実写版『ヒックとドラゴン』米Colliderで独占インタビュー公開!解説&考察
米Colliderによるストイック役と監督への独占インタビュー
先日、2025年4月2日にシネマコンで試写会が実施され、高い評価を獲得した実写版『ヒックとドラゴン』。アニメ版『ヒックとドラゴン』からストイック役を続投するジェラルド・バトラーと同じく監督を続投するディーン・デュボアのインタビューが米Colliderで独占解禁された。
本記事では米Colliderの記事を素人ながら翻訳しつつ、実写版『ヒックとドラゴン』の魅力について解説&考察していこう。なお、筆者は(悔しいし、参加者が羨ましくてたまらないが)試写会には参加していないので、ネタバレなしの記事になるのでご安心を。
ジェラルド・バトラーとディーン・デュボア監督のインタビューから考察&解説
ジェラルド・バトラー、声優とはまた違う高揚感を味わう
ジェラルド・バトラーと言えば『300 〈スリーハンドレッド〉』(2006)のレオニダス役で有名だが、アニメ版『ヒックとドラゴン』ではヒックの父親ストイックを演じていた。実写版『ヒックとドラゴン』でも同役を続投することについて、ジェラルド・バトラーは声優とは違うワクワクがあることをインタビューで述べた。
このフランチャイズに参加できたことは、私の心の大きな一部となっています。 今回、私は録音ブースに入る代わりに、ストイックのブーツに足を入れ、彼の鎧を身に着け、彼のヘルメットを頭にかぶり、文字通りバーク島の世界に足を踏み入れました。世界中の観客がこの心温まる、陽気でスリリングな冒険に巻き込まれるのが待ちきれません。
米Colliderで独占解禁されたストイックの姿はまさしくアニメ版そのもの。ジェラルド・バトラーの役作りの凄さと、製作陣のキャスティングの腕が光る。今後、新予告編が公開される可能性が高いと考察されているため、そこでどのような演出がなされるのかにも期待だ。
ディーン・デュボア監督、ドラゴン訓練所のセットに歓喜の声
アニメ版『ヒックとドラゴン』から引き続き監督を務めるディーン・デュボアは、撮影地のベルファストにつくられたドラゴン訓練所のセットに感動したとのことだ。実写版『ヒックとドラゴン』ではバーク島はCGに頼り切らず、実際にセットを建てた部分が多い。また、ドラゴンの火炎放射も特撮で撮影されている箇所もある。
本当に夢のようです。 私たちがアニメーションでデザインするものはすべて、コンセプト・アートからCGIでその世界を作り上げ、手触りがあり、地に足がついていて、現実世界の手がかりをすべて持っていると感じられるようにします。 しかし、実写版『ヒックとドラゴン』の場合は、私たちがデザインし、設計図を作り、実際に世界全体を作り上げました。 ベルファストには、ドラゴン訓練所と村全体を収容するバックロットがありましたし、すべての内装を収容するサウンドステージもありました。 私にとっては、とても素晴らしいことなんです。 私はいつもサウンドセットに魅了されてきましたが、私たちのサウンドセットの中に入って、すべてのものに触れ、すべての部屋や建物の中に入って、その世界に入り込むことができるなんて、言葉では言い表せないようなことです。 毎日、歓喜の声をあげていました。
確かにアニメ版『ヒックとドラゴン』のCGIで再現された世界観は、現実では再現することが難しいことも演出できた。それに対して実写版『ヒックとドラゴン』では現実感をセットによって再現することができることにディーン・デュボア監督は気づいたという。
アニメーションは非常に万能で、特に今はツールが充実しています。 でも実写では、実写ならではの持つ地に足の着いた何かが、ある種の信憑性をもたらしてくれるんです。 ファンタジーに傾倒することがなくなり、本物の俳優がその役を体現することで、ある種の真実になるんです。
実写ならではの地に足のついた印象が、実写版『ヒックとドラゴン』に魅力を与えてくれたとのことだ。その反面、ジェラルド・バトラーに約40kgの衣装を着せることであたかもルネッサンスフェアの参加者のように思わせないことが大変だったとも語っている。この悩みはアニメ版と実写版の両方の『ヒックとドラゴン』を経験したディーン・デュボア監督ならではのものかもしれない。
ジェラルド・バトラーのヴァイキング姿は配慮され尽くされた衣装デザインだった?
