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歩く自由と、転ばせない責任のあいだで―映画『急に具合が悪くなる』を観て―



午前中、目のかすみと強いまぶしさが気になり、眼科へ行った。

診断はドライアイ。
目薬を処方してもらった。

ついでに、
「白内障も年相応にあります」
と言われ、軽く凹んだ。

年相応。

医学的には何でもない言葉なのだろう。
でも、本人には地味に刺さる。

そんな午後、お世話になっている方から「ぜひ」と勧められた映画を観に行った。

『急に具合が悪くなる』という映画だ。

タイトルだけ見れば、今日の私のことかと思う。

そして、約3時間。
大変ロングで、見応えありありの映画だった。

正直に言うと、前半は少し寝てしまった。
内容が私にとっては非常に難しかったこと。

そして午前中、久しぶりの眼科受診で検査をフルコースで受け、眼精疲労もあったから……ということにしておきたい。

受付でも、
「3年ぶりですね」
とチクッと言われ、そこで再び凹んだ。

子どもを眼科へ連れて行くことはあったけれど、自分の受診は、もうそんなに久しぶりだったのか。

お世話になっている方とはいえ、
なんちゅー難しい映画を勧めてきたんだよ!!
と、途中で天を仰いだ。

ネタバレはしたくないので、物語の内容には極力触れない。

ただ、映画を観ながら強く感じたことがある。
歩きたい人の権利も大切だ。
転倒を防がなければならない職員の責任も重い。
どちらも間違っていない。
だから難しい。

私が働いていた福祉の現場でも、見守りと管理、看護や介護をめぐって、本人の希望と安全管理の間で迷う場面があった。

「自由にしてあげたい」
と言うだけでは済まない。

事故が起きれば、現場の職員は対応し、記録し、家族や関係機関へ説明する。

その積み重ねの先で、最終的な責任を引き受けるのは管理者だ。

一方で、安全を優先しすぎれば、その人の生活は「管理されるもの」になってしまう。

本人の自由を守ること。
安全を守ること。

支援する職員の負担を増やしすぎないこと。

そのすべてを大切にしようとすると、簡単な正解はなくなる。

この映画を観て、介護や医療をめぐる悩みは、日本だけのものではないのだと思った。

国が違っても、肌の色が違っても、支援する人と支援される人の間には、同じ問いがある。

白内障も「年相応」と言われた。

こちらは自由と安全以前に、老化の現実を突きつけられた。



以前、北斗市で映画『ピア〜まちをつなぐもの〜』を観た時にも、医療や介護について記事を書いた。

以前の記事が、
「本人の希望を支える医療」
について考えたものだとすれば、今回は、
「本人の自由を支えるために、現場は何を背負うのか」について考えた映画だった。



面白かった、と一言では表せない。
難しかったし、分からなかった部分も多い。

前半は少し寝た。
それでも、映画館を出たあとまで考え続けている。
きっと、その「考え続ける時間」まで含めて、この映画なのだと思う。



函館では現在、シネマアイリスさんで上映されています。

上映期間が短く、時間も変更されていることがありますので、興味のある方は事前にホームページで確認してみてください。



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#CoinBridge (コインブリッジ)
構造を言語化し、現場と制度をつなぐ

現在は療養中のため、無理のない範囲で地域活動やボランティアに関わりながら、日々感じたことを発信しています。

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