佐賀大学医学部看護学科 ― 元アドミッションコーディネータの視点で「大学が本当に求めている学生像」を読み解く ―
1. 学部概要
30秒でまとめると…
人を理解する知識と技術を磨き、地域医療を支える看護職へ
学べる分野
人体の構造や病気、治療の基礎から、基礎・成人・老年・小児・母性・精神・在宅・地域看護まで幅広く学びます。
看護技術だけでなく、患者や家族との関係づくり、医療安全、チーム医療、保健医療福祉制度についても学び、人の暮らしと健康を総合的に捉えます。
注目の特徴
1年次から4年次まで、講義・演習と臨地実習を段階的に組み合わせます。
医学部附属病院に加え、地域の医療・保健・福祉施設でも実習を行えることが特徴です。
看護学、公衆衛生看護学、助産学の3コースがあり、人数制限はありますが、保健師や助産師を目指す道もあります。
身につく力
患者の状態を観察・判断する力
根拠に基づいて看護を実践する力
患者や家族に寄り添う対話力
多職種と連携するチームワーク
地域の健康課題を考える力
卒業後は、看護師を中心に、保健師や助産師など、医療・保健・福祉の専門職として力を発揮できます。
元「中の人」のチェックポイント
学べる分野では、病院内の看護だけでなく、コースによっては保健師や助産師、在宅や地域まで扱う点に注目。
附属病院と地域施設を活用した臨地実習を通して、知識を現場で使う経験を積める。
そこで磨かれる観察力と対話力は、患者に寄り添い、多職種と協力する看護職になるための大切な土台となる。
2. この学部に向いている人
この学部に向いている人の概要
佐賀大学医学部看護学科に向いているのは、人の健康と生活に関心を持ち、知識・技術・対話力を粘り強く磨ける人です。
患者に寄り添う優しさだけでなく、科学的に考える力、仲間と協力する姿勢、責任ある行動も求められます。
「人の力になりたい」を行動に変えられる人
困っている人を見ると、できることを考える
相手の話を途中で遮らずに聞ける
ボランティアや係活動に関心がある
看護職は、患者の代わりにすべてを行う仕事ではありません。
その人が自分らしく生活できるよう、必要な援助を考える仕事です。
相手の気持ちを尊重しながら、自分から観察・質問・行動できる人は、患者や家族に信頼される看護職へ成長できます。
「なぜ?」を科学的に考えられる人
生物や化学で人体の仕組みに興味を持てる
実験や資料から原因を考えることが好き
分からないことを調べて確かめられる
看護は思いやりだけでなく、科学的根拠に基づく専門職です。
体温、脈拍、検査値、表情などから状態を判断し、安全な援助につなげます。
暗記だけで終わらず、「なぜこの症状が出るのか」「なぜこのケアが必要か」を考え続けられる人に向いています。
小さな変化に気づき、丁寧に向き合える人
人の表情や声の変化によく気づく
確認や記録を省略せずに続けられる
約束や時間を守ることを大切にしている
医療現場では、わずかな体調変化や違和感が重要な情報になることがあります。
看護職には、観察した内容を正確に記録し、必要な相手へ伝える責任があります。
目立つ行動よりも、毎日の確認を丁寧に積み重ねられる人が、患者の安全を守る存在になれます。
チームの中で学び、協力できる人
グループ活動で人の意見を聞ける
分からないときに質問や相談ができる
意見が違っても話し合おうとする
看護は一人で完結する仕事ではありません。
医師、薬剤師、リハビリ職、福祉職などと情報を共有し、患者に必要な支援を考えます。
佐賀大学でも少人数学習や臨地実習が行われるため、自分の考えを伝えると同時に、他者から学べる人ほど成長しやすいでしょう。
地道な学習と実習を続けられる人
毎週の課題を計画的に進められる
苦手科目も放置せず復習できる
失敗を振り返り、次に生かそうとする
看護学科では、人体、病気、薬、看護技術などを学び、実習記録や国家試験対策にも取り組みます。
華やかな場面ばかりではありませんが、一つひとつの学習が患者の安全につながります。
継続する力を持つ人は、知識と実践力を備えた看護職を目指せます。
逆に向いていないかもしれない人
次のような考え方の人は、別の学部を検討した方がいいかもしれません。
「人と関わらず、資格だけ取りたい」という人
対話やグループ活動をできるだけ避けたい
