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ととのえ職人の本棚13|NATURE FIX〜自然に触れると、自分の感覚が戻ってくる〜

ハイサイ。
ととのえ職人、五木田穣ごきたゆたかです。

このnoteでは、心と体と思考のズレをやさしくととのえる話を、日々書いています。

今日は、
「ととのえ職人の本棚」として、
1冊の本をご紹介しようと思います。

本を読むことは、
知識を増やすことだけではありません。

本を読みながら、
今の自分の状態に気づくこと。

言葉にならなかった感覚が、
少しずつ言葉になっていくこと。

自分の中にあった違和感が、
本の言葉を通して、少し輪郭を持ちはじめること。

ととのえ職人の本棚では、
ただ本の内容を紹介するのではなく、
その本を通して、心と体と思考の関係をどう見つめ直せるのか。

そして、
今の暮らしの中で、
どう自分に還っていけるのか。

本を読むことで、ととのう。

そんな視点で、ととのう本をご紹介しております。

今回ご紹介する本は、

『NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる
ー最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方』

です。

自然とは、私たちに何を与えてくれるものなのでしょうか。

自然は、
癒しを与えてくれるものなのか。
リラックスを与えてくれるものなのか。
ストレスを減らしてくれるものなのか。

もちろん、そういう側面もあります。
エビデンスとして、健康効果がある。

それは、とても大切な視点です。

でも、そんなことを考えている時点で
頭で理解しようとしていることがわかります。

自然に触れることは、
考えるものではなく、感じるもの。

頭ではなく、心と体が感じるもの。

自然に触れるということは、
何か特別なことではなく、

もともと自然と共にあった人間の姿、
自分の中にあった感覚を、
思い出していくことなのではないか。

私は、そんなふうに思います。



何かを足そうとせず、自然にあるものを感じてみる。

疲れている時、
私たちは今あるものに、何かを足そうとします。

もっと休む方法を探す。
もっと整う方法を探す。
もっと良い情報を探す。

でも、何かを足そうとすればするほど、
かえって疲れていくことがあります。

情報を入れているのに、落ち着かない。
実践しているのに、体が重い。
休もうとしているのに、休まらない。
整えようとしているのに、整わない。

そんなときに必要なのは、
さらに何かを足すことではありません。

むしろ、
少し離れること。

少し静かにすること。

少し空けること。

頭の中に詰まっている言葉や情報から離れて、
自然の風や光や音や匂いに触れること。

自然の中にいると、
何かしようとしなくても、
体が先に反応します。

木陰に入ると、体が少しゆるむ。

風が肌に当たると、呼吸が少し深くなる。

雨の音を聞くと、心の奥が少し静かになる。

海を見ると、視線が遠くへ抜けていく。

空を見上げると、頭の中の狭さに気づく。

それは、感じるか感じないかのちょっとしたことで、
それで、何かが劇的に変わるわけではありません。

でも、
少し呼吸が戻る。

少し体の感覚が戻る。

少し、
自分が自分の居場所に帰ってくる。

自然に触れることは、
癒しを足すことではなく、
自分の感覚に戻ること。

この本を読んで、そんなことを思いました。


現代は、頭が先に出すぎている

現代の暮らしは、
とても頭を使います。

考える。
選ぶ。
比べる。
判断する。
調べる。
返事をする。
予定を立てる。
人の言葉を受け取る。
情報を処理する。
次に何をするかを考える。

スマホを開けば、
いろいろな言葉がどんどん流れてきます。

誰かの成果。
誰かの意見。
誰かの怒り。
誰かの喜び。
誰かの正しさ。
誰かの暮らし。

それらを見ているうちに、
いつの間にか、
自分の感覚がどんどん遠くなっていく。

本当は疲れているのに、
まだ大丈夫だと思う。

本当は休みたいのに、
何かしていないと不安になる。

本当は静かにしたいのに、
また情報を入れてしまう。

本当は何も考えたくないのに、
考えることをやめられない。

思考だけが前に出て、
体や心が置き去りになっていく。

こんな日々が続いていくと、
自分が何を感じているのか、
わかりにくくなります。

体が疲れているのか。
心が焦っているのか。
思考が走りすぎているのか。
本当は何を減らしたいのか。
どこで無理をしているのか。

そういうことが、
