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モネとカタルもの -アーティゾン美術館 モネ没後100年展-①

記事を書く際にnoteに「おかえりなさい」と言われてしまいましたが
本当にしばらくぶりになってしまいました・・・

風邪とか帰省とか来年度の準備とか
もろもろ「忙しくて」という言い訳ですが。
書きたい記事(ネタ)も増えてきたので
またチクチクと投稿を増やそうと思います。

さて、数ある記事の中からご訪問いただきありがとうございます。
今回は、アーティゾン美術館のモネ回顧展
「モネ没後100年 クロード・モネ ー風景への問いかけ」へ
行ってまいりましたのでレビューしたいと思います。

こちらは第一弾となり、続いて第二弾も書いておりますので
よろしければご覧ください。

(第一弾はモネの絵のレビューが1つしかなくてごめんなさい)

今回も例に漏れず、まっすぐレビューというより
かなり曲がりくねったレビューになりますので
私の記事をすでに読んでいる方は、
OK!と言っていただけそうなんですが
初めて読む方にはあらかじめ
「ごめんなさい」を伝えておきたいと思います。

(モネの話がほとんど出てきません。
アーティゾンのモネ展のレビューをちゃんと読みたい!という方は
すみませんがこの記事は閉じていただき、
他の方のレビューをお読みになることをおすすめいたします。)


概要 アーティゾン美術館 モネ没後100年 クロード・モネ ー風景への問いかけ

東京駅・日本橋からほど近い京橋にあるアーティゾン美術館で
モネの没後100年を記念した大きめのモネ回顧展を開催しています。

期間:2026年2月7日〜5月24日

モネ、没後100年記念

毎年年末年始に
「誰のアニバーサルイヤーなのか」を調べるのが
日課ならず年課で、
今年はモネの没後100年ということだったので、
「どこかの美術館が大きい展示をしてくれるはず」と
年明けからずっと楽しみにしておりました。
実は2026年、モネさん以外の画家やクラシック音楽家の
アニバーサルイヤーには引っ掛からなかったんですよね。

でもかわりに、多くの「美術館の開館記念年」らしく、
三井記念美術館やSOMPO美術館などが
アニバーサリー展示をしてくださっている、ありがたい年ですね。

モネ展をみるには

実は当日さくっと行こうかと予定していたところ
日時指定券は売り切れに。
嫌な予感がしてXなどで調べると
当日入るには並ばないといけないとのことで。
実は1度、急遽予定をアーティゾンから東京都美術館へ変更しています。

(不測の事態でスウェーデン展に行きましたが、
これはこれで大豊作だったので
記事したいと思っています)

改めて日時指定を購入して再挑戦しました。
日時指定券を買っていれば待たされることはないようです。
公式サイトに
買わなくても空きがあれば当日入れる、と書いていましたが
美術館帰りに買っていない方の入館行列を見ましたので
購入しておくことを強くおすすめまします。

また、日時指定券は2,100円とお得です。
上野の森で開催されたモネ展は土日3,000円だったかと思います。
今回のアーティゾンは質も数も大満足!
とてもお得だと思います。

モネの回顧展、まだ必要??

モネの大回顧展に、3回くらい行っている気がします。
そしてオルセー美術館展はここしばらく立て続けに3回くらい。
(三菱一号館、西洋美、アーティゾン。)
日本人は印象派が好きですよね。
とりわけ「綺麗なモネ」が好きみたい。

フランス人よりモネを見てるんじゃないかしら。。

前に喫茶店でお隣に座られたご婦人たちの会話
「もう、美術館に行けば、モネモネ、
モネの絵ばっかりだわ〜」
「でもまた行っちゃんだけどね」

そうなんです。モネばっかりです。
私も今回、
「モネ展に行きすぎた人たち」が陥る谷を見ました。

「モネ、もう吸うところない」の谷間です。

さながら自分が蚊のように感じますが。
モネの絵はもう「新しく刺せる」ところがありません。

カスカスになっちゃった・・・

今回のモネ展の帰りにポツリとでできたことばです。

これは見すぎた人ならわかってもらえると思うのですが。
モネの絵が良くないとか飽きたとか新鮮じゃなくなった、とか、
そういう意味ではありません。(モネの絵は至高です)

