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銀河フェニックス物語<出会い編> 第十八話(9) オールスター狂騒曲

第一話のスタート版
第十八話(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8

「ちょ、ちょっとレイター」

 ヒュー、ヒュー。
「お姫さま抱っこだぁ」
 子どもたちがわたしたちを見て冷やかす。

「俺のティリーさんだ、文句あっか!」

s16お姫様抱っこ線画Tシャツカラー

 レイターの一言で子どもたちは興味を無くしたようだ。
「なあんだ、彼女なのか」

 ち、違う。反論しなくては。
 やだ、胸が詰まってうまく言葉にできない。

「痛むのか?」
 レイターが心配そうな顔でわたしを見つめた。

s16お姫様抱っこTシャツカラー後ろ目アップ大

 顔が近い。
 普段見慣れない真面目な表情に、また動悸が速くなる。

「あんた、いつものように怒んねぇから」
 どういう意味?
 レイターは、わたしが怒ることを想定して言ってるの? 
 わたしのことをからかってる、ってことよね?

「大丈夫です。歩けます!」
 わたしは声を荒げた。

「やっぱ、ティリーさんだ」
 レイターがくすっと笑った。

 レイターはわたしをベンチに座らせると、くじいた足の靴を脱がせた。
 わたしの素足をレイターの手が包んだ。
 大きく温かな手。

 レイターは、わたしの足に痛み止めの冷却スプレーをして、慣れた手付きでテーピングを巻いた。

「そんなに捻ってねぇから、すぐ治るさ。しばらく座ってな」

Tn23レイター正面2やや口開く

「ごめんね」
 ベルが謝る。わたしの方が恐縮する。
「わたしが下手でごめん」

「ベルさん、あんたの相手は俺がするよ」
「でもぉ・・・」
 レイターの誘いに、ベルが困った顔でわたしを見た。わたしに気を使っているのがわかる。

「わたしは大丈夫だから、行っておいでよ。わたしのせいで、ベルが楽しめなかったら、その方が嫌だわ」

「じゃ、ちょっと行ってくる」
 二人はコートへと戻っていった。

 ボールの扱いが本格的だ。

 パスしてドリブルしてシュートして・・・。バスケ部だったベルは生き生きとしている。
「うまいじゃん」
「キャプテンやってたのよ」
 二人の楽し気な声が聞こえる。ベルは運動神経がいい。

 なぜだろう。この場所から離れたい衝動にかられた。

 足の痛みは引いていた。痛み止めスプレーが効いている。
「飲み物、買ってくる」
 そうつぶやくと、わたしはコートの外へ出た。

 もともと、ベルに誘われて来たのだ。
 ベルとレイターが、バスケという共通の趣味で楽しんでいるのだから、それでいい。
 わたしはバスケの熱狂的ファン、というわけでもないんだから。

 なのに、同じ場所で同じ空気を吸って、傍観していることが苦しかった。

n18普通口む

 レイターとベルが楽しそうだから? 
 悔しいようなもやっとした変な気持ちが、また忍び寄る。

 わたしはあわてて頭を横に振った。
 違う違う、ベルと自分が一緒に楽しめないことにいら立ってるんだ。

 スポーツドリンクを買って、帰ろうとしたのだけれど。
 考えごとをしていたら、さっき通った道とは違う通路に入ってしまった。

 人通りもない。
 表示にはH区画と書いてある。

 AからD区画がメインの大ホールだった。どっちだろう?
 まずい、迷子になってしまった。

 と、その時、通路の反対側を子どもが通って行った。
 さっき『こども教室』にいたレオン君だ。
    (10)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」