福島県立医科大学看護学部 ― 元アドミッションコーディネータの視点で「大学が本当に求めている学生像」を読み解く ―
1. 学部概要
30秒でまとめると…
地域医療と災害医療の最前線で、人に寄り添う看護の専門家を育てる学部
学べる分野
福島県立医科大学看護学部では、看護学を基礎から体系的に学びます。
基礎看護学をはじめ、成人・老年・小児・母性・精神・在宅・地域・公衆衛生看護など幅広い分野を学修し、患者一人ひとりに合わせた看護実践力を身につけます。
また、医療倫理やコミュニケーション、多職種連携についても学び、地域社会の課題に対応できる看護職を目指します。
注目の特徴
最大の特徴は、医学部・保健科学部と連携した多職種連携教育(IPE)が充実していることです。
医学生やリハビリテーション、診療放射線、臨床検査などを学ぶ学生と協働し、チーム医療を実践的に学べます。
さらに、福島県という地域特性を生かした災害医療や地域包括ケアの学びも充実しており、実践力を養える臨地実習環境が整っています。
身につく力
患者に寄り添う看護実践力
医療チームで協働するコミュニケーション力
科学的根拠に基づく判断力・課題解決力
地域医療や災害医療に対応する応用力
専門職として学び続ける自己成長力
これらの力は病院だけでなく、保健所、行政機関、訪問看護ステーション、企業、大学院進学など幅広い進路で生かされます。
変化する医療現場でも柔軟に活躍できる人材を目指せることが大きな魅力です。
元「中の人」のチェックポイント
福島県立医科大学看護学部は、「地域医療」を実践的に学べることが大きな強み。
また、医学部・保健科学部との多職種連携教育は、実際の医療現場に近い環境で学べる貴重な機会といえる。
卒業時には、看護技術だけでなくチーム医療を支える協働力も身につく。
受験を考える際は、「看護師になりたい」という思いだけでなく、「地域や社会にどう貢献したいか」を具体的に考えておくと、この学部の魅力やアドミッションポリシーとのつながりがより見えてくるはず。
2. この学部に向いている人
この学部に向いている人の概要
福島県立医科大学看護学部は、「看護師になりたい」という気持ちだけでなく、人と関わることが好きで、地域や社会に貢献したいという思いを持つ人に向いています。
知識や技術は大学で身につけられるため、まずは「人を支えたい」という気持ちと、学び続ける姿勢が大切です。
人の笑顔を支えたいあなたへ
こんな人におすすめ
人の相談に乗ることが多い
相手の気持ちを考えて行動できる
誰かの役に立つことにやりがいを感じる
看護は病気を治すだけでなく、患者さんや家族の不安に寄り添う仕事です。
そのため、相手の立場に立って考えられる人は、臨地実習でも大きく成長できます。
思いやりは看護師にとって何よりの強みであり、知識や技術と同じくらい大切な資質です。
チームで力を合わせるのが好きな人
こんな人におすすめ
部活動や学校行事で協力することが好き
一人より仲間と取り組む方が得意
相手の意見を尊重できる
医療現場では医師や薬剤師、理学療法士など多くの専門職と連携します。
福島県立医科大学では多職種連携教育が充実しているため、協調性を持って行動できる人ほど学びを深められます。
将来の医療現場でも大きな武器になる力です。
地域や社会に貢献したい人
こんな人におすすめ
地域活動やボランティアに興味がある
地元や地域社会を支える仕事に魅力を感じる
人々の暮らしを支える仕事がしたい
福島県立医科大学は地域医療や災害医療にも力を入れています。
病院だけでなく、地域包括ケアや在宅医療など幅広い現場で活躍できる看護師を育成しています。
「社会の役に立ちたい」という思いは、この学部での学びを支える原動力になります。
学び続けることを楽しめる人
こんな人におすすめ
新しいことを知るのが好き
苦手科目でも最後まで努力できる
将来も勉強を続けたいと思える
医療は日々進歩しており、看護師になってからも学び続けることが求められます。
大学では専門知識だけでなく、科学的に考える力も養います。
高校時代の成績以上に、「学び続ける姿勢」が将来の成長につながります。
