無料でも5つまで使えるClaudeのプロジェクト機能

こんにちは、ITとAIの相談役・わたぬきです。ふだんはココナラで、「AIやITのこと、誰に聞けばいいか分からない」というご相談を個別にお受けしています。
新しいAIチャットを開くたびに、自分の仕事の内容や会社の状況、話し方の好みを一から説明し直す——そんな面倒を感じたことはありませんか。Claude(Anthropic社のAIチャット)には「プロジェクト」という、この面倒を解消してくれる機能があります。この記事では、無料版でも使えるプロジェクト機能の作り方と、有料版との違い、そして意外と誤解されやすい仕様までをまとめてご紹介します。
毎回同じ説明をコピペしていませんか
「うちは10人くらいの会社で」「いつもですます調で」「この案件の背景はこうで」——新しいチャットを開くたび、同じ前提をまた打ち込む。身に覚えありませんか。
私はこの作業、地味だけど確実に時間と気力を削っていると思っています。1回あたりは数十秒でも、毎日何度もチャットを開き直す人にとっては、積み重なるとバカにできない量になりますよね。
しかもコピペ元のテキストをどこかにメモしておかないといけないので、結局それ自体が管理の手間になってしまう。本末転倒です。

Claudeのプロジェクト機能は、この「毎回コピペ」を1回の設定で終わらせるための仕組みです。次の章から、具体的に何がどう変わるのかを見ていきましょう。
Claudeのプロジェクト機能とは何か
公式ヘルプによると、プロジェクトは「独自のチャット履歴とナレッジベース(資料の保管場所)を持つ、独立した作業スペース」と説明されています(出典: What are projects? | Claude Help Center)。
正直に言うと、この説明だけだとピンとこない方も多いと思うので、私なりに要素を2つに分解します。
プロジェクト指示: 「ですます調で答えて」「◯◯業界の相談役として回答して」といった、プロジェクト全体に常時適用したいルールを最初に1回だけ設定する項目
ナレッジベース: そのプロジェクトに関係する資料(PDFやテキスト、コードなど)を置いておく場所。ここに入れた内容は、そのプロジェクト内で新しく始めたチャットすべてに、Claudeが自動的に目を通した状態で答えてくれる
つまり「話し方の好み」はプロジェクト指示に、「会社の情報や案件の背景」はナレッジベースに、それぞれ1回入れておけばいい。以後は同じプロジェクトの中で新しいチャットを始めるたびに、その前提が自動でついてくる、という仕組みです。
クライアントごと、案件ごとにプロジェクトを分けて使う、というイメージを持つと分かりやすいと思います。
プロジェクトの作り方は3ステップ
作り方はシンプルです。公式ヘルプに沿って整理すると、大きく3ステップに分けられます(出典: How can I create and manage projects? | Claude Help Center)。
①プロジェクトを作成する
画面左サイドの「Projects」から、または claude.ai/projects に直接アクセスして「+ New Project」を選び、プロジェクト名と説明を入力します。名前は「◯◯社向け提案資料」「経理まわりの相談」など、後から見て内容が分かるものにしておくのがおすすめです。
②プロジェクト指示を設定する
「Set project instructions」から、そのプロジェクトで常に守ってほしいルールを書きます。文体、専門用語の使い方、答えてほしい観点など、毎回口頭で伝えていたことをここにまとめて置く、というイメージです。
何を書けばいいか迷う方が多いところなので、私がおすすめしている型を挙げておきます。
相手の設定: 「◯◯業界の小規模事業者の相談相手として答えてください」
文体: 「ですます調で、専門用語には短い言い換えを添えてください」
前提: 「私は従業員10名ほどの会社で、経理と総務を兼任しています」
答え方の希望: 「結論を先に書いて、そのあとに理由を3つまでで説明してください」
コツは、欲張って長文にしないことだと思っています。毎回自分が言い直していたことだけを、短く4〜5行で書く。足りないと感じたら、あとから追記すればいいだけです。
③資料をナレッジベースに入れる
過去の成果物、議事録、スタイルガイド、社内の言い回しが分かる資料などをアップロードします。ここに入れた内容は、以後そのプロジェクト内のすべての新規チャットで自動的に参照されます。
