほどのF1の映像を見せます。
なぜだか、映像を見るとなると子どもはワクワクしていますよね。
【指導例】
<5分休みを価値付け、何をするかを子どもに伝える>
⑴F1のレース映像をみせる
「車が元気に走れるように、タイヤを交換したりガソリンを入れたりしているんだね」
⑵自分事にする
「君たちの場合、5分休みがこのピットインと同じなんだよ。次の授業に向けて、心と体を整える時間。」
⑶5分休みに何をするか、問いかける
「みんなにタイヤはついていないから、F1みたいにタイヤ交換はしなくていいね。では、みんなは5分休みに何をしたら、気持ちよく次の授業を始められそうかな?」
⑷意見を募り、集約する
子ども達から意見を募ります。5人以内で構いません。
「トイレ・手洗い・水飲み・つくえ」に集約します。
例えば、友達とおしゃべりするという意見が出た場合、「友達と話すことが心の回復になるね」と認めた上で、一人で黙々と準備したい人もいるかもしれないから、今回は「みんながこれをやろう」っていうものの中には入れない。でもいい意見だね。といったニュアンスを伝えます。
⑸"4点セット"を伝える
⑴少しでもトイレに行きたいときは、トイレに行く
⑵トイレに行った後は、手洗いをする
⑶のどが渇いていなくても、水を一口飲む(※)
⑷机の上は"なにもない"、ものをゼロにして着席する
※補足:のどが渇いているときは、もう体がちょっと危ないよと黄色信号を出しているんだね。だから、のどが渇いていなくても、一口は水を飲むんだよ。
⑹練習する
「トイレ・手洗い・水飲み・つくえ」これが"4点セット"です。
「(教師が指を4本立てて)覚えたかな。言ってみようか。トイレ、手洗い、水飲み、つくえ」
「ではお話を終わります。」
→日直が終わりのあいさつをして、5分休みへ
⑺価値付けする
2時間目の始めに、クラス全体の「5分休みの過ごし方」を価値付けします。「トイレ・手洗い・水飲み・つくえ、心と体を整えて、2時間目を始めることができましたね。すばらしいです。きっとみなさんは賢くなりますね。続けていきましょう。」
<よくある質問>
Q.手洗いするときにハンカチを持っていない子がたくさんいます!どうすればいいですか?
A.朝の会の健康観察前に「ハンカチ・ティッシュ」を持ってきているか、確認しましょう。
<朝の会 基本メニュー♪>
①あいさつ
②健康観察
③先生からの連絡
④おわりのあいさつ
<指導 例>
日直「次は健康観察です。○○先生お願いします。」
担任「はい!ハンカチ・ティッシュ、1・2・3」
(子ども達がハンカチとティッシュを出す)
担任「3秒で出した人、続けてください。忘れちゃった人、連絡帳に"〇わ ハンカチティッシュ"今、書きましょう」
この「ハンカチ・ティッシュ確認」はあくまで"確認"に留めましょう。忘れている子には「連絡帳に記録する」という手順を示すだけでOKです。
忘れ物の厳しい指導は担任も子ども達も苦しくなるだけです。
▼スッキリ充実の"朝の会"をつくる方法はこちら▼
⑶担任自身も次の授業の準備をする
5分休みは担任も次の授業に向けた準備をします。
することは主に4つです。
1. タイマーをセットする(目安:4分30秒)
2. 板書計画と全体の流れをざっと確認する
3. 次の授業で使用する教材・教具の準備する
4.定刻前に黒板の前で待機する
(※おしゃべり♪)
1.タイマーをセットする
授業を定刻で開始するためにタイマーをセットします。
タイマーをセットする役割は、いずれ日直に役割を委ねます。ただし、導入当初は担任がやります。
詳細は「4.時間を守るクラスに育つやさしい支援」で解説します。
2.板書計画と全体の流れをざっと確認する
板書計画を軽く確認します。
恥ずかしい話ですが、私は初任者のとき、指導書を見てそのまま授業をしたことが何度もありました。当然、ひどい授業になります。
自分の授業を振り返る度に、とても落ち込みました。
ですが、授業準備のやり方を身につけたことで、安心して授業に臨めるようになりました。
授業準備のポイントは板書計画を立てることです。
そしてその板書計画を授業の直前にさらっと見返します。
内容を思い出すこともそうですが、それよりも"自分が安心できる"ことを大切にして、板書計画に目を通します。