患者や家族の価値観に関心を持てない
報告・連絡・相談を面倒だと感じる
看護師資格だけを目的にすると、演習や臨地実習で学ぶ意味を見失う可能性があります。
看護は、人との関係を通して健康と生活を支える仕事です。
ただし、人見知りでも、相手を理解しようとする気持ちがあり、対話の練習を続けられるなら十分に成長できます。
「厳しい場面や地道な学習を避けたい」という人
病気や老い、生死について考えたくない
必修科目や実習記録を負担にしか感じない
注意や助言を受けても改善したくない
医療現場では、痛み、不安、回復、別れなどに向き合うことがあります。
実習には出席や履修条件があり、責任ある行動も必要です。
ただし、最初から強い心を持つ必要はありません。
不安を相談し、振り返りながら少しずつ向き合う意志があるかが大切です。
元「中の人」のチェックポイント
看護職に必要なのは、特別な才能よりも、人への関心、科学的に考える姿勢、周囲と協力する力、学び続ける責任感。
苦手があっても、向き合って成長したいと思えるなら、佐賀大学で看護を学ぶ十分な素質がある。
3. 学びの特徴
アドミッションポリシー
佐賀大学医学部看護学科が求めるのは、次のような人です。
人間に関心を持ち、健康と福祉に貢献したい
相手の立場から柔軟に考えられる
感じたことや考えを適切に表現できる
看護職への目標を持ち、学び続けられる
幅広い基礎学力と論理的思考力がある
高校生活でいえば、友人の話を丁寧に聞く、理科の結果を根拠から考える、係活動で周囲と協力するといった姿勢です。
優しさだけでなく、科学的に考え、責任を持って行動できる看護職を目指します。
カリキュラムポリシー
教養、外国語、情報、人体・疾病の基礎から、各領域の看護学へ段階的に進みます。
講義で得た知識を演習で試し、臨地実習で患者の健康課題に応用する構成です。
初めから高度な看護技術を求められるのではなく、基礎から順番に積み上げます。
4年次には研究にも取り組み、倫理観、問題解決力、学び続ける姿勢を身につけます。
ディプロマポリシー
卒業までに、主に次の力を身につけます。
保健・医療・福祉に関する知識と看護技術
情報を集め、科学的に課題を考える力
患者の健康課題に応じて援助する力
多職種と協働し、関係を築く力
高い倫理観と学び続ける姿勢
看護をより良くするための研究的視点
資格を取ることだけがゴールではありません。
根拠に基づいて判断し、患者とチームから信頼される看護職になることを目指します。
カリキュラムの特徴
1年次
教養、人体の構造・機能、看護の基礎と基本技術を学びます。
2年次
疾病・治療や各看護領域へ広げ、基礎看護学実習に進みます。
3年次
成人・老年・小児・母性・精神・在宅看護などを深め、後期から本格的な臨地実習を経験します。
4年次
統合実習や研究、国家試験対策に取り組みます。
看護学・公衆衛生看護学・助産学の3コースがあります。
ただし、公衆衛生看護学コースと助産学コースには人数制限と履修要件があります。
PBL・実習
少人数の演習では、患者事例を基に「何が健康上の問題か」「どの援助が必要か」を話し合います。
高校のグループ探究を、医療現場に近づけた学びです。
臨地実習では附属病院や地域施設で患者と関わり、観察、計画、実践、振り返りを繰り返して看護判断を磨きます。
特色ある授業
「基礎看護技術」では、患者の安全と安楽を意識しながら、日常生活援助や観察の基本を演習します。
その後、成人・老年・小児・母性・精神・在宅など、対象の年齢や健康状態に応じた看護へ発展します。
「キャリア・デザイン」では看護職としての将来像を考え、4年次の統合実習や卒業研究・看護研究では、複数の知識を結びつけて現場の課題を探究します。
技術を手順どおり行うだけでなく、その人に必要な理由を説明できる看護職を目指す学びです。
元「中の人」のチェックポイント
このカリキュラムは、知識、演習、実習、研究が一本の線でつながっていることがポイント。
少人数学習で患者事例を考え、附属病院や地域施設での臨地実習を通して、判断力と対話力を実践へ変えていく。
保健師・助産師を目指す道もあるが、人数制限があるため早めの学修計画が重要。
大学が求めるのは、最初から完璧な人ではなく、人に関心を持ち、幅広く学び、仲間と協力しながら成長できる人なら、看護職への一歩を踏み出せる。
