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万博会場にいつかの思い出を重ねながら

そよぐ風に吹かれてひらりひらりと

揺れる布をまとう建築をくぐり抜けて、未知なる形で
あふれる大阪万博をめぐり、楽しげに散りばめられた
デザインをたどる。大屋根リングの円環構造を、再び
なぞりつつ、万博会場にいつかの思い出を重ねながら。



やわらかな建物もあれば、シャープなデザインの建物もある


思い出の中の建物はぼんやりと、そして時には



すっと伸びるようなシャープさで記憶の中に建ち


直線で構成された建物に、切り取られた風景を思う 



白い三角形のフレームが角度を変え、軽やかに連続するのは


永山祐子さんによるウーマンズ パビリオン。それは




組子模様をモチーフとされ、旅先の麻の葉の組子がひらひらと


頭をよぎる。旅をすれば形は記憶をつないでいく


そのパビリオンでは、2022年ドバイ万博の日本館の


部材が使われている。永山祐子さんは2025年への


つながりをふまえ、リユースできるデザインに



ウーマンズパビリオンの出展にはカルティエが参加しており


ドバイから大阪へと場所を移し、新たなパビリオンへ



私にとってのカルティエといえば、ガラスに木々が映り込む


カルティエ財団現代美術館で、懐かしい旅の思い出


そしてドバイ万博の日本館の組子模様のデザインは


大阪・関西万博では板材が円環状に連なる形状として



高さと角度を変えながら、循環をイメージしたデザインを


手掛ける日建設計。会期後も板材は別の形で使われる



今回の万博では大屋根リングに象徴されるように


風景が円のデザインでつながれていく



隣に建つエキスポホールは、シャインハットという愛称で


金色の円形の屋根を持つ。それは1970年に開催された



大阪万博のシンボルである太陽の塔の黄金の顔をモチーフに



EXPO'70パビリオンでは、展示されている黄金の顔に


1970年のお祭りの風景に思いをはせた



その隣には巨大な船のようなデザインのレイ・ガーデン


角度を変えが舳先からのアングルが特徴的でもある



万博会場をぐるりと一周して



ロープが重なるポルトガルのパビリオンへ


踊るような様々な形をたどり戻ってきた。建物の前の



サインを装飾するタイルには、鬼や富士山などの模様が施され



よく見ると和のモチーフが取り入れられ、中には龍の模様まで


それは旅先で出会う龍のデザインの一つになる



鳥居と共に描かれた鬼の形相は迫力があり



日本建築といえばの鬼瓦をたどる旅の


記憶は観音寺の風景へとつながっていく




淡い青と白のタイルの模様には、狸に竹に車紋、そして青海波



青で描かれた青海波といえば、三川内焼の代表的なモチーフで


圧倒的なデザインが波のように記憶の中を押し寄せる




他にも竹や盆栽に巴紋。ポルトガルの青と白のアズレージョは


日本のモチーフを用いて、つながりがデザインされて


対象に近づくことで、世界のつながりが見えてくる


ポルトガルの街を彩るタイルのアズレージョは



アズールという名のボードゲームとなり、我が家にも

 


パピリオンはゆったりとした音楽を奏でるように


弧を描き上昇するデザインとなり



螺旋を描く建物は、上部へと向かうエネルギーを持ち



二つの螺旋をそれぞれに上った先で出会うという構造の


リボンチャペルは、螺旋の建物の最たるもの



曲線を描くパビリオンは蝶のシルエットのように


軽やかで羽ばたくようなデザインとなり



それは、白い柔らかなテント膜のシルエットが、水面に


映りこむドームのパビリオンともつながる




変わって、立方体で構成されたパビリオンのデザインは



高さや角度を変えながらリズミカルに連続し


それは多様ないのちを育む海に浮かぶ礁のイメージで



それは積み上がる直方体の風景を思い起こさせ、大地の芸術祭


を彩っていたアートは、ふいに記憶の中で立ち現れる




 硬いデザインがあれば柔らかなデザインも。茅葺き屋根の


パビリオンは隈研吾氏によるもの。建築に用いられる



茅は、時には重力に逆い、せり上がるようにして


波佐見で出会った現代的な建築を重ねるように




ふわりと膨らみ輝くのは、地球環境の現象を増幅させるという


奥中章人氏による視覚的に提示される世界との関係性




ゆらゆらと空気をとらえる作品との出会いは、また大地の


芸術祭で。アートは時と場所を越えてふわりふわりと



万博に散りばめられた形は、多様に重なりあい



共鳴し合うようにして、風景を作っていく


木材が積層されたパビリオンのデザインは



折り重なるように、空間を満たす太宰府のスターバックスや


ゆふいんのもくあみの杜の風景へと連続していく。



などとめくるめくデザインの間をぬけて、次のパビリオンへ



旅の記憶を重ねながら、それらが織りなし、自らの中で
展開していく風景にひかれている。形あるものは歴史
の中で何かに依存し影響され、ゆるやかなつながりの
上に存在していると考えれば、今の風景をたどること
は歴史を紐解くこととなる。時間をかけ結ばれた形を
解きほぐすよう、記憶の中のもう一つの旅を楽しんで。


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