富山大学医学部看護学科 ― 元アドミッションコーディネータの視点で「大学が本当に求めている学生像」を読み解く ―
1. 学部概要
30秒でまとめると…
最先端医療とチーム医療を学び、人に寄り添う看護のプロフェッショナルを育てる学科
学べる分野
富山大学医学部看護学科では、看護学の基礎から専門分野まで幅広く学びます。
基礎看護学をはじめ、成人・老年・小児・母性・精神・在宅・地域看護学など、人の一生を通じた健康を支える知識と技術を修得します。
また、医学や薬学など医療職共通の基礎知識も学び、多職種と連携しながら患者さんを支える「チーム医療」の考え方を身につけます。
注目の特徴
富山大学附属病院をはじめとする充実した医療機関で実習を行い、高度急性期医療から地域医療まで幅広い現場を経験できます。
医学科や薬学部などと同じキャンパスで学ぶ環境を生かし、多職種連携教育にも力を入れていることが大きな特徴です。
また、卒業研究にも取り組み、看護実践を科学的に考える力を養える点も国立大学ならではの魅力です。
身につく力
患者さんに寄り添う看護実践力
医療チームで協働するコミュニケーション力
科学的根拠に基づいて考える力
地域医療や在宅医療に対応する力
課題を発見し改善につなげる研究的思考力
卒業後は看護師・保健師(選択制)・助産師(大学院進学等)として病院や地域医療で活躍できるだけでなく、大学院へ進学し教育・研究分野を目指す道も開かれています。
元「中の人」のチェックポイント
富山大学看護学科は、「看護を学ぶ」だけではなく、「医療チームの一員として活躍する力」を育てる教育が最大の魅力。
学べる分野では幅広いライフステージの看護を学び、特徴として医学科や薬学部との連携教育や附属病院での実践的な実習環境が整っている。
そして、患者さんへの対応力だけでなく、多職種と協力して課題を解決する力まで養えることが、将来さまざまな医療現場で活躍できる大きな強みとなる。
2. この学部に向いている人
この学部に向いている人の概要
富山大学医学部看護学科は、「人の役に立ちたい」という気持ちだけでなく、専門知識を身につけて成長し続けたい人に向いています。
患者さん一人ひとりに寄り添う力と、医師や薬剤師など多職種と協力する力の両方が求められるため、人との関わりが好きで、学ぶことを楽しめる人ほど充実した学生生活を送れるでしょう。
「ありがとう」が何よりのやりがいになる人
こんな人におすすめ
人を助けたり支えたりすることに喜びを感じる
相手の話を最後まで丁寧に聞ける
困っている人を見ると自然に声をかけたくなる
看護師は医療技術だけでなく、患者さんの不安や悩みに寄り添うことも大切な仕事です。
「人の役に立ちたい」という思いは、勉強や実習が大変なときの大きな支えになります。
相手の笑顔や「ありがとう」を励みに努力できる人は、この学科で学ぶ価値を実感できるでしょう。
チームで力を合わせることが好きな人
こんな人におすすめ
部活動や委員会で協力して目標を達成した経験がある
自分の意見だけでなく相手の考えも尊重できる
コミュニケーションを取ることが苦にならない
医療は一人では成り立ちません。
看護師は医師、薬剤師、リハビリ職など多くの専門職と連携して患者さんを支えます。
富山大学では多職種連携教育にも力を入れているため、協力して物事を進めることが好きな人は、大きく成長できる環境です。
理科や人体の仕組みに興味がある人
こんな人におすすめ
生物や人体の仕組みに興味がある
「なぜ?」と考えることが好き
科学的な根拠を大切にしたい
看護は経験や勘だけではなく、医学や科学に基づいて判断する専門職です。
病気の原因や治療の仕組みを理解することで、より良い看護につながります。
理科が得意でなくても、「知りたい」という気持ちがあれば大学で十分に伸ばしていけます。
地域や社会に貢献したい人
こんな人におすすめ
地域医療や高齢者支援に興味がある
災害医療や在宅医療にも関心がある
将来は地元や地域社会に貢献したい
富山県をはじめ北陸地域では、高齢化が進み、地域医療を支える看護師への期待が高まっています。
病院だけでなく、在宅医療や地域保健など活躍の場は広がっています。
地域に根ざした医療に興味がある人には、とても魅力的な学びが待っています。
学び続けることを楽しめる人
こんな人におすすめ
新しい知識を学ぶことが好き
将来も資格取得やスキルアップを目指したい
課題に対して粘り強く取り組める
看護師になった後も、新しい医療技術や知識を学び続ける姿勢が求められます。富山大学では卒業研究や科学的な看護教育にも力を入れており、「学び続ける力」を育てる環境が整っています。知識を深めながら成長したい人にはぴったりの学科です。
