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🇵🇹ポルトで、ふたり暮らし。

窓を開けると、オレンジ色の屋根が並んでいる。
遠くからカモメの声が聞こえてきて、ああポルトだな、と思う。

ポルトに来て、もう半年になった。

朝はコーヒーを淹れるところから始まって、午前中は勉強して、昼前に散歩に出る。スーパーで買い物をして、夕方から料理をして、夜はワインを開ける。だいたい毎日こんな感じで、派手なことは何もないけれど、この繰り返しが気に入っている。

暮らしの中の豊かさを、少しずつ見つけている最中です。

このnoteでは、ポルトでのふたり暮らしや旅のこと、勉強のこと、そして30歳で一度立ち止まって考えたキャリアのことを、少しずつ書いています。


自分のこと

SHUNといいます。1995年生まれ。妻とふたりで、ポルトガルのポルトで暮らしています。
(ワーキングホリデービザ、期間は1年です。)

もともとはIT業界で7年ほど働いていました。

文系出身で、新卒でSIerに入り、エンジニアとして手を動かすところから始めました。設計して、コードを書いて、テストして。地味な仕事を地味にこなす日々でしたが、エンジニアとしての基礎はこの時期に身についたと思います。

その後、ITベンチャーに転職して、新規プロダクトの立ち上げ、サブスクサービスの開発、大手決済システムのプロジェクトマネジメントと、いろいろな現場を経験しました。決済のプロジェクトでは20人ほどのチームを見ながら、英語でのやりとりも日常的にある環境で、かなり鍛えられました。

最後に担当したのは官公庁のプロジェクトで、会社として初めての挑戦を、統括PMとして任されました。実績ゼロからのスタートでしたが、なんとか大きなトラブルなく完遂させて、年間MVP(社長賞)をいただくこともできました。

振り返ると、どの現場でも「全体を見て、構造をつくって、人を巻き込みながら前に進める」という仕事が好きだったし、得意だったんだと思います。

ただ、走り続けているうちに、「これが自分の軸だ」と言えるものがないまま進んできた感覚が、ずっとどこかにありました。

30歳になるタイミングで、1年間のキャリアブレイクを取りました。

「辞めた」というより、「一度、止まってみた」という感覚に近いです。走りながらだと見えないものがあるんじゃないかと思って、意図的に余白をつくってみることにしました。

その舞台に選んだのが、ポルトガルでした。


なぜポルトだったのか

何度見ても美しいドン・ルイス1世橋からの景色

正直に言うと、最初から「ポルトガルに住みたい」と強く思っていたわけではありません。

きっかけは妻でした。昔からなんとなく「ポルトガルに住んでみたい」と言っていて、当時はふたりとも「いつかね」くらいの温度感でした。それが、年齢的にも「行くなら今しかないかもしれない」というタイミングが重なって、気づいたら本当に動き出していました。

ヨーロッパに暮らしてみたかったこと。物価が比較的穏やかで、長く暮らしやすそうだったこと。ワインが好きで、ポルトガルのワイン文化に興味があったこと。いくつかの条件が重なって、自然とポルトに辿り着きました。

口に出していると、本当に実現するものですね。

来てみて思うのは、この街のテンポが自分に合っているということです。

ポルトは観光地ではあるけれど、リスボンほど騒がしくなく、街全体にゆったりした空気がある。坂を上り下りしながら石畳の路地を歩いて、カフェに入って、川沿いに座って、そういう時間が毎日のように取れることが贅沢だと感じています。


ポルトでの日々

坂の多い街ならではの景色

毎日はだいたいこんなリズムで過ぎていきます。

朝 — コーヒーと勉強

起きたらまずコーヒーを淹れます。それが一日の始まりの合図みたいになっている。

午前中は勉強の時間。今はセキュリティ、AI、クラウドの分野を中心に学んでいます。PMとしての土台の上に、この3つの専門性を重ねていきたいと思っていて、資格の勉強もその一環です。

