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仕事を断ることは会社を守る。けれど、断り続ければ仕事は減る


仕事の相談をいただけることは、

決して当たり前ではありません。

特に独立したばかりの頃は、

一件でも多く仕事を受けたい。

せっかく声をかけてもらったのだから、

できる限り応えたい。

そう考える方も多いと思います。

私も、

取引先が困っているのであれば、

できるだけ力になりたいと考えています。

しかし、

すでに予定が埋まっている状態で仕事を受ければ、

今ある現場に影響が出るかもしれません。

反対に、

無理だからと断り続ければ、

次第に声をかけてもらえなくなる可能性があります。

無理な仕事は断ればよい。

仕事が減るのが不安なら受ければよい。

実際の経営は、

それほど単純ではありません。

今回は、

仕事を受けるのか、断るのか。

その間で私が考えていることをお話しします。



1つ目 新しい仕事だけでなく、今ある仕事にも責任がある

仕事の相談をいただいたとき、

その一件だけを見れば、

何とか対応できそうに思えることがあります。

一日だけ予定をずらす。

別の現場から人を回す。

残業して間に合わせる。

しかし、

その無理が一件だけで終わるとは限りません。

建設業では、

天候や他業者の進捗によって、

予定が変わることがあります。

一日の遅れが別の現場に影響し、

さらに次の現場までずれ込むこともあります。

急な依頼に応えることで、

取引先との信頼が深まることはあります。

困っているときに力を貸してもらったことは、

相手も覚えていてくれます。

ただし、

新しい一件を受けたことで、

すでに約束している現場の工期や品質を守れなくなれば、

本当に取引先のためになったとはいえません。

仕事を受ける前には、

その現場を施工できるかだけではなく、

会社全体の工程にどのような影響が出るのかまで、

考える必要があります。

着工時期を変えれば対応できるのか。

工事の一部だけなら受けられるのか。

協力業者に相談できるのか。

工程の組み方を変えられないか。

受けるための方法を考えたうえで、

それでも責任を持って納められないのであれば、

早い段階で正直に断る。

新しい相談に応える責任だけでなく、

すでに交わしている約束を守る責任もあります。

受注する前に立ち止まることも、

今いただいている仕事を守るために必要な判断だと思っています。


2つ目 利益が少なくても、付き合いで受ける仕事はある

仕事を受ければ、

売上は増えます。

しかし、

売上が増えたからといって、

会社に利益が残るとは限りません。

必要な人数や日数。

現場までの距離。

車両や重機。

燃料や処分費。

現場調査や見積もりにかかる時間。

そこまで含めて考えると、

ほとんど利益が残らない仕事もあります。

だからといって、

利益が少ない仕事を、

すべて断るわけではありません。

普段から適正な金額で発注してくださり、

いつもお世話になっている取引先であれば、

利益が少なくても、

付き合いで引き受ける現場は出てきます。

取引先が困っているときに応えることも、

長く付き合っていくうえでは大切です。

ただし、

その一件の金額が、

今後の基準にならないように注意しなければなりません。

こちらが、

「今回は付き合いで受けた」

と思っていても、

相手に伝わっていなければ、

次の見積もりでも同じ金額を求められる可能性があります。

こちらには理由があっても、

相手に残るのは、

実際に施工した金額です。

今回だけ条件が異なること。

通常であれば、

同じ金額では対応できないこと。

次回からは、

適正な金額が必要になること。

必要であれば、

見積もりや打ち合わせの段階で伝えておくことも大切です。

利益が少ないと分かったうえで、

理由を持って例外として受けることと、

付き合いを理由に、

利益の出ない仕事を断れずに受け続けることは違います。

普段は適正な条件で取引しているからこそ、

必要なときにはお互いに力を貸せる。

その関係を続けるためにも、

例外の金額を、

通常の基準にしないことが大切です。

長く付き合いたい取引先だからこそ、

金額について曖昧にしないことも必要だと思っています。


3つ目 断ることより、断り続けなくて済む体制をつくる

仕事を断るときは、

できるだけ早く正直に伝えることが大切です。

返事を先延ばしにしたり、

受けるような話をしてから直前に断ったりすれば、

取引先も次の業者を探せません。

時期を変更すれば対応できるのか。

工事内容を分ければ受けられるのか。

ほかに提案できる方法はないのか。

自社にできる範囲で考えたうえで伝えることで、

関係を残せることもあります。

それでも、

丁寧に断れば、

何度断っても仕事が減らないというわけではありません。

依頼する側にも工程があります。

声をかけても何度も対応できなければ、

次第に別の会社へ相談するようになります。

そのため、

断ることを正しい判断として終わらせるのではなく、

なぜ断ることが続いているのかを考える必要があります。

仕事を抱えすぎているのか。

取引先を増やしすぎているのか。

工程の組み方に問題があるのか。

協力業者との連携が不足しているのか。

今の人員では対応できない工事の相談が多いのか。

同じ理由で断ることが続くのであれば、

その仕事を今後も受けないのか、

受けられる体制をつくるのかを決めなければなりません。

自社が今後も必要としない仕事であれば、

無理に体制を整える必要はありません。

しかし、

会社として受けていきたい仕事なのに、

毎回同じ理由で断っているのであれば、

何かを変える必要があります。

必要な技術や設備を整える。

協力業者との関係をつくる。

自社で対応できる仕事量を把握する。

取引先へ早めに工程を伝える。

人を増やすだけではなく、

今ある業務の進め方を見直す。

必要なときに断ることも経営です。

しかし、

受けたい仕事を、

できる限り断らずに済む状態をつくることも経営だと思っています。


最後に

仕事を受けることにも、

断ることにも責任があります。

無理に受ければ、

今ある現場や取引先、

従業員に負担をかける可能性があります。

一方で、

断り続ければ仕事は減り、

取引先との関係も薄くなるかもしれません。

だからこそ、

何でも受けることも、

簡単に断ることも正解ではありません。

今ある現場との約束を守れるのか。

会社に必要な利益を残せるのか。

利益が少ない場合でも、

例外として受ける理由があるのか。

その条件が、

今後の金額の基準にならないか。

最後まで責任を持って納められるのか。

そこまで考えて、

一件ごとに判断する必要があります。

仕事を断ることが、

会社を守る場合はあります。

しかし、

断るだけで会社を守り続けることはできません。

本当に大切なのは、

受けるべき仕事を見極め、

受けたい仕事を責任を持って納められる体制をつくることです。

目の前の仕事を守りながら、

次にいただく仕事にも応えられる会社をつくる。

それが、

会社を長く続けていくために必要な経営だと思っています。


経験は、最高の教科書。

一つひとつの経験を、次の誰かの力へ。

RooFraでは、これからも現場と経営のリアルを発信していきます。


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