名古屋市立大学医学部保健医療学科 ― 元アドミッションコーディネータの視点で「大学が本当に求めている学生像」を読み解く ―
1. 学部概要
30秒でまとめると…
都市型医療の最前線で、実践力と研究力を備えた医療人を育てる学科
学べる分野
名古屋市立大学医学部保健医療学科では、看護学やリハビリテーション学(理学療法・作業療法)を中心に、人の健康を支える専門知識と技術を学びます。
医学や生命科学を基礎から学ぶだけでなく、医療倫理、地域医療、多職種連携、研究手法まで幅広く修得します。
講義・演習・臨地実習を通して、患者一人ひとりに寄り添いながら科学的根拠に基づいて判断・行動できる医療専門職を目指します。
注目の特徴
名古屋市立大学の大きな魅力は、政令指定都市・名古屋にある公立大学として、多様な医療現場で学べることです。
附属病院をはじめ、市内のさまざまな医療機関で実習を行い、急性期医療から地域包括ケアまで幅広い症例を経験できます。
また、医学科との交流や多職種連携教育も充実しており、将来のチーム医療を見据えた実践的な学びができる環境が整っています。
身につく力
医療現場で必要となる専門的な知識と技術
患者や家族と信頼関係を築くコミュニケーション力
多職種と協働するチーム医療の実践力
科学的根拠に基づいて考える研究・課題解決力
地域社会の健康課題を理解し、行動する力
これらの力は病院やリハビリテーション施設だけでなく、行政機関や教育・研究分野など幅広い進路で求められます。
医療の変化に対応しながら長く活躍できる基礎力を身につけられることが、この学科の大きな強みです。
元「中の人」のチェックポイント
「看護師・理学療法士・作業療法士になるための学科」と考えるだけでは、この学科の魅力を十分に理解したとは言えない。
注目したいのは、都市型医療を学べる実習環境、多職種連携を重視した教育、そして研究力を養うカリキュラムだ。
大学が求めているのは資格取得だけを目標にする人ではなく、医療をより良くするために学び続け、チームの中心となって活躍できる医療人。
2. この学部に向いている人
この学部に向いている人の概要
名古屋市立大学医学部保健医療学科は、医療職として専門性を身につけるだけでなく、研究力や多職種との協働力も育てる学科です。
「人を支えたい」という気持ちに加え、「より良い医療を考えたい」「学び続けたい」という姿勢を持つ人ほど、この大学の学びを存分に生かすことができます。
患者さん一人ひとりに寄り添える医療人になりたい
医療の現場では、病気だけを見るのではなく、その人の生活や家族、価値観まで理解する姿勢が求められます。
名古屋市立大学では、患者中心の医療を重視した教育を通して、人に寄り添う力を育てます。
こんな人におすすめ
人の話を最後まで丁寧に聞ける
困っている人を見ると力になりたくなる
相手の立場になって考えることが好き
知識や技術は大学で学べますが、「相手を思いやる気持ち」は簡単には身につきません。
その優しさを専門性へと成長させたい人にぴったりの学科です。
チームで力を合わせて命を支えたい
現代医療は、一人の医療職だけで完結する仕事ではありません。
医師、看護師、理学療法士、作業療法士など、多くの専門職が連携して患者さんを支えます。
多職種連携教育が充実した名古屋市立大学では、この力を学生時代から養えます。
こんな人におすすめ
部活動や学校行事で協力することが好き
自分の意見だけでなく相手の考えも尊重できる
チームで目標を達成することにやりがいを感じる
医療職は「一人で頑張る仕事」ではありません。
周囲と協力しながら最善の医療を考えられる人ほど、現場で大きく活躍できます。
向いている人の特徴③
「なぜ?」を大切にし、学び続けられる
大学では国家試験対策だけでなく、医療の根拠を科学的に考える姿勢も学びます。
「どうしてこの治療なのか」「もっと良い方法はないか」と考えられる人は、研究にも臨床にも強い医療人へ成長できます。
こんな人におすすめ
理科や生物に興味がある
疑問があると調べずにはいられない
新しいことを学ぶのが好き
医療は日々進歩しています。
卒業後も学び続ける姿勢を持てる人は、長く信頼される医療専門職として成長していけるでしょう。
都市医療の最前線で幅広い経験を積みたい
名古屋市立大学は、政令指定都市・名古屋の多様な医療機関で実習を経験できます。
高度急性期医療から地域包括ケアまで幅広い現場に触れたい人には、とても恵まれた環境です。
こんな人におすすめ
大学病院での実習に興味がある
幅広い症例を経験したい
