【ギリシア哲学】『哲学の最初の300年哲学の全体地図』
はじめに
世界は変わるのか。
それとも変わらないのか。
古代ギリシアの哲学は、
この問いを約300年考え続けました。
神話ではなく、
自然そのものから世界を説明しようとした最初の試み。
それがソクラテス以前哲学です。
この300年の哲学は、
「変化する世界」と「変化しない存在」
という対立をめぐる思想史でもあります。
本記事ではこの対立構造を軸に、
哲学の流れを一望できる形で整理します。

① 世界の材料を探した哲学
イオニア自然哲学
最初の哲学者たちは考えました。
『世界は何でできているのか。』
料理に材料があるように、
万物にも基礎となる素材があるはずだと考えたのです。
• タレス
• アナクシマンドロス
• アナクシメネス
ここで初めて、
世界は自然で説明できる
という発想が生まれました。
この流れは
ディオゲネス・アポロニアテスで最終段階に至ります。
彼は空気を、
物質であると同時に知性をもつ原理として理解しました。

② 世界は数でできている
ピタゴラス派
哲学は素材から構造へ進みます。
音楽の調和
図形の比例
天体の秩序
『これらはすべて数で表せる。』
ピタゴラス派は考えました。
世界の本質は数的秩序である
• ピタゴラス
• フィロラオス
• アルキュタス
世界は物質ではなく、
パターンとして理解され始めます。
③ 世界は変化そのもの
ヘラクレイトス系
ヘラクレイトスは言いました。
『同じ川に二度入ることはできない。』
『世界は絶えず変化している。』
弟子クラテュロスはさらに進めます。
変化が激しすぎて、
対象は固定できない。
言葉すら成立しない。
哲学はここで
変化の極に達します。
④ 世界は変わらない
これと正反対の思想が現れます。
エレア派です。
• クセノパネス
• パルメニデス
• ゼノン
• メリッソス
彼らは論じました。
『無は存在しない。』
だから生成は不可能。
結論
存在は一つで不変
哲学はここで
不変の極に達します。

⑤ 変化と不変の和解
多元論
哲学は矛盾に直面します。
『世界は変化して見える。
しかし論理は不変を示す。』
この矛盾を解こうとしたのが多元論です。
• エンペドクレス
• アナクサゴラス
要素は不変。
組み合わせが変化。
レゴのように
形だけ変わる。
⑥ 世界は粒と空間
原子論
最終的な統合理論が現れます。
• レウキッポス
• デモクリトス
• ナウシパネス
世界は
『原子と空虚から成る。
生成も消滅もない。
配置が変わるだけ。』
ここで哲学は
変化と不変を統合します。
⑦ ソクラテス以前哲学の核心
この300年は一つの問題をめぐります。
世界は変わるのか
二極
変化:ヘラクレイトス
不変:パルメニデス
解決
多元論
原子論
哲学史は
対立と統合の物語でした。
⑧ なぜソフィストが現れるのか
自然についての大きな問いがひと通り論じられると、
哲学の関心は少しずつ人間の側へ移っていきます。
政治や裁判、教育の場では、
何が真実かだけでなく、
どう語れば人を動かせるかが重要になっていました。
ここで前面に現れるのがソフィストたちです。
彼らは自然そのものよりも、
人間、言葉、議論、説得の問題を重視しました。
こうして哲学の焦点は、
自然から人間へと移っていきます。
ソクラテスの前には、
まずこのソフィストたちの時代があったのです。
⑨なぜソクラテスが現れるのか
自然の説明は完成します。
すると問いが変わります。
人間はどう生きるべきか。
哲学の焦点は
自然 → 人間
へ移動します。
ここでソクラテスが登場します。
⑩ ソクラテスの弟子
【アカデメイア派】
【エリス派】
【メガラ派】
【キュレネ派】
【キュニコス派(犬儒派】
【ソクラテス周辺】
まとめ
ソクラテス以前哲学は
材料
構造
変化
不変
統合
を段階的に探究した300年でした。
神話から理性へ。
対立から統合へ。
哲学は世界説明を完成させ、
次に人間を問う哲学へ進みます。
【プラトン全集記事】
【後期対話篇まとめ】
【中期対話篇まとめ】
【初期対話篇まとめ】



