ネタバレ注意!実写版『ヒックとドラゴン』ポスター解説&考察!
2025年秋、実写版『ヒックとドラゴン』日本公開
今年、15周年を迎えるドリームワークス作品の傑作『ヒックとドラゴン』(2010)。その実写版である『ヒックとドラゴン』(2025)が今年の秋に日本公開されることが決定した。
アニメの実写化と聞くだけで不安を覚える人もいるかもしれないが、実写版『ヒックとドラゴン』ではその心配は薄いと考えて良いだろう。何故ならば、監督がアニメ版『ヒックとドラゴン』で共同監督を務めていたディーン・デュボアが実写版『ヒックとドラゴン』でも続投するのだ。
アニメ版『ヒックとドラゴン』から続投するのは監督だけではない。名曲と言われた「Test Drive」を作曲したジョン・パウエルも音楽担当として続投することが決定している。
アニメ版『ヒックとドラゴン』ファンにとっても嬉しいスタッフが集まった実写版『ヒックとドラゴン』だが、2023年3月27日に若きヴァイキングたちとドラゴンたちが写った新ポスターが公開された。
本記事では、そのポスターについて解説と考察をしていく。なお、以下の内容はアニメ版『ヒックとドラゴン』のネタバレを含むため、注意していただきたい。
⚠️ネタバレ注意⚠️
ポスターのドラゴンライダーとパートナーについて解説&考察
「ヒックとドラゴン」シリーズのメインテーマは共存だと考察することは容易だ。長年対立してきたヴァイキングとドラゴン。ヴァイキングの長の息子であるヒックがナイト・フューリーを撃ち落とし、その尾翼を一枚奪ってしまったことから両者の関係は変わり始める。
ナイト・フューリーを殺すことのできなかったヒックは、尾翼を失い飛ぶことのできないドラゴンに罪悪感を覚える。そこで得意の鍛冶屋の知識を活かして義足ならぬ義翼を作るのだった。
しかし、義翼は1人で動かすことができず、ナイト・フューリーには義翼を動かすパートナーが必要となる。これこそがドラゴンライダーのはじまりであった。
2025年3月27日に発表されたポスターでは若きヴァイキングたちがドラゴンライダーとなった姿が描かれている。本記事ではドラゴンライダーと乗るドラゴンに名付けた名前、その関係性に関して解説と考察を述べていこう。

トゥース(Toothless)

ヒックの相棒であるナイト・フューリーで、「ヒックとドラゴン」のもう1人の主人公と言えるのがトゥースだ。トゥースは日本語名と原語名が異なるのも特徴の1 つである。
日本語版ではトゥースと呼ばれているが、原語版ではトゥースレスと呼ばれている。これはナイト・フューリーが歯を出し入れできる特徴を持っていたからであり、ヒックは「歯無し(Toothless)」と名付けた。
ヒックとトゥースは深い絆で結ばれており、互いを相棒として信頼している。本来は敵対するはずのヴァイキングとドラゴンが友情を築いていくのがアニメ第1作『ヒックとドラゴン』の物語であり、実写版『ヒックとドラゴン』でも2人が友情を築く過程が描かれると考察できる。
ストームフライ(Stormfly)

アスティの乗るデッドリー・デンジャーがストームフライだ。名前の意味はわかりやすく、「嵐を飛ぶ」でデッドリー・デンジャーの獰猛さとアスティの勇敢さが合わさった名前と言えるだろう。
ストームフライはアスティから「彼女」と呼ばれているように、メスのデッドリー・デンジャーである。性格はデッドリー・デンジャーらしく自惚れ屋で綺麗好き。自分の鱗を整えたり、風呂に入ることに時間を費やすことが多いが、ニワトリやボールを追いかけることが好きな遊び好きな一面も。
アスティへの忠誠心は高く、ストームフライはアスティの一声で駆けつけてくる。また、トゥースとも仲が良いが、これはアスティとヒックの関係が親密になっていったことによるものが大きいだろう。
フックファング(Hookfang)