将来は高度医療にも携わりたい
多くの症例や医療現場に触れる経験は、医療人としての視野を大きく広げます。
幅広い経験を積みたい人には大きな魅力となるでしょう。
地域の健康を支える仕事にやりがいを感じる
病院で働くことだけが医療職ではありません。
地域包括ケアや予防医療、健康づくりなど、地域社会を支える役割も重要です。
名古屋市立大学では、地域とのつながりを意識した教育も行われています。
こんな人におすすめ
地域貢献に興味がある
人の暮らしを支える仕事がしたい
長く社会に必要とされる仕事を目指したい
患者さん一人だけでなく、地域全体の健康を考えられる医療人は、これからの時代ますます必要とされる存在です。
逆に向いていないかもしれない人
次のような考え方の人は、別の学部を検討した方がいいかもしれません。
「資格だけ取れればいい」と考えている
国家資格の取得は大切ですが、それだけを目的にすると大学での学びを十分に生かせません。
名古屋市立大学では研究活動や課題解決、多職種連携なども重視しています。
こんな人は要注意
勉強は国家試験だけで十分だと思う
卒業研究には興味がない
新しい知識を学ぶことが苦手
大学は資格取得のためだけの場所ではありません。
医療人として成長し続ける姿勢が、この大学では特に大切になります。
人と関わることをできるだけ避けたい
医療職は毎日、多くの患者さんや家族、医療スタッフと関わります。
コミュニケーションが得意である必要はありませんが、人と向き合おうとする姿勢は欠かせません。
こんな人は要注意
人と話すことを極端に避けたい
一人で完結する仕事をしたい
相手の気持ちを考えることが苦手
話し上手である必要はありません。
大切なのは、相手を理解しようとする姿勢です。
その気持ちがあれば大学生活の中でコミュニケーション力は十分に伸ばせます。
元「中の人」のチェックポイント
名古屋市立大学医学部保健医療学科は、「人を支えたい」「学び続けたい」「チームでより良い医療をつくりたい」という気持ちを持つ人を求めている。
今すべてができている必要はなく、高校生活でその姿勢を育ててきた人なら、この大学で大きく成長できるはず。
3. 学びの特徴
アドミッションポリシー
名古屋市立大学医学部保健医療学科では、次のような力や姿勢を持つ学生を求めています。
人を思いやり、医療を通して社会に貢献したい人
高校で学ぶ基礎学力をしっかり身につけている人
生物・化学・数学などの基礎知識を活用して考えられる人
相手の話を聞き、自分の考えを伝えられる人
学び続ける意欲があり、課題に粘り強く取り組める人
例えば、部活動で仲間と協力した経験や、生徒会活動で相手の立場を考えて行動した経験、授業で「なぜそうなるのか」を考えながら学んできた姿勢は、大学での学びにもつながります。
この学科が目指しているのは、「知識がある人」ではなく、「人を支えながら成長し続けられる医療人」です。
高校生活で培った学ぶ姿勢や協調性が、そのまま大学での学びの土台になります。
カリキュラムポリシー
カリキュラムは、医学・保健医療の基礎から専門分野、臨床実習へと段階的に学べるよう構成されています。
講義だけでなく演習や実習を繰り返しながら、知識と技術を結び付けて身につけられることが特徴です。
また、多職種連携教育や研究活動も取り入れられ、医療現場で必要となる実践力や課題解決力を育成します。
高校までに医療の専門知識がなくても心配はいりません。
基礎から順を追って学び、少しずつ専門性を高められるカリキュラムになっているため、着実に成長できる環境が整っています。
ディプロマポリシー
卒業時には、次のような力を身につけることを目標としています。
医療職として必要な専門知識・技術
患者さんを尊重し倫理的に行動する力
科学的根拠に基づいて考え、判断する力
多職種と協力して医療を実践する力
卒業後も学び続け、社会に貢献する姿勢
医療は資格を取得して終わる仕事ではありません。
卒業後も新しい知識や技術を学び続け、患者さんや地域社会により良い医療を提供できる専門職になることが期待されています。
カリキュラムの特徴
1年次
教養教育と医学・生命科学の基礎を学び、医療人としての土台を築きます。
2年次
ここからは看護学専攻またはリハビリテーション学専攻(理学療法学・作業療法学)の専門科目が本格化し、演習も増えていきます。
3年次から4年次
附属病院や地域の医療機関で臨地実習を行い、卒業研究にも取り組みます。
知識・技術・研究を段階的に積み重ねながら、現場で活躍できる力を養うカリキュラムです。