困難な場面でも前向きに挑戦できる人
こんな人におすすめ
失敗しても次に生かそうと考えられる
責任感を持って最後まで取り組める
初めてのことにも挑戦したい
実習では思い通りにいかないこともありますが、その経験が成長につながります。
福島県立医科大学では災害医療など実践的な学びも多く、挑戦する気持ちを持つ人ほど多くの経験を積むことができます。
失敗を恐れず成長したい人に向いています。
逆に向いていないかもしれない人
次のような考え方の人は、他の学部を検討した方がいいかもしれません。
人と関わることが苦手で、一人で完結する仕事を望む人
こんな人の傾向
人との会話をできるだけ避けたい
一人で黙々と作業する方が好き
相手の気持ちを考えることが負担に感じる
看護は患者さんだけでなく、家族や医療スタッフとのコミュニケーションが欠かせません。
そのため、人との関わりを極力避けたいという考えでは、実習や将来の仕事に苦労する場面があります。
ただし、人前で話すのが苦手でも、「相手を大切にしたい」という気持ちがあれば十分に成長できます。
勉強はもう終わりにしたいと思っている人
こんな人の傾向
国家試験だけ受かれば十分だと思う
新しい知識を学ぶことが苦手
医療の変化についていく気持ちがない
看護師は卒業後も研修や資格取得など、継続的な学びが求められる専門職です。
大学生活でも専門科目や実習が多く、主体的に学ぶ姿勢が重要になります。
「学び続けることも仕事の一部」と考えられる人の方が、長く活躍できるでしょう。
元「中の人」のチェックポイント
福島県立医科大学看護学部が求めているのは、特別な経験や高い技術を持つ高校生ではなく、人を支えたい気持ち、協力する姿勢、地域や社会に貢献したいという思いを持ち、大学で成長したい人。
今の自分に自信がなくても、その気持ちを高校生活での経験と結び付けて伝えられれば十分であり、「完成された人」ではなく、「伸びる人」を求めている。
3. 学びの特徴
アドミッションポリシー
福島県立医科大学看護学部では、次のような学生を求めています。
人を思いやり、相手の立場で考えられる人
看護や医療に興味を持ち、主体的に学ぼうとする人
地域や社会に貢献したいという意欲がある人
周囲と協力しながら目標に向かって努力できる人
高校で基礎学力を身につけ、幅広く学んできた人
例えば、部活動で仲間を支えた経験や、生徒会・ボランティア活動で人の役に立った経験、文化祭で協力して一つのものを作り上げた経験なども、この学部が大切にしている資質につながります。
「人を支えたい」という気持ちを土台に、地域医療やチーム医療を担う看護職へ成長していくことが、この学部の学びの方向性です。
カリキュラムポリシー
カリキュラムは、基礎から専門へと段階的に学べるよう設計されています。
1年次には教養科目や基礎医学、看護学の基礎を学び、学年が進むにつれて専門領域や臨地実習へと発展します。
また、医学部・保健科学部との多職種連携教育を取り入れ、実際の医療現場を意識した学びができることも特徴です。
高校時代に医療を専門的に学んでいなくても心配ありません。
基礎から積み重ねていけるカリキュラムなので、努力を続けることで専門職として必要な知識や技術を身につけられます。
ディプロマポリシー
卒業までに身につける力として、次のような能力が示されています。
科学的根拠に基づいて判断する力
患者さんに寄り添う看護実践力
医療チームで協働する力
地域社会や国際社会に貢献する姿勢
専門職として学び続ける力
看護師は資格を取得して終わりではなく、医療の進歩に合わせて成長し続ける仕事です。
福島県立医科大学では、「卒業」がゴールではなく、社会で長く活躍できる看護職になることを目標に教育が行われています。
カリキュラムの特徴
1年次
教養科目や基礎看護学、人体のしくみなどを学び、看護の土台を築きます。
2年次
ここからは成人・老年・小児・母性・精神など専門分野を本格的に学びます。
3年次
臨地実習が増え、病院や地域で実践力を養います。
4年次
総合実習や卒業研究を通して学びを深め、国家試験対策も進めます。
