MPLS
通信の仕組みだよ
IPアドレスの代わりにラベルを使うよ
「Multi-Protocol Label Switching」の略だよ
簡単に書くよ
MPLS(読:エムピーエルエス)とは
IPアドレスの代わりにラベルを使って「どこに行けば良いのー?」を判断する仕組み。
もう少し具体的に書くと
通信用に細切れにされたデータ(パケット)にラベルを貼りつけて、そのラベルを見ることでパケットの受け渡し先を判断する仕組み
です。
詳しく書くよ
サクっと一言で説明すると
IPアドレスの代わりにラベルを使うやり方
が「MPLS」です。
「Multi-Protocol Label Switching(マルチ・プロトコル・ラベル・スイッチング)」の略で「MPLS」ね。
気が向いたら、覚えてあげてください。
※「Multi-Protocol Label Switching」を何となく日本語にすると「荷札で切り替える複数のお約束事」となります。[詳細]
……と、いきなり言われても分かりませんよね。
順番に見ていきましょう。
通信するときに線の中を移動するデータは「パケット」と言います。
パケットは「通信用に細切れにされたデータ」です。
中にはお届け先のIPアドレス(目的地)が書いてあります。
ここでは
パケットの中にお届け先の情報(IPアドレス)が書かれている
というのを覚えておいてください。
コンピュータから出たパケットは、お届け先が同じネットワーク内にあるときは直接お届け先に到着します。
同じネットワーク内にお届け先がないときは「ルータ」と呼ばれる機械に向かいます。
ルータは「ネットワーク中のデータ(の中にあるIPアドレス)を見て、行き先を振り分けてくれる機器」です。
ネットワークにおける交通整理員みたいなものだとお考えください。
ルータさんはパケットの中に書いてあるお届け先のIPアドレスを見て「あ~、そこに行きたいのか~。じゃあ取りあえず、あっちに行きなよ」と教えてくれます。
指示された先はお届け先のコンピュータかもしれません。
別のルータさんかもしれません。
別のルータさんに着いた場合は、別のルータさんもパケットの中に書いてあるお届け先のIPアドレスを見ます。
そして「あ~、そこに行きたいのか~。じゃあ取りあえず、あっちに行きなよ」と教えてくれます。
これを繰り替えすことで、パケットは目的地に到着するのです。
これが通信の基本的な流れです。
パケットがどこに向かえば良いかの判断はIPアドレスでやります。
この「パケットがどこに向かえば良いかの判断」をIPアドレスではなくラベルでやるのがMPLSです。
MPLSでは、(MPLSに対応している)最初のルータさんに到着したパケットは、ラベルをペタっと貼りつけられます。
このラベルには「目的地はここなんで、あー行って、こー行って、そー行くよ」な情報が書かれています。
パケットに書かれているIPアドレスを見た最初のルータさんが「えーっと、ここが目的地だから……ここに到着すれば良いわけでしょ。てことは、あっちに行ってこっちに行って……よし、これで大丈夫だな」といろいろ考えて、ラベルを作ってくれるのです。
このラベルの内容は途中で変更されたりもしますが、とりあえずは気にしなくて かまいません。
今の段階でそこまで意識しちゃうと頭がこんがらがっちゃうと思います。
話を戻して、最初のルータさんでパケットはラベルを貼りつけられました。
ラベルを貼られたパケットは次のルータさんに向かいます。
次のルータさんでは、もうIPアドレスを見ません。
もっと分かりやすいラベルが貼ってありますからね。
ラベルを見て「あっちに行け」と指示を出します。
それを繰り返していたら、最後のルータさんに到着しました。
最後のルータさんでは、パケットに貼りつけたラベルを剥がします。
もういらないですからね。アフターサービスもバッチリです。
その後「じゃあ後はいつも通りに通信してね~」とお届け先のコンピュータさん、あるいは次のルータさんに送り出してくれるのです。
これがMPLSの流れです。
当たり前ですが、MPLSができるのはMPLSに対応しているルータだけです。
※MPLSに対応しているルータは「LSR(Label Switching Router)」と呼ばれます。
MPLSに対応しているルータで構成されたエリアをうろちょろしている間はラベルで行き先を判断できますが、普通のルータのエリアに戻ったら、IPアドレスで行き先を判断することになります。
言い方を変えると、MPLSに対応しているルータで構成されたエリアをうろちょろしている間はIPアドレスを気にしなくて良いのです。
MPLSのこの特性はVPN(なんちゃって専用回線サービス)などに活かされています。
VPNには「IP-VPN」と呼ばれる種類のVPNがあるのですが、このIP-VPNを実現するためにMPLSの仕組みが使われていますよ。
MPLSの仕組みは、実際にはもっと複雑です。
ラベルは固定長(4バイト)でレイヤ2のヘッダとレイヤ3のヘッダの間に付与されるとか、押さえておくべきポイントはまだまだあるでしょう。
専門用語がアホみたいに増えるのでここでは触れませんが、きちんと理解したい人は専門的に説明しているところで情報を補完してください。
一言でまとめるよ
まぁ「MPLS」って単語が出てきたら「IPアドレスの代わりにラベルを使うやり方なんだな~」と お考えください。
おまけ
■訳してみるよ
「MPLS」は「Multi-Protocol Label Switching(マルチ・プロトコル・ラベル・スイッチング)」の略です。
「multi(マルチ)」の意味は「複数の」とかです。
「protocol(プロトコル)」の意味は「(外交上の)儀礼」とか「議定書」とかですが、今回は「お約束事」と解釈してください。
「label(ラベル)」の意味は「名札」とか「荷札」とか「付箋」とかです。
「switching(スイッチング)」は「switch(スイッチ)」+「ing」です。
「switch(スイッチ)」の意味は「切り替える」とか「切り替わる」とか「スイッチ(何かを切り替える装置)」とかです。
何となく くっつけると
荷札で切り替える複数のお約束事
となります。