逆に向いていないかもしれない人
次のような考え方の人は、別の学部を検討した方がいいかもしれません。
「勉強は資格試験だけで十分」と考えている人
こんな人は要注意
国家試験だけ合格できればよいと思っている
レポートや研究には興味がない
大学ではできるだけ勉強を減らしたい
富山大学は国立大学らしく、看護技術だけでなく、研究や科学的思考も重視しています。
卒業研究や文献を読み解く機会も多いため、「実技だけ学びたい」という考えだと学びの魅力を十分に感じられないかもしれません。
一人で黙々と仕事をしたい人
こんな人は要注意
人と関わることが苦手
報告や相談を面倒に感じる
チームで行動するより一人で進めたい
看護師は患者さんだけでなく、多くの医療職と連携して仕事をします。
情報共有やコミュニケーションは医療安全にも直結するため、「一人で完結する仕事」を希望する人にはギャップを感じる可能性があります。
ただし、人と話すことが得意である必要はなく、相手を尊重する姿勢があれば大学生活を通して十分に成長できます。
元「中の人」のチェックポイント
富山大学医学部看護学科では、人を支えたい気持ちに加えて、科学的に考え、仲間と協力しながら学び続けられる人を求めている。
高校時代に部活動や学校行事、ボランティアなどで協力する経験を積んできた人は、その経験が大学でも必ず生きる。
「今の自分に完璧な力があるか」ではなく、「これから成長したい」という気持ちを大切にしよう。
3. 学びの特徴
アドミッションポリシー
富山大学医学部看護学科では、次のような学生を求めています。
人を思いやる心と生命を大切にする姿勢がある人
生物・化学など理科の基礎学力を身につけている人
自分で考え、主体的に学び続けられる人
多様な人と協力しながら目標を達成できる人
地域社会や医療に貢献したいという意欲がある人
例えば、高校で部活動や文化祭、ボランティア活動に積極的に取り組み、仲間と協力して目標を達成した経験は、大学でのチーム医療教育にもつながります。
また、「生物が好き」「人の役に立つ仕事に就きたい」という気持ちも大切な素質です。
まとめると、富山大学が育てたいのは「思いやり」と「科学的な考え方」の両方を持ち、医療チームの一員として成長できる学生です。
カリキュラムポリシー
富山大学では、基礎から専門まで段階的に学べるカリキュラムが組まれています。
看護学だけでなく医学や保健医療の基礎を学び、講義・演習・実習を繰り返しながら知識と技術を着実に身につけます。
また、少人数教育や実習を通して主体的に考える力や課題解決力も育成します。
高校まで看護を学んだ経験がなくても心配ありません。
人体の仕組みや看護技術などは基礎から学べるため、「興味はあるけれど知識がない」という人でも安心して専門教育へ進めるよう配慮されています。
ディプロマポリシー
卒業時には、次のような力を身につけることを目標としています。
専門的な看護実践能力
科学的根拠に基づいて判断する力
患者さんや家族を尊重する倫理観
多職種と協働できるコミュニケーション能力
地域社会の健康づくりに貢献する姿勢
生涯にわたり学び続ける力
看護師は資格を取得したら学びが終わる職業ではありません。
医療は日々進歩しているため、卒業後も学び続ける姿勢が欠かせません。
富山大学は「現場で活躍できる看護師」であると同時に、「将来も成長し続けられる医療人」の育成を目指しています。
カリキュラムの特徴
1年次
教養科目と人体の仕組みや看護学の基礎を学び、医療人としての土台を築きます。
2年次
基礎看護学や各専門領域の学習が本格化し、学内演習も増えていきます。
3年次
成人・老年・小児・母性・精神・地域など幅広い領域で臨地実習を経験し、実践力を養います。
4年次
卒業研究や統合実習に取り組み、看護師として必要な総合力を完成させます。
看護学科としてコース分岐はありませんが、保健師課程は選抜制となっており、希望者は専門教育を受けることができます。
PBL・実習
富山大学附属病院をはじめとする医療機関で実践的な臨地実習を行います。
病院だけでなく地域や在宅医療の現場も経験し、患者さんの生活を支える視点を学びます。
また、医学科や薬学部などとの多職種連携教育では、それぞれの専門職の役割を理解しながらチーム医療を体験します。
高校でいえば、「文化祭をクラスだけでなく学年全体で協力して成功させる」ような感覚に近く、それぞれの役割を理解しながら目標を達成する力が養われます。
特色ある授業
