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旅の視点を街に沿わせるように

瀬戸内の縁をたどっては

島から街へ旅の舞台を移す。街の中央に敷かれた
大通りの歩道に沿って、まだ起き出す前の街を
歩く。木々の移ろい。ビルは線を重ねる。島から
街へ持ち込んだ視点に、街は緩やかに動き出す。



街を構成する言葉、色、形が



積み重ねられては、街は姿を変えてゆく



建物に引かれた線を重ね、言葉をたどり


旅から旅へとつないでは



入り混じる風景の断片を



旅の線上に置いていく



弧を描いては、たわみ、また水平に続く線



パーゴラに切り取られた緑と



放射状に広がるイチョウの枝葉



芸術祭の幟に記された言葉は


街全体を非日常へと変容させるもの



日常に置かれた形が



芸術祭に揺れ動いては



都市に散りばめられた要素がゆらぎ



集合しては、日常と非日常を交差させる



質感、陰影、奥行きの



整然とした集合に




息を飲むように、時が重なり


また動き出す。街の時間にふれるように



朝日に輝くイチョウの下を



また歩く。芸術祭の舞台となる街で



色や形は動的となる



赤みを帯びた御影石の柱の上の



彫刻に、ふと時間が緩められ



のんびりとした、お供にも目を留めて



現実に広がる光景と



ガラスの向こうに広がる街の



境界に沿うように、刻まれた線の


リズムを伝うように、街の形を重ねていく



まだ起き出す前の街に


自由に視点を置くほどに



色、形は交差して



風景に並ぶ言葉の間に


沿うように、街の風景を立ち上げる



道の先にはお供のキジも


どこかにいる猿は、以前の旅に思い返す



太陽に街が動きだし



旅への視点は層をなし



幾重に連続しては



地下への通路へ、また上へ



空を分割する一筋の線が



芸術祭の街に境界線を引いていく


寄るほどに旅の風景は日常とつながり、境界は
あいまいとなる。彫刻は街に動きを与え、太陽
は高度あげて街を色づかせる。旅の視点に動き
を持つ街の線に沿って、境界を伝ってその先へ。


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