ディーン・デュボア監督はジェラルド・バトラーを続投させるにあたり、一つの問題にぶつかったという。それはいくらジェラルド・バトラーの体格が良いと言っても、アニメ版『ヒックとドラゴン』のストイックと体格が大きく違うのだ。
体格を補うために肉襦袢を着せることは簡単だ。しかし、それでは危惧していたルネサンスフェアに参加するコスプレイヤーのようになる可能性がある上、何よりもジェラルド・バトラーにかかる負担が大きい。衣装の苦労について、ディーン・デュボア監督は米Colliderで以下のように語った。
ジェラルド・バトラーの体格はストイックと完全に一致するわけではないので、彼のシルエットを強化し、大きな四角いウールの敷物のようなマントを与えました。 アンダーコスチュームは彼の体型を拡大し、適切な場所に質量を与えます。 もちろんデザインから始まりますが、その後、衣装そのものを作り、できるだけ柔軟で着用できるように試行錯誤を重ねました。
俳優の負担を増やしたくはありません。 見た目だけでなく、演技力も必要だからです。 そのため、リンジー・ピューと彼女の才能あふれるコスチューム・デザイナーや製作者たちと一緒に仕事をし、彼らが魔法をかけるのを見るのは、私にとって本当に勉強になりました。 私たちは、人々がコスプレしたくなるようなコスチュームを作りたいと思っています。どうすれば、人々がその世界の住人になって、そのキャラクターのような服を着たいと思うような、本当にクールで刺激的なものになるのでしょうか?
観客がコミコンなどで「真似してみたい」と思いながらも、「実際のヴァイキングってこんな感じなんだろうなぁ」と感じさせる衣装デザイン。なおかつ、ジェラルド・バトラーが演技しやすいようにしなければならないため、衣装デザイナーたちは相当苦労したと考察できる。
ディーン・デュボア監督、キャストは容姿より精神性を重視
ジェラルド・バトラーの続投をはじめ、実写版『ヒックとドラゴン』で注目を集めたのはキャストだと言えるだろう。特にアスティ役のニコ・パーカーは賛否両論だった。個人的にはニコ・パーカーはナイスキャスティングだったと思うが、何故ジェラルド・バトラーやニコ・パーカーをキャスティングしたのだろうか。その理由にはキャラクターの精神性を重視する姿勢があった。
ディーン・デュボア監督はキャスティングにおいて、重要なのは容姿が似ているかどうかだけではなく、そのキャラクターを演じて違和感がないかどうかが重要だと語った。そして、キャスティングを担当したルーシー・ビーヴァンを絶賛すると以下のように続けた。
アスティ役のニコ・パーカーが良い例で、彼女は必ずしもアニメ版『ヒックとドラゴン』のアスティとは似ていないんですが、私が書いたヒックに対する厳しい台詞を言える唯一の俳優でした。 ですから、彼女は自分自身を高い基準で見ていましたし、チームの仲間たちにも同じことを期待していました。 アニメ版にそっくりな俳優が演じたとしても、それが必ずしも正しい選択とは限らなかっでしょう。 もっと重要なのは、キャラクターの精神が何であるかに意識を集中させることだったと思います。 この解釈には自由があるとわかっていたから、アニメのキャラクターから離れることができました。 それはとても勉強になるプロセスでした。
また、キャスティング面においてはジェラルド・バトラーの続投を例に挙げつつ、アニメ版の声優に実写版の俳優を寄せる必要がない旨を話した。それはアニメ版のキャストが個性豊かであることと、アニメ版とは違った個性が実写版には必要だと感じたためだということだ。
単にクリステン・ウィグ(原語版ラフ声優)、ジョナ・ヒル(原語版スノット声優)、クリストファー・ミンツ=プラッセ(原語版フィッシュ声優)、T.J.ミラー(原語版タフ声優)を探そうとするのではなく、部屋やシーンでキャラクターたちと一緒にいて、誰がこのキャラクターの精神を受け継いでいるのかを感じ取ることができました。 これらの俳優の代わりは誰もいません。 彼らには、アニメ版『ヒックとドラゴン』のキャラクターたちにもたらした、とても特別な感性があります。 だから、例えばヒックを見つけるのに、ジェイ・バルチェル(原語版ヒック声優)になりきるような人物は必要ありませんでした。ジェイ・バルチェルはユニークなんです。 だから、本質的にヒックの特徴を体現している人物を見つけることが、私たちがとらえなければならない考え方だったと思います。
ディーン・デュボア監督の考えるバーク島は人種のるつぼ
実写版『ヒックとドラゴン』のキャスティングに大きく影響を与えたのは、アニメ版『ヒックとドラゴン』とは異なるバーク島のイメージだったとディーン・デュボア監督は語る。実写版『ヒックとドラゴン』のバーク島は世界中のヴァイキングが集まってドラゴンの対策を練っているような場所をイメージしたようだ。
なぜこの部族が集まり、なぜあの島に上陸したのかを説明したかったんです。 そこで、緊迫感を高め、神話性を深めるために、バイキングは遠くまで旅をして、ドラゴンはどこでも問題になっているという共通の敵を排除するために、交流のあったあらゆる文化から最高のドラゴン・ファイターを集めたと考えました。