富山大学医学部看護学科の大きな特色は、医学・薬学・看護学が連携する教育環境です。
同じキャンパスに医学科や薬学部などがある強みを生かし、多職種連携教育(Interprofessional Education:IPE)が行われています。
将来一緒に働く医療職の役割を学生時代から理解し、患者さんにとって最適な医療を考える力を育てます。
さらに、附属病院での実習や卒業研究を通して、「なぜこの看護が必要なのか」を科学的に考える習慣も身につけます。
技術だけではなく、根拠をもって行動できる看護師を目指せることが、富山大学ならではの魅力です。
チーム医療を学ぶ環境
富山大学医学部看護学科の大きな魅力の一つが、医学科・薬学部・和漢医薬学分野と連携した教育環境です。
実際の医療現場では、看護師は医師や薬剤師、リハビリ職など多くの専門職と協力しながら患者さんを支えています。
そのため大学でも、多職種それぞれの役割や考え方を理解し、円滑に連携する力を育てる教育が行われています。
これは「看護師になるための勉強」だけではなく、「医療チームの一員として活躍するための勉強」と言えるでしょう。
患者さん一人ひとりにとって最適な医療を考える視点を学生時代から養えることは、総合大学ならではの大きな強みです。
卒業後に病院で働き始めたときも、多職種と協力しながら安心して医療を提供できる力につながります。
元「中の人」のチェックポイント
富山大学医学部看護学科の学びでは、4年間を通して講義・演習・臨地実習・卒業研究を積み重ね、医学科や薬学部との多職種連携教育を経験しながら、現場で活躍できる力を育てる。
アドミッションポリシーでも重視されているのは、完璧な知識ではなく、「人のために学び続けたい」という姿勢。
高校時代に理科や英語をしっかり学び、部活動や学校行事で仲間と協力した経験は、大学での学びに必ずつながる。
「今できること」よりも、「4年間でどこまで成長できるか」を大切にしてほしい。
4. 研究
主な研究分野
富山大学医学部看護学科では、次のような研究が考えられます。
① 基礎・成人看護学 ― 科学的根拠に基づく看護を探究する
病気の治療を受ける患者さんが安心して生活できるよう、看護技術やケアの質を向上させる研究を行います。
研究例
手術前後の患者さんへの看護支援
がん患者さんの苦痛緩和
感染予防と医療安全
看護技術の効果検証
患者さんが安心して治療を受けられる看護を科学的に追究する分野です。
② 地域・在宅看護学 ― 地域で暮らし続けるための看護を考える
高齢化が進む社会で、住み慣れた地域や自宅で安心して暮らせる仕組みを研究します。
研究例
在宅療養を支える訪問看護
高齢者の健康づくり
認知症支援
地域包括ケアシステム
病院だけでなく、地域全体を支える看護を学ぶ分野です。
③ 母性・小児看護学 ― 家族の成長を支える看護を研究する
妊娠・出産・育児や子どもの発達を支える看護について研究します。
研究例
妊産婦への支援
新生児看護
小児患者への心理的支援
家族への看護教育
子どもと家族が安心して生活できる社会づくりにつながる研究です。
④ 精神・老年看護学 ― 心と人生に寄り添う看護を探究する
心の健康や高齢者の生活の質(QOL)を高めるための看護を研究します。
研究例
認知症ケア
精神疾患を持つ患者さんへの支援
高齢者の転倒予防
終末期看護
人生のさまざまな場面で、その人らしく暮らすための支援を考える分野です。
⑤ 看護教育・チーム医療 ― より良い医療を支える仕組みを考える
看護学生の教育方法や、多職種が連携して患者さんを支える仕組みについて研究します。
研究例
看護教育の改善
シミュレーション教育
多職種連携教育(IPE)
医療チームのコミュニケーション
未来の医療を支える「人材育成」や「チーム医療」を研究する分野です。
卒業研究テーマ
※ 富山大学医学部看護学科では、卒業研究の一覧は毎年公表されていません。
そのため、教育内容や研究分野に基づく代表的なテーマ例を紹介します。
テーマ例
がん患者さんの不安を軽減する看護支援
認知症高齢者とのコミュニケーション方法
訪問看護利用者の生活の質(QOL)の向上
災害時における看護師の役割
看護学生のストレスマネジメント
小児患者と家族への心理的支援
妊娠・出産期における母親への保健指導
医療チームにおける看護師の役割
ICTを活用した看護教育の可能性
卒業研究では、自分が興味を持ったテーマを深く調べ、文献研究や調査、分析を通して「より良い看護」を科学的に考える力を身につけます。
富山大学医学部看護学科だからできる研究