PBL・実習
臨地実習では、大学附属病院だけでなく市内のさまざまな医療機関で学び、急性期から地域包括ケアまで幅広い医療を経験します。
また、多職種と協力して課題を考える学習も取り入れられています。
文化祭の実行委員として役割分担しながら一つの企画を完成させるように、医療現場でもそれぞれの専門性を生かして患者さんを支える力を身につけます。
特色ある授業
名古屋市立大学の特色は、医学科との連携や多職種連携教育が充実していることです。
医師を目指す学生や他の医療専門職を目指す学生と共に学ぶ機会があり、それぞれの役割や考え方を理解しながらチーム医療を実践する力を育てます。
また、研究活動や卒業研究にも力を入れており、医療現場で生まれた疑問を科学的に検証する姿勢も養います。
「患者さんを治療する」だけでなく、「医療をより良くする方法を考える」視点まで身につけられることが、この大学ならではの大きな魅力です。
元「中の人」のチェックポイント
名古屋市立大学医学部保健医療学科のカリキュラムは、基礎から専門、実習、研究へと無理なくステップアップできるよう設計されている。
特に附属病院をはじめとする多様な医療現場での実習や、多職種連携教育は、この大学ならではの強み。
アドミッションポリシーでは、「最初から完璧な人」ではなく、人を思いやり、学び続ける意欲を持つ人が重視されている。
高校時代に勉強や部活動、学校行事を通して培った協調性や主体性は、大学での学びに必ず生きるはずなので、安心して挑戦してみよう。
4. 研究
主な研究分野① 地域・在宅医療を支える研究
高齢化が進む中、自宅や地域で安心して暮らせる仕組みづくりを研究します。
病院だけでなく、地域全体で健康を支える視点が特徴です。
研究例
高齢者の転倒予防
在宅療養を支える看護
地域包括ケアシステム
健康寿命を延ばす取り組み
「病気を治す」だけでなく、「地域で暮らし続ける」ことまで考える研究です。
主な研究分野② リハビリテーション科学の研究
理学療法・作業療法の効果を科学的に検証し、より良い支援方法を探ります。
身体機能だけでなく、生活や社会復帰まで幅広く研究対象としています。
研究例
歩行やバランス能力の改善
脳卒中後のリハビリテーション
高齢者の運動機能向上
日常生活動作(ADL)の支援
「もう一度自分らしく生活できる」を支える研究分野です。
主な研究分野③ 看護学・患者支援の研究
患者さんや家族が安心して治療を受けられるよう、より良い看護の方法を研究します。
心理面や生活面も含めて支援する点が特徴です。
研究例
がん患者への看護支援
小児・母性・精神看護
慢性疾患患者のセルフケア
家族への心理的サポート
「その人らしい生活」を支える看護を科学的に追究する研究です。
主な研究分野④ 多職種連携・医療安全の研究
医師・看護師・リハビリ専門職などが協力し、より安全で質の高い医療を提供する方法を研究します。
研究例
チーム医療の効果
医療事故防止
医療現場のコミュニケーション
多職種連携教育
医療は一人ではできません。チーム全体を良くする研究も重要です。
主な研究分野⑤ 健康づくり・予防医療の研究
病気になってから治療するだけではなく、病気を予防し健康を維持するための研究も進められています。
研究例
運動習慣と健康
生活習慣病の予防
健康教育プログラム
地域住民への健康支援
「治療」だけでなく「健康を守る」ことも医療の大切な役割です。
卒業研究テーマ
卒業研究のテーマは毎年異なりますが、学生は実習で感じた疑問や社会課題をもとに研究へ取り組みます。
例えば、次のようなテーマが考えられます。
高齢者の転倒予防につながる運動指導
がん患者の心理的支援に関する研究
認知症高齢者へのコミュニケーション方法
脳卒中患者の歩行能力改善プログラム
子どもの発達を支えるリハビリテーション
災害時における保健医療支援
医療従事者間の情報共有とチーム医療
地域住民の健康づくり活動の効果
自分で課題を見つけ、科学的に解決策を考える経験は、卒業後の臨床現場でも大きな力になります。
都市部だからこそ経験できる実習環境
名古屋市立大学は、全国でも有数の規模を誇る附属病院群を持つ公立大学です。
大学病院だけでなく、東部医療センター、西部医療センター、みどり市民病院、みらい光生病院、リハビリテーション病院など、それぞれ異なる役割を持つ病院が連携しています。
高度急性期医療から回復期、リハビリテーション、地域医療まで、患者さんの状態に応じた医療を一つの大学のネットワークで学べることが大きな特徴です。
