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頭も、凝っていた ── 五分のシロビヤンガ

※これは「わたしのディナチャリア」シリーズの一本です。ディナチャリアって何?という方はこちら

※アーユルヴェーダを知らない人にこそ読んでほしい連載です。カタカナは意味を都度そえるので、わからなければ飛ばして、気楽にどうぞ。


このシリーズをずっと書いてきて、いま気づきました。

シロビヤンガのこと、一度も書いてない。
四年半やってるのに。

というのも、髪を洗う日は自然に頭皮にオイルを塗っているので、「習慣」としてわざわざ数えていなかったんです。
歯を磨くことを習慣だと思わないのと同じで、体に染みつきすぎて、見えなくなっていた。

というわけで、今日は頭の話です。

まず、自分の頭を触ってみてください。

耳のうしろ。こめかみ。後頭部。

指を当てて、皮膚だけを動かそうとしてみる。

……動きます?

わたしは、動きませんでした。

頭は、そもそも「凝る場所」だと思っていなかった。
実際は、相当凝ってました。
とくに後ろ側と、こめかみと、耳のまわり。

シロビヤンガって、なに

シロー(頭)+アビヤンガ(オイルマッサージ)で、シロビヤンガ。そのまんま、頭にオイルを塗ってマッサージすることです。

体は全身まとめてアビヤンガなのに、頭だけは別の名前がついている。
しかも、わたしが取った資格も「シロビヤンガ」単体でした。

そしてインドでアビヤンガやシロダーラを受ける際にはその施術の前、最初に必ずシロビヤンガを行います。

なぜ頭だけ特別扱いなんだろう、と思いませんか。

アーユルヴェーダでは、頭のことをウッタマーンガと呼びます。
「いちばん優れた部位」という意味です。
古典には、プラーナ(生命の息吹)とすべての感覚器官が宿る場所だから、と書かれています。

これ、恥ずかしながらわたしも知らなくて、今回書くにあたって調べ直しました。

四年半、毎回なんとなく塗っていた場所に、そんな名前がついていた。

見る、聞く、嗅ぐ、味わう。感覚のほとんどが、この小さな範囲に集まっている。だから頭は、体のいち部位というより、司令室みたいな扱いをされているんですね。

その司令室に油を届けることを、ムルダタイラ(頭に油を使う手当て)といって、古典では四種類に分かれています。
頭にオイルを垂らし続けるもの、オイルを浸した布を置くもの、頭のまわりに囲いを作ってオイルを溜めるもの(これがシロダーラやシロバスティと呼ばれるものです)。

そのいちばん軽い、いちばん日常的な版が、シロビヤンガ。
塗って、ほぐす。それだけ。

そして古典のディナチャリア(毎日の養生)には、オイルマッサージは毎日、なかでも頭・耳・足はとくに念入りに、とあります。

……この「耳」がのちのち効いてくるんですけど、それは後で書きます。

なぜ資格まで取ったのか、自分でもわからない

最初に習ったのは、先生から。セルフケアの授業でした。

そのあと、シロビヤンガのセラピスト資格まで取りました。

なんでそこまでしたのか、正直、自分でもよくわかっていません。
ただ、とっても知りたくなっちゃって。


わたしのやり方(五分)

夜、髪を洗う前にお風呂場でやります。だいたい五分です。

ひとつだけ、先に大事なこと。

髪も肌も、必ず乾いた状態で塗ってください。

濡れているとオイルが染み込みません。
お風呂場でやるのでつい先に濡らしたくなるんですが、順番は「乾いた頭に塗る → ほぐす → 湯船に浸かる→それから洗う」です。
これはアビヤンガ(体のオイルマッサージ)もまったく同じ。

使っているのは、自分で作った髪用のオイル。
火入れ(キュアリング)を済ませたものを、温めて使います。
(この火入れの話だけで一本書いたので、よかったら → ごま油に火を入れる五分

*温めるといっても私は湯船のお湯を手桶に入れて、ボトルごといれておくだけ。簡単が長続きのコツです。

プッシュボトルに入れているので、髪を掻き分けて、頭皮に直接。十プッシュくらい。
髪じゃなくて、地肌に届かせるのがポイントです。


塗る順番は、こんな感じ。

  1. 頭頂から始める。 アディパティ・マルマ(頭のてっぺんにある急所)のあたりから、耳の横に向かって。

  2. 後頭部にも塗る。 ここがいちばん凝ってます。

  3. 全体をしっかりほぐす。 髪じゃなくて頭皮を動かす感じで。凝ってるところは入念に。なかなか緩まないところは、意識して多めに。

  4. 最後に、髪の根元を掴んで、ゆ〜っくり上に引き上げる。

この4番が、たまらないんです。

目が醒める気持ちよさ。

(アディパティ・マルマの話は、早起きの回でも書きました )

やった直後 ── 目が、縦に開く

終わったあと、まず頭皮の血行がよくなった感じがします。

頭が、ほかほかしてくる。

そして耳が、温かくなる。

さっきの古典の『頭・耳・足はとくに』のとおり、わたしは意味もわからず耳のまわりを揉んでいました。

でも一度、突発性難聴になったときに、耳のオイルマッサージに助けられたことがあって(その話はこちらに書きました )、あのとき初めて「あ、そういうことか」と思ったんです。

