公開鍵暗号基盤(PKI)
通信の安全性を高めるための仕組みだよ
公開鍵暗号方式を使うよ
電子証明書を使うよ
簡単に書くよ
公開鍵暗号基盤(PKI)(読:コウカイカギアンゴウキバン 英:public key infrastructure)とは
「安心して通信できるようにするぜ!」技術のひとつ。
もう少し具体的に書くと
「公開鍵暗号方式
(「みんなに ばらまく鍵」と「自分だけが持ってる鍵」の2つの鍵を使って やり取りする暗号化方式)」と呼ばれる暗号化のやり方と「電子証明書
(コンピュータの世界における、どこかの誰かが発行した身元証明書)」と呼ばれるものを使って あれやこれやすることで、通信の安全性を高める仕組み
です。
詳しく書くよ
突然ですが、通信には危険がいっぱいです。
例えば、ピヨ太君とピヨ子さんが通信するとしましょう。
もしかしたら途中でアクマ君が、やり取りする内容を盗み見するかもしれません。
あるいは、もっと大胆に、アクマ君がピヨ太君の振りをしてピヨ子さんとやり取りしようとするかもしれません。
そんな危険が いっぱいです。
そこで、通信するときは
1.やり取りする内容を暗号化して盗み見されないようにする
2.やり取りする相手を確認して、変な人とやり取りしないようにする
などの方法を用いて安全性を高めます。
「別に見られたって、ダメージは少ないでしょ」な内容の場合は、気にしないで普通に送りますけどね。
「これは無関係な人に見られたらヤバいな」な内容を送る場合は、いろいろ工夫して安全性を高めます。
普通のお手紙は普通郵便で送るけど、大事な手紙は書留や内容証明で送るのと同じイメージです。
通信の安全性を高めるやり方は、いろいろ あります。
いろいろな人が、いろいろな やり方を考えました。
そんな「いろいろ」のひとつで
「公開鍵暗号方式」と呼ばれる暗号化のやり方と「電子証明書」と呼ばれるものを使って通信の安全性を高める仕組み
が「公開鍵暗号基盤」です。
人によっては「公開鍵基盤」や「公開鍵認証基盤」と表現したりもします。
そこら辺は、ゆるく解釈してください。
あるいは「Public Key Infrastructure(パブリック・キー・インフラストラクチャー)」の頭文字を取って「PKI」と表現されることも あります。
※「Public Key Infrastructure」を何となく日本語にすると「公開鍵基盤」となります。[詳細]
それでは次に公開鍵暗号基盤(PKI)の実際の仕組みを見ていきましょう……の前に、公開鍵暗号方式と電子証明書の説明をしておきます。
公開鍵暗号方式は「『みんなに ばらまく鍵』と『自分だけが持ってる鍵』の2つの鍵を使って やり取りする暗号化方式」です。
まず、自分だけが持つ鍵A(秘密鍵)と、みんなに ばらまく鍵B(公開鍵)を用意します。
鍵は「暗号化したり、元に戻したり(復号)するときに使うデータ」ね。
この鍵Aと鍵Bの関係ですが、鍵Aで暗号化したものは鍵Bでしか元に戻せません。
鍵Bで暗号化したものは鍵Aでしか元に戻せません。
※実際には「鍵A(秘密鍵)で暗号化したものを鍵B(公開鍵)で戻す」は(一部の例外を除いて)できません。ウソです。……が、そこら辺を気にすると ややこしくなるので、とりあえずスルーします。気になる人は他のところで勉強してください。
この鍵Aと鍵Bをピヨ太君が手に入れました。
ピヨ太君は、鍵Bを みんなに ばらまきます。
そうすると「鍵Aを持つピヨ太君」と「鍵Bを持つ たくさんの人」という状態になります。
さて、ある日のことです。
ピヨ子さんはピヨ太君に お手紙を出すことにしました。
中身は乙女の秘密なので、ピヨ太君以外には読まれたくありません。
ピヨ子さんは、お手紙を暗号化して送ることにしました。
ピヨ子さんは鍵Bで暗号化して、お手紙を送ります。
鍵Bで暗号化したものを元に戻せるのは鍵Aだけです。
ピヨ太君が受け取れば、ピヨ太君が持っている鍵Aで元に戻せます。
仮に途中でアクマ君がピヨ子さんのお手紙を盗み見たとしましょう。
でも、残念でした。
鍵Bで暗号化したものを元に戻せるのは鍵Aだけです。
鍵Bしか持っていないアクマ君では、暗号化された手紙を元に戻せません。
ピヨ子さんの乙女の秘密は守られました。
めでたし、めでたし。
実際の仕組みは もう少し複雑だったりしますけどね。
このような暗号化のやり方が公開鍵暗号方式です。
公開鍵暗号方式は暗号化のやり方です。
言い方を変えると
通信内容の盗み見対策
として使われる技術です。
これがポイントその1です。