教材研究や授業づくりについては「はじめての学級経営⑫授業準備」で詳しく解説します。
3. 次の授業で使用する教材・教具の準備する
朝、その日に使用するプリントや資料、教材をすべて一つのかごに入れておきます。
そのかごから次の授業で使用するプリントや資料などの教材・教具を教師机の上に移動させます。
電子黒板を使う場合も準備をします。
電子黒板については慣れてきたら子どもに任せることもできます。
タイマーと同様、始めは担任が動きます。
じょじょに興味をもって近づいてくる子が出てくるので、そのタイミングで使い方を教えたり、全体にも授業準備の手順を共有したりします。
そのうち、自分の準備が早く終わった子が電子黒板を準備するようになります。
自分一人のための準備から"学級全体のための準備"に視野を広げることができるのです。
精密機械であっても基本操作や正しい扱い方を知っていれば子どもでもできます。
なんでも壊すかいじゅうくん🦖がクラスにいる場合は、個別の対応が必要になりますが。(笑)
2.「20分休み」の過ごし方
2時間目と3時間目の間の20分程度の長い休み時間。
5分休みは“次の授業のための準備時間”
20分休みは“安心してリフレッシュするための休み時間”
5分休みとはちがい、20分休みは文字通り"休み時間"になります。
子ども達に遊び方を指導する必要はありません。
そのため、ここでは教師の20分休みの過ごし方にフォーカスしてお話します。
とはいえ、
「やんちゃ坊主たちがいつも遅れてきて困っている...」
なんてこともあると思いますから、その場合の対応については「4.時間を守るクラスに育つやさしい支援」で解説しますね。
ちなみに、今回は、2時間目と3時間目の間の休み時間を「20分休み」という呼び方に統一しています。
中休み、業間休み、20分休み…全国で様々な呼び方がありますよね。
下の記事によると「20分休み」という呼び方が一番多いそうなので、今回は20分休みと書いています。
記事は読まなくていいですよ(笑)
⑴春先はとにかく「一緒に遊ぶ」
春先はとにかく遊びます。
それはもうめちゃくちゃ遊んでください。
何も私が子どもと遊ぶのが好きだから遊ぼうと言っているのではありません。
"信頼関係の構築と安心感の醸成"が目的です。
カッコつけた言葉を使いましたが、要は子ども達と仲良くなるため。
特に学級開き~1週間、長い休み時間は校庭や室内で常に遊ぶようにします。
新学期直後の春先こそ、子どもたちはまだ緊張状態。先生が一緒に遊んでくれることで、安心感が芽生えます。
疲れますし、しんどいですが、ここは担任としての頑張り時です。
⑵お誘いはしても強制はしない
20分休みで遊ぶとき、担任として身につけたい作法があります。
それは「お誘いはしても、強制はしない」ことです。
遊びを強制してはそれは休み時間ではなくなってしまいます。
とはいえ、誘うだけなら問題はありません。
あくまで「決定権は子どもにある」ことを忘れないようにしましょう。
ここからはより具体的な「20分休みの誘い方」について解説します。
学級開き初日を例にしてみましょう。
2時間目の終わり際に担任が外遊びに誘います。クラス全員を誘いましょう。
そして、校庭に集合という流れになりますが、ここで担任は先には行きません。
真っ先に遊びに行く子ども達を「先に行って遊んでて~先生も後から行くね~」と送り出します。
そして、一人でいたり、教室にのこっていたりする子どもに声をかけます。
「断られたらどうしよう...」
不安な気持ちもあると思いますが、勇気を出して誘ってみましょう。
もし断られたら、
教室にのこっている子(たち)と少しだけ教室で一緒に遊びましょう。
え!?外で遊ぶって誘ったのに?
と思われるかもしれません。
ですが、別に遊ぶ時間が5分減ろうが子ども達はそんなに気にしません。
大切なのは、1分であっても「先生と遊んだ」という事実があることです。
5分ほど教室で遊んだら、子ども達との約束通り、担任も校庭に向かいます。
まとめると、担任が20分休みですることは、
クラス全員の行動を把握して、全員が先生や友達を時間を過ごせるようする
です!