4. 研究
主な研究分野①:看護の基本と、人体の変化を科学する研究
看護援助の安全性や効果、身体の構造・機能、看護技術の教え方などを研究します。
経験だけに頼らず、患者の反応やデータを基に、より安全で負担の少ない看護を考える分野です。
転倒や医療事故を防ぐ看護技術
バイタルサインや身体機能の評価
看護学生が技術を習得する過程
服薬指導やセルフケア支援の方法
毎日の看護行為を科学的に見直し、患者と看護職の双方にとって安全な援助につなげます。
主な研究分野②:病気からの回復と、高齢者の生活を支える研究
急性期・慢性期・老年看護学では、手術や重い病気からの回復、長く病気と付き合う生活、高齢者の自立支援などを研究します。
病院での治療だけでなく、退院後の暮らしまで見据えることが特徴です。
手術前後の不安や回復への支援
糖尿病など慢性疾患の自己管理
認知症のある高齢者へのケア
退院支援と多職種・地域連携
治療を受ける人の「病気」だけでなく、その後の生活と希望まで支える方法を探究します。
主な研究分野③:子ども・母親・家族の成長を支える研究
小児看護、母性看護、助産学では、子どもの成長発達、病気を持つ子どもと家族、妊娠・出産・産後の母子支援などを扱います。
本人だけでなく、家族全体を看護の対象として捉える分野です。
医療的ケア児と家族への在宅支援
1型糖尿病の子どもの生活の質
妊産婦の不安や育児への支援
安全で満足できる出産を支えるケア
誕生から成長まで、子どもと家族が安心して生活できる支援のあり方を研究します。
主な研究分野④:こころと暮らしに寄り添う研究
精神看護、在宅看護、臨床心理学では、精神疾患のある人の地域生活、こころの健康、療養者と家族への在宅支援などを研究します。
症状を抑えることだけでなく、本人らしい生活や社会参加を重視します。
統合失調症のある人の活動とリカバリー
患者と看護職のコミュニケーション
在宅療養者と家族介護者への支援
看護職のストレスやメンタルヘルス
目に見えにくい不安や生活上の困難を捉え、その人らしい回復と暮らしを支える分野です。
主な研究分野⑤:地域全体の健康を守る研究
公衆衛生看護学では、個人や家族だけでなく、地域住民や働く人々などの集団を対象に研究します。
健康調査や統計を利用し、病気になる前の予防、健康教育、地域の支援体制を考えます。
高齢者の介護予防と地域活動
母子保健や子育て世帯への支援
熱中症など地域の健康課題の予防
保健師活動と地域ケアシステム
地域の声とデータを結びつけ、住民が健康に暮らせる仕組みをつくる研究です。
卒業研究テーマ
卒業研究題目を年度別にまとめた公式一覧は、現時点では確認できません。
以下は、教員の研究領域や授業内容を基にしたテーマ例であり、過去の卒業研究題目そのものではありません。
入院患者の転倒不安を軽減する看護援助
慢性疾患患者が服薬を継続するための支援
認知症高齢者へのパーソン・センタード・ケア
医療的ケア児を育てる家族が必要とする支援
産後の母親の育児不安と相談環境
精神疾患のある人の地域生活とリカバリー
若者に伝わりやすい熱中症予防教育
身近な疑問を文献、調査、観察などで確かめ、看護の改善につながる答えを探します。
佐賀大学医学部看護学科だからできる研究
附属病院の高度医療と、佐賀県内の医療・保健・福祉現場をつなげて考えられることが強みです。
臨地実習で感じた疑問を、卒業研究や看護研究へ発展させられます。
看護師に加えて保健師・助産師を目指すコースがあり、病院、母子、在宅、地域を横断した研究にも取り組めます。
元「中の人」のチェックポイント
看護研究は、白衣を着て実験室だけで行うものではなく、
「患者が安心して眠るには」
「家族の負担を減らすには」
「地域に健康情報をどう伝えるか」
といった、実習や日常で生まれた疑問が研究の出発点になる。
佐賀大学では、附属病院での臨床看護から地域の健康づくりまで幅広く探究できる。
人への関心を、調査やデータによって確かな支援へ変えたい人には、研究する面白さを感じられる。
5. 学生生活
男女比
2025年度の在学生239人は、男子7人(2.9%)、女子232人(97.1%)です。
医療・保健系の中でも看護学系は女子が多い傾向があり、佐賀大学も同様です。