また、医学部・保健科学部との合同授業や多職種連携教育が組み込まれており、「看護師としてどう協働するか」を学生のうちから学べる点が特徴です。
PBL・実習
臨地実習では、大学で学んだ知識を病院や地域医療の現場で実践します。
また、多職種連携教育では医学生や保健科学部の学生と協力しながら、患者さんにとって最適な医療を考える機会があります。
たとえば、文化祭の実行委員会で役割を分担しながら一つのイベントを成功させるように、それぞれの専門性を生かして協力する経験が、実際の医療現場につながっています。
特色ある授業
福島県立医科大学ならではの特色として、災害医療・地域医療・多職種連携教育を重視した授業があります。
とくに、東日本大震災や福島での復興支援の経験を生かした教育では、災害時の看護や住民の健康支援について実践的に学びます。
また、医学部や保健科学部との合同授業では、医師や理学療法士、診療放射線技師など他職種の役割を理解しながらチーム医療を体験します。
こうした授業を通して、「知識がある看護師」ではなく、「現場で信頼される看護師」として必要な判断力や協働力を身につけられることが、この学部の大きな魅力です。
元「中の人」のチェックポイント
福島県立医科大学看護学部のカリキュラムは、「知識を学ぶ」だけではなく、「現場で活躍できる看護職を育てる」ことを重視している。
特に、多職種連携教育や地域・災害医療を取り入れた実習は、全国の看護学部の中でも特色ある学びといえる。
人と協力し、地域や社会に貢献したいという姿勢をアドミッションポリシーでは重視している。
高校生活での部活動やボランティア、生徒会活動などを通して培った経験も、この学部では大きな強みになるはず。
「誰かの役に立ちたい」という思いがあるなら、その気持ちを自信にして挑戦してみよう。
4. 研究
主な研究分野① 地域看護・公衆衛生看護
地域住民が健康に暮らし続けられる社会づくりをテーマに、予防医療や健康づくり、地域包括ケアなどを研究します。
福島県ならではの地域課題を踏まえた研究が多いことも特徴です。
研究例
高齢者の健康づくりと介護予防
地域包括ケアシステムの活用
保健師による健康支援の効果
子育て世代への健康教育
地域住民の健康格差に関する研究
地域全体を支える看護の視点を養い、病院の外でも活躍できる力につながります。
主な研究分野② 災害看護・危機管理
福島県立医科大学ならではの特色ある研究分野です。
東日本大震災や原子力災害から得られた知見を生かし、災害時に必要な看護や健康支援、復興支援について研究しています。
研究例
避難生活における健康管理
災害時の看護師の役割
被災者のメンタルヘルス支援
災害に強い地域づくり
災害時の多職種連携
全国でも特色のある研究環境で、将来どの地域でも役立つ実践力を身につけられます。
主な研究分野③ 成人・老年看護学
生活習慣病やがん、認知症など、成人・高齢者が抱える健康課題について研究します。
治療だけでなく、患者さんの生活の質(QOL)を高める看護にも重点が置かれています。
研究例
がん患者への看護支援
認知症高齢者へのケア
慢性疾患患者のセルフケア支援
終末期医療と緩和ケア
入院患者の生活支援
高齢社会を支える看護の専門性を深められる分野です。
主な研究分野④ 母性・小児・家族看護学
妊娠・出産から子どもの成長、家族への支援までを対象とする研究です。
子どもの発達や家族全体を支える看護について幅広く学びます。
研究例
妊産婦への保健指導
育児支援プログラム
NICUにおける家族支援
小児慢性疾患への看護
子どもの発達支援
子どもだけでなく、家族全体を支える視点を身につけられます。
主な研究分野⑤ 看護教育・多職種連携
より良い看護教育やチーム医療の実現を目指す研究です。
医学部・保健科学部との連携を生かし、医療職同士が協力する方法についても研究しています。
研究例
看護教育の改善
シミュレーション教育の効果
多職種連携教育(IPE)
医療コミュニケーション
医療安全教育
未来の医療現場をより良くする教育やチームづくりにも貢献する研究です。
卒業研究テーマ