全員が"先生と遊べた""友達と遊べた"という体験ができるので、これによって信頼関係や安心感の芽を育てることができます。
もちろんこれを一年間続ける必要はありません。
ルールさえ守っていれば、休み時間にどこで何をしようが子ども達の自由です。
とはいえ、信頼関係が築けていないうちは、担任は「みんなと遊んでくれる先生」を演じきりましょう。
ファイト~!!
⑶徐々にフェードアウトする
学級開きから2.3週間くらいすると、子ども達はある程度仲が深まり、じょじょに自分たちで遊ぶようになります。
※「前年度の学級崩壊していた」「繊細さんが多い」などの特殊なケースは別です。
担任の存在がもう必要ないなと感じたタイミングで、こちらから遊びに積極的に誘うことはやめます。
もちろん、「先生も遊ぼう!」と誘われたら、1分でもいいので遊びます。
しかし、基本的なスタンスとしては、子ども達の輪の中からじょじょにフェードアウトしていきます。
寂しい気持ちもありますが、それは子ども達の関係性ができつつある証拠でもあります。
いつまでも担任が中心となって遊んでいては、担任自身が子ども達の成長を阻害する一因になってしまいます。
「先生ー子ども」の関係は深まったとしても、「子どもー子ども」のつながりが弱いまま。
これでは、学級としての成長も頭打ちになります。
ただ、安心してください。
春先に遊んだあなたは、もうすでに子ども達にとっては「遊んでくれる先生」という印象になっています。
たとえ、その後あまり遊ばなくなったとしても、子どもは「〇〇先生は遊んでくれる!」と言います。
「初頭効果」です。
<初頭効果とは?>
最初に提示された情報に強く影響される心理的な傾向
【エピソード】フェードアウト後に待っていた僥倖
ある日、私の担任していたクラスで道徳の授業をしました。
「いいところ見つけ」の単元だったのですが、授業の終盤、一人の子どもが「先生のいいところも言いたい!」と声をあげました。
すると、子ども達が次々に"担任のいいところ"を口に出し始めました。
菊池省三先生の実践「ことばのシャワー」が自然発生的に出てきたのですね。
担任としてうれしい気持ちももちろんありましたが、同時に一つ、とても面白いと感じる「担任のいいところ」を見つけました。
それが「先生は、いつも遊んでくれる」という言葉です。
実はその時期、私はあまり子ども達と遊んでいませんでした。
誘われたら遊んでいましたが、すでに子ども達の遊びからフェードアウトする段階に入っていたのですね。
それでもその子の中で私は「遊んでくれる先生」というイメージになっていました。
春先に頑張ると、後になって思わぬ幸運が巡ってくることもありますよ。
ぎょうこう、ぎょうこう!
⑷担任も休憩する
20分休みは先生も休んだっていいんです。
厳密には休憩時間ではありませんが、先生だって、コーヒーを淹れて一息つく時間があってもいいですよね。
ちょっとした休息が、3時間目以降の活力になります。
担任が休憩することで、身体も休まり、気持ちも穏やかになります。
結果として子どもとの関わり方や授業の質が上がる。
20分休みに担任も休憩することで、好循環が生まれるのですね。
私は20分休みに、
職員室の窓から子どもが遊んでいる様子を眺めながら、コーヒーを飲む
あの時間が好きでした。
宿題の丸付けも終わっていて、次の授業の準備もしてあって、
清々しい気持ちで元気に遊ぶ子ども達を眺めている時間が。
日常の尊さを実感する瞬間。
私はもう教師ではないので、あの時に戻ることはできません。
ですが、今先生であるあなたは、こんなささやかな幸せを味わうことができます。
苦労もたくさんありますが、教師だからこそ味わえる幸せな瞬間も、たしかにあります。
<20分休みの担任の過ごし方 まとめ>
⑴春先はとにかく「一緒に遊ぶ」
全員と関わり、安心感と信頼構築を!
