岡田准一の映画をすべて観たら、どれぐらい岡田准一に近づけるだろうか。~序~
2023年8月31日、岡田准一は、アメリカ・ラスベガスにいた。俳優ではなく、一武道家として。
映画やドラマでのアクションシーンや、武術ナビゲート番組『明鏡止水』(NHK総合)などでのさり気ない動きを観ても、彼が強いことは十分伝わる。「多分」試合に出ても強い「はず」。芸能人の中で一番強い「かもしれない」。「多分」とか「はず」とか「かもしれない」とか。そんなぼんやりした評価で構わないはずだ。彼は格闘家ではなく、俳優なのだから。強さの幻想を見せればいい。強さの証明まで、する必要はない。
彼は、ブラジリアン柔術の世界最大規模の大会「ワールドマスター2023」にエントリーした。これは試合だ。言うまでもなく、真剣勝負だ。映像における殺陣なら、手順も勝ち負けも決まっている。練習でのスパーリングも、基本的には全力で相手を潰しには行かない。練習での強さと試合での強さは、別物だ。
真剣勝負には大きなリスクが伴う。怪我の心配はもちろんだ。だがそれ以上に、しょぼい負け方をしてしまった場合、彼が作り上げてきた幻想は霧散する。そんなリスクを冒してなお、彼は真剣勝負の場を選んだ。
*
筆者にとって、岡田准一は恩人だ。もちろん面識はない。一方的に恩を感じているだけだ。
なりゆきでライターになり、初仕事は「『シン・ゴジラ』か『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』、どちらかのレビューを書け」との依頼だった。当時の筆者の岡田准一へのイメージは、「ちょっと格闘技をかじっているイケメン俳優」ぐらいのものだった。
弱いながらも一応がんばって格闘技を続けてきた筆者にとっては、「半端に格闘技をかじっただけで識者ヅラする芸能人」は、忌むべき存在だった。この岡田准一という男前も、そういう類のアイドル俳優なのだろう。テレビの格闘技中継のゲストに呼ばれて、わかったような口ぶりで的外れな発言をするタイプなのだろう。
そんなイメージのままで、1作目すら観ずに、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』を観に行った。
帰宅後、すぐに1作目をサブスクで視聴し、「岡田准一 アクション」で検索してYouTubeを観まくった。格闘技を「かじっている」どころではなかった。岡田准一は、アクション俳優としても、武道家としても、本物だった。興奮も冷めやらぬままに、一気に記事を書いた。
当該サイトは閉鎖されたため、原稿からの再掲となります。
この記事が思った以上に読まれ、この記事のおかげで他の媒体にも採用された。その後も岡田准一、いや、そろそろ呼び捨てが心苦しくなってきたので、岡田師範と呼ぶ。師範の出演作が公開されるたびに記事を書き、そのつど高評価をいただいている。今でも筆者がライター業を続けていられるのは、岡田師範のおかげである。
とりあえず、あの時『シン・ゴジラ』を選んでいたら、筆者は今頃ライターをしていない。
感謝の気持ちをこめて、岡田師範になにかお礼がしたい。筆者は「空道」という総合武道の指導者でもあるので、なにかしら技術をレクチャーするというのはどうだろう。と思ったが、即却下である。打投極すべてにおいて、筆者から師範に教えられることなど何もない。レクチャーされるべきは、筆者の方である(特に極)。
ちなみに、空道とはこんな感じの競技。面を被って道着を着た総合格闘技。『明鏡止水』で取り上げてくれないだろうか。
よく考えたら今現在の筆者の本分は、「映画ライター」だ。にも関わらず、師範が戦わない作品については、まだ未視聴のものがある。「岡田准一ライター」(勝手に名乗らせてもらう)として恥ずかしい。師範の出演映画をすべて観る。今後師範について語るためにも、すべて観なければならない。
師範の出演作は、現時点で33本。1記事につき5本ずつ、全作品について感じたままを書き記す。全作品を観たら、岡田師範に1㎜でも近づけるだろうか。
*
1本目、2003年~2005年の初期5作品についてです。
2本目、2005年~2006年の作品についてです。
3本目、2008年~2011年の作品についてです。
4本目、2012年~2015年の作品についてです。
5本目、2016年から2018年の作品となります。
6本目、2018年から2022年の作品となります。
ラスト! 7本目、2022年から2023年の作品となります。
いいなと思ったら応援しよう!
僕が好きなことをできているのは、全て嫁のおかげです。いただいたサポートは、嫁のお菓子代に使わせていただきます。