【5分で分かる中学社会】ヨーロッパ①気候 中1地理
前回は中央アジアについて学びましたね。今回はヨーロッパの気候についてです。
今日は霧が大事件を引き起こします。
1:「霧の街」ロンドン
イギリスの首都ロンドンは「霧の街」(きりのまち)と呼ばれています。ロンドンは霧が多く発生するのですね。
ロンドンでは、かつてこの霧が大惨事を引き起こしました。それが1952年に起きたロンドンスモッグ事件です。

イギリスは産業革命の中心地で工場が多く、石炭を動力にして機械を動かしていました。(産業革命はこの記事を参照)事件が起きた日は石炭を燃やして出た煙と霧が交じり合い、汚染された黒い空気がロンドンを包み込んだといいます。
この有害な霧が人々の健康を損ない、最終的に約12,000人もの命が失われる悲劇となったのです。
では、なぜロンドンでは霧が発生するのでしょうか?その理由を予想してみましょう。
2:ロンドンの位置
霧の謎を解くカギは、ロンドンの位置にあります。ロンドンの緯度はおよそ北緯50度で、かなり高緯度に位置しています。
ロンドンの位置を日本と比べてみましょう。北海道の稚内市(わっかないし)には宗谷岬(そうやみさき)があります。この岬は北海道本島の最北端にあり、「日本最北端の地の碑」が立っています。(参考HP:北海道公式観光サイト)
この宗谷岬がおよそ北緯45度です。ですから、ロンドンの方が北海道本島の最北端よりも北にあるのです。

ただ、これには違和感がありますね。ロンドンが北海道よりも北にあるなら、ロンドンはかなり寒いはずです。しかし、ロンドンよりも北海道の方が寒い感じがします。これは間違いなのでしょうか?
この直観は間違いではありません。北海道は冷帯に属しますが、ロンドンは温帯(西岸海洋性気候)に属しています。ロンドンの方が温暖な気候なのです。なぜでしょう?
実は、イギリスのすぐ西側の海には暖流(暖かい海流)が流れています。この暖流を北大西洋海流と呼びます。北大西洋海流がロンドンを温めているのですね。

そして、暖流以外にもロンドンが温暖な理由があります。それが偏西風(へんせいふう)です。偏西風は西から東へ吹く風のことです。ヨーロッパや日本などの中緯度の地域に吹いています。

偏西風もロンドンが温暖な理由の一つです。北大西洋海流が温めた空気を偏西風がヨーロッパへ運ぶのです。これがロンドンなどのヨーロッパが高緯度でも比較的温暖な理由です。
日本で偏西風を実感するのは天気予報を見るときです。多くの場合、日本の天気は西側から変わっていきます。それは偏西風が雨雲を西から東へと運ぶからです。天気予報を見たら、雨雲が西から東へ流れることを確認してみてください。
偏西風を学ぶときの注意点は季節風と間違えないようにすることです。季節風は主にアジアの気候の話ですから注意しましょう。(季節風はこの記事を参照)
ここまでの話を踏まえて、ようやくロンドンの霧について考えることができます。
実は暖流の北大西洋海流と偏西風がロンドンで霧を発生させる正体なのです。暖流で温められた空気は水分を含んでいます。朝晩の冷え込みなどで、この湿った空気の温度が下がると霧が発生するのです。ロンドンの霧は海流と風によるものだったのですね。
余談ですが、劇場版名探偵コナン「ベイカー街の亡霊」は霧の深いロンドンが舞台になっています。映画ではロンドンの霧の雰囲気がよく分かると思います。
3:ヨーロッパの気候の特徴
さて、以上の話を踏まえてヨーロッパの気候について考えていきましょう。もう一度確認ですが、ヨーロッパは北大西洋海流と偏西風の影響で高緯度でも比較的温暖な気候となっています。
しかし、高緯度の地域は基本的に寒いので、偏西風の影響を受けにくい内陸部は冷帯に属しています。また、緯度がさらに高いノルウェーやスウェーデンなどの北欧(北ヨーロッパ)も冷帯に属しています。
図でヨーロッパの気候の分布を確認しておきましょう。

また、それぞれの気候の特徴についても確認しましょう。
・西岸海洋性気候=一年中安定した降水
・地中海性気候=夏に乾燥し、冬は雨が多い
・冷帯=基本的に寒いが一年の寒暖差が大きい
気候はとても重要ですから忘れてしまった人は復習しましょう。
(温帯の記事、冷帯の記事を参照)雨温図も一緒に確認しましょう。

4:まとめ
それでは今回の学習をまとめましょう。
ヨーロッパは高緯度だが比較的温暖
→北大西洋海流と偏西風の影響
次回はヨーロッパの自然について学びましょう。
練習問題はこちら。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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