覚えておいてください。
ここまでが公開鍵暗号方式の説明です。
次に、電子証明書について説明します。
電子証明書は、コンピュータの世界における「どこかの誰かが発行した身元証明書」です。
「デジタル証明書」とも呼ばれます。
身元を保証してくれるのは、どこかの誰かです。
身元を保証してくれる立場の人は「認証局」と呼ばれます。
例えば、そうですね。
ピヨ太君が一人暮らしをするために部屋を借りることにしました。
ピヨ太君は、不動産屋さんに向かいます。
ピヨ太君はパッと見で貧乏そうに見えます。
「う~ん、こんな どこの馬の骨とも分からんやつには部屋を貸したくないなぁ。家賃を滞納するかもしれないし」と判断されたのでしょう。
問答無用で追い返されてしまいました。
ピヨ太君は涙目です。
ピヨ太ママに相談しました。
ふむふむ、なるほど。
話を聞いたピヨ太ママは、ピヨ太君に「ピヨ太は身元がしっかりしているナイスガイよ!このピヨ太ママが保証するわ!」な紹介状を渡しました。
ピヨ太君は紹介状を持って、再び不動産屋さんに行きます。
紹介状を持っていたお陰で、不動産屋さんは「ふむ、ピヨ太ママさんが保証してくれるなら安心かな。話くらいは聞いてあげよう」と思いました。
結果として、ピヨ太君は追い返されませんでした。
ピヨ太君、良かったですね。
この話における紹介状が電子証明書です。
ピヨ太ママが認証局になります。
電子証明書は身元証明のための仕組みです。
言い方を変えると
なりすましや改ざん対策
として使われる技術です。
これがポイントその2です。
覚えておいてください。
さて、いよいよ本題の公開鍵暗号基盤(PKI)の話に入ります。
先ほどの公開鍵暗号方式の話で、ピヨ太君は公開鍵をバラまきました。
ここで ちょっと考えてみてください。
バラまかれた公開鍵は、本当にピヨ太君がバラまいたものでしょうか。
イタズラ大好きっ子のアクマ君が、ピヨ太君の振りをしてバラまいたってことは、ありませんかね。
心配です。
ピヨ子さんの手元に届いた鍵は、本当にピヨ太君がバラまいた公開鍵なのでしょうか。
心配だったら、安心できるようにすれば良いのです。
ピヨ太君がバラまく公開鍵に電子証明書をくっつけましょう。
電子証明書は身元証明するための仕組みです。
電子証明書の仕組みを使って「これはピヨ太君の公開鍵ですよ~」と身元を証明すれば「あぁ、これは本当にピヨ太の公開鍵なんだな」と安心できます。
これで安心して通信できますね。
これが公開鍵暗号基盤(PKI)の大雑把な仕組みです。
細かいところまで理解しようとすると大変かもしれませんけどね。
大雑把に理解する分には、そこまで難しくありません。
柱となるのは
公開鍵暗号方式で通信内容を暗号化する
です。
ただ、それだけです。
ただし、公開鍵暗号方式は公開鍵の安全性が弱点のひとつです。
公開鍵が悪い人にイタズラされていると仕組みの根幹が揺るぎます。
そこで
電子証明書の仕組みを使って、公開鍵の身元を保証する
のです。
以上が公開鍵暗号基盤(PKI)のポイントです。
もう一度まとめて書いておくと
1.公開鍵暗号方式で通信内容を暗号化する
2.電子証明書の仕組みを使って、公開鍵の身元を保証する
となります。
あとは、公開鍵暗号基盤(PKI)の勉強をしていると「認証局」とか「リポジトリ」とかいう用語が出てくると思います。
認証局は、公開鍵暗号基盤(PKI)というよりは電子証明書の話で出てくるやつです。
身元保証してくれる どこかの誰かを指します。
リポジトリは、分からない人は分からなくて かまいません。
公開鍵暗号基盤(PKI)の仕組みを理解する上で、そこまで重要ではない要素です。
一言でまとめるよ
まぁ「公開鍵暗号基盤(PKI)」って単語が出てきたら「通信の安全性を高める仕組みなんだな~」と お考えください。
おまけ
■訳してみるよ
「PKI」は「Public Key Infrastructure(パブリック・キー・インフラストラクチャー)」の略です。
「public(パブリック)」の意味は「公共の」とか「公立の」とか「公開の」とかです。
「key(キー)」の意味は「鍵」とか「重要な」とかです。
「public key(パブリック・キー)」でIT用語の「公開鍵」になります。
「infrastructure(インフラストラクチャ)」の意味は「基盤」とか「下部構造」とかです。
何となく くっつけると
公開鍵基盤
となります。
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