実習では病気だけを見るのではなく、「退院後の生活まで考える医療」を体験でき、幅広い視野を持った医療職を目指せます。
「なごや医療モデル」に学ぶ医療連携
名古屋市立大学では、6つの附属病院と地域の診療所、介護施設、行政機関が連携する「なごや医療モデル」を推進しています。
患者さんが救急搬送されてから、高度医療、回復期リハビリ、在宅医療まで切れ目なく支える仕組みを実際の現場で学べる点は、都市型大学ならではの魅力です。
学生は多職種連携や地域包括ケアを体験しながら、「患者さん一人を地域全体で支える」という現代医療の考え方を自然に身につけていきます。
医療現場がそのまま研究につながる環境
名古屋市立大学では、附属病院群で生まれた課題を大学の研究へつなげられる環境があります。
例えば、高齢化社会への対応、救急・災害医療、感染症対策、がん医療、リハビリテーション、地域包括ケアなど、都市部だからこそ多様な症例や社会課題に触れながら研究を進めることができます。
学生も卒業研究では臨地実習で感じた疑問をテーマにすることが多く、「現場で気づく→調べる→より良い医療につなげる」という大学ならではの学びを経験できます。
研究が机上の学問ではなく、患者さんの生活や地域医療の改善に直結していることが、この学科の大きな魅力です。
元「中の人」のチェックポイント
地方の大学では、一つの附属病院を中心に実習するケースも少なくないが、名古屋市立大学では、高度急性期・救急・周産期・がん医療・回復期リハビリ・地域包括ケアまでを一つの大学で学べることが大きな強み。
卒業後の進路をまだ決め切れていない高校生ほど、多様な現場を経験できる環境には大きな価値がある。
実習を通して「自分はどんな医療職になりたいのか」を考えられることは、都市型大学ならではの大きなメリットと言える。
5. 学生生活
男女比
大学ポートレートによると、名古屋市立大学医学部全体の学生数は男性452人(約45%)、女性547人(約55%)です。
一方、保健医療学科は看護学専攻の割合が大きいため、実際には医学部全体より女性の比率が高い傾向があります。
保健・看護系学部は全国的にも女子学生が多いことが共通していますが、理学療法・作業療法を学ぶ学生も在籍し、多様な価値観に触れながら学べる環境です。
出身地
大学ポートレートでは学科別の出身県データは公表されていませんが、名古屋市立大学は愛知県出身者を中心に、岐阜県・三重県・静岡県・長野県など東海・中部地方から多くの学生が集まります。
地元志向が比較的強い一方で、医療系学部として県外からの進学者も一定数おり、「地元型を基本とした広域募集」の大学といえます。
留学制度
名古屋市立大学では、交換留学や短期研修、語学研修など多様な海外プログラムを用意しています。
保健医療学科でも希望者は大学全体の制度を利用でき、海外の医療や保健制度に触れる機会があります。
医療分野では国や文化によって医療制度や患者さんへの関わり方が異なります。
海外での学びは、異文化理解だけでなく、多様な価値観を持つ患者さんと向き合う力を養う貴重な経験になります。
提携大学
名古屋市立大学はアジア、北米、ヨーロッパ、オセアニアなど多くの大学と学術交流協定を締結しています。
交換留学や短期研修、共同研究などに参加できるほか、医療系では海外の病院や保健医療教育に触れるプログラムも実施されています。
国際的な視点で医療を学びたい学生にとって魅力的な環境です。
留学支援
留学前の語学学習支援や奨学金制度、国際交流センターによる相談体制が整っています。
また、海外からの留学生との交流イベントや英語で学ぶ授業もあり、日本にいながら国際感覚を養える機会が豊富です。
医療職として必要な異文化コミュニケーション能力も自然と身につけられます。
地域連携
名古屋市立大学の大きな特徴は、名古屋市立大学病院をはじめ、市内の医療機関や自治体と連携した実習・地域活動です。
急性期医療だけでなく、在宅医療や地域包括ケア、健康づくり活動にも参加し、地域が抱える課題を現場で学びます。
また、多職種と協力して患者さんを支える経験を通して、コミュニケーション力や課題発見力、実践力を養います。
「病院だけで働く医療職」ではなく、「地域全体を支える医療職」としての視野を広げられることが、この学科の大きな魅力です。
元「中の人」のチェックポイント
「医療系は勉強ばかり」というイメージを持つ高校生も多いですが、
名古屋市立大学では病院実習だけでなく、地域活動や国際交流など、教室の外で学ぶ機会がたくさんある。