⑵お誘いはしても強制はしない
長い休み時間は基本的に自由時間。でも始めは勇気をもって子どもを誘ってみる
⑶徐々にフェードアウトする
子ども同士がつながる場面を増やして、仲間化をうながそう。けっきょく、友達がいる方が学校は楽しい。担任としては少し寂しいけど。
⑷担任も休憩する
自分が健康でいることが一番!あなたにとっても、子ども達にとっても。
3.「昼休み」の過ごし方
「昼休みの過ごし方」は20分休みの過ごし方とそれほど変わりません。
とはいえ、時間帯が変われば、過ごし方もまた変わります。
ここでは、私が午後も穏やかに仕事をするために意識していた「昼休みの過ごし方」をご紹介します。
⑴室内で過ごす
校庭で遊ぶこともありましたが、昼休みは比較的室内で過ごすことが多かったです。
大した理由はありません。
昼過ぎは、室内にいる子ども達と雑談をしたり図書室を見に行ったりする方が自分の気持ちが落ち着くと感じていたからです。
窓から差し込む光を浴びながら、他愛もない話をする。
雑談をすることで、子どもの新しい一面が見られることもあります。
雑談のコツは、子どもが関心のあることに関心を向けること。
外で遊ぶことで関係を築いていく子もいれば、雑談をすることで仲良くなれる子どももいます。
どちらの子どもにも寄り添える担任でいたいものです。
(個人的にはこっちの時間の方が好きでした。)
⑵仕事を進める
昼休みが終われば、曜日によっては5時間目までなんて日もあります。
時に放課後を見据えて仕事を進めるという選択肢があることも、頭に入れておきましょう。
そして、早く退勤し「お先に失礼します!」が言える先生になりましょう。
早く帰るコツは「子どもがいる時間に仕事を進めること」です。
仕事術に関する教師が書いた本には、必ずと言っていいほどこれが書いてあります。
はじめは、そんなことできない!と感じるかもしれません。
しかし、あなたが努力を続ければ、必ずできるようになります。
子どもがいる時間に仕事を進めましょう。
先輩より先に帰ってください。
あなたの健康が、あなた自身の、ひいては子ども達にとっての財産になります。
先輩に気を遣うことにあなたのエネルギーを使うのか、
自分の健康・子ども達との充実した時間にあなたのエネルギーを使うのか、
いつだって決めるのは自分自身です。
4.時間を守るクラスに育つやさしい支援
子どもは時間を守ることが苦手です。
時間を守ることは、思いのほか難易度の高いことでもあります。
大人であっても時間を守るのが苦手な人は多いですよね。
かくいう私も、時間を守ることが得意ではありません。一つのことに熱中すると他のことに目がいかなくなってしまいます。
にも関わらず、不思議なことに「時間を守りなさい!」という言葉だけの指導で終わらせてしまう先生が少なくありません。
1年目の私もまさにそうでした。
難しいことを言葉だけの指導や威圧的な統制で守らせようとするのは、思いやりに欠けた関わり方だと、私は思います。
そこで、時間を守るクラスに育つ"やさしい支援"を紹介します。
ここでは、時間を守るための
⑴視覚支援
⑵聴覚支援
に分けて解説しています
⑴視覚支援
タイマーと担任
授業の定刻開始を目指す上で、休み時間にできる視覚支援がこの2つです。
1.タイマー

ポイントは教室後方からでものこり時間が分かるタイマーを使用すること。
デジタルタイマーや電子黒板に初期設定で入っているタイマー、タイムタイマーなどがこれに当たります。
キッチンタイマーでは視覚支援にはならないので注意しましょう。
授業が終わったら、次の授業の開始時刻までの残り時間をセット、タイマーをスタートさせておきます。
こうすることで、のこり時間が目で見えるようになり、時間を守りやすくなります。

こんな感じです。
この時は最初、電子黒板のタイマーを使っていたのですが、音が鳴らなくなってしまったため、タイムタイマーを使っていました。
タイムタイマーについてはこの記事で詳しく解説しています。
記事では家庭用のタイムタイマーを紹介していますが、メリットは教室用のものでも同じです。
もし使いたい場合は、学校の予算で購入を提案してみることをおすすめします。
この記事に書いてあるメリットや効果をそのまま説明してもらっても大丈夫ですよ。
2.担任
担任が視覚支援になるとは?と思われたかもしれません。
ですが、担任も視覚支援になります。
担任は子どもにとって最も大きな環境要因です。
その担任が、授業が始まる時間に他の作業をしていたらどうなるでしょうか?