ずっと座っていると詰まるので、勉強の途中で散歩に出ることも多いです。歩きながら考えると、不思議と頭が整理されることがある。

昼 — 散歩と買い物

ポルトは坂の街なので、歩くだけでけっこうな運動になります。

よく歩くルートは決まっていて、橋を渡って、石畳の坂を下って、川沿いの道を通って、また坂を上がる。そして、スーパーに寄って帰る。何も考えずに歩く日もあれば、「あの通り、まだ行ったことないな」と寄り道する日もあります。

半年経っても、まだ知らない路地がある。それがいい。

スーパーからの帰り道

夕方 — 料理

スーパーで買ったもので、その日の夕飯をつくります。

もともと料理は好きでしたが、ポルトに来てからは「何を作ろう」と考える時間そのものが楽しくなりました。少しずつ、いい材料を選んで丁寧に料理することに意識が向くようになってきた気がします。

特別な料理をつくるわけではない。でも、自分たちで選んだ食材で、自分たちのペースでつくる食事は、それだけで豊かだと思える。

夜 — ワイン

ポルトガルはワインがとにかく安くて美味しい。

日本では手が出なかったような品質のワインが、驚くほど手頃な価格で手に入る。ワインエキスパートの勉強をしていたこともあって、品種やテロワールのことを考えながら飲むのが好きです。

妻と「これは好き」「これはちょっと違うかも」と話しながら飲む夜が、一日の中で一番好きな時間かもしれません。

料理に合わせて、ワインを選ぶ🍷

時々 — 旅に出る

ポルトを拠点にして、ふたりで旅もしています。

ポルトガル国内の小さな街、トルコ、ジョージア、イギリス、ドイツ。知らない場所を歩くと、自分たちの暮らしの輪郭がはっきりしてくる感覚があります。旅先での出会いや食が、帰ってからの日常をちょっとだけ豊かにしてくれる。

🇹🇷Istanbul
🇬🇪Tbilisi

積み上げてきたもの

不安だったから、積み続けました。

新卒で入った会社は穏やかな環境だったけれど、「このままだとまずいかもしれない」という漠然とした危機感がずっとありました。だから朝2時間早く出勤して英語を勉強して、TOEICの点数が大きく伸びて、「やれば変わるんだ」という小さな成功体験を得ました。

そこからスイッチが入ったように、資格を取り続けました。

PMP、CISSP、AWSの資格をいくつか。気づいたら、「すごいね」と言われることが増えた。でも本音を言えば、止まるのが怖くて積んでいた部分も大きい。

「資格に救われた」というのは本当で、資格があったからこそキャリアが動いたし、PMの仕事にも就けた。でも同時に、「不安で積み上げるだけでは、軸にはならない」ということも、どこかで分かっていました。

だからこそ、一度立ち止まって、積み上げたものを分解して、もう一度組み直す時間が必要だった。このキャリアブレイクには、そういう意味もあります。


このnoteで書いていること

このnoteでは、暮らしの記録と、勉強の記録。旅の記録と、キャリアのことを残しています。

暮らし

ポルトでの日常。散歩のこと、料理のこと、ふたりの暮らしの中にある小さな発見のこと。

ポルトを拠点にした旅。街の空気と食を中心に記録しています。

キャリア

働いてきた7年間のこと。立ち止まった理由と、これからのこと。

この生活の予算、今後のキャリア、どう回収するのか。

派手な成功談を書くつもりはありません。けれど、暮らしのことも、学びのことも、働くことも、できるだけ切り離さずに書いていけたらと思っています。


さいごに

私の1番好きなサント・イルデフォンソ教会

今、暮らしの中の豊かさを、少しずつ見つけています。

いい材料を選んで料理すること。知らない街を歩くこと。ワインの違いが少しずつわかるようになること。勉強して、昨日よりほんの少し見えるものが増えること。

派手なことは何もない毎日だけれど、この手触りをちゃんと残しておきたいと思って、noteを書いています。

同じように、働き方や生き方を少し立ち止まって考えている人にも、どこかで届いたらうれしいです。

読んでいただき、ありがとうございます。


半年の振り返りはこちらに書きました。

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SHUN いただいたチップは、資格試験の受験料や教材費など「成長への投資」として大切に使わせていただきます📚記事が少しでも役に立っていたらうれしいです。引き続き、コツコツ書いていきます。