さまざまな人と関わりながら成長できる環境があるため、コミュニケーション力や英語力は自然と磨かれる。
大学生活の4年間で視野を広げ、自分らしい医療人へ成長できる環境が整っている。
6. 入試方法
選抜方式
名古屋市立大学医学部保健医療学科では、2027年度から新設された学校推薦型選抜A、学校推薦型選抜B(名古屋市高大接続型を含む)、一般選抜(前期日程)を実施しています。
学校推薦型選抜A
共通テストを課さない選抜として、調査書・志望理由書・面接などを通して学習意欲や医療職への適性を総合的に評価します。学校推薦型選抜B
共通テストに加え、書類審査などを組み合わせた選抜です。一般選抜(前期)
共通テストに加え、個別学力検査では英語・小論文・面接を課し、学力だけでなく論理的思考力やコミュニケーション力、医療職としての資質まで総合的に評価します。
なお、一般選抜後期日程は実施されません。
難易度
河合塾Kei-Netによると、一般選抜前期のボーダーは共通テスト得点率62%、偏差値50.0です(理学療法学は67%・偏差値52.5)。
国公立大学の看護系学科としては標準~やや難関に位置し、地方国公立大学よりやや高めの水準です。
一方で、医学科ほど極端な難易度ではなく、共通テストで安定して得点できれば十分に合格を狙える大学といえるでしょう。
各教科の重要度と得点源
数学
重要度:★★★★★ 得点源:★★★★☆
共通テスト:〇
個別学力検査:×(看護学専攻)
共通テストでは数学ⅠA・ⅡBCが必須です。
個別試験では課されませんが、配点の大きい共通テストで差がつきやすいため、安定して7~8割を確保したい教科です。
医療系では入学後も統計やデータ分析で数学的な考え方が役立ちます。
英語
重要度:★★★★★ 得点源:★★★★★
共通テスト:〇
個別学力検査:〇
唯一、共通テストと個別試験の両方で課される重要科目です。
長文読解力だけでなく、医療現場で必要となる論理的な読解力も問われます。
英語が得意な受験生は、大きなアドバンテージになります。
国語
重要度:★★★★☆ 得点源:★★★★☆
共通テスト:〇
個別学力検査:×
国語は共通テストのみですが、現代文で問われる読解力は、小論文や面接にもつながります。
文章を正確に読み取り、自分の考えを整理する力を高校のうちから身につけておきましょう。
理科
重要度:★★★★☆ 得点源:★★★☆☆
共通テスト:〇
個別学力検査:×
2027年度入試から理科は1科目となり、受験しやすくなりました。
生物や化学を選択する受験生が多いですが、得意科目を選ぶことが重要です。
入学後の専門科目を考えると、生物・化学を学んでおくと理解が深まりやすくなります。
社会
重要度:★★★☆☆ 得点源:★★★☆☆
共通テスト:〇
個別学力検査:×
地理・歴史・公民から1科目選択します。
配点は他教科と比べて突出して高くありませんが、安定して得点できれば全体の底上げにつながります。
苦手科目を作らないことが大切です。
情報
重要度:★★★☆☆ 得点源:★★★☆☆
共通テスト:〇
個別学力検査:×
情報Ⅰは共通テストで必須です。
配点は比較的小さいものの、他の受験生との差がつきやすい教科でもあります。
早めに対策を始め、確実に得点源にしておきましょう。
元「中の人」のチェックポイント
名古屋市立大学医学部保健医療学科は、「共通テストでしっかり得点し、個別試験の英語・小論文・面接で仕上げる」ことが基本戦略になる。
特に看護学専攻では個別試験に数学や理科がないため、「数学が苦手だから医療系は無理」と諦める必要はない。
一方で、共通テストでは数学・英語・国語が合否を左右します。まずは共通テストで7割前後を安定して取れる力を身につけ、その上で小論文では医療や社会問題への関心、面接では「なぜ名古屋市立大学で学びたいのか」を自分の言葉で伝えられるよう準備していくことが合格への近道といえる。
7. 進路
進級と留年の状況
名古屋市立大学医学部保健医療学科は、国家資格取得を目指すカリキュラムのため、授業・演習・臨地実習が段階的に組まれています。
実習科目は前提となる科目を修得していることが条件となる場合が多く、一度単位を落とすと翌年度まで履修できない科目もあります。
そのため、「留年しやすい」というよりも、計画的な学習が求められる学科といえます。
日頃の授業への出席、レポート提出、実習への真摯な取り組みが、4年間で卒業するための大切なポイントです。
大学院進学
旧看護学部では、多くの学生が卒業後すぐに看護師・保健師・助産師・理学療法士・作業療法士として就職し、大学院へ進学する学生は少数派でした。