当然、授業の定刻開始ができなくなります。
子どもに時間を守らせたいのであれば、まずは教師が時間を守りましょう。
そして、タイマーがのこり30秒~1分くらいのタイミングで、担任は黒板の前に立ちます。
その姿を見た子ども達は、
「もうすぐ次の授業が始まる」
と気付くことができるのです。
自分自身を視覚支援の道具として、使いこなしましょう。
もちろん担任は道具ではありません。
客観的に状況を判断しましょう!という意味ですよ。
<時間を守りやすくなる視覚支援まとめ>
⑴タイマーをセットする
⑵担任が授業開始前に黒板の前に立つ
⑵聴覚支援
タイマーとチャイムと日直
タイマーとチャイムは分かりやすいですね。
「ピピッ・ピピッ・ピピッ」
「キーンコーンカーンコーン」
この音が授業が始まる合図になります。
ですが、タイマーとチャイムのみでの聴覚支援には不備があります。
というのも、これらの音は授業が始まるタイミングで鳴りますよね。
本来であれば、授業が始まるより少し前に、気付けるタイミングを作りたい。
そこで、日直の出番です。
担任が1分前に黒板の前に立ったら、日直にこんな声かけをします。
「時間通りに始められるように、みんなに一声かけてくださいね。」
「もうすぐ始まるから座ろ!」
「あと30秒で授業が始まるよ!」
日直がどのような言葉で全体に働きかけるかは自由です。
ただ、「一声かける」ことを伝えます。
これを続けると、担任からの指示しなくても自分から働きかける日直や他の子どもが出てきます。
よい姿が見られたら、価値付けのチャンスです。
すかさずに授業の冒頭で「声をかけることができた人が多かったね。」と価値付けしましょう。
ところが、担任がそのように価値付けをすると、今度は過剰に注意をする子が出てきます。
これもチャンスです。
ここで注意と攻撃のちがいをお伝えします。
<正しい注意の教え方>
<注意と攻撃のちがい>
注意=困っていることを伝える、相手のための言葉
攻撃=言われた人を傷つける、自分の気持ちをぶつける言葉
🔸注意は「あなたのために言ってる」
🔹攻撃は「自分の気持ちをぶつけてる」
<具体例>
(注意)
「口を閉じて前を向こう。先生の声が聞こえないからみんな困ってるよ。」
→「よくなってほしい」「困っているからやめてほしい」という思いやりがある言葉
(攻撃)
「うるさいな!バカじゃないの?何でいつもしゃべってるの!」
→「相手を傷つけたい」「怒りをぶつけたい」といういやな気持ちをぶつける言い方
<指導するときに使うたとえ>花の水やり
注意と攻撃は、「花に水をあげる」と「花に石をぶつける」くらい違います。
花に水をあげる(=注意)は、「元気に育ってほしいな」という思いでやること。
花に石をぶつける(=攻撃)は、「こわしたい」「イライラしている」からすること。
同じ「声をかける」でも、言い方や気持ちのもち方で、注意にも攻撃にもなります。
<正しい注意の作法>
①正しい行動を伝える
②誰が困るのかを伝える
③1回だけ伝える
この3つを意識して伝えるように指導します。
すべて一気に指導する必要はありません。一つずつ、スモールステップで教えていきます。担任には一年間の猶予があります。焦る必要はありません。
<正しい注意の作法 伝え方>
先ほどの例に当てはめると...
「口を閉じて前を向こう(=①正しい行動を伝える)。先生の声が聞こえないからみんな困ってるよ(②誰が困るのかを伝える)。」
「③1回だけ伝える」は花の水やりでたとえます。
(言葉の例)
「よかれと思って植物に水をあげすぎると根っこが腐ってしまうことがあります。
同じように相手のことを思っていても何度も何度も繰り返すと、嫌な気持ちにさせてしまうことがありますよね。
「伝えること」も量とタイミングが大事なんです。
注意は1回だけにしましょう。そこから先は、先生の仕事です。
大丈夫。
先生は君たちの味方だから、困っているときに放っておいたりしません。安心してください。」
他人を完全にコントロールすることはできません。だから、誰かのために注意をするのは一回でいい。
正しい注意を教えることで、子どもはアサーティブに相手と関わるスキルを身につけていきます。
だから、注意はさせていいんです。
注意をするのは先生の特権ではありません。
攻撃になるのを恐れて禁止することはおすすめしません。
子どもを育てることが教師の仕事ですからね。
⑶「20分休み」「昼休み」も時間を守るには?