卒業研究のテーマ一覧は毎年公表されていませんが、これまでの研究分野からは次のようなテーマが考えられます。
研究テーマ例
高齢者のフレイル予防と地域活動
災害時における避難所での健康支援
がん患者の退院支援に関する研究
看護学生のストレスと学習支援
子育て世代への健康教育プログラム
認知症高齢者と家族への支援
多職種連携教育が協働意識に与える影響
地域包括ケアにおける看護師の役割
病院での看護だけでなく、地域医療や災害医療、看護教育まで幅広いテーマを選択できることが、この学部の魅力です。
福島県立医科大学看護学部だからできる研究
福島県立医科大学では、東日本大震災や福島での復興の経験を背景に、災害看護・地域医療・多職種連携を実践的に研究できる環境があります。
医学部や保健科学部との共同教育・共同研究を通して、実際の医療現場に近い視点から課題を考えられることは、他大学にはない大きな特色です。
元「中の人」のチェックポイント
看護学の研究は「患者さんが安心して生活するにはどうすればよいか」「災害時にどんな支援が必要か」など、私たちの暮らしに直結するテーマ。
福島県立医科大学は、地域医療や災害医療という全国的にも特色ある分野を学べる環境がある。
将来どんな看護師になりたいかを考えながら研究分野を見ると、大学生活への期待がさらに膨らむはず。
5. 学生生活
男女比
2025年度の看護学部学生数は343人で、男子36人(約10.5%)・女子307人(約89.5%)となっています。
看護系学部は全国的にも女子学生が多い傾向にあり、本学もその特徴が見られますが、男子学生も一定数在籍しており、多様な視点で学べる環境です。
出身地
都道府県別の詳細な人数は公表されていません。
入学者は福島県出身者が70%を超えておりで、東北地方や北関東など近隣県からの進学者も一定数いると見られます。
地元志向が比較的強い一方で、県外から地域医療や災害医療に魅力を感じて入学する学生も少なくありません。
留学制度
福島県立医科大学では、海外協定校との学生交流や短期研修など、国際交流プログラムを実施しています。
看護学部の学生も希望に応じて参加でき、海外の医療や看護、保健システムに触れる機会があります。
また、国際看護やグローバルヘルスへの理解を深める教育も行われており、日本との医療制度の違いを学ぶことで、多様な文化や価値観を尊重する視点を養うことができます。
提携大学
大学全体として、アジア・欧米などの海外大学や医療系教育機関との交流を進めています。
交換留学だけでなく、短期研修や共同セミナー、オンライン交流なども実施されており、海外の医療や看護教育に触れる機会があります。
看護学部でも、国際的な視野を広げながら医療を学べる環境が整えられています。
留学支援
留学を希望する学生には、国際交流担当による相談体制や協定校の紹介、各種奨学金情報の提供などが行われています。
また、専門科目で必要となる英語力を身につける教育や、海外の医療事情を学ぶ機会も設けられており、「留学したい」という気持ちを後押しする環境があります。
地域連携
福島県立医科大学看護学部では、附属病院での臨地実習に加え、地域の医療機関や保健所、訪問看護ステーションなどと連携した実習を行います。
また、東日本大震災や福島県での復興支援の経験を生かし、災害看護や地域包括ケアについて実践的に学べることが大きな特色です。
こうした経験を通して、多職種と協力しながら地域住民を支える力や、現場で柔軟に判断・行動する力を身につけることができます。
元「中の人」のチェックポイント
福島県立医科大学には地域医療や災害医療という全国でも特色ある学びを求めて県外から進学する学生もいる。
看護学部は学生同士や教員との距離が近く、実習を通して自然と仲間ができる環境が整っている。
高校までの経験に関係なく、「人を支えたい」「地域に貢献したい」という気持ちがあれば、充実した4年間を過ごせる。
6. 入試方法
選抜方式
2027年度(令和9年度)の看護学部では、学校推薦型選抜と一般選抜(前期日程・後期日程)を実施します。
総合型選抜は実施されていません。