一方で、大学院へ進学した学生は、看護教育、地域看護、高度実践看護、リハビリテーション科学、医療マネジメントなどを専門的に研究します。
臨床経験を積んでから社会人大学院へ進学する卒業生も多く、「まず臨床、その後に研究・教育」というキャリアを選ぶ人が多いことも特徴です。
主な就職先
旧看護学部では就職希望者のほぼ全員が就職しており、就職率は非常に高い水準を維持しています。
進路の中心は医療・福祉分野で、特に病院への就職が大半を占めます。
主な就職先には、名古屋市立大学病院、名古屋市立大学医学部附属東部医療センター・西部医療センターをはじめ、愛知県厚生農業協同組合連合会(JA愛知厚生連)系列病院、日本赤十字社愛知医療センター、春日井市民病院、豊川市民病院、刈谷豊田総合病院などがあります。
また、保健師として自治体へ就職する学生や、助産師課程・大学院へ進学する学生もいます。
附属病院群を持つ大学ならではのネットワークがあり、高度急性期医療から地域医療まで幅広い進路を選択できることが強みです。
進路先の都道府県
卒業生の進路は愛知県が最も多く、名古屋市を中心とした東海地区への就職が中心です。
そのほか岐阜県、三重県、静岡県など近隣県の医療機関への就職も多く見られます。
一方で、東京都や神奈川県、大阪府など大都市圏の高度医療機関へ進む卒業生も一定数います。
東海地方で医療職として働きたい人には特に強い大学ですが、全国の大学病院や基幹病院への就職実績もあり、地域に縛られない進路選択が可能です。
元「中の人」のチェックポイント
名古屋市立大学医学部保健医療学科は、「就職型」の傾向が強い。
多くの学生は卒業後すぐに国家資格を生かして医療現場で働き始めます。
一方で、保健医療学科となり「研究も大切にする大学」であるため、臨床経験を積んだ後に大学院へ進学し、専門看護師や教育・研究職を目指す道も開かれている。
まずは臨床で経験を積み、その経験を教育や研究へ生かす――そんなキャリアを描きやすいことが、この学科ならではの魅力といえる。
8. 学費・生活費
学費
名古屋市立大学は公立大学のため、学費は全国の国公立大学とほぼ同水準です。
入学料は名古屋市内居住者等232,000円、その他332,000円、授業料は年額535,800円です。
4年間の学費総額は、市内居住者等で約237万円、市外居住者では約247万円が目安となります。
追加費用
学費以外には、教科書代、実習用ユニフォーム・シューズ、聴診器などの実習用品、国家試験対策教材、保険料などが必要になります。
4年間を通して約30~50万円程度を見込んでおくと安心です。
医療系学科は実習用品が必要になる分、一般的な文系学部より追加費用がやや多くなる傾向があります。
日本学生支援機構の奨学金
名古屋市立大学では、日本学生支援機構(JASSO)の給付型・貸与型奨学金を取り扱っています。
高等教育の修学支援新制度の対象校でもあり、給付型奨学金と授業料等減免をあわせて利用できる学生もいます。
大学独自の奨学金・支援制度
大学独自の制度として、「名市大生スタート支援奨学金」や各種民間・地方公共団体奨学金を利用できます。
また、海外留学向け奨学金や研究支援制度も整備されています。
経済的な理由で進学を迷っている学生も、複数の支援制度を組み合わせることで学びを続けやすい環境が整っています。
授業料免除制度
学部生は、高等教育の修学支援新制度による授業料等減免制度を利用できます。
給付型奨学金とあわせて申請することで、家計状況に応じて入学料や授業料の減免を受けられる場合があります。
アパート相場
桜山キャンパス周辺(名古屋市瑞穂区・昭和区)は地下鉄桜通線が利用でき、生活環境も充実しています。
学生向けワンルーム・1Kの家賃相場は月5.5~7.0万円程度です。
都市部としては比較的住みやすく、地下鉄で名古屋駅や栄方面へアクセスしやすいことも魅力です。
自転車通学を選ぶ学生も多く見られます。
卒業までの費用シミュレーション
【実家暮らし】
学費:約237~247万円
追加費用:約40万円
通学費・昼食代など:約120万円
合計:約400万円前後
【一人暮らし】
学費:約237~247万円
追加費用:約40万円
家賃(6万円×48か月):約288万円
生活費(食費・光熱費など):約350万円
合計:約920~940万円前後
名古屋市は東京より家賃を抑えやすく、都市部の利便性と生活コストのバランスが良い点も魅力です。
元「中の人」から保護者の方へ