ただし、男子も看護師などを目指して学べ、受験や資格取得に性別の制限はありません。
出身地
2025年度入学者61人の出身高校所在地は、
①福岡35人(57.4%)
②佐賀20人(32.8%)
③長崎3人(4.9%)
④熊本・大分・鹿児島各1人(1.6%)
です。
福岡・佐賀で約9割を占めるため、地元限定型ではなく「北部九州型」といえます。
留学制度
全学の交換留学では、協定校へ1学期間または1年間留学できます。
ただし、看護学科は必修科目や臨地実習が多いため、長期留学では履修計画の確認が欠かせません。
医学部では海外の医療・看護を学ぶ交流実績もあり、異なる文化の健康観や看護制度に触れる機会があります。
提携大学
医学部は台湾の輔仁カトリック大学医学部と学生交流協定を結び、看護学科同士でも学生の派遣・受け入れ実績があります。
中国の浙江中医薬大学看護学部から学生を受け入れた実績もあり、海外の看護教育、病院、地域医療、文化によるケアの違いを学ぶきっかけになります。
留学支援
国際交流推進センターが交換留学の相談や手続きを支援し、JASSOの海外留学支援制度、佐賀大学校友会海外派遣奨励金などを利用できる可能性があります。
医学部附属看護学教育研究支援センターにも国際交流支援部門があり、看護学生や看護職の国際交流を支えています。
地域連携
附属病院だけでなく、地域の医療機関、訪問看護、保健・福祉施設などを臨地実習の場として活用します。
地域連携実習やコミュニティ・ヘルスケア、公衆衛生看護学を通して、退院後の生活や地域全体の健康課題まで考えられることが特徴です。
学生が唐津市の保健師と熱中症予防に取り組んだ例もあり、住民に伝わる健康教育、課題発見、多職種との協働力を養えます。
元「中の人」のチェックポイント
学生は福岡・佐賀を中心とした九州各県から集まる。
演習や実習では少人数で協力する機会が多く、仲間や教員との関係も築きやすい。
留学を希望する場合は、資格科目や実習との調整が必要なため、入学後早めの相談がオススメ。
地域実習や国際交流を、自分の視野を広げる機会として積極的に活用しよう。
6. 入試方法
選抜方式
総合型選抜と中期日程は実施しません。
学校推薦型選抜Ⅰは20人で、共通テストを課さず、調査書・推薦書・自己推薦書、小論文、面接から人間性、論理的思考力、看護職への適性を評価します。
一般選抜は前期35人、後期5人。
前期は共通テスト、小論文100点、面接60点、後期は共通テストと面接120点で判定します。
このほか社会人選抜を若干人実施します。
難易度
河合塾Kei-Netの2027年度ボーダー得点率は、前期59%、後期65%で、個別試験の偏差値表示はありません。
地方国公立大学の看護系としては標準的な水準ですが、後期は募集5人と少なく、前期より高得点が必要です。
安全圏を目指すなら、共通テストで6割台半ば以上を確保したいところです。
各教科の重要度と得点源
※ 評価は一般選抜前期を基準とします。
前期の共通テストは660点満点、個別試験は小論文と面接で、教科の個別学力検査はありません。
数学
重要度:★★★☆☆ 得点源:★★★★☆
共通テスト:あり/個別学力検査:なし
「数学Ⅰ・A」または「数学Ⅱ・B・C」から1科目を選び、配点は100点です。
得意な方を選べるため、安定した得点源にしやすい教科。
計算だけでなく、表やデータを読み取る力は、入学後の統計・看護研究にもつながります。
英語
重要度:★★★★☆ 得点源:★★★★☆
共通テスト:あり/個別学力検査:なし
リーディング105点、リスニング35点の計140点です。
英語資格は、条件を満たせば共通テスト英語への換算利用が可能です。
医療用語や海外文献を学ぶ土台にもなるため、単語・長文読解とリスニングを継続的に伸ばしましょう。
国語
重要度:★★★★☆ 得点源:★★★★☆
共通テスト:あり/個別学力検査:なし
配点は140点で、英語と並ぶ重要教科です。
前期では個別試験に小論文もあるため、文章を正確に読み、根拠を挙げて説明する力が合否に二重に関わります。
現代文を中心に、要約と論理展開の練習を得点力へつなげましょう。
理科
重要度:★★★★★ 得点源:★★★★☆
共通テスト:あり/個別学力検査:なし
前期は指定科目から2科目を利用し、合計200点と最も配点が大きい教科です。