モネを悪く言いたいとかでは決してなく。
ただ「カスカスになっちゃった」です。
私の感受体が、ということかな。

谷間、と表現したのは
また上昇することがある気がするからです。
特定の画家の絵を見すぎると
カスカスになっちゃうみたいなんですけど

またそこから再上昇がある。
そんな気がします。

モネ展を見に行く方には
まったくもって参考にならないお話で申し訳ないのですが

芸術を楽しむ方には共通で永遠の課題、
のような気がしています。

多分先人たちはもう、経験済みなのでしょう。
私もやっと、ここまでこれました。


ちなみに私はそれでもまた
モネの絵を見に行くと思います。


閑話休題
モネ展で見てきた絵をご報告します。


バジール 移動野戦病院

見つけた時に、大声で叫びたくなりました。
「おい!バジールがいるぞ!!」

バジールとは誰ぞや、に関しては
「西洋美術館 オルセー展 室内をめぐる物語」
でバジールのアトリエについて書いた記事が
途中になっているので、
完成させようと思っています。

(すでに以前オルセー展の記事を書いておりますので
参考にリンクを貼っていますが
バジールの話は一切触れておりませんでした。ごめんなさい)

ざっくりいうと印象派の立役者なのに
夭逝したため途中離脱された方、なのですが。

そのバジールの絵が2枚来ていました。

モネやルノワールのように売れる前に
戦争で亡くなっているので
(サロンには一緒に何回か出していたはず)
バジールの絵は貴重です。

なかでも移動野戦病院(131)は
なかなか見逃せないかと思います。

Frédéric Bazille
L'Ambulance improvisée
1865

https://www.musee-orsay.fr/en/artworks/lambulance-improvisee-62

オルセー美術館 該当URL

モネが「草上の昼食」を描きたいとのことで
親友のバジールを森にモデルとして招いた際に
モネが怪我をしていて、医学生のバジールが看病した
というエピソードなんだそうです。

つまりバジールがモネを描いた絵なのですね。
実際の野戦病院の絵ということではなく、
野戦病院さながら、傷つくモネ。
みたいなユーモアでつけた主題のようです。

この絵を鑑賞していたとき、
このエピソードも
誰を描いたかも知りませんでした。
何も知らずにつかみとったのは
「バジールの絵は真面目。まっすぐ」でした。

印象派グループは、一旗あげてやろう!と集まった
オラオラチームなのですが
バジールの絵からは技巧で出し抜いてやろうとか
あっと言わせてやろうみたいなせこさがない。

怪我をしているモネを純粋にからかっているし
愛のある眼差して見つめて描いていると思います。
本当に、真面目で真っ直ぐな絵、なんです。
バジールはやっぱり、「いいやつ」だったんですね〜

ぜひ、絵の前に立っていただき
バジールがどんなやつだったのか
直接うけとっていただけるとよいのではないでしょうか。

シスレー

私の親友は「この絵好きだわ」と思って
描いた人を見てみると、それは毎回シスレーなんだとか。
シスレーがとりわけ好きという方
珍しい気がします。

シスレーも今回は何枚かきていて嬉しかったです。
ドイツでも何枚か見たのですが。
「次にシスレー(とブーダン)を見るときは、もっと理解したい」
というのが私の宿題になっていました。

気に入ったのがこちら。3枚組になっている絵です。

From left to right : Alfred Sisley (1839-1899) L'Ile Saint-Denis, 1872 ;
Camille Pissarro (1830-1903), Entrée du village de Voisins, 1872 ;
Claude Monet (1840-1926), Bateaux de plaisance, entre 1872 et 1873.

こちらの3枚組はオルセーでも
「Impressionists Landscapes room」と名付けられ
そのままに展示されているようです。

https://www.musee-orangerie.fr/en/articles/impressionists-landscapes-room-275617?utm_source=chatgpt.com

オルセー美術館より

シスレーの絵は左。「サン・ドニ島」1872年。
真ん中=カミーユ・ピサロ ヴォワザンの村の入り口 1872年
右=モネ 船 1872-73年

なんとも神がかった3点セット。

シスレーは、イギリス人。
途中から貧しくなり
ルノワールやモネと厳しい時代も頑張り抜いた人です。
最後まで印象派を貫いた人。
立ち位置を変えなかった人だと思います。

モネ、ルノワールなどの
強烈な存在感と比べると薄そうですが
絵のほうも、「主張!」というより「透明」の絵。

ブーダンとシスレーで「観察者」をテーマに
1記事かけそうなので、
詳細はまた次回。

ぜひ足を運んだ際には、
シスレーの透明感を楽しんできてください。

そして、このピサロ様の絵、
左右にシスレー、モネに挟まれていても癒し健在!
絵から「癒しのお茶漬け」みたいなものが
常に、さらさらと降り注いでいます。
とても癒されるので
ぜひ頭に浴びてきてください。

空の王者、ブーダン

ブーダンを初めて知ったのは
今はなつかしきBUNKAMURA ミュージアム。
(東急デパートの隣にあった頃です)