富山大学では、医学科・薬学部・和漢医薬学分野との連携や附属病院という恵まれた環境を生かした研究ができることが大きな特徴です。
講義や実習で得た経験を卒業研究へ発展させ、医療現場の課題を多角的な視点から考えることができます。
看護だけでなく、多職種と協働しながら医療をより良くする研究に取り組めるのは、総合大学の医学部ならではの魅力です。
看護学は「研究する学問」でもある
「看護学」と聞くと、多くの高校生は「看護技術を身につけて看護師になるための勉強」というイメージを持つかもしれません。
とはいえ、大学で学ぶ看護学はそれだけではありません。
患者さんにとってより良い看護とは何かを科学的に考え、新しい知識やより良い支援方法を生み出していく学問でもあります。
例えば、
「患者さんが安心して入院生活を送るためには、どのような声かけや関わり方が効果的なのか」
「高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるためには、どのような支援が必要なのか」
「災害時に看護師はどのような役割を果たすべきか」
といったテーマは、実際の医療現場につながる重要な研究です。
また、小児・母性・精神看護など、それぞれのライフステージや心身の状態に応じた支援についても研究が進められています。
こうした研究を通して、「経験や勘」ではなく、科学的根拠(エビデンス)に基づいて看護を実践する力を身につけられることが、大学で看護学を学ぶ大きな意義です。
もちろん、専門学校でも看護師国家試験合格に向けた専門知識や実践力を身につけることはできます。
一方、大学ではそれに加えて、卒業研究などを通して「なぜこの看護が患者さんのためになるのか」「もっと良い方法はないのか」を自ら考え、調査・分析する力を養います。
富山大学では、附属病院や医学科・薬学部・和漢医薬学分野との連携を生かしながら、医療をより良くするための研究にも触れられる環境が整っています。
「看護を学ぶ」のではなく、「未来の看護をつくる視点を身につける」ことも、大学で学ぶ大きな価値の一つです。
元「中の人」のチェックポイント
「看護学=看護技術を学ぶ学問」というイメージを持っているかもしれないが、大学の看護学は「より良い看護とは何か」を研究している。
患者さんへの接し方や地域医療、高齢者支援、多職種連携など、研究テーマは私たちの生活にも深く関わっている。
富山大学では附属病院や医学・薬学との連携環境を生かし、現場で感じた疑問を研究につなげられることが大きな魅力。
医療を「受ける立場」だけでなく、「より良くする立場」として考えられるようになる4年間が待っている。
5. 学生生活
男女比
2025年度の在籍学生は男性17人(5.1%)、女性314人(94.9%)です。
看護系学部は全国的に女子学生の割合が高い傾向がありますが、富山大学もその特徴が表れています。
一方で男性看護師の需要は年々高まっており、男子学生も少人数ならではの学びやすい環境で専門性を身につけています。
出身地
2025年度入学生の出身高校は、
①富山県41人(51.3%)
②石川県16人(20.0%)
③新潟県7人(8.8%)
④長野県4人(5.0%)
⑤岐阜県などが続きます。
半数以上が富山県出身ですが、北陸・甲信越を中心に県外からの入学者も多く、「地元型でありながら県外生も一定数集まる北陸の中核大学」といえるでしょう。
留学制度
富山大学では、全学共通の交換留学や短期海外研修、語学研修などを利用できます。
看護学科でも、在学中に海外の医療や保健制度に触れ、異文化理解や国際的な視点を養うことが可能です。
看護学科は留学必修ではありませんが、高齢化や国際化が進む現代では、多様な文化や価値観を理解する力も重要です。
海外で学んだ経験は、外国人患者への対応や国際保健の分野でも生かすことができます。
提携大学
富山大学はアジア、ヨーロッパ、北米、オセアニアなど世界各国の大学と学術交流協定を締結しています。
交換留学や短期研修、語学研修などを通して、海外の医療・看護教育や文化を学ぶ機会が用意されています。
看護学科独自の協定校は公表されていませんが、全学の国際交流制度を利用しながら、将来の国際医療や国際保健につながる視野を広げることができます。
留学支援
富山大学では国際機構を中心に、留学相談、語学学習支援、奨学金制度、交換留学のサポートなどを実施しています。
また、海外からの留学生との交流イベントも多く、キャンパス内でも国際交流を体験できます。
看護学科は実習との両立が必要になりますが、早い段階から計画を立てることで、留学と専門教育を両立しやすい環境が整っています。
