ママちゃんのお土産はモスバーガーだった🌸 子ども時代編
ママちゃんは、私が中学生になって
しばらくの間も営業の仕事をしていた
私や弟が子供だった頃、
土曜日は午前中だけ授業があり
昼には家へ帰るような生活だった
ママちゃんは出勤前に、
オムライスや焼きそばを
用意していくこともあれば、
お金を置いていき、
好きなパンを買って
食べるように言うこともあった
そんな土曜日の生活を、
私は働くサラリーマンのように
楽しみにしていた
「今週も終わったな」
そんな気分で家に帰り、昼ごはんを食べる
子供ながらに、少しだけ解放感があった
そんな土曜日の中で、特に楽しみな日があった
まだ札幌市内にモスバーガーの店舗が
それほど多くなかった頃の話である
ある日、ママちゃんが言った
「あのお店のハンバーガーは、ちょっと変わっていてすごく美味しいよ」
それが我が家とモスバーガーとの出会いだった
今では当たり前の存在だが、
当時はまだ珍しかった
秘伝のミートソースの入った
ハンバーガーは新鮮で、
我が家ではすぐに評判になった
ママちゃんは土曜日になると、
私や弟の帰宅時間に合わせて
二駅ほど離れたモスバーガーへ車を
走らせて買ってきてくれた
家に帰ると、テーブルの上には
おなじみの紙袋が置かれている
それを見つけるだけで嬉しかった
好きな飲み物を用意し、
テレビの再放送やワイドショーを見ながら
姉弟でハンバーガーを頬張る。
それが土曜午後の小さなルーティンだった
学校であった出来事や、
友達の話をしながら食べる
そして、また仕事へ出かけるママちゃんに、
「今日のハンバーガーも美味しかった」
と感想を伝えたりした
今思えば、ママちゃんは仕事をしながらも
新しいものを探してくるのが上手かった。
子供たちが喜びそうなものを見つけると、
「これ好きなんじゃない?」
そんな目線で持ち帰ってきてくれた気がする
普段は毒舌で、気も強く、
怖いと思うこともあった
けれど、こういうところには
不思議とサービス精神があった
子供たちが喜ぶ顔を見るのが
好きだったのかもしれない
あの頃のモスバーガーは、
今食べてももちろん美味しい
けれど私が思い出すのは味だけではない
テーブルの上の紙袋
弟と過ごした土曜の午後
そして、子供が喜びそうなものを探して
持ち帰ってきたママちゃんの姿だ
あの頃のモスバーガーは、
我が家の小さなご馳走だった
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