408.【1分間読了∣掌編小説】ラウンジにて──名前を呼ぶまでの距離⑥−彼女の名前を呼ぼうと思った日(男性編)
今日、彼女の名前を聞こうと思っていた。
ベッドの上では、せめて彼女の名前を呼びたいと思ったから。
ただ、何気なく彼女の夜のバイトのことを聞いたのが、よくなかった。
彼女が楽しそうに話す、顔も知らない他の男たちに──
俺は、少し嫉妬を覚えたのかもしれない。
おかげで、名前を聞きそびれた。
それでも、また再来週に会おうと思っていたら、彼女から、「来週の予定は?」と聞かれた。
ちょっと躊躇してしまった。
だから、「再来週以降」と答えてしまった。
「では、また連絡下さいね。」と言う、彼女の素っ気ない態度も、少し気に入らなかった。
それでも、夜、少し気になって、彼女にLINEを送る。
次回の予定を書こうと思ったが、少し迷い、そして書くのを止めた。
ただ、今日のお礼だけを送った。

男女間の違いを書いた連作掌編小説∶
《男性編》
《女性編》
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