地域連携
富山大学医学部看護学科では、附属病院だけでなく地域の病院や訪問看護ステーション、保健所、介護施設などでも実習を行います。
地域包括ケアや在宅医療、高齢者支援など、富山県が抱える医療課題を実際の現場で学べることが特徴です。
また、多職種と協力しながら地域住民の健康を支える経験を積むことで、コミュニケーション能力や課題発見力、地域全体を見渡す視点を養うことができます。
地域医療を支える看護師として必要な実践力が自然と身につく環境です。
元「中の人」のチェックポイント
富山大学には北陸を中心にさまざまな地域から学生が集まり、附属病院や地域医療機関で段階的に実践力を身につけられるカリキュラムが整っている。
看護学科は勉強だけでなく、仲間と支え合いながら成長する学科であり、地域とのつながりや国際交流も経験できるため、「看護師になる」だけでなく、「どんな医療人になりたいか」を考えながら4年間を過ごせる環境だと言える。
6. 入試方法
選抜方式
2027年度(令和9年度)入試では、学校推薦型選抜、一般選抜(前期日程・後期日程)が実施されます。
医学部看護学科では総合型選抜は実施されていません。
学校推薦型選抜では、大学入学共通テストを課さず、小論文・面接・調査書・推薦書などを総合的に評価し、看護職への適性や主体性、コミュニケーション能力を重視します。
一般選抜では、大学入学共通テストに加え、前期日程では個別学力検査、後期日程では小論文・面接を課し、学力と人物の両面から選抜します。
難易度
河合塾Kei-Netでは、富山大学医学部看護学科は共通テスト得点率がおおむね70%前後で、地方国立大学医学部看護学科の中では標準~やや高めの難易度です。
金沢大学医薬保健学域保健学類看護学専攻よりはやや挑戦しやすく、福井大学医学部看護学科や信州大学医学部保健学科と比較されることが多いレベルです。
北陸で看護を学びたい受験生には有力な選択肢といえるでしょう。
各教科の重要度と得点源
数学
重要度:★★★★★
得点源:★★★★☆
共通テスト:○ 個別学力検査:○
数学は前期日程で個別学力検査の対象となるため、合否への影響が大きい科目です。
共通テストでも安定した得点が必要ですが、個別試験で差がつきやすいため、基本問題を確実に解ける力と標準レベルの応用力を身につけることが重要です。
英語
重要度:★★★★★
得点源:★★★★☆
共通テスト:○ 個別学力検査:○
英語は共通テスト・個別試験の両方で重要です。
看護学では海外の研究論文や医療情報に触れる機会も多いため、大学入学後も必要となる科目です。
長文読解を中心に、語彙力と速読力を早い段階から鍛えておきましょう。
国語
重要度:★★★★☆
得点源:★★★★☆
共通テスト:○ 個別学力検査:×
国語は共通テストのみですが、配点の一部を占めるため軽視はできません。
看護師には患者さんや医療スタッフとのコミュニケーション能力が求められるため、文章を正確に読み取る力は大学入学後にも役立ちます。
現代文を中心に安定した得点を目指しましょう。
理科
重要度:★★★★★
得点源:★★★☆☆
共通テスト:○ 個別学力検査:○
理科は生物・化学を選択する受験生が多く、看護学の基礎にも直結する重要科目です。
前期日程では個別試験でも利用するため、暗記だけでなく原理や現象を理解して説明できる力が求められます。
社会
重要度:★★★☆☆
得点源:★★★★☆
共通テスト:○ 個別学力検査:×
社会は共通テストのみの利用です。
得点をまとめやすい科目でもあるため、夏以降に知識を整理すれば得点源になりやすいでしょう。
他教科とのバランスを考えながら効率よく学習を進めることが大切です。
情報
重要度:★★★☆☆
得点源:★★★★☆
共通テスト:○ 個別学力検査:×
「情報」は共通テストで利用されます。
看護現場では電子カルテやICTの活用が進んでいるため、情報活用能力は将来にも役立ちます。
教科書レベルを確実に理解し、共通テスト形式の演習を繰り返すことで十分得点源にできます。
元「中の人」のチェックポイント
富山大学医学部看護学科は、学校推薦型選抜と一般選抜の両方で受験できるため、自分の強みに合わせた受験戦略を立てやすい。
一般選抜を目指す場合は、共通テストで7割以上を安定して確保し、前期日程では数学・英語・理科の個別試験で差をつけることが合格への近道。
一方、学校推薦型選抜を考えている人も、高校での学習をおろそかにせず、医療への関心や主体的な活動を積み重ねておくことが重要。
共通テストでは「苦手科目を作らないこと」が地方国立大学合格の基本戦略になる。