ここは難易度の高い指導になります。一回で全員が時間を守れる魔法のような指導はありません。
泥臭く、継続的にやっていきましょう。
次のような段階を踏んで徐々に遅れる子を減らします。
<授業に遅れるときの指導方法>
①担任が遊びの輪からフェードアウトする
②遅れる子が増える
③遅れたときの手順を確認する
④実際にやってみる
⑤毎回同じ手順で対応する ←ここ大事!!
⑥遅れる子がじょじょに減る
※担任が主導で遊んでいる時は、担任が声をかけて早めに切り上げます。新学期当初は、遅れてくる子は少ない傾向にあります。
①担任が遊びの輪からフェードアウトする
②遅れる子が増える
私が今まで担当してきたクラスでは、学級開き~2週間くらいは授業に遅刻する子はほどんどいませんでした。
ですが、じょじょに増えていきます。
最初は理由が分からなかったのですが、よく考えたら当然のことです。
「20分休みの過ごし方」で話したように、学級開きでは積極的に子ども達と遊びます。
外で遊んでいても担任である私が中心になっていたので、遊びを終わらせるタイミングもこちらでコントロールしていたんですね。
5分前くらいになると、
「そろそろ時間だから、おしまいにしようか!戻って次の時間の準備してね~。解散!」
みたいな感じで声をかけていました。
新しいクラスにも慣れてきて、徐々に担任が遊びの輪からフェードアウトすると、授業に遅れる子が増えていきます。
ここから、本格的に「時間を守る」指導に入ります。
③遅れたときの手順を確認する
④実際にやってみる
3時間目の授業の始めに数人の子どもが遅れてきたとします。
複数人が遅れてきたとき、手順共有のチャンスになります。
「細かいことは気にしない」タイプの子どもならなお理想的なタイミング。
反対に「気にしいな子が一人」だと心理的負担が大きいため、私なら全体指導をすることは控えます。
(気にしいな子は時間も気にするので遅れることは少ないですが。(笑))
遅れてきた場合の手順を全体に共有します。
<授業に遅れたときの手順>
⑴チャイムが鳴り終わるまでに自席にいない場合、
⑵遅れてきた人を待たずに授業のあいさつをする
⑶遅れてきた人は教室後方で待機する
⑷活動が区切れたタイミングで、
⑸遅れた理由を説明して自席に戻る
<この手順の意図>
・「授業に遅れるとめんどくさいことになる」と思わせる
=遅刻者に負荷をかける
・定刻までに準備している人を優先する
<手順を全体共有するときの場面指導例>
ⅰ
遅れてきた子どもに「教室の後ろで待っていてください」と伝える
※「立ってなさい!」は▲。罰として立たせるのではない。全体の活動を止めないために「待っている」というニュアンスです。
ⅱ
授業のあいさつなど、全体の活動が区切れたタイミングで、「遅れた理由は何ですか」と問いかける
ⅲ
子どもが説明をする(「遊んでいました。」「けがをした友達を保健室に連れて行っていました」など)
ⅳ
「分かりました。今回は君たちが遅れてきたけれども、これからも何か理由があって遅れることがあるかもしれません。もし遅れてしまったら、○○さん、〇〇さん、○○さんのように一度教室の後ろで待ち、活動が区切れたタイミングで遅れた理由を伝えるようにしましょう。いいですね。それでは、席に戻ります。」
※遅れてきた子どもに正当な理由があるかもしれません。不当な理由だとしても子どもにもプライドがあります。
「〇〇さんのように」と一言加えることで、子どものプライドを守りつつ、全体に「先生は遅れた時にどうすればいいのかを確認したんだ」という印象を与えます。
これで全体に対して授業に遅れた場合の手順を共有することができました。
⑤毎回同じ手順で対応する ←ここ大事!!
⑥遅れる子がじょじょに減る
遅れた時の対応方法を確認した後でも、必ず遅れてくる子はいますよね。
その場合、手順通りできていればいいですが、そうでなければ必ずその都度確認をします。
「遅れてきたときはどうするんでしたか?」
と問いかけるなどして、手順を確認しましょう。
その後は、毎回同じ手順で対応しつつ、次のようなことを
1.「時間を守っている人を優先する」という目的を伝え続ける
2.校庭や図書室から戻り、次の授業の準備に入る時刻を共有する
3.遅れることのデメリットに気付かせる
1.はそのまま伝えてください。
「私は、時間を守っている人を優先します。授業に間に合わなかった人が待ってください。ただし、勉強する機会は保障します。不便ですが、少しの時間、教室の後方でしっかりと聞いていてください。」
2.