看護学では人体、疾病、薬理を学ぶため、特に生物・化学は入学後にも役立ちます。
2科目とも大崩れしないよう、早期から基礎事項と実験考察を固めることが重要です。
社会
重要度:★★☆☆☆ 得点源:★★★★☆
共通テスト:あり/個別学力検査:なし
地理歴史・公民から1科目を利用し、配点は70点です。
他教科より比重は低いものの、暗記と資料読解を計画的に進めれば安定した得点源になります。
直前期に詰め込まず、得意科目を早めに決めて共通テスト形式に慣れましょう。
情報
重要度:★☆☆☆☆ 得点源:★★★★★
共通テスト:あり/個別学力検査:なし
「情報Ⅰ」は必須ですが、配点は10点です。
比重は小さい一方、基本問題を確実に取れば差をつけられます。
用語暗記だけでなく、表計算、データ活用、アルゴリズムの典型問題を反復し、短時間で取りこぼしを減らしましょう。
元「中の人」のチェックポイント
前期は共通テスト660点に対して個別試験160点となっていて、共通テストの比重が約8割。
まず理科2科目を軸に、英語・国語で安定して得点し、数学と社会を得点源にするのが基本戦略。
小論文では医療・福祉の資料を読み、根拠を示して意見を書く練習が必要。
後期は募集5人でボーダーも高いため、前期を第一の勝負にしたい。
推薦では成績概評Aに加え、看護職への志望理由、倫理観、協調性を自分の経験から説明できる準備が重要。
7. 進路
進級と留年の状況
留年者数・留年率は公表されていないため、「留年しやすい」とは断定できません。
ただし、必修科目が多く、1年次の基礎看護技術科目を修得しなければ基礎看護学実習に進めません。
3年次科目や本格的な臨地実習にも単位要件があり、未修得科目があると原級に留まる場合があります。
授業・事前演習・実習への出席を優先し、苦手科目を早めに相談することが重要です。
大学院進学
大学ポートレートの2025年度掲載値では、卒業者62人のうち大学院進学者は0人で、進学率は0%ですが、専修学校・外国の学校等への入学者が1人います。
卒業後すぐに資格を生かして働く学生が中心です。
大学院の先進健康科学研究科・総合看護科学コースでは、臨床・地域看護の課題、研究方法、データ分析などを深め、研究者、教育者、高度な実践を担う看護職を目指せます。
主な就職先
2025年度掲載値では、卒業者62人のうち正規就職者58人(93.5%)、正規以外の就職者3人(4.8%)で、合計61人(98.4%)が就職しています。
職業別では保健師・助産師・看護師が59人、小学校・高校教員が各1人。産業別では医療業・保健衛生56人、学校教育2人、地方公務3人です。
ほぼ全員が大学で学んだ看護・保健分野を生かしており、専門職との結びつきが非常に強い学科です。
就職先としては佐賀大学医学部附属病院をはじめ、大学病院、公的病院、地域医療機関、自治体などが中心です。
附属病院への学校推薦枠があることも、就職面での特色です。
進路先の都道府県
2025年度の就職地域は、
①佐賀県38人(62.3%)
②福岡県15人(24.6%)
③東京都3人(4.9%)
④熊本県2人(3.3%)
⑤神奈川・京都・大阪各1人(1.6%)
です。
佐賀・福岡だけで就職者の約87%を占め、北部九州への就職が中心です。
一方、首都圏や関西圏へ進む学生もおり、資格を生かして全国の医療機関を選べます。
元「中の人」のチェックポイント
佐賀大学医学部看護学科は、大学院進学型というより、卒業後すぐに看護師・保健師・助産師などとして働く「専門職就職型」といえる。
附属病院への推薦枠や地域医療機関とのつながりがあり、特に佐賀・福岡で働きたい人には心強い環境。
ただし、資格取得はゴールではなく、患者や地域に責任を持って関わる仕事のスタート。
研究や教育に関心が生まれた場合は、実務経験後に大学院へ進む道もある。
8. 学費・生活費
学費
入学料は282,000円、授業料は年額535,800円です。
初年度は817,800円、4年間の納付総額は2,425,200円になります。
ただし、在学中に授業料が改定された場合は、改定後の金額が適用されます。
追加費用
教科書・参考書、白衣、ナースシューズ、聴診器などの実習用品、保険、予防接種・抗体検査、実習先への交通費、国家試験受験料などが必要です。
