5歳から11歳へのワクチン接種~CDCのデータから読み取る安全性~
5歳から11歳への新型コロナワクチン接種については、医師によっても意見がわかれています。先日、テレビ番組でコメントしていたある医師は、「CDC(アメリカ疾病対策センター)でも安全だというデータを出しています」というようなことを言っていました。どのデータかも示さずに接種を勧めていましたが、本当に安全であることが確認できるデータなのでしょうか。
CDCが出しているデータはどこに?
医師のコメントを聞いたあと、CDCのサイトを調べてみたのですが、そのときはどこにあるかわかりませんでした。
その後、別の調べものをしていたら、Yahoo!ニュースに気になるデータがありました。
スクロールしていくと、「子どもの接種」について書かれています。アメリカでファイザー社製のワクチンを接種した5歳から11歳に行った、副反応調査の結果のようです。

米CDCによると、2021年11~12月の間に米国で5歳~11歳の子どもに新型コロナのワクチンが約870万回接種され、うち42,504名が自発的な健康状況調査に報告しました。そのうち接種1回目後は54.8%がなんらかの局所反応、34.7%が全身の症状を訴え、その割合は1回目より2回目の方が多く報告されています。多かった症状は、接種部の痛み、だるさ、頭痛などでした。発熱は1回目後が7.9%、2回目後は13.4%でした。
この表については、説明はこれだけでした。2021年11~12月の間に米国で約870万回接種されたと言っていますが、そのうち「42,504名が自発的な健康状況調査に報告しました」とあります。接種した回数の割には、報告が少ない印象です。
そして下から2番目と一番下に、「日常生活に支障」「登校できない」とあるのが気になります。ですがこの表だけでは、これらの症状が何日ぐらい続いたかわかりません。
表の下に、COVID-19 Vaccine Safety in Children Aged 5–11 Years (英語)と書かれていたので、元の資料を見るとCDCのサイトにありました。
おそらく、これが前述の医師が言っていたCDCのデータなのだと思われます。
自力で探すことができなかったのですが、MMWRという資料を探すと見つかるようです。

CDCサイトのトップページから、下にスクロールするとMMWRというバナーが見えます。
CDCサイト トップページ>MMWRバナー>COVID-19 Reports Moreをクリック>少し下にスクロールして 2021年12月31日 COVID-19 Vaccine Safety in Children Aged 5–11 Years — United States, November 3–December 19, 2021
これでは、自力ではとてもたどり着けない。厚労省のHPと同じくらい、わかりにくいです。
COVID-19 Vaccine Safety in Children Aged 5–11 Years — United States, November 3–December 19, 2021
元の資料は長いですが、全文が下記のページにあります。
CDC(アメリカ疾病対策センター)が出した報告書は、5歳から11歳の小児に約870万回接種されたPfizer-BioNTech COVID-19ワクチンの投与期間中に収集された、VAERSとv-safeのデータから得られた有害事象および健康影響評価に関するものです。
VAERSとは、CDCとFDA(アメリカ食品医薬品局)が共同で運営する、ワクチン接種後の有害事象を監視する受動的なワクチン安全性監視システム。医療従事者だけでなく、ワクチン製造業者、一般市民など、誰からの報告も受け付けているようです。
v-safeの方は、CDCが設立した、スマホを使って報告できるシステムとのこと。保護者が登録すると、接種後の調査に協力できるようです。
どちらも、報告したいと思った人が登録をすると思われるので、何らかの症状が出ても、登録しようと思わなければ、データには入っていないということになると思います。だから870万回という接種回数の割には、調査対象者が少ないのでしょう。
VAERSへの報告

VAERSは2021年11月3日から12月19日の間に、Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンを接種した5歳から11歳の小児に関する有害事象報告(表1)を4,249件処理したとのこと。人種・民族に関するデータは、約40%が不明となっています。

具体的なデータ(表2)について説明が書かれていますが、長いので私が気になった部分のみを引用します。
Among 15 preliminary reports of myocarditis identified during the analytic period, 11 were verified (by provider interview or medical record review) and met the case definition for myocarditis; of these 11 children, seven recovered, and four were recovering at time of the report. VAERS received two reports of death during the analytic period; both are under review. These deaths occurred in two females, aged 5 and 6 years, both of whom had complicated medical histories and were in fragile health before vaccination. None of the data suggested a causal association between death and vaccination.
分析期間中に確認された心筋炎が疑われる報告(トロポニンの上昇)15件のうち、11件は医療機関などにより検証され、心筋炎の症例定義に合致した。この11人のうち、7人は回復し、4人は報告時に回復に向かっていた。VAERSは分析期間中に2件の死亡報告を受けたが、いずれも現在調査中。これらの死亡例は5歳と6歳の女性2名で発生し、2名とも複雑な病歴を持ち、ワクチン接種前に衰弱していた。いずれのデータも、死亡とワクチン接種の因果関係を示唆するものではなかった。
心筋炎疑いは15件の報告があり、そのうち11件が心筋炎の定義に合致していたとのこと。厚労省の副反応疑いの報告では、接種後に無症候性の心筋炎もあったので、自覚症状がない人もいる可能性はあると思います。ワクチン接種が始まる前は、心筋炎はもっと怖い病気だとされていたように思うのですが、回復すればなってもいいと思えるような病気なのでしょうか。
そして、2件あった死亡報告は、いずれも複雑な病歴を持っているとのことです。「ワクチンとの因果関係を示唆するものではない」としていますが、複雑な病歴がどのようなものだったのかは書かれていません。テレビに出ている医師や専門家は、基礎疾患がある子どもへの接種を特に勧めていますが、このようなデータを検証しなくてよいのでしょうか。
v-safeへの報告
Yahoo!ニュースで使われていたデータは、v-safeによる調査のデータだったようです。