学校推薦型選抜では、総合問題・面接・出願書類により、看護職への適性や思考力、表現力、学習意欲を総合的に評価します。
一般選抜は、大学入学共通テストに加え、個別学力検査として総合問題Ⅰ・Ⅱと面接を実施し、基礎学力だけでなく、医療職として必要な思考力やコミュニケーション能力も重視した選抜となっています。
難易度
河合塾Kei-Netのデータでは、看護学部の共通テスト得点率は前期・後期ともおおむね5~6割台前半が目安とされており、地方国公立大学の看護学部では標準~やや易しめの難易度です。
ただし、福島県立医科大学は個別試験で総合問題と面接を課すため、共通テストだけでは合否は決まりません。
医療系らしく、人物評価も含めた総合力が求められる大学といえます。
各教科の重要度と得点源
数学
重要度:★★★★☆ 得点源:★★★☆☆
共通テスト:○ 個別学力検査:×
数学ⅠA・数学ⅡBCが課されます。
配点は英語や理科よりやや小さいものの、医療系学部では基礎学力を示す重要な科目です。
苦手な受験生も多いため、平均点程度を確保できれば周囲との差を広げられません。
英語
重要度:★★★★★ 得点源:★★★★☆
共通テスト:○ 個別学力検査:×
リーディング・リスニングともに配点されます。
看護師は医療英語や国際的な医療情報に触れる機会もあるため、大学としても英語力を重視しています。
安定して高得点を取れるよう長文読解とリスニングを中心に対策しましょう。
国語
重要度:★★★☆☆ 得点源:★★★★☆
共通テスト:○ 個別学力検査:×
国語は読解力や論理的思考力を見る科目です。
総合問題や面接でも文章を読み取る力は役立つため、共通テスト対策がそのまま二次試験にもつながります。
現代文を中心に安定した得点を目指しましょう。
理科
重要度:★★★★★ 得点源:★★★★☆
共通テスト:○ 個別学力検査:×
理科は2科目が必要です。
人体や生命科学を学ぶ基礎となるため、看護学部でも重要視されています。
生物選択者が多い傾向ですが、自分が得点しやすい組み合わせを選ぶことが大切です。
社会
重要度:★★☆☆☆ 得点源:★★★★☆
共通テスト:○ 個別学力検査:×
地理歴史・公民は1科目選択です。
配点は大きくありませんが、短期間で得点を伸ばしやすい教科でもあります。
共通テスト直前まで演習を重ね、安定して8割程度を目標にすると全体の得点を押し上げられます。
情報
重要度:★★☆☆☆ 得点源:★★★★☆
共通テスト:○ 個別学力検査:×
2027年度入試でも「情報」が利用されます。
配点は50点ですが、他の受験生との差がつきやすい新しい教科です。
学校教材や共通テスト形式の問題集を活用し、基本問題を確実に得点できるよう準備しましょう。
元「中の人」のチェックポイント
福島県立医科大学看護学部の入試は、共通テストで基礎学力を確保し、個別試験の総合問題と面接で人物評価を積み上げるタイプ。
共通テストだけが得意でも、面接だけが得意でも合格は難しいかも。
受験戦略としては、まず共通テストで6割台後半~7割程度を安定して取れる学力を目標にし、その上で過去問を使って総合問題の記述力や思考力を磨くことが重要。
また、面接では「なぜ看護師を目指すのか」「なぜ福島県立医科大学なのか」を自分の言葉で語れるよう準備しておくことが、合格への大きな一歩。
7. 進路
進級と留年の状況
福島県立医科大学看護学部は、国家試験受験資格の取得を目指すカリキュラムのため、決して「楽に卒業できる学部」ではありません。
しかし、基礎から段階的に学べる教育課程が整備されており、授業や実習に真面目に取り組めば卒業は十分に目指せます。
特に3・4年次は臨地実習の比重が大きくなるため、知識だけでなく出席や実習態度も重要です。
レポートや事前学習を計画的に進めることが、単位取得と国家試験対策の両方につながります。
大学院進学
2025年3月卒業生79人のうち、大学院進学者は4人(約5.1%)でした。
卒業生の多くは就職しますが、より専門性を高めたい学生は大学院へ進学しています。
大学院では、看護教育、看護管理、地域看護、災害看護、慢性期看護などを専門的に学び、認定看護師・専門看護師を目指すための基礎や、研究者・教育者として活躍するための研究能力を養います。