金額は履修コースや実習先で異なりますが、4年間で30万~50万円程度を準備する想定が安全です。
日本学生支援機構の奨学金
佐賀大学では、日本学生支援機構の給付奨学金と貸与奨学金を取り扱っています。
貸与型には無利子の第一種と有利子の第二種があり、給付奨学金は高等教育の修学支援新制度による授業料等減免と併用できます。
大学独自の奨学金・支援制度
「佐賀大学かささぎ奨学金」は、一般選抜で入学する成績優秀者を対象とする返還不要の制度です。
全学で14人程度に、年額30万円を原則4年間給付します。
このほか、家計急変や災害時の奨学金・授業料支援、徴収猶予などを利用できる場合があります。
授業料免除制度
高等教育の修学支援新制度により、対象となる学部生は支援区分に応じて入学料・授業料の全額、3分の2、3分の1が免除されます。
多子世帯区分では、一定の学業要件などを満たせば所得制限なく全額免除の対象になります。
アパート相場
鍋島地区の1K家賃相場は月額約4万円、鍋島駅周辺では約3.7万円です。
大学生協の紹介物件には3万円台からあり、設備の整った物件は5万円台になる場合もあります。
家賃に加え、共益費、駐車場代、敷金・礼金、保証料を確認しましょう。
卒業までの費用シミュレーション
支援制度を利用しない概算です。
実家暮らし:約417万~437万円
学費約243万円+追加費用30万~50万円+交通・日常費月3万円×48か月=約144万円一人暮らし:約821万~841万円
学費約243万円+追加費用30万~50万円+家賃月4万円×48か月=192万円+家賃以外の生活費月7万円×48か月=336万円+引越し・契約費約20万円
ただし、実習交通費や物価、生活スタイルにより増減します。
また、追加費用と生活費は大学の確定額ではなく、あくまでも概算です。
特に保健師・助産師コースでは履修科目・実習量が異なるため、入学後に最新の学修要項と購入案内を確認してください。
元「中の人」から保護者の方へ
4年間の学費は約243万円ですが、看護学科では教科書、実習用品、予防接種、実習交通費なども見込む必要があります。
入学前に学費だけでなく、月々の生活費と臨時費用を分けて資金計画を立てると安心です。
日本学生支援機構の給付・貸与奨学金、授業料等減免、かささぎ奨学金を利用できる可能性があり、多子世帯への支援もあります。
予約採用は高校在学中に手続きするため、早めに学校へ相談しましょう。
家計が急変した場合も支援制度があるので、学生本人だけで抱えず大学の奨学金窓口へ相談することが大切です。
9. 入学後のサポート
リメディアル教育
「リメディアル教育」という名称の看護学科独自制度は、現時点では確認できません。
ただし、1年次には教養科目、人体の構造・機能、疾病の基礎、看護学概論、基礎看護技術などを配置しています。
高校理科に不安があっても、専門科目と実習に必要な知識を段階的に積み上げます。
学修支援
教員のチューターが、履修、学修方法、進路、学生生活などの相談に対応します。
看護専門科目では少人数グループ学習や演習を取り入れ、患者事例について仲間と検討します。
知識だけでなく、課題発見力、説明力、チームで協力する力を身につけられます。
取得できる資格
卒業要件を満たすと、学士(看護学)と看護師国家試験受験資格を得られます。
人数制限のある選抜を経て、公衆衛生看護学コースまたは助産学コースの科目を修得すれば、保健師または助産師の国家試験受験資格も取得可能です。
資格取得サポート
人体・疾病の基礎から看護専門科目、演習、臨地実習へ進むカリキュラムそのものが国家試験対策につながります。
4年次には教員の指導を受けながら学修を仕上げ、学生同士でも励まし合います。
国家試験激励会も行われ、知識の整理と継続して学ぶ姿勢を支えています。
キャリア・就職支援
大学の就職支援に加え、看護学科では求人情報や進路相談、就職説明などを通して専門職への就職を支えます。
佐賀大学医学部附属病院には学校推薦枠があり、病院説明会も実施しています。
実習経験を振り返りながら、自分が目指す看護分野や働き方を具体化できます。
ICT・図書館サポート
鍋島キャンパスの医学分館には、医学・看護学の専門書、学術雑誌、電子資料をそろえています。