入れる資料に迷ったら、「自分が新しく人を雇ったとき、最初に渡す資料は何か」を考えてみると選びやすいと思います。過去にうまくいった提案書、よく使う言い回しをまとめたメモ、サービスの料金表——そのあたりが最初の候補になるはずです。
逆に、何でもかんでも入れるのはおすすめしません。関係の薄い資料が混ざると、そのぶん的外れな文脈まで参照される余地が生まれます。まずは3〜5点から始めて、足りなければ足していくくらいがちょうどいいと考えています。

この3ステップ、最初は多少の手間がかかります。そうは言っても、一度整えてしまえば、その後は何度も再利用できる。私は、最初の10分をかける価値は十分にあると思っています。
誤解しやすい仕様を先に知っておきたい
ここは丁寧にお伝えしたいところです。プロジェクト機能には、使う前に知っておいたほうがいい仕様が2つあります。
チャット同士は会話を共有しない
ここは誤解されやすいところだと思います。同じプロジェクトの中であれば、チャットAでの質問・回答をチャットBが自動的に読める——と思われがちですが、それは違います。
公式ヘルプによれば、プロジェクト内で共有されるのはナレッジベースに追加した資料だけで、個別のチャット同士の会話内容そのものは共有されません(出典: How can I create and manage projects? | Claude Help Center)。
つまり、あるチャットで決めた重要な方針を別のチャットにも引き継ぎたいなら、その方針は会話の中に埋もれさせず、ナレッジベースに文書として入れ直す必要がある、ということです。ここを知らずに使うと「あれ、さっき言ったこと忘れてる?」と戸惑うことになるので、先に知っておいて損はないと思います。
アップロードした資料の学習利用について
Anthropicの公式プライバシーセンターによると、Claudeとのやり取りがモデルの学習に使われるかどうかは、ユーザー自身が設定でオン・オフを選べる仕組みになっています(「モデル改善への協力」という設定項目です)。学習への協力をオンにした場合はデータが最大5年間保持され、オフにした場合は30日間で削除されます。また、Incognito(プライベート)チャットは、この設定に関わらず学習には一切使われません(出典: Is my data used for model training? | Anthropic Privacy Center)。
プロジェクトのナレッジベースにアップロードした資料だけを特別扱いする、といった記載は、私が確認した公式情報の中には見当たりませんでした。おそらく通常の会話データと同じ扱いになると考えるのが自然ですが、断定はできません。取引先の情報や顧客の個人情報を含む資料をアップロードする前には、設定画面で「モデル改善への協力」がオンになっていないか、一度確認しておくことをおすすめします。
そもそも「AIに仕事のデータをどこまで預けていいか」は、Claudeに限った話ではありません。以前、Copilotのコネクタ機能についての記事でも書きましたが、便利な機能ほど「つないでいいものかどうか」を一度立ち止まって考える価値があります。情報漏洩対策についてまとめた記事もあわせて読んでいただくと、判断の材料が増えると思います。
無料版とProの線引きを整理する
ここが一番気になるところだと思うので、整理しておきます。
無料版でできること
無料版は「たまに使う」人向けのプランと位置づけられていて、5時間ごとにリセットされるセッション単位の利用量制限があります。送信できるメッセージ数は、需要状況やメッセージの長さ(添付ファイルを含む)、利用するモデルによって変動するとされていて、「1日◯通まで」という固定の数字は公式には示されていません(出典: How do usage and length limits work? | Claude Help Center)。
そして肝心のプロジェクト機能ですが、無料版でも利用できます。ただし作成できるプロジェクト数は最大5つまでという制限があります(出典: What are projects? | Claude Help Center)。案件やクライアントごとにプロジェクトを分けたい方は、わりと早い段階でこの上限にぶつかるはずです。
Proで広がること