主な就職先
2025年3月卒業生79人のうち、就職者は69人(約87.3%)でした。
就職者のほぼ全員が「医療・保健衛生」分野へ進み、病院や医療機関で看護師として活躍しています。
職業分類でも、ほぼすべてが専門的・技術的職業に分類されており、資格を生かした就職が中心です。
就職先としては、福島県立医科大学附属病院をはじめとする福島県内の基幹病院のほか、東北地方や首都圏の大学病院・総合病院へ進む卒業生もいます。
大学で学ぶ地域医療や災害医療、多職種連携の経験は、高度急性期病院から地域医療を担う病院まで幅広い現場で高く評価されています。
「看護師資格を取得して医療現場で活躍する」という、非常に就職に強い学部といえるでしょう。
進路先の都道府県
都道府県別の就職人数は公表されていませんが、例年福島県内に6割前後、県外に4割弱で推移しています。
ここ数年、就職希望者の半数以上が附属病院に就職しており、全体的にも県内医療機関への就職が多い一方、大学病院や高度医療機関を目指して県外へ進む卒業生も少なくありません。
地域医療を支える人材を育成しながら、全国で活躍できる進路の広さもこの学部の特徴です。
元「中の人」のチェックポイント
福島県立医科大学看護学部は、大学院進学型というより、資格を生かして就職する実践型の学部。
卒業後すぐに看護師として医療現場で活躍する学生が大半を占める。
一方で、災害看護や地域看護などをさらに深く学びたい人には大学院という選択肢も用意されている。
まずは臨床現場で経験を積み、その後に専門看護師や教育・研究職を目指すというキャリアが描きやすい学部といえる。
看護師という国家資格を軸に、長期的なキャリア形成ができることが、この学部の大きな魅力。
8. 学費・生活費
学費
福島県立医科大学(看護学部)の学費は、
入学料
282,000円(福島県内在住者)
564,000円(県外在住者)授業料
年額535,800円4年間の学費総額
約242万円(県内生)
約271万円(県外生)
追加費用
学費以外には、教科書・参考書、実習用ユニフォームやシューズ、聴診器などの実習用品、学生保険、実習先への交通費、国家試験対策教材などが必要になります。
4年間で30~50万円程度を見込んでおくと安心です。
実習が始まる3年次以降は、交通費などの負担がやや増える傾向があります。
日本学生支援機構の奨学金
福島県立医科大学では、日本学生支援機構(JASSO)の給付奨学金・貸与奨学金(第一種・第二種)を取り扱っています。
高等教育の修学支援新制度の対象者は、給付奨学金と授業料等減免をあわせて利用することができます。
大学独自の奨学金・支援制度
大学では、日本学生支援機構に加えて、地方公共団体や民間団体の奨学金を案内しています。
また、福島県保健師等修学資金など、卒業後に福島県内の医療機関等で一定期間勤務することを条件に返還が免除される修学資金制度も利用できます。
地域医療に貢献したい学生にとって魅力的な制度です。
授業料免除制度
高等教育の修学支援新制度の対象者は、所得要件などを満たすことで入学料・授業料の全額または一部免除を受けられます。
また、日本学生支援機構の給付奨学金との併用も可能です。
アパート相場
キャンパスがある福島市光が丘周辺では、学生向けワンルーム・1Kの家賃相場は月4万~5万円程度です。
大学周辺には学生向け物件が比較的多く、徒歩・自転車通学が可能な物件も見つけやすい環境です。
生活費を含めても、首都圏と比べると住居費を抑えやすい点は大きな魅力です。
卒業までの費用シミュレーション
実家暮らし
学費:約242~271万円(県内・県外で異なる)
教科書・実習用品など:約40万円
通学・昼食など:約80万円
4年間合計:約360~390万円
一人暮らし
学費:約242~271万円
教科書・実習用品:約40万円
家賃:約220万円(4.5万円×48か月)
生活費(食費・光熱費など):約380万円
4年間合計:約880~910万円
※ 生活費は住居形態や生活スタイルによって変動しますが、地方都市の国公立大学としては比較的費用を抑えやすい環境です。