校庭や図書室から戻り、次の授業の準備に入る時刻を共有する 指導例
ⅰ「5分前」「〇時〇分」と伝える
「5分前になったら戻りましょう」
「なぜ?4点セットをする時間(トイレ手洗い水飲みつくえ)をいつも5分間取っているから。」
or
ⅱ授業までにやることとその時間をクラス全体で共有する
授業が始まるまでにやることを挙げて、かかる時間の目安を共有します。
子どもに問いかけながら進めましょう。
3.
遅れることのデメリットに気付かせる 指導例
(子どもが遅れた理由を伝えてた後に)
「残念です。君たちが成長できる時間が減ってしまいました。席に戻ります」
叱る必要はなく、淡々と手順通りに進めましょう。
注意するというより、定刻までに準備ができている人を優先する。
つまり、
担任が時間を守っている人の味方になるというスタンス
を貫いていきましょう。
あなたならきっとできます。応援しています。
<学習のまとめ>

今回は学級経営の基本である「休み時間の過ごし方」について解説しました。
まとめると、
担任としての休み時間の過ごし方を理解する
<休み時間で大切にしたいこと>
「子ども達が"安心して休める"休み時間にする」
「子ども達との信頼関係を構築する」
「先生も子ども達も病気の予防をする」
「先生も子ども達も心と体を休める」
「先生も子ども達も次の時間の準備をする」
「子ども同士の関係性を育む休み時間にする」
<手法一覧>
職員室、教室で休む/一緒に遊ぶ(校庭、室内)/全体を見る(ひとりでいる子、遊びの誘いに乗らない子など)/遊びに誘ってみる/準備の仕方を教える/手洗い・うがいをする/担任は徐々にフェードアウトして子どもだけで遊ぶ機会を増やす
5分休みは“次の授業のための準備時間”
20分休みは“安心してリフレッシュするための休み時間”
<授業開始時の理想>
次の1時間、前向きに学習に臨める"心と体"が整っている
<5分休み 具体的な子ども達の様子>
トイレや水飲みを済ませ、授業の準備ができ、「よし次も頑張ろう」と心が学習に向いた状態で、定刻までに自席にいる
<5分休みの過ごし方 指導例>
⑴少しでもトイレに行きたいときは、トイレに行く
⑵トイレに行った後は、手洗いをする
⑶のどが渇いていなくても、水を一口飲む
⑷机の上は"なにもない"、ものをゼロにして着席する
「トイレ・手洗い・水飲み・つくえ」
これが"4点セット"です
<5分休み 担任がすること>
1. タイマーをセットする(目安:4分30秒)
2. 板書計画と全体の流れをざっと確認する
3. 次の授業で使用する教材・教具の準備する
4.定刻前に黒板の前で待機する
(※おしゃべり)
<20分休みの担任の過ごし方 まとめ>
⑴春先はとにかく「一緒に遊ぶ」
全員と関わり、安心感と信頼構築を!
⑵お誘いはしても強制はしない
長い休み時間は基本的に自由時間。でも始めは勇気をもって子どもを誘ってみる
⑶徐々にフェードアウトする
子ども同士がつながる場面を増やして、仲間化をうながそう。けっきょく、友達がいる方が学校は楽しい。担任としては少し寂しいけど。
⑷担任も休憩する
自分が健康でいることが一番!あなたにとっても、子ども達にとっても。
<時間を守りやすくなる視覚支援まとめ>
⑴タイマーをセットする
⑵担任が授業開始前に黒板の前に立つ
<授業に遅れるときの指導方法>
①担任が遊びの輪からフェードアウトする
②遅れる子が増える
③遅れたときの手順を確認する
④実際にやってみる
⑤毎回同じ手順で対応する ←ここ大事!!
⑥遅れる子がじょじょに減る
※担任が主導で遊んでいる時は、担任が声をかけて早めに切り上げます。新学期当初は、遅れてくる子は少ない傾向にあります。
お疲れさまでした!!
この記事を通して、「今更こんな当たり前のこと聞けない…」と困っている先生の力に少しでもなれていたらうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お相手はもみじでした。
また次の記事でお会いしましょう👋
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