見えにくくなっていきます。

こんな時代だからこそ、
自然に触れる時間が必要です。

自然は、
頭を静かにしてくれます。

木は、急かしてきません。
風は、正解を求めてきません。
雨は、成果を聞いてきません。
海は、ちゃんとしているかどうかを問いません。

ただ、そこにある。

その「ただ、そこにあるもの」に触れることで、
私たちの中の急ぎすぎた思考も、
少しずつ静かになっていきます。


自然は、体を思い出させてくれる

自然に触れている時、
頭で理解するよりも先に、
体が何かを受け取ります。

風が吹く。
肌が反応する。

光が入る。
目が遠くを見る。

雨の音が聞こえる。
耳が外へ向く。

土の匂いがする。
呼吸が少し深くなる。

海の波を見る。
自分の中のリズムが少し落ち着く。

これは、
「自然は体にいい」と頭で考える前に、
体が先に受け取っているものです。

この「体が先に受け取る」という感覚は、
とても大切です。

私たちは、
何かを変えようとする時、
つい頭で考えすぎます。

どうすればいいか。
何が正しいか。
何を選ぶべきか。
どの方法が効果的か。
何が自分に合っているのか。

もちろん、それも大切です。

でも、
自分の感覚が戻っていないまま考え続けると、
答えを探すほど疲れてしまうことがあります。

自然に触れると、
頭で答えを出す前に、
体が少し思い出してくれる。

「あ、今、呼吸が浅かったんだな」

「あ、ずっと肩に力が入っていたんだな」

「あ、近くばかり見ていたんだな」

「あ、外に出るだけで、少し変わるんだな」

そういう気づきは、
頭で無理にひねり出したものではありません。

体が受け取ったものから、
自然に立ち上がってくる気づきです。


ととのえるとは、自然との関係を結び直すこと

ととのえるというと、
自分の内側を整えることのように感じるかもしれません。

心を整える。
体を整える。
思考を整える。
暮らしを整える。

もちろん、それも大切です。

でも、ととのえることは、
自分の内側だけで完結するものではありません。

自分と季節の関係。
自分と空気の関係。
自分と自然の関係。
自分と暮らしの関係。
自分と人との関係。

そうした関係性の中で、
私たちは揺れたり、疲れたり、戻ったりしています。

体が重い日には、
湿度や気圧が関係しているかもしれません。

呼吸が浅い日には、
空気の重さや緊張が関係しているかもしれません。

気持ちが落ち着かない日には、
情報や人との距離が近くなりすぎているのかもしれません。

自分の状態は、
自分の中だけで起きているわけではありません。

外の環境と関係しながら、
いつも変化しています。

ととのえるとは、
自分だけを整えようとすることではなく、
自分と外の世界との関係を、
少しずつ調え直していくこと

自然に触れることは、
その関係を結び直す入口になります。

空を見る。
風を感じる。
雨の音を聞く。
海を見る。
木のそばに立つ。
土の匂いを感じる。

そうやって、
自然と自分の関係を思い出すことで、
自分の内側の感覚も、少しずつ戻ってくる。

整えるだけではなく、調える。

今の自分に合うように、
心と体と思考、そして環境との関係を見直していく。

自然は、そのことを静かに教えてくれる、大いなる存在です。


沖縄で暮らすようになって、空気を感じるようになった

沖縄に移住してから、
空気を感じることが増えました。

那覇空港に降り立った瞬間の、
モワッとした湿度。

梅雨の時期の、
体にまとわりつくような空気。

雨上がりの道に残る、
湿った匂い。

海の近くを歩いた時の、
少し塩を含んだ風。

強い日差し。
厚い雲。
突然の雨。
風の強さ。
湿度の濃さ。

沖縄の自然は、
いつもやさしいだけではありません。

暑さもある。
湿度もある。
台風もある。
強い日差しもある。
急な雨もある。

昨日は、ちょうど台風6号が通過していきました。
たくさんの木々も倒れてしまったようです。
自然は、時に脅威にもなります。

ただ、それ以上に私は、

沖縄の空気、
沖縄の風、
沖縄の光、
沖縄の海、
沖縄の自然、

の持つやさしさを感じています。

沖縄にきて、自然に触れる機会が増えて、
月に2度、内地へ出張に行くことで、

体が季節を感じる力が
より働くようになった気がします。

「今日は空気が重いな」

「今日は風があるな」

「今日は体が湿度を受けているな」

「今日は無理に詰め込まない方がいいな」

そんなふうに、
自然を通して、自分の状態に気づく。

これは、
ととのえる上で、とても大切な感覚です。

自然を感じることは、
ただ自然を楽しむだけではありません。