7. 進路
進級と留年の状況
富山大学医学部看護学科は、特別に留年率が高い学科ではありません。
ただ、看護系学科全般と同様に講義・演習・実習が密接につながる積み上げ型カリキュラムのため、単位を落とすと次年度の実習に進めない科目があります。
そのため、一般的な文系学部のように後から単位を取り戻すことが難しい場合もあります。
日頃の授業への出席やレポート提出、実習での取り組みを着実に積み重ねることが、4年間で卒業し国家試験合格を目指す一番の近道です。
大学院進学
2025年度卒業生は80人で、そのうち大学院進学者は1人(約1.3%)でした。一方、79人(約98.8%)が就職しています。
進学率は高くありませんが、富山大学大学院では高度実践看護や看護教育、地域看護学、看護管理、看護研究などを専門的に学ぶことができます。
認定看護師や教育・研究職を目指す人、将来的に大学教員や看護管理者として活躍したい人にとって、大学院進学は大きな選択肢となります。
主な就職先
2025年度卒業生のうち、就職者は79人(98.8%)で、非常に高い就職率を誇ります。
就職先の大半は医療・福祉分野で、大学ポートレートでは医療業・保健衛生69人、地方公務7人となっています。
地方公務には保健師として自治体へ就職する卒業生も含まれます。
主な就職先としては、富山大学附属病院をはじめ、北陸地方の基幹病院や大学病院、公立病院などが中心です。
また、首都圏や中京圏の高度医療機関へ就職する卒業生もおり、地域に根ざした進路だけでなく、全国で活躍できる実力を身につけられることも特徴です。
このように、就職先のほとんどが医療専門職であることから、富山大学医学部看護学科は国家資格を生かして安定したキャリアを築きやすい学科といえるでしょう。
進路先の都道府県
卒業生の進路は、富山県を中心に石川県・福井県など北陸地方への就職が多く見られます。
一方で、東京都や愛知県、大阪府など大都市圏の大学病院や高度急性期病院へ就職する卒業生も少なくありません。
地域医療を支える人材を育成する大学である一方、大学病院で培った専門性を生かして全国へ活躍の場を広げられることも富山大学の特徴です。
「北陸で働きたい人」にも、「全国で挑戦したい人」にも選択肢がある学科といえます。
元「中の人」のチェックポイント
富山大学医学部看護学科は、大学院進学型というより就職型であり、卒業生のほとんどが看護師や保健師として医療現場へ進み、高い就職率を維持している。
一方で、大学だからこそ卒業研究や科学的な思考力を身につけられるため、「現場で活躍できる看護師」に加えて、「将来は専門看護師や教育・研究職を目指す」という道も開かれている。
まずは臨床経験を積み、その後大学院で専門性を高める卒業生も多く、「一生学び続ける医療人」を育てることが富山大学の大きな強みだといえる。
8. 学費・生活費
学費
富山大学は国立大学のため、学費は全国共通です。
入学料
282,000円授業料(年額)
535,800円4年間の学費総額
約2,425,000円
※ 制度改正により変更される場合があります。
追加費用
学費以外には、教科書・参考書代、実習で使用するユニフォームやナースシューズ、聴診器などの実習用品、実習時の交通費、保険料、国家試験対策費などが必要です。
4年間で30万~50万円程度を見込んでおくと安心です。
特に看護学科は実習用品や国家試験関連の費用が一般的な学部よりやや多くなる傾向があります。
日本学生支援機構の奨学金
富山大学では、日本学生支援機構(JASSO)の給付型・貸与型奨学金を取り扱っています。
高等教育の修学支援新制度の対象校でもあり、家計基準などを満たせば授業料減免と給付型奨学金を併せて利用できます。
大学独自の奨学金・支援制度
富山大学では、家計急変時の支援制度や大学独自の奨学金、民間・地方公共団体の奨学金を多数取り扱っています。
また、看護学科では卒業後に医療機関へ一定期間勤務することを条件とした自治体や病院の修学資金制度を利用する学生も少なくありません。
将来の進路を考えながら、自分に合った制度を選択できることが特徴です。
授業料免除制度
授業料免除制度(高等教育の修学支援新制度)が利用でき、家計基準などを満たせば入学料・授業料の全額または一部免除を受けられます。
JASSO給付型奨学金との併用も可能で、経済的負担を大きく軽減できます。
アパート相場
医学部看護学科がある杉谷キャンパス(富山市杉谷)周辺では、学生向けアパートの家賃相場はワンルーム・1Kで月4万~5万円程度です。
大学周辺には学生向け物件が多く、スーパーやドラッグストアも比較的充実しています。