医療系学部は実習用品などの追加費用がかかりますが、名古屋市立大学は公立大学であるため、私立医療系大学と比べると学費負担は大きく抑えられます。
また、高等教育の修学支援新制度や日本学生支援機構奨学金、大学独自の奨学金も利用でき、経済的な支援体制が充実しています。
特に保健医療学科は国家資格取得後の就職率が非常に高く、卒業後は安定したキャリアを築きやすい学科です。
進学時の費用だけでなく、「卒業後にどのような職業に就き、長く活躍できるか」という視点でも、費用対効果の高い進学先と言えるでしょう。
9. 入学後のサポート
リメディアル教育
名古屋市立大学では、「リメディアル教育」という名称の全学的なプログラムは大きく打ち出されていません。
ただ、1年次には教養教育と医学・生命科学の基礎科目を段階的に学ぶカリキュラムが組まれています。
高校で学んだ生物・化学・数学を土台にしながら、医療専門職に必要な知識へと無理なく発展させる内容となっているため、「医療の勉強についていけるか不安」という学生も安心して学び始めることができます。
学修支援
保健医療学科では、少人数での演習や実習が多く、教員との距離が近いことが特徴です。
実習前後の個別指導や研究指導も丁寧に行われるため、学習面だけでなく医療職としての考え方や姿勢についても相談しやすい環境があります。
少人数教育だからこそ、一人ひとりが主体的に考え、仲間と協力しながら学ぶ力を養うことができます。
取得できる資格
専攻によって取得できる資格が異なります。
看護学専攻:看護師国家試験受験資格、保健師国家試験受験資格(選択制)、助産師国家試験受験資格(大学院進学など所定課程)
理学療法学専攻:理学療法士国家試験受験資格
作業療法学専攻:作業療法士国家試験受験資格
いずれも医療現場で活躍するための国家資格であり、卒業後の進路に直結することが大きな特徴です。
資格取得サポート
国家試験対策は4年間を通して段階的に行われます。
通常の講義や実習で基礎力を身につけ、最終学年では模擬試験や補講、教員による個別指導などを通して実践力を高めます。
単なる暗記ではなく、「なぜその判断をするのか」を理解しながら学ぶため、資格取得だけでなく臨床現場で役立つ思考力も養われます。
キャリア・就職支援
キャリア支援センターでは、就職ガイダンス、履歴書・エントリーシート添削、面接練習、求人情報の提供などを行っています。
また、保健医療学科では附属病院や実習先とのつながりも強く、医療機関の説明会や卒業生による進路相談など、医療系ならではの就職支援を受けることができます。
ICT・図書館サポート
学内では学習支援システム(LMS)が活用され、授業資料や課題提出、連絡事項をオンラインで確認できます。
また、総合情報センター(図書館)では医学・看護・リハビリテーション分野の専門書や国内外の電子ジャーナルを利用でき、卒業研究や国家試験対策にも役立ちます。
医療分野の最新情報に触れられる環境が整っています。
学生相談・生活支援
学生相談室では、学習や進路だけでなく、人間関係や健康、経済的な悩みなど幅広い相談に対応しています。
また、保健管理室では健康相談や定期健康診断を実施し、安心して学生生活を送れる体制を整えています。
困ったことがあれば一人で抱え込まず、専門スタッフへ相談できる環境があります。
学生寮
名古屋市立大学には大学直営の学生寮はありませんが、大学生協や提携不動産会社が学生向けアパート探しをサポートしています。
桜山キャンパス周辺には学生向け物件が多く、大学まで徒歩・自転車で通学できる住まいも豊富です。
初めての一人暮らしでも安心して住まいを探せる体制が整っています。
その他学生サポート体制
名古屋市立大学では、国際交流センターによる留学相談や語学学習支援、障害学生支援室による合理的配慮、ボランティア活動支援など、多様な学生が安心して学べる環境づくりを進めています。
医療職として必要な社会性や国際的な視野を広げる機会も豊富です。
元「中の人」のチェックポイント
名古屋市立大学では、基礎から段階的に学べるカリキュラムに加え、少人数教育や教員との距離の近さ、国家試験対策、就職支援まで一貫したサポート体制が整っている。
分からないことをそのままにせず、教員や大学の支援制度を積極的に活用することが、充実した4年間につながる。
「授業についていけるだろうか」「実習が不安」と不安に思うかもしれないが、大学は「一人で頑張る場所」ではなく、「周囲の力を借りながら成長する場所」だから、安心して新しい一歩を踏み出してほしい。
10. この学部を一言で表すと?