元「中の人」から保護者の方へ
医療系学部は「学費が高い」という印象を持たれがちですが、福島県立医科大学看護学部は国公立大学のため、私立看護系大学と比べると学費負担を大きく抑えられます。
さらに、日本学生支援機構の奨学金や修学支援新制度、福島県の修学資金制度など、経済的負担を軽減できる制度も充実しています。
看護師は国家資格を取得できる専門職であり、卒業後の就職率も非常に高いことから、教育費を将来への投資として考えやすい学部です。
経済的な理由だけで進学を諦める前に、利用できる支援制度をぜひ確認してみてください。
9. 入学後のサポート
リメディアル教育
福島県立医科大学では、「リメディアル教育」として独立したプログラムは大きく打ち出していません。
ただ、1年次は教養教育や基礎医学、基礎看護学を中心に、専門科目へ無理なくつながるカリキュラムが組まれています。
また、少人数での演習や実習を通して理解を深められるため、高校まで医療を学んだ経験がなくても安心してスタートできます。
学修支援
看護学部では、少人数教育を基本とし、教員との距離が近いことが特徴です。
学年担当教員による履修や学生生活の相談、実習指導など、きめ細かな支援を受けられます。
疑問点を早めに相談できる環境が整っているため、自ら学ぶ姿勢や課題を解決する力も自然と身についていきます。
取得できる資格
卒業と必要な単位の修得により、看護師国家試験受験資格を取得できます。
また、所定の科目を履修することで保健師国家試験受験資格も取得可能です(定員制)。
保健師資格を取得すると、行政機関や企業、学校など、病院以外にも進路の幅が広がります。
資格取得サポート
国家試験に向けては、4年間を通した体系的な教育に加え、4年次には国家試験対策講義や模擬試験、個別指導などが行われます。
教員が学習状況を確認しながら支援するため、苦手分野を早めに克服しやすい環境です。
知識だけでなく、国家試験本番で力を発揮するための学習習慣も身につきます。
キャリア・就職支援
キャリア支援では、就職ガイダンスや病院説明会、履歴書・面接指導などを実施しています。
附属病院をはじめ、多くの医療機関と連携しているため、実習を通して職場の雰囲気を知り、自分に合った進路を考えられることも大きな特徴です。
大学院進学の相談にも対応しています。
ICT・図書館サポート
学内では学習支援システム(LMS)を活用し、講義資料や課題の配信、連絡などをオンラインで行っています。
また、附属図書館には看護学・医学・保健医療分野の専門書や電子ジャーナルが充実しており、レポート作成や卒業研究、国家試験対策まで幅広く活用できます。
学生相談・生活支援
学生相談窓口では、学業だけでなく生活や健康、人間関係などについて相談できます。
必要に応じて保健管理センターや専門スタッフとも連携し、安心して学生生活を送れるようサポートしています。
また、経済的な相談についても奨学金や各種支援制度を案内しています。
学生寮
看護学部専用の学生寮は設置されていません。
一方で、大学周辺には学生向けアパートが多く、大学生活協同組合や不動産会社を通じて住まい探しの支援を受けられます。
徒歩や自転車で通学できる物件も多く、初めての一人暮らしでも比較的安心して生活を始められる環境です。
その他学生サポート体制
福島県立医科大学では、医学部・看護学部・保健科学部の学生が交流できる機会も多く、多職種連携教育を通して学部を超えたつながりを築けます。
こうした交流は、将来のチーム医療を理解するだけでなく、学生生活の支えとなる仲間づくりにも役立っています。
元「中の人」のチェックポイント
福島県立医科大学看護学部では、基礎から積み上げるカリキュラムに加え、少人数教育や教員によるきめ細かな指導、国家試験対策、キャリア支援など、4年間を通じたサポート体制が整っている。
困ったときは一人で抱え込まず、教員や学生相談窓口を積極的に活用することが大学生活を充実させる秘訣。
支援制度を上手に利用できる学生ほど、大きく成長して卒業していきます。
10. この学部を一言で表すと?
