建築家が重ねた線をたどるように
旅に置かれた形をなぞる
青いりんごに重ねられた尽きることのない青春へ
のまなざし。複雑な要素が単純化されて、単一の
ものが多様に展開される。路地から街へ、都市へ、
世界へと建築家が刻んだ旅路は壮大なものとなる。

建築家の思考の断片が

連続しては、分節され

引かれた線が立体となり

風景を立ち上げる

建物は敷地に沿うように

刻むように配置され
その地の物語を伝えていく

コンクリートの壁が垂直に

時には描く円を
建築家が重ねた線をたどるように

一歩一歩を踏みしめては

2025年の旅路を思う

瀬戸内に浮かぶ直島は

緑に埋もれる建物の記憶とともにある
地形に伝い、空間を生み出す

打ち放しコンクリートの壁や

空を切り取る開口部が

新たな景色を作り出す
アートの島に建てられた美術館は

時代を越えても、新しさをまとうように

空間の質を保ち続ける

建築家が島に描いた
30年を超える物語は

散りばめられた幾何学の線とともに
島の風景をつないでいく

絶えることのない知への思いは

姿を変えて、世に生み出される

言葉は形となり

場となっては風景となる

線に姿を変えた言葉が
ここから向こうへ

人から人へと紡がれる

海の記憶に浮かぶ言葉を運ぶ船

島と島をつなぐ海の上の図書館は

子どもたちの未来をのせて

まだ見ぬ風景へと誘うもの

建築家が刻んだ物語は、街の片隅から

やがては海を渡る

描き続けられた柔らかな線は

強固な形を備え、分割されては

しなやかに地に沿って

海を超える旅路の先に

線を描いては重ねられる

打ち放しコンクリートは

主役を引き立てては

時を静止させる存在となる

線は歴史をなぞるように

確かな形を得ては

水の都に浮かんでいる

打ち放しコンクリートの空間は

パリの都でも形をなして

歴史を切り取るように、定着させるようにして

過去を伝える建物に

新たな視点を重ね

時代を運ぶ存在となる
壁は立ち上がり、空間を包み込む。コンクリート
は光と影の背景となり、形の存在が浮き彫りなる。
建築家は幾重に線を引き、面を重ね、立体を形作り、
過去から現在へ、未来への遥かな道を刻み続ける。