でも、いちばんはっきりしているのはこれです。

目が開く。

しかも、縦に開くんです。

やる前とやったあとで、鏡を見ると目の縦幅が違う。
まぶたが軽くなる、という言い方のほうが近いかもしれません。

続けて変わったもの、変わらなかったもの

かれこれ四年半くらい、続けています。

毎日ではありません。
わたしのペースは「髪を洗う前は必ずやる」なので、洗う日がそのままシロビヤンガの日。
わたしは毎日は髪を洗わないので、結果として毎日ではない、というだけです。

そのあいだに変わったと思うもの。

  • 頭皮がよく動くようになった。 最初は動かなかったのに。これが一番わかりやすい変化です

  • 髪が切れづらくなった。 アホ毛が減りました

  • 髪がしっとりする。 ただこれは、オイルを塗ってるんだから当たり前かも。二次的なものかなと思ってます

  • 顔色がよくなった

正直に、変わらなかったもの。

  • 頭の回転。 「頭がすっきりして仕事が捗る」みたいなことは、わたしに関しては起きてません。

これはちょっと期待してたので、書いておきます。頭が冴えるのは、わたしの場合はヨガのほうです。

シロビヤンガは、頭を働かせる方向じゃなくて、ゆるめる方向のケアなんだと思います。

ベタつきは、思っているほどじゃない

「頭にオイル? ベタベタになりません?」

よく聞かれるんですが、そこまでではありません。

塗るのは髪じゃなくて頭皮なので、髪全体がオイルまみれになるわけじゃないんです。地肌に十プッシュ、指で伸ばす。それだけ。

しかも残ったぶんは、そのまま髪のオイルケアにもなっているので、わたしはまったく気にしていません。

  • 普段はハーブシャンプーで洗います(正直、これでオイルが落ちるとは思っていません。落とす気もない)

  • あまりにつけすぎたな〜という日だけ、石鹸で洗う

  • 枕につくほどの量は、そもそもつけません

わたしがシャンプーをやめた話は、こちらに書きました

むしろ、汚れを落としてる気がする

というか、洗う前にやるのには理由があって。

頭皮にも、きっと汚れは溜まっているわけです。
それをオイルで緩ませてから、お湯で流す。

そうすると毛穴、けっこう綺麗になってるんじゃないかと思っています。
洗剤で落とすんじゃなくて、油で浮かせて流す。
順番として、そっちのほうが理にかなっている気がする。

そんなわけで、髪を洗う前にシロビヤンガをしない、ということがここ数年ほとんどありません。

やらずに洗うほうが、いまはもう落ち着かないくらいです。

ヘナの日は、サロン級に

そして、ヘナの日。

ヘナの日こそスペシャルケアです。
オイルもたっぷりウォーマーで温めて、湯船に好きなアロマオイルをちょんちょんと垂らしたりして。
頭皮だけじゃなく、髪までオイルたっぷり。
しっかり、サロン級にやります。

(ヘナの話はまた別で書きます)

ちなみに、シロビヤンガはたいていアビヤンガ(体のオイルマッサージ)とセットでやることが多いので、家族はまあ、ゲンナリしていることでしょう。

そのへんの惨状は、こちらに書きました

やらないほうがいい日

毎日やってるわけではありません。

生理のときと、疲れているときは、やらないほうがいい。

これは習ったことでもあるし、自分の体でもそう感じます。
ぐったりしている日に頭をいじると、なんだかよけいにぐったりする。

それとは別に、習ったときに、やらないほうがいいときをきちんと教わっています。

・発熱があるとき
・炎症があるとき
・倦怠感が強いとき
・お酒を飲んだとき
・血圧が高すぎるとき
・妊娠中は、軽く優しく(とくに初期の3ヶ月)

理由はシンプルで、ごま油は体を温める油だから。熱がこもっているところに、さらに温めるものを足すことになる。

やる元気があるときにやる。それでいいと思っています。

*オイルの注意*

これは大事なので、きちんと書きます。

ピッタ体質の方は、ごま油ベースのオイルで赤みや炎症が出る場合があります。

その場合は、オリーブオイルやココナッツオイルがおすすめです。
ただしココナッツオイルは、かなり匂いが残ります。
好きな人にはたまらないと思いますが、苦手な方はご注意を。
ミントやローズのアロマオイルで香りをつけるのも手です。

そして体質にかかわらず、必ず腕などでパッチテストをしてから使ってください。

頭皮に湿疹やかゆみ、痛みがある方は、自己流の前にまず皮膚科へ。
ここに書いているのはわたし個人の記録であって、効果を保証するものではありません。

触ってみてほしい人

これ、意外とおすすめしたいのは、男性。
いままでシロビヤンガをさせていただいた男性のほとんどの方、頭皮が全く動かない。
薄毛が気になっている方や、年々髪が細くなってきたと感じている人にもおすすめです。

生えます、とは言えません。でも動くようになったら気持ちいいです。

まず自分の頭皮を触ってみてほしいんです。動きますか。
それとも、皮が骨に貼りついたみたいになっていませんか。

わたしは貼りついていました。そして、動くようになりました。

五分です。

高い道具もいりません。オイルと、自分の指だけ。

一日の終わりに自分の頭をいたわる五分。

目が縦に開くのが、けっこう楽しくてやっています。


わたしは90日間のアーユルヴェーダ実験もやっています。よかったらこちらも


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