都市医療の最前線で、未来の医療を支える
名古屋市立大学医学部保健医療学科は、看護学とリハビリテーション学を通して、人の命と生活を支える医療専門職を育成する学科です。
名古屋市という大都市に位置する強みを生かし、附属病院群や地域医療機関との連携の中で、高度急性期医療から地域包括ケアまで幅広い医療を学べます。
さらに、多職種連携教育や研究活動も充実しており、「資格を取る」だけではなく、「医療をより良くする力」を身につけられることが、この学科ならではの魅力です。
この学部に向いている人
次のような人は、この学科で大きく成長できるでしょう。
人を支える仕事がしたい人
患者さん一人ひとりに寄り添い、その人らしい生活を支える医療職を目指したい人に向いています。チームで協力することが好きな人
医師や看護師、理学療法士、作業療法士など、多くの専門職と協力しながら医療を実践する力を伸ばせます。学び続けることを楽しめる人
医療は日々進歩します。卒業後も知識を更新し続けたいという姿勢が大きな強みになります。「なぜ?」を大切にできる人
臨床だけでなく研究にも力を入れる大学だからこそ、疑問を持ち、自分で考える力が生きてきます。都市部の多様な医療を経験したい人
高度医療から地域医療まで幅広い現場で学び、自分の可能性を広げたい人に最適な環境です。
「今の自分に自信があるか」よりも、「人のために成長したい」という気持ちを持っていることが、この学科では何より大切です。
元「中の人」から伝えたいこと
名古屋市立大学医学部保健医療学科のアドミッションポリシーから伝わってくるのは、「人を思いやる心」と「学び続ける姿勢」を大切にする大学だということです。
高校時代は、生物や化学、数学などの基礎学力を身につけることはもちろん、部活動や学校行事、ボランティア活動などを通して、人と協力する経験を積んでおくことも大きな財産になります。
大学では、附属病院群や地域医療機関での実習、多職種連携教育、卒業研究を通して、医療現場で必要となる専門性と課題解決力を磨いていきます。
卒業後は、看護師・保健師・理学療法士・作業療法士として臨床の第一線で活躍するだけでなく、大学院へ進学して教育・研究分野へ進む道も開かれています。
「資格を取ること」がゴールではなく、「より良い医療をつくる人」になること。それが、この学科が育てたい医療人の姿です。
この学部を一言で表すと?
都市医療の最前線で、未来の医療を支える
もしあなたが、「誰かの役に立つ仕事がしたい」「学び続けながら成長できる医療人になりたい」と考えているなら、名古屋市立大学医学部保健医療学科は、その思いを形にできる場所です。
都市部ならではの多彩な実習環境、研究につながる学び、多職種との協働経験は、将来の大きな財産になります。
大学受験はゴールではなく、医療人としての第一歩です。
4年後、そして10年後の自分を思い描きながら、この大学への挑戦をぜひ前向きに考えてみてください。
11. 参考リンク集
【公立】名古屋市立大学
人文社会学部
紹介 (2026.8.3)
対策
経済学部
紹介
対策
理学部
紹介 (2026.7.30)
対策
芸術工学部
紹介
対策
医学部医学科
紹介
対策
医学部保健医療学科
紹介 (2026.7.29)
対策
薬学部
紹介
対策
データサイエンス学部
紹介
対策
【保健学】看護学
高知大学医学部看護学科 (2026.7.17)
秋田大学医学部保健学科 (2026.7.18)
福島県立医科大学看護学部 (2026.7.20)
福島県立医科大学保健科学部 (2026.7.20)
富山大学医学部看護学科 (2026.7.21)
鹿児島大学医学部保健学科 (2026.7.22)
佐賀大学医学部看護学科 (2026.7.22)
新潟大学医学部保健学科 (2026.7.23)
山形大学医学部看護学科 (2026.7.25)
名古屋市立大学医学部保健医療学科 (2026.7.29)