この展示で、空を描かせたら、ブーダンがとびきり。
ということを知りました。
(アンリ・シダネルもこの展示で初めて知ったので、
この展示はすごい良い会だったと思います)

前述した通り、ドイツで掴みきれなかった画家
シスレーとブーダンが来てくれたので
今回の展示はとても楽しみだったんです。

ブーダンは、クールベなどと同じ時期の画家で
モネに「外で絵を描くこと」を教えてくれた画家、
と言われています。
そういった意味でブーダンの絵も持ってきたのでしょう。

ウジェーヌ・ブーダン トルーヴィル近郊の浜
1865年頃 アーティゾン美術館所蔵

この絵、前に見た時に
「ドレスの裾に砂がいっぱいつきそう・・・」と思ったので
確実に見たことがあると確信していたのですが
探してみると似た絵を何枚も描いていて。
私が見たのは西洋美術館蔵のものかもしれません。

ブーダンは、このあとSOMPO美術館で
回顧展が開催されますので
今回の鑑賞で見つけたブーダンの発見もろもろ、については
SOMPO展前後に記事として報告したいと思います。

ウジェーヌ・ブーダン展 開館50周年記念
2026年4月11日〜6月21日 SOMPO美術館


今回のモネについて

と、ここまでで全くモネの話をしておりません。
このままだとタイトル詐欺になってしまいますので
モネの話を。

クロード・モネ しだれ柳 オルセー美術館蔵 1920年-22年

ほぼ写真OK!の美術展でしたが
私が唯一、撮影してきた写真です。

誰もが好きなモネといえば
色使いの綺麗なモネですので、
なんだか逆張りみたいになってしまって申し訳ないのですが
私が今回、撮影してお持ち帰りしたい!と思った絵です。

モネのこの時期の良さは、
西洋美術館で昨年まで開催されていた
「モネ 睡蓮のとき」
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2024monet.html
という大回顧展のレビュー記事をかけると良いのですが。

ざっくり西美のモネ展を回顧すると
サイトやパンフでは綺麗な睡蓮を見せ
「綺麗なモネ好きホイホイ」の罠をかけて
地獄の部屋(目の病気だった時期の絵のフロア)に堕とす。
という展示の仕掛けが秀逸すぎて
めちゃくちゃ気に入った展示です。

あの地獄の部屋に堕ちてから、
モネはこの時期の絵を見ないとしっくり来ない体に
なってしまいました・・・
キュレーターさんの思うがまま、です笑

カスカスとかいっちゃいましたけれど、
今回の展示、モネの真髄が見れて、満足です。

モネの絵のレビューが1枚になってしまったので
第二弾も書いてみました。
印象に残った3枚のモネの絵についてです。
ご興味ありましたらぜひご覧くださいませ。
ロートレックやボナールにも触れています。


鳥獣戯画でしめました

最後に。下のフロアでは「カタリウム」という展示が開催中です。

メイン展示の余韻を上書きさせたくないので
私は敢えて、
別の展示には寄らない選択をすることがあるのですが

今回は、「鳥獣戯画なら軽いし
モネ様を上書きするほどではないだろう」と
かるい気持ちで見にいってしまいました。


それが、
大きく裏切られる結果となりました。


今回、鳥獣戯画(甲)がきています。
(展示時期注意! 4/23まで)
甲といえば、誰もが鳥獣戯画といって想像するような
うさぎとかえるのお相撲、みたいな巻です。

この鳥獣戯画(甲)は
毎回、展示されれば大混雑、という人気で。
天邪鬼な私は
「漫画の原型っていうのと、かわいいってだけでしょう・・?」
というちといじわるな印象をもっていて
展示も避けてきました。

ですが、今回はあまり情報が露出していなくて
モネ展のお客さんもほとんど流れておらず
かなりゆったりとした状態で楽しむことができます。

ちなみに、展示されているのは
断簡というものです。
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/katarium/highlights/

《禅機図断簡》、《鳥獣戯画断簡》とそれぞれの作品名につく「断簡」とは、切り取られた一部を意味しています。つまり、もとは「禅機図巻」、「鳥獣戯画巻」を成していたのです。

アーティゾン美術館 カタリウム みどころ より

今、改めて鑑賞してみて。

すごいです。鳥獣戯画。
「力」を感じました。

絵が、飛び立とうとしている。
ただのかわいいだけの漫画ではなかったのです。
ちゃんと本物の力を、持っているんです。

つまり、私の尺度で言うと
「呼んでくる絵」の仲間認定です。

鳥獣戯画は

鳥羽僧正覚猷(とばそうじょう かくゆう)の作とされてきた

ウィキペディアより

とのことですが、私も
徳の高いお坊さんの絵だと思います。

雪舟のときのような異変や

仙厓のときのような異変

と、同型のにおいを感じます。
次あたりに見たら
絵が飛び立ってうごくんじゃないかしらと
楽しみにしています。

ということで、
カタリウムで存分に語られちゃいました。
まんまと「別軸で上書き」されたわけです。

寄り道もまた、得るものがありますね!
また甲に会えるのが楽しみです。


まとめ

第一弾では
ほとんどモネに触れずに終わってしまいました

第二弾でモネの3枚の絵について
感想を述べさせていただいておりますので
よろしければご覧ください。
https://note.com/killamaru/n/n1b546ff11ee9