表3.5~11歳の子ども(N = 42,504)で報告された反応
0-7日目に少なくとも1回のV-safe Health Check-in調査を完了した人
Pfizer-BioNTech COVID-19 ワクチン接種後 - 米国
2021年11月3日~12月19日
*Percentage of enrollees who reported a reaction or health impact at least once during days 0–7 post-vaccination.
ワクチン接種後0~7日目に少なくとも1回、反応や健康への影響を報告した登録者の割合。
2021年11月3日から12月19日の間に、v-safeには、Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンを接種した5~11歳の小児42,504人が登録されたようです。これが、Yahoo!ニュースに書かれていた42,504人でした。
こちらも長いので、気になった部分のみを引用します。
Approximately 5.1% of parents reported that their child was unable to perform normal daily activities on the day after receipt of dose 1, and 7.4% after receipt of dose 2.
投与1回目の翌日に「通常の日常生活が送れない」と回答した保護者は約5.1%、投与2回目では約7.4%とあります。翌日に症状が出て、それがいつまで続いたのかはこれではわかりません。日数によっては、見過ごせないパーセントだと思います。厚労省が公開している副反応疑いの報告では、生活に支障が出て長期にわたり学校に行けない事例も多数あります。
Discussion
Discussion(考察)部分では、下記のように書かれています。これも、気になった部分のみの引用です。
Trial participants who received Pfizer-BioNTech COVID-19 vaccine frequently reported local (86.2%) and systemic (66.6%) reactions that were mostly mild (i.e., did not interfere with normal daily activities) or moderate (some interference with normal daily activities); no serious adverse events judged to be related to vaccination were reported (3).
多かった報告は局所反応(86.2%)、全身反応(66.6%)で、ほとんどが軽度から中程度(通常の日常活動に多少の支障がある)だったとあります。中程度とはいえ、「日常活動に多少の支障がある」というのが、何日ぐらいまでだったのかが気になります。
この部分で特に重要なのは、「ワクチン接種と関係があると判断された重篤な有害事象は報告されていません」という部分だと思います。この調査の時点では「関係がある」と判断された報告はないけれど、それらが「関係がない」と言い切れるとは限りません。厚労省のワクチンQ&Aの回答と、よく似た書き方です。
さらっと書かれていますが、この部分も気になります。
Among VAERS reports for children aged 5–11 years who received Pfizer-BioNTech COVID-19 vaccine, approximately 97% were nonserious. The most common adverse events reported to VAERS in the age group were related to administration error. This age group is the first to receive a smaller dosage of mRNA (10 μg) than that recommended for persons aged ≥12 years (30 μg), and administration errors are not unexpected. Most reports of administration errors often mentioned that no adverse event was associated with receipt of an incorrect dose.
報告されたうちの約97%が非重篤だったと言っていますが、「この年齢層でVAERSに報告された有害事象の中で最も多かったのは、投与ミスに関連するものだった」とも書かれています。
表2には、Incorrect dose administered(不適切な投与) 675件(16.3%)、
Underdose(過量投与) 324件(7.8%)とあります。
12歳以上用より少ない投与量を初めて受ける年齢であり、投与ミスは起こり得ると言っています。投与ミスの報告はほとんどが、「誤った投与量に関連する有害事象はなかった」とのことですが、今後何らかの症状が出てくる可能性はゼロではないと思います。

そして、「投与ミスは起こり得る」と言っているので、日本でも起きる可能性はあるでしょう。12歳以上の接種でも、すでに接種ミスは多発しています。
最後に、最も重要と思われる記述があります。
The findings in this report are subject to at least four limitations. First, VAERS is a passive surveillance reporting system and is subject to reporting biases and underreporting, especially of nonserious events (8). Second, data on race/ethnicity were not provided in >40% of VAERS reports. Third, v-safe is a voluntary program; as a result, v-safe data might not be representative of the vaccinated population. Finally, these data are limited by the short surveillance period and might change as safety monitoring continues and more doses are administered to children aged 5–11 years.
この報告で得られた知見には、「少なくとも4つの限界がある」と言っています。
1.VAERSは受動的な監視報告システムであり、特に非重篤な事象については、報告バイアスや過少報告の可能性がある。
2.人種・民族に関するデータは、VAERS報告の40%以上において提供されていない。
3.V-safeは任意のプログラムであり、その結果、V-safeのデータはワクチン接種者を代表していない可能性がある。
4.これらのデータは短い監視期間による限られたものであり、安全性の監視が継続され、5~11歳の小児に投与される回数が増えるにつれて変化する可能性がある。
4つめが一番重要だと思いますが、Yahoo!ニュースで使われていたV-safeのデータは、「ワクチン接種後0~7日目に少なくとも1回」報告した登録者の割合です。報告後、それがどうなったのかも、このデータからはわかりません。
Yahoo!ニュースでは200文字ぐらいでまとめていますが、その背景には重要なことが埋もれていました。
前述の医師が言っていたCDCが出しているデータというのがこれのことだとしたら、このデータからなぜ安全だと言い切れるのでしょうか。
