命まで取られないから🌸 子ども時代編
母親像は人それぞれだ
私も、自分の母しか知らずに育った
ママちゃんは自由気ままで、我儘で、
そして毒舌だった
学生時代や若い頃には取っ組み合いの
喧嘩もした
ある時期からは、ママちゃん流の体罰に
本気で反撃する私もいた
初めて蹴り返した時は、心の中で
ガッツポーズが決まった
私には私の主張があり、
ママちゃんにも譲れない考えがある
どちらも引かない
そして最後に悔しくて涙を流すのは、
いつも私だった
友人の家はこんなことをしないだろう
うちがおかしいんだ
きっと普通の家庭なら、
父親が母親をたしなめたりするのだろう
そんなことを考えながら、
眠れない夜を過ごしたこともある
理解されない苛立ちや孤独感は、
今思う以上に大きかった
そんな私も大人になった
そして人生の中で二度ほど、
大きく落ち込む出来事があった
結果として周囲に迷惑をかけてしまった
この世の終わりのように感じた
明日からどう生きていけばいいのか
分からなかった
何も考えられなくなり、心も身体も弱っていた
そんな時だった
ママちゃんは最後にこう言った
「大丈夫。命まで取られないから」
その言葉は今でも忘れられない
やり直しはできる。
だから腹を据えろ
そんな意味だったように思う
普段のママちゃんは、親戚からも性格がきついと言われるような人だった。
私もあまり褒められて育った記憶はない
どちらかと言えば厳しい評価の方が多かった
けれど本当に苦しい時だけは違った
不思議と頼もしい言葉をかけてくれた
今振り返ると、ママちゃん自身もまた、
「命まで取られないから」
という言葉を支えに生きてきたのかもしれない
離婚もあった
仕事もあった
子育てもあった
決して楽な人生ではなかったはずだ
それでも前を向いてきた
だからこそ出てきた言葉だったのだろう
世の中は便利になった
優しくなった部分もある
けれど、その一方で人の苦しみは
見えにくくなったようにも感じる
悩みも苦しみも、人それぞれだ
それでも私が今でも時々思い出す言葉がある
「命まで取られないから」
ママちゃんらしい、少し乱暴で、
けれど力強い励ましだった
今の時代こそ、この言葉で深く深呼吸し
前を向いて生きるというのが、ママちゃんの
励まし、勇気づけかもと実感できる
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