モネ展もカタリウムもおすすめです。
モネ展で終わりたい方は
ぜひ、カタリウムも先にご覧になることをおすすめします。
鳥獣戯画も、なかなか、です。

他のnoterさんの記事では、最近は
モネ展入手困難みたいですが。
すばらしい展示なので
一人でも多くの方が行けますように。


質問、聞きたいこと、ご感想等、
お気軽にコメントを書いていただけるとうれしいです。




記事をまとめてみました。
ご興味のある記事がありましたらぜひお読みください!

はじめに01 -絵の声を聴く、アート鑑賞について- 好きな画家さん一覧
https://note.com/killamaru/n/n0cb504116a87
書き始めた経緯やこのNoteの説明など

はじめに02 -アートの声を聴く鑑賞について-
https://note.com/killamaru/n/n3b42879699f8
「はじめに」の続きですが、私のNoteの中では、♡率が高くて、ありがたいです。

はじめに03 -審美眼は何年で身につくもの?
https://note.com/killamaru/n/ne9792bc439fe

<ドイツ旅2026>
ドイツから戻ってきました -2026.01.13 近況報告-
https://note.com/killamaru/n/nce677f79afbc

デューラーと話したくて家に2回おしかけた話 - デューラーズハウス -
https://note.com/killamaru/n/n681100d72660

フェルメール報告会 - ドイツ旅で鑑賞した絵のレポート -
https://note.com/killamaru/n/n9509726b7b11

フェルメールに隠された法則 - 嫌いだったフェルメールが好きになれた秘密 - [ディープ]
https://note.com/killamaru/n/nab3fbbd02386

<若冲>
若冲からはじめて呼ばれた話 -泉屋博古館東京-
https://note.com/killamaru/n/n79a61287feed

若冲は、今日も私を呼ぶかしら - 三井記念美術館「円山応挙」展 -
https://note.com/killamaru/n/na07051e46676

若冲は、もう1人の天才にためらう、の話 - 東京藝大美術館 -相国寺展
https://note.com/killamaru/n/n85b940e93ef9

<ゴッホ>
[ディープ]ゴッホのひまわりって、おいしいの? - 西洋美術館 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
https://note.com/killamaru/n/n69330619f156

「あなたはどんな鑑賞タイプ?」と「ゴッホの死相」について ゴッホ展 -東京都美術館-
https://note.com/killamaru/n/na3e315c32ca0

ゴッホ美術館(アムステルダム)に行ってきた -美術館レビュー(絵多め)-
https://note.com/killamaru/n/n4e65dea66a63

おいしそうな絵はここにも(ピエール・ボナール) -「ひまわり」異変の後日談-
https://note.com/killamaru/n/n32920ae6c2de

<美術展>
ブラックホールを作りだせる画家 -仙厓展@出光美術館- [ディープ]
https://note.com/killamaru/n/n576fe4a903b7

絵から音がしない理由 -ユトリロ展(SOMPO美術館)-
https://note.com/killamaru/n/nd086f4b57077

定家にきゅんきゅん -国宝熊野御幸記と藤原定家展レポート(三井記念美術館)-
https://note.com/killamaru/n/ne15a8591b9e4

伊勢物語展 -根津美術館- 岩佐又兵衛に感じるもの
https://note.com/killamaru/n/n522358cdf891

僧侶の背中には、実は何があったのか -特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」-
https://note.com/killamaru/n/nb87fb034c08e

マチュピチュの展示じゃない?!けど、興味深い -マチュピチュ展-
https://note.com/killamaru/n/n5dd9d6de4666



<岡本太郎とウォーホル>
岡本太郎の絵をめくってバックヤードをのぞいた話[ディープ] - ウォーホルの続き -
https://note.com/killamaru/n/ndd21dc5e0255

アンディ・ウォーホル「SERIAL PORTRAITS」展(ルイヴィトン) - 岡本太郎のために力をお借りします -
https://note.com/killamaru/n/ndd1a969b04ba

<ランキング>
[異変の起こった美術展ランキング]2025年行った美術展の中から)
https://note.com/killamaru/n/n853c88ce272c

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