自然を通して、
自分を感じることでもあります。

ちょうど今の時期は、二十四節気で言うと、
小満と芒種の間です。

ちなみに、沖縄では今の時期を
小満芒種(すーまんぼーすー)と言います。

ちょうど、雨の日が増える時期で、
沖縄の梅雨の時期と重なることから、
梅雨を表す言葉として使われています。

湿った空気の中で、
心と体が少し重くなる。

雨が降り、
空が低くなり、
外へ向かう力が少し弱まる。

そんな季節だからこそ、
自然に抗うのではなく、
自然と一緒に自分の力加減を調えていく。

その感覚が、
暮らしの中のととのいにつながっていく。

私自身の実体験としても、そう思います。


自然に行けば、すべて解決するというわけではない

自然に行けばすべて解決する
というわけではありません。

自然に触れれば、
すぐに悩みが消える。

自然の中に行けば、
すべて整う。

そういう単純な話ではありません。

この本が教えてくれるのは、
自分がどれだけ自然から離れていたのか。
どれだけ感覚から離れていたのか。
どれだけ頭だけで整えようとしていたのか。

そのことに気づくきっかけです。

自然に触れることで、
私たちは、別の自分になるのではありません。

本来の感覚を、
少しずつ思い出していく。

呼吸の深さ。
視線の広がり。
足裏の感覚。
肩の力。
心の静けさ。
自分の速度。

そうしたものを、
少しずつ受け取り直していく。

自然は、変わるための場所というより、
自分に、戻るための場所です。


自然に触れに、特別な場所へ行く必要はない

自然に触れるというと、

山へ行くこと。
森へ行くこと。
海へ行くこと。
キャンプをすること。

そんなイメージがあるかもしれません。

もちろん、それは素晴らしい時間です。

でも、
自然に触れることは、
必ずしも特別な場所へ行くことだけではありません。

朝、窓を開けて風を感じる。

ベランダで空を見る。

近所の木を見る。

雨の音を聞く。

雲の流れを見る。

道端の草に目を向ける。

夕方の光を感じる。

公園を少し歩く。

観葉植物に水をあげる。

それも、自然に触れることです。

大切なのは、
どこへ行くかよりも、
どう感じるか。

自然を、
ただの景色として見るのではなく、
自分の感覚を戻す入口として受け取る。

日常の中にも、
小さな自然はたくさんあります。

あなたがあなたに戻る、
ととのう場所は、身近なところにたくさんあるのです。


こんな時に読んでほしい

この本は、
考えすぎている時に読んでほしい一冊です。

呼吸が浅くなっている時。
体の感覚がわからなくなっている時。
何かを足しているのに、満たされない時。
整えようとしているのに、また力が入る時。
自然に触れる時間が減っている時。
スマホや情報で頭がいっぱいになっている時。
自分の速度を取り戻したい時。

そして、
6月の湿った空気の中で、
体が重くなっている時にも、
この本の視点は合うと思いました。

無理に元気になろうとしなくていい。

無理に整えようとしなくていい。

自然に触れる。

風を感じる。

雨の音を聞く。

少し外へ出る。

それだけで、
体が先に思い出してくれることがあるのです。

頭の思考を手放し、
体の声を聴きましょう。
心の声を聴きましょう。


自然に触れると、自分の感覚が戻ってくる

『NATURE FIX』を、
自然の効果を知るためだけの本として、扱ってほしくありません。

自分がどれだけ頭で生きていたのか。

どれだけ感覚から離れていたのか。

どれだけ、
自分の内側だけで整えようとしていたのか。

そのことを、
静かに思い出させてくれる本です。

自然に触れることは、
何かを足すことではありません。

自分の感覚に戻ること。

呼吸に戻ること。

体に戻ること。

自分の速度に戻ること。

そして、
自分と自然との関係を、
少しずつ結び直していくこと。

6月の湿った季節に、
少しだけ自然へ触れてみる。

窓を開ける。
空を見る。
風を感じる。
雨の音を聞く。
緑を眺める。
外を少し歩く。

それだけで、
自分の中にあった感覚が、
少しずつ戻ってきます。

ととのえるとは、
そんな小さな感覚に気づくことから始まります。

自然に触れる。

自分の感覚が戻る。

呼吸が戻る。

自分の速度が戻る。

その積み重ねが、
暮らしの中のととのいにつながっていく。

『NATURE FIX』は、
そんなことを思い出させてくれる一冊です。

また、次の本でお会いしましょう。

ととのえ職人
五木田穣


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