地域と命を支える、未来の看護師を育てる学部
福島県立医科大学看護学部は、看護師や保健師の養成にとどまらず、地域医療や災害医療、多職種連携まで幅広く学べる学部です。
附属病院をはじめとする充実した実習環境で実践力を磨き、患者さん一人ひとりに寄り添う力と、チーム医療を支える協働力を身につけます。
福島県が歩んできた復興や地域医療の経験を学びに生かせることも、この学部ならではの大きな魅力です。
卒業後は県内外の医療機関で活躍できる実力を養い、「地域から全国へ」、そして未来の医療を支える看護職を目指します。
この学部に向いている人
次のような人は、福島県立医科大学看護学部で充実した4年間を過ごせるでしょう。
人の役に立つ仕事がしたい人
患者さんや家族に寄り添い、人の健康や生活を支える仕事にやりがいを感じられます。コミュニケーションを大切にできる人
患者さんだけでなく、医師や薬剤師など多職種との連携も重要な学びになります。理科や生物に興味がある人
人体や疾病について学ぶ機会が多く、高校での学びを大学でも生かせます。地域医療や災害医療に関心がある人
福島だからこそ学べる実践的な医療や看護を経験できます。努力を継続できる人
実習や国家試験対策など、積み重ねが成果につながる学部です。コツコツ努力できる人ほど大きく成長できます。
元「中の人」から伝えたいこと
福島県立医科大学看護学部のアドミッション・ポリシーを見ると、大学が求めているのは、「学力が高い人」だけではありません。
人を思いやる心を持ち、主体的に学び続け、多職種と協力しながら地域社会へ貢献したい人です。
高校生活では、生物や化学、英語などの基礎学力を身につけることはもちろん、学校行事や部活動、ボランティア活動などを通して、人と協力する経験を積んでおくことをおすすめします。
看護の現場では知識だけではなく、相手の話を聞く力や、自分の考えを伝える力も大切だからです。
大学では講義だけでなく、附属病院や地域での実習、多職種連携教育を通して実践力を磨きます。
卒業後は看護師・保健師として地域医療を支えるだけでなく、高度医療機関や大学院への進学、看護教育・研究の道へ進むこともできます。
「命を支える仕事」に誇りを持ち、長く成長し続けたい人にとって、大きな可能性が広がる学部です。
この学部を一言で表すと?
地域と命を支える、未来の看護師を育てる学部
看護師という国家資格は、一生の財産になります。
そして福島県立医科大学で学ぶ4年間は、その資格だけでは得られない
「地域を支える力」
「チーム医療を担う力」
「災害にも対応できる実践力」
を育ててくれます。
「誰かの役に立ちたい」という気持ちがあるなら、その一歩をぜひ福島県立医科大学看護学部で踏み出してください。
11. 参考リンク集
福島県立医科大学の他の学部が気になる方は、こちらからご覧ください。
【保健学】看護学
高知大学医学部看護学科 (2026.7.17)
秋田大学医学部保健学科 (2026.7.18)
福島県立医科大学看護学部 (2026.7.20)
福島県立医科大学保健科学部 (2026.7.20)
富山大学医学部看護学科 (2026.7.21)
鹿児島大学医学部保健学科 (2026.7.22)
佐賀大学医学部看護学科 (2026.7.22)
新潟大学医学部保健学科 (2026.7.23)
山形大学医学部看護学科 (2026.7.25)
名古屋市立大学医学部保健医療学科 (2026.7.29)