冬季は積雪があるため、通学距離や駐車場、暖房設備なども物件選びのポイントになります。
卒業までの費用シミュレーション
実家暮らしの場合
学費:約243万円
教材・実習用品など:約40万円
通学・昼食など:約80万円
4年間合計:約360万円
一人暮らしの場合
学費:約243万円
教材・実習用品など:約40万円
家賃(4.5万円×48か月):約216万円
生活費(食費・光熱費など:約8万円/月):約384万円
4年間合計:約880万円
生活スタイルによって差はありますが、一人暮らしでは生活費が大きな割合を占めます。
奨学金やアルバイトも計画的に活用することが大切です。
元「中の人」から保護者の方へ
看護学科の学費は全国の国立大学で共通であり、私立大学看護学部と比べると大きく抑えられています。
また、富山大学ではJASSOの給付型奨学金や授業料減免制度に加え、大学独自の支援制度や自治体・病院の修学資金制度も利用できます。
卒業後は看護師として高い就職率を維持しているため、教育への投資が将来の安定した職業につながりやすい点も大きな魅力です。
経済的な理由だけで進学を諦める前に、利用できる支援制度を一度確認してみることをおすすめします。
9. 入学後のサポート
リメディアル教育
富山大学医学部看護学科では、「リメディアル教育」という名称で大規模な補習教育は実施していません。
ただ、1年次には教養教育や基礎医学、基礎看護学を段階的に学ぶカリキュラムが組まれています。
高校で生物や化学を十分に履修していない学生にも配慮した授業内容となっており、専門科目へ無理なく進めるよう工夫されています。
大学で一から学べる環境が整っているため、入学時点で完璧な知識がなくても安心です。
学修支援
学年担任や指導教員による学修・学生生活のサポート体制が整っています。
また、実習では少人数単位で教員がきめ細かく指導するため、疑問点を相談しやすい環境です。
講義だけでなく演習や実習を通して、自ら考え行動する力や、多職種と協力するコミュニケーション能力も身につけられます。
取得できる資格
卒業と同時に看護師国家試験受験資格を取得できます。
また、所定の科目を履修し選抜に合格すれば、保健師国家試験受験資格も取得可能です。
保健師資格取得後は、申請により養護教諭二種免許状を取得できます。
さらに、助産師を目指す場合は、富山大学大学院などへ進学して専門教育を受ける道が開かれています。
資格取得サポート
国家試験対策では、模擬試験や学習指導、国家試験ガイダンスなどが実施され、教員による個別相談も受けられます。
4年間で学んだ内容を体系的に整理しながら学習できるため、単なる暗記ではなく、根拠を理解した上で国家試験に臨める力を養うことができます。
キャリア・就職支援
大学のキャリア支援センターでは、就職ガイダンスや履歴書添削、面接対策、求人情報の提供などを行っています。
医学部では附属病院をはじめ医療機関とのつながりも強く、病院説明会や就職相談の機会も豊富です。
卒業後の進路を早い段階から考えられる環境が整っています。
ICT・図書館サポート
学内ではLMS(学習支援システム)を利用し、教材配布や課題提出、授業連絡などをオンラインで行います。
附属図書館では医学・看護学の専門書や電子ジャーナル、国内外の学術データベースが利用でき、レポート作成や卒業研究にも役立ちます。
医療分野の最新情報を調べる環境が充実しています。
学生相談・生活支援
保健管理センターでは健康相談やメンタルヘルス相談を実施しているほか、学生相談室では学業や人間関係、進路など幅広い相談に対応しています。
経済的な支援についても学生支援窓口で案内を受けることができ、一人で悩みを抱え込まないための体制が整えられています。
学生寮
富山大学には学生寮が整備されており、自宅から通学が難しい学生が利用できます。
一般のアパートより費用を抑えられる場合が多く、県外から進学する学生にとって経済的なメリットがあります。
また、さまざまな学部の学生と交流できることも学生寮ならではの魅力です。
元「中の人」のチェックポイント
富山大学医学部看護学科では、1年次から基礎を積み重ねるカリキュラムに加え、担任教員による学修支援や少人数での実習指導、国家試験対策、キャリア支援まで一貫したサポート体制が整っている。
困ったときに相談できる環境があることは、大学生活を安心して送るための大きな支えになるから、サポートを「受ける」のではなく、「積極的に活用する」ことが、4年間を充実させる一番のコツ。
10. この学部を一言で表すと?