Proプランは月額$20(月払い)、年払いなら月あたり$17(年額$200)です(出典: What is the Pro plan? | Claude Help Center)。正直にお伝えすると、公式料金ページ(claude.com/pricing)は米ドル建てのみで、日本円の表記は見当たりませんでした。円換算した金額は為替レート次第で日々変わるため、この記事ではあえて概算も出さず、ドル建てのままご案内します(出典: Plans & Pricing | Claude by Anthropic)。
加えて2026年4月から、日本にお住まいの方がClaudeを契約する場合、表示価格に加えて消費税10%が別途かかることが公式にアナウンスされています(出典: Notice regarding consumption tax (JCT) for Japanese customers | Claude Help Center)。地味に見落としがちなポイントなので、契約前に一度頭に入れておくと安心です。
Proプランの説明には「より多くのモデルにアクセスできる」という記載もありますが、無料版で具体的にどのモデルが使えるのかを明記した公式記載は見当たりませんでした(出典: What is the Pro plan? | Claude Help Center)。この点は断定せずにお伝えしておきます。
そしてClaudeならではの差分がもう一つ。Pro以上になると、プロジェクトのナレッジベースに入れた資料が増えて文脈の上限に近づいたとき、RAG(必要な部分だけを検索して参照する仕組み)モードが自動的に有効になり、扱える資料の容量が最大10倍まで拡張されます(出典: What are projects? | Claude Help Center)。資料をたくさん扱いたい方にとっては、ここが実質的な無料版との境界線になると私は見ています。
なお、有料版で作成できるプロジェクトの数に上限があるのかどうかは、私が確認した公式情報の中には具体的な記載が見当たりませんでした。無料版の「5つまで」という制限は明記されている一方、有料版側の数字は書かれていない、というのが実際のところです。ここは正直に「わからない」とお伝えしておきます。

ちなみに、「自分の使い方だと無料版で足りるのか、Proにすべきなのか」は、扱う資料の量や案件の本数によって変わります。ご自身の場合の線引きを一緒に整理したい方は、ココナラのわたぬきのページで見積り・相談を無料でお受けしています。
向いている人と向いていない人の見極め方
最後に、判断の目安をお伝えします。
プロジェクト機能が向いている人
同じクライアント・同じ案件と繰り返しやり取りする
文体やルールを毎回説明するのが面倒だと感じている
過去の資料を参照しながら答えてほしい場面が多い
プロジェクト機能がオーバースペックな人
毎回テーマが変わる単発の質問が中心
資料を継続して参照する必要がない
正直な感触を言うと、単発の質問だけなら素のチャットで十分です。無理にプロジェクトを作る必要はありません。一方で「同じ相手・同じジャンルのやり取りが月に何度もある」なら、最初の設定に10分かける価値は十分にあると思っています。
Claudeのプロジェクト機能は、無料版でも最大5つまで使えます。プロジェクト指示とナレッジベースを1回整えておけば、以後は同じ前提をコピペし直す必要がなくなる。ただしチャット同士は会話を共有しないので、大事な方針は会話に埋もれさせず資料として残しておく——ここまで押さえておけば、迷わず使い始められるはずです。
まずは今日、繰り返しやり取りしている案件を1つ選んで、プロジェクトを1つ作ってみてください。それだけで、次にチャットを開くときの手間が変わるはずです。
作った内容を図や表として出して、そのまま人に渡す方法はこちらにまとめています。
Claudeに前提を持たせる話の続きとして、会話の内容そのものを覚えさせる「メモリ機能」についても書きました。
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参考にした情報
Is my data used for model training? | Anthropic Privacy Center
Notice regarding consumption tax (JCT) for Japanese customers | Claude Help Center
※ 本記事は2026年7月時点の公式情報をもとに書いています。Claudeの仕様・料金プラン・利用条件は変更されることがあるため、実際にお使いになる際は上記リンク先で最新の情報をご確認ください。