スノットが乗るモンスター・ナイトメアがフックファングだ。名前の意味は「鉤の牙」で、力強さを強調した名前をつけるあたり、スノットの男らしさにこだわる性格が反映されていると言えるだろう。
オスのドラゴンで性格は短気。フィッシュからは「考える前に炎を吐く」と評されている。深い絆で結ばれたトゥースとヒックや、高い忠誠心を持つストームフライとアスティなどとは異なり、フックファングはスノットの命令と正反対のことをするのを好む。
これはフックファングがスノットを嫌っているわけではなく、フックファングが悪戯好きな性格なだけである。ペットは飼い主に似るとはよく言うが、フックファングとスノットの性格は非常に似ており、喧嘩早く傲慢、利己的で頑固である。
ミートラグ(Meatlug)

フィッシュの乗るグロンクルがミートラグだ。名前の意味は「肉」と「突起、のろま、ぶきっちょ」を合わせたかばん語で、和訳するとすれば「のろまな肉」あたりが妥当かもしれない。フィッシュはミートラグを溺愛していることから、のろまではなく、グロンクル特有の瘤を突起と訳しているのかもしれない。
フィッシュがミートラグを溺愛するように、ミートラグもまたフィッシュを溺愛している。寝る前にフィッシュの足を舐めるなど、犬のようでもあるミートラグの性格は母性的で、他種のドラゴンであっても幼いドラゴンに愛情を注ぐ様子が見られる。
母性的という表現をするだけあって、ミートラグの性別はメスである。ヴァイキングたちにおけるクリスマスのユールの時期には卵を出産している母親ドラゴンである。
ドラゴンたちは冬になる渡りをする習性があり、とある島の海辺の岩場に辿り着くと、そこで産卵するのだ。その際、卵は母親ドラゴンによって水の溜まった穴の中に落とされる。
これはドラゴンの卵が孵化する際に爆発するためであり、それを知らずにミートラグの卵を村中に配ったアスティたちは大変な目にあったことが『ドラゴンの贈り物』で描かれている。
フィッシュはミートラグが子供をもうけた後は、ドラゴンライダー兼ベビーシッターとして活動した。ミートラグの子供たちの父親は判明していないが、爬虫類の中にはメスのみの単為生殖が可能な種類もいるので、ドラゴンの生態の神秘とも言えるだろう。
バーフとベルチ(Barf&Belch)

ラフとタフの双子が乗るダブル・ジップがバーフとベルチだ。双頭のドラゴンであるため、1頭でも2つ名前があり、ラフとタフも1頭ではなく、頭ごとに別の個体として認識している。
ラフが乗るの右の火花を散らす頭がバーフで、タフが乗る左の可燃性ガスを吐く頭がベルチである。バーフとベルチはドラゴンライダーの双子同様、よく喧嘩をしている。スノットとフックファングと同様、ペットは飼い主に似るということだろうか。
名前の意味はバーフが「吐き気」で、ベルチが「げっぷ」である。これまでのドラゴンは身体的特徴や、性格などを名前にしていたが、バーフとベルチはそれらとまったく異なる命名がなされている。そこは悪戯の神ロキを信仰し、何事もめちゃくちゃにするのが好きなラフとタフらしい命名と言えるだろう。
実写版『ヒックとドラゴン』に登場する可能性のあるドラゴンライダーについて解説&考察
実写版『ヒックとドラゴン』では、アニメ版第1作『ヒックとドラゴン』で時間が足りずに出来なかったことをしたいとディーン・デュボア監督はインタビューで述べている。また、アスティ役のニコ・パーカーも「独自解釈がある」という旨のコメントをしている。それについては以下の記事が詳しい。
それらのコメントや予告編の映像を踏まえると、あり得るのは『ヒックとドラゴン2』で登場したドラゴンの登場だろう。『ヒックとドラゴン2』ではバーク島はドラゴンライダーの島となっており、主要人物もドラゴンライダーになっている。それでは、実写版『ヒックとドラゴン』で登場する可能性の高いドラゴンライダーと乗るドラゴンに名付けた名前、その関係性に関して解説と考察を述べていこう。
スカルクラッシャー(Skullcrusher)