地域医療を支え、未来の看護を創る4年間
富山大学医学部看護学科は、看護師を養成するだけの学科ではありません。
医学部医学科や薬学部、附属病院と連携した学びを通して、多職種と協力しながら患者さんを支える力を育てます。
基礎から実践まで段階的に学べるカリキュラムに加え、地域医療や在宅看護、災害看護、研究活動にも力を入れており、科学的な視点を持った医療人を目指せます。
卒業後は高い就職率を誇り、北陸だけでなく全国の医療現場で活躍できる実践力と専門性を身につけられることが、この学科最大の魅力です。
この学部に向いている人
次のような人は、富山大学医学部看護学科で充実した4年間を過ごせるでしょう。
人の役に立つ仕事がしたい人
患者さん一人ひとりに寄り添い、健康を支える専門職を目指したい人に最適です。チームで協力することが好きな人
医師・薬剤師・リハビリ職など、多職種と連携する力を学生時代から養えます。科学的に考えることが好きな人
看護技術だけでなく、研究やエビデンスに基づく看護を学びたい人に向いています。地域医療や高齢者医療に関心がある人
地域包括ケアや在宅医療を実践的に学び、地域社会に貢献できます。将来も成長し続けたい人
国家資格取得だけで終わらず、専門看護師や保健師、大学院進学など、多様なキャリアを目指せます。
看護師になりたいという気持ちがあれば十分なスタートラインです。
大学では知識も技術も一から学べるので、「今の自分にできるだろうか」と不安に感じている高校生も安心して挑戦してください。
元「中の人」から伝えたいこと
富山大学医学部看護学科のアドミッション・ポリシーで求められているのは、人を思いやる心を持ち、自ら学び続ける意欲がある人です。
高校時代に特別な医療知識や経験は必要ありません。
それよりも、授業に真剣に取り組み、基礎学力を身につけること、人と協力する経験を積むこと、そして「なぜそうなるのだろう」と考える習慣を身につけることが大学での学びにつながります。
大学では、附属病院や地域医療の現場、多職種連携教育を通して、単なる「看護技術」ではなく、患者さんを中心に考える医療人として成長していきます。
卒業後は看護師や保健師として医療現場で活躍するだけでなく、大学院へ進学して教育・研究者や専門看護師を目指す道もあります。
誰かの人生を支え、自分自身も成長し続けられる仕事に就きたい人にとって、富山大学医学部看護学科は大きな可能性を広げてくれる学科です。
この学部を一言で表すと?
地域医療を支え、未来の看護を創る4年間
看護師を目指すだけではなく、地域医療を支える力、研究する力、チームで医療を実践する力を身につけられる4年間です。
「人のために働きたい」という気持ちを、本物の専門性へと育ててくれる場所。それが富山大学医学部看護学科です。
11. 参考リンク集
富山大学の他の学部が気になる方は、こちらからご覧ください。
人文学部
経済学部
教育学部
理学部
工学部
都市デザイン学部
医学部医学科
医学部看護学科 (2026.7.21)
薬学部
芸術文化学部
【保健学】看護学
高知大学医学部看護学科 (2026.7.17)
秋田大学医学部保健学科 (2026.7.18)
福島県立医科大学看護学部 (2026.7.20)
福島県立医科大学保健科学部 (2026.7.20)
富山大学医学部看護学科 (2026.7.21)
鹿児島大学医学部保健学科 (2026.7.22)
佐賀大学医学部看護学科 (2026.7.22)
新潟大学医学部保健学科 (2026.7.23)
山形大学医学部看護学科 (2026.7.25)
名古屋市立大学医学部保健医療学科 (2026.7.29)