無線LAN、学内端末、静かに学べる閲覧席に加え、話し合いができるコラボレーションエリアやディスカッションルームもあり、個人学習とグループ学習の両方に利用できます。
学生相談・生活支援
鍋島キャンパスには「学生なんでも相談窓口」と保健管理センター分室があります。
看護師・保健師による健康相談や応急処置、学生カウンセラーによるメンタルヘルス相談に対応します。
学生支援室やキャンパス・ソーシャルワーカーとも連携し、修学の継続が難しいときにも支援を受けられます。
学生寮
佐賀大学には本庄地区に楠葉寮があり、定員は男子100人・女子50人、寄宿料は月額5,300円です。
光熱水料などは別途必要ですが、住居費を抑えられます。
ただし、看護学科が学ぶ鍋島キャンパスとは離れているため、バスや自転車などの通学方法と所要時間を確認しましょう。
その他学生サポート体制
臨地実習には健康管理と感染症対策が欠かせません。
鍋島キャンパスの保健管理センターでは、健康診断、予防接種、抗体・免疫記録の証明などに対応します。
医学科・看護学科の後援会加入者については、対象となるワクチン費用への補助もあり、安全に実習へ進む準備を支えています。
元「中の人」のチェックポイント
看護学科は必修科目や実習が多いため、「困ってから一人で立て直す」より、早い段階で相談することが大切。
勉強はチューターや担当教員、心身の不調は保健管理センター、生活上の悩みは学生なんでも相談窓口というように、相談先が用意されている。
医学分館を日常的な復習やグループ学習に活用し、国家試験や就職についても早めに情報を集めよう。
大学の支援を利用することは弱さではなく、患者に責任を持つ看護職へ成長するための自己管理の一つといえる。
10. この学部を一言で表すと?
人を看て、暮らしと地域の健康を支える
佐賀大学医学部看護学科は、人体や病気の知識、看護技術、患者との対話、地域の健康づくりを総合的に学ぶ学科です。
附属病院と地域施設での臨地実習を通して、知識を現場で生かす力を養います。
看護師を基本に、人数制限のあるコース選択によって保健師・助産師への道も広がる、北部九州の地域医療に強い看護職養成の場です。
この学部に向いている人
次のような人は、佐賀大学医学部看護学科で充実した4年間を過ごせるでしょう。
人の健康や暮らしに関心がある人
病気だけでなく、その人の生活や家族、将来まで考えて支えたい人に向いています。相手の話を聞き、立場を考えられる人
自分の意見を押しつけず、患者や家族の思いを理解しようとする姿勢が生かせます。科学的な根拠を基に判断したい人
症状や数値を丁寧に観察し、「なぜ必要か」を考えながら行動できる人に適しています。仲間と協力し、責任を持って行動できる人
実習や医療現場では連携が不可欠なため、相談・報告を大切にできる力が役立ちます。地道な勉強や実習を続けられる人
必修科目や実習記録、国家試験対策に、計画的かつ粘り強く取り組む姿勢が求められます。
看護職に必要なのは、優しさだけではありません。
観察力、論理的思考力、対話力、責任感を少しずつ磨くことが大切です。
今は苦手なことがあっても、人の力になるために成長したいと思える人なら、大学で看護を学ぶ十分な素質があります。
元「中の人」から伝えたいこと
佐賀大学医学部看護学科が求めているのは、人間に関心を持ち、人々の健康と福祉に貢献したい人です。
相手の立場から柔軟に考える力、豊かな表現力、幅広い基礎学力、論理的思考力、卒業後も学び続ける意欲が重視されます。
高校では、生物・化学・物理・数学の基本を固めるとともに、国語で文章を読み、自分の考えを根拠と一緒に伝える練習をしましょう。
部活動、係活動、ボランティアなどで、周囲と協力した経験も面接や実習の土台になります。
大学卒業後は、看護師を中心に、選択コースによって保健師・助産師を目指せます。
病院、自治体、地域医療など、人の人生と健康を支える多様な進路につながります。
この学部を一言で表すと?
人を看て、暮らしと地域の健康を支える
看護職への憧れは、学び続ける覚悟によって力に変わります。
人に寄り添い、科学的に考え、仲間と成長したいなら、その思いを佐賀大学で確かな看護実践力へ育ててください。
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