394.【1分間読了∣掌編小説】ラウンジにて──名前を呼ぶまでの距離③−季節が変わる頃、二人は(男性編)
季節が、夏から秋へと変わる頃。
彼女とは、月に一度の関係が、月に二度へと変わっていた。
相変わらず、LINEでのやり取りは曜日と時間だけ。最近は、彼女の方から誘ってくることが多い。
それでも、彼女のことは“和美”と呼んでいる──心の中だけで。
実際には、その名前を口にしたことは、ほとんどない。
会えば、声と声の間──その響きだけで通じる。
呼びかけなんて、要らなかった。
たとえ“キミ”でさえも。
たぶん──知らないままでいることが、俺たちを繋ぎ止めている。

男女間の違いを書いた連作掌編小説∶
《男性編》
《女性編》
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