ヒックの父親ストイックが乗るランブルホーンがスカルクラッシャーだ。『ヒックとドラゴン』では唐突に登場したスカルクラッシャーだが、『ヒックとドラゴン 新しい世界へ』ではストイックとスカルクラッシャーの出会いが丁寧に描かれている。
シーズン1第8話「石頭の友情」で初登場したスカルクラッシャーは、ヒックたちドラゴンライダーの移住先の島を荒らす存在として警戒されいた。しかし、実際は高波のことを警告しようとしていただけであり、責任感の強い性格のドラゴンであることが明らかになった。
その頃、愛馬であるトールネードを失い、ヒックも独り立ちし始めたことで喪失感を抱えていたストイックはスカルクラッシャーと族長として意気投合する。そして自分と同じ石頭であることから、スカルクラッシャーと名付けたのであった。
グランプ

ゲップが乗るホットバープルがグランプだ。グランプも『ヒックとドラゴン2』で登場したドラゴンだが、ゲップとの出会いは『ヒックとドラゴン 新しい世界へ』で丁寧に描かれている。
グランプは冷酷なドラゴンハンターのヴィゴーのもとでゴミ処理係として飼われていた。ヴィゴーのオークションを阻止すべく、会場に潜入したドラゴンライダーと遭遇し、ゲップがその才覚を見出したことで相棒となった。
『ヒックとドラゴン2』では鍛冶屋の火の番を担当しており、ゲップと共にバーク島でドラゴン用のサドルや銀歯を製作していた。ちなみにWikipediaでは近縁種であるグロンクルと誤表記されている。
勢いで解説を書いた上での感想
今回、公開されたポスターではドラゴンたちの容姿がハッキリと描かれており、なおかつ若きヴァイキングたちのドラゴンライダーの姿も明らかになった。ポスターだけでもかなり情報があるが、それ故に疑問も湧いてくる。
それは「ちょっと情報出し過ぎじゃない?」ということだ。実写版『ヒックとドラゴン』はアニメ版「ヒックとドラゴン」シリーズを観たことのない新規ファンにも観てほしい作品であると音楽担当のジョン・パウエルがコメントしている。
監督は、私が敬愛するディーン・デュボア氏で、彼は素晴らしいストーリーテラーです。アニメ映画を見たことがない人全員がこの物語に出会って、アニメ映画を見た人全員と同じくらい楽しんでくれることを願っています。また、アニメ映画を見て気に入った人全員が、同じ物語のこの拡張版を気に入ってくれることを願っています。
だとすれば、ドラゴンライダーたちの姿を米公開の3ヶ月ほど前から公開してしまうのはどうなのだろうか。アニメ版第1作『ヒックとドラゴン』では、ドラゴンに乗ってドラゴンの巣に向かうのは最後の手段とされた。
ヴァイキングとドラゴンの長年の対立が終わりを告げ、共同戦線を張るのがドラゴンライダーたちだったのだ。物語の終盤に若きヴァイキングたちによる新しい風として表現されたドラゴンライダーをこうも早く出して良いのだろうか。これはオフィシャルトレイラーにも言えることである。
だが、裏を返せばアニメ版第1作『ヒックとドラゴン』の重要な終盤の演出を見せても良いと判断したことは、実写版『ヒックとドラゴン』にはアニメ版第1作『ヒックとドラゴン』にはなかった終盤の演出があることを意味しているのかもしれない。今後の実写版『ヒックとドラゴン』の展開に注目だ。