アニメ版第1作『ヒックとドラゴン』ではヴァイキングはヒックたちの部族しか登場しなかったが、『ヒックとドラゴン2』ではストイックがドラゴン対策会議を様々なヴァイキング部族が集まって開いたことを語っている。『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』ではアジア系のヴァイキングが登場、さらには世界中でドラゴン狩りをしてきたグリメルが登場している。
アニメ版「ヒックとドラゴン」三部作で描かれたドラゴン被害とヴァイキングたちの対立構造を実写版1作目から描くため、さまざまな人種のキャストが集められたと考察できる発言だ。ちなみに現実のヴァイキングもかなり広い範囲で貿易を行っており、有色人種がいた可能性があることが指摘されている。
ディーン・デュボア監督はキャスティングについて「後悔はない」と断言。そして実写版ヒック役のメイソン・テムズと実写版アスティ役のニコ・パーカーを絶賛した。
彼らはとても素晴らしいです。 彼らは本当に素晴らしいんです。 彼らは才能ある若手俳優で、キャラクターを完全に理解しています。 彼らは映画とともに育ってきたから、キャラクターが誰なのか、なぜ彼らがそのような行動をとるのか、深い説明は一切ありませんでした。 彼らはヒックとアスティを知っているんです。
ヒックを完璧に理解しているメイソン・テムズ
とくに実写版『ヒックとドラゴン』で主人公ヒックを演じるメイソン・テムズの役の理解度は高かったとのことだ。アニメ版が15年前だったため、メイソン・テムズは幼い頃からヒクドラに触れて育ったことが影響しているとのこと。ファンの鑑と言えるかもしれない。
特にメイソン・テムズは、準備の段階でいつも、「よし、ヒックのバックストーリーについて話しましょう。 彼の子供時代について何が知りたいですか?」と聞くと彼はこう言うんです。 「私はこれらの映画で育ちました。 『ヒックとドラゴン』で育ったんです。 『ヒックとドラゴン』は私にとっての『スター・ウォーズ』でした。 なぜヒックがあのような行動を取るのかがわかります。 自虐的なユーモアがあるのもわかります。 ヒックはちょっとガタイがいい、ある意味、間違った世界に生まれてしまったんです。バーク島では、誰もが憧れる資質とは、ヴァイキング的な強さと信念であり、ヒックはそれと対立しているだけなんだ」。メイソン・テムズはテキサス州ダラス出身の子供なのに、それを完全に理解していたんです。
メイソン・テムズ、ヒックへの理解度が高すぎる。ディーン・デュボア監督すら驚愕させるヴァイキング 世界で生きづらい少年の気持ち。これが若くして名優と呼ばれる所以なのかもしれない。
ちなみにディーン・デュボア監督はユニバーサル・エピック・ユニバースの『ヒックとドラゴン』エリアは訪れたことがないそうだ。しかし、楽しみにしているとのことなので、今後のディーン・デュボア監督のインスタグラムに注目かもしれない。
テレビスポットで描かれたアニメ版『ヒックとドラゴン』との違い
🚨📷 || NEW ADVERTISING SPOT WITH NEW IMAGES
— HTTYD Live Action News (@HttydLANews) April 5, 2025
The second trailer is just around the corner...pic.twitter.com/cpCCLhTvIV
ここまで米Colliderの記事を(素人だが)訳しながら、筆者の意見も述べてきたが、現在、実写版『ヒックとドラゴン』はテレビスポットの新予告編が公開されている。そこではアニメ版『ヒックとドラゴン』とは違う演出が盛り込まれており、それによりヒックやストイックのキャラクターの掘り下げに期待できる。
その代表例がヒックと彼の角付き兜の関係性だ。ヒックの兜は父親ストイックから送られたもので、ドラゴンに食べられて死亡した(と思われていた)
ヴァルカの胸当てから作られている。
ヒックはドラゴンとヴァイキングが理解し合えることを証明するため、ドラゴン訓練所の最終試験である最強のドラゴンと名高いモンスター・ナイトメア討伐を拒否し、武装解除するのだった。アニメ版『ヒックとドラゴン』ではこのとき兜を投げ捨てているが、実写版『ヒックとドラゴン』では丁寧に地面に置く演出に変わっている。
この描写はモンスター・ナイトメアを刺激しないようにゆっくり動いたとも取れるが、一方で母親ヴァルカを尊重したものとも考察できる。実写版『ヒックとドラゴン』では、アニメ版第1作『ヒックとドラゴン』では時間の都合上、間に合わなかった演出などが盛り込まれていると語られていることからも複数の意味を持っていそうだ。
海外のファンアカウントでは「『実写版第1作ではヒックとアスティはまだ恋愛関係にならず、選手とコーチ、親友のような関係で終わる」など様々な憶測が飛び交っている。今後の実写版『ヒックとドラゴン』のニュースに注目していきたい。
