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水ダウの『オナラとゲップ同時に出すの至難説』が思ってた10000倍面白かった話

水曜日のダウンタウンの『オナラとゲップ同時に出すの至難説』が面白かった。
録っておいた番組をご飯を食べながら観ることが多いのだが、流石にオナラとゲップの説は飯時に観たくないな、と観ずに置いておいたのだが、ちゃんと観たら思ってた10000倍面白かった。

企画としてはチャレンジもので、何も知らされずに集められた芸人たちが、その場で内容を知らされて成功するまで帰れないやつ。
成功条件はオナラとゲップを同時に出すこと。
しかも二人連続で。
この辺りの難易度の塩梅が水ダウはいつも絶妙だ。

しかもオナラとゲップのタイミングは0.1秒以上のズレがあると同時とはみなされない。オナラとゲップはそれぞれ専用のマイクで録音し、音の波形の重なりがあるかどうかで判定は下される。何と厳格なルール。
オナラとゲップという、最高にしょうもないネタに対して真面目に取り組むほどおかしみが増してくる。
胃から入った空気はしばらく降りてくるとゲップではなくオナラとして出てくるという科学的な知識。ゲップよりオナラの方が貴重だからオナラが残っている時は無理せずにオナラを持ちこそうという虎の掟。
しょうもない大前提が真面目さを帯びるほどギャップでおかしくなってくる。

更に今回の企画の面白みのグレードを上げていたのはかもめんたるのう大さんだ。他の芸人の敬称は略すがう大さんはう大さんと書かざるを得ない。それほどう大さんは格好良かった。

今回集められたメンバーはザ・マミィの酒井・チャンス大城・あかつ・オダウエダの植田・レインボーのジャンボ・ハイキングウォーキングのQ太郎・そしてかもめんたるのう大さん。
この中でう大さんだけが異質である。
酒井・チャンス・あかつは水ダウのチャレンジ企画では常連だし、Q太郎はゲップ芸を持っている。植田はこの企画をやれそうな女性芸人枠。ジャンボは食いしん坊+番組にポップさを持たせる人材、といったところだろう。
う大さんは体を張るイメージもなく、オナラ・ゲップにまつわる芸を持っている訳でもない。そのため、ここにいる理由がパッと見では分からない。強いて言えば常軌を逸した変態性を秘めていることが理由になりそうだが、それも世間一般にイメージとして定着してるレベルではない。

しかし、集められたメンバーの中で、企画を聞かされた時に一番自然に意欲的な姿勢を見せていたのがう大さんで、もうその時からその感じが面白カッコ良かった。香り程度に漏れ出る変態性。
「自分のオナラを人に聴いてもらえるんでしょ?」

一番最初にチャレンジしようとしたのは酒井だった。
チャレンジと認められるのは赤い台に上がってマイクの前でオナラとゲップをしなければいけない。出そうです、と言いながらオナラが漏れないようにヨチヨチ歩きで台に近づいていく酒井。しかし何故か台の前で静止して、ゲップだけが出てしまう。チャレンジにもなってない。
それに対して「どういうことだよ」と静かに怒るう大さん。「一歩でも台に足をかけてるならわかるけど、何にもなってねえじゃん」ここでう大さんが怒ったことで、やるならちゃんとやらないとダメだと空気がピリッと締まるようになった。厳密にルールが定められてることによって厳格な構造になっていた今回の企画ではあるが、う大さんの存在によってこの場の空気も適度な緊張感が生まれることとなった。

その後、何人かの芸人がチャレンジして、この企画の難しさが露わになっていく。思った以上にオナラとゲップを出すのは難しい。同時に出したと思っても波形で出されるとハッキリ出来てないことが分かってしまう0.1秒の壁。
そんな中、1番最初に成功したのはう大さんだった。
パッと聴いただけでは1つの音しか聴こえない。波形で見るとゲップの音にオナラの音が完全にうずもれていることが分かる。正真正銘の同時出しだった。

チャレンジにも満たない駄ゲップを嗜める厳しさ。みんなが絶望を感じ始めた時に屁ゲップを決める頼もしさ。厳しさと頼もしさを兼ね備えたこの瞬間、う大さんはリーダーに躍り出た。

正直、今回う大さんがいなかったら、この企画はもっと泥試合というか、文字通り醜い、観てられないものになっていた可能性が高い。
1日中オナラをして回るロケが結局お蔵入りになり、その理由があまりに汚いからだった、とスタジオで又吉がコメントしていたが、やっぱりオナラもゲップも、汚いものは汚い。序盤のチャンスが繰り出していた汁っぽいオナラはだいぶ汚かった。
結構早い段階でう大さんが成功のオナラとゲップを出してくれたお陰で、チャンスのオナラは汚いオナラではなくて失敗のオナラと見ることが出来るようになった。軸を打ち立ててくれたお陰で全てのオナラとゲップを相対的に位置付けることが可能になったのだった。

またこの企画の成功条件である二人連続という点。この条件が肝となって、う大さんをリーダーだけでなく、エースとしても覚醒させていく。
いつも起点となっていたのはう大さんだった。まず、う大さんが成功して、その後に誰が続くか。その流れで中盤以降ゲームは動いた。二人目は一人目よりも余計にプレッシャーがかかる。余計な力みが屁を出てこなくさせる。しかし失敗したとしても、う大さんがいる。う大さんは確実に決めてくれる。う大さんの存在が、みんなを安心させていく。士気を上げてくれる。

う大さんがリーダー兼エースとして君臨してくれるお陰で、他のメンバーのポジションも固まっていく。
酒井は少しドジだけど果敢にチャレンジしていく若頭。
チャンスは不器用ながら体を張ってくれるベテラン。
植田は紅一点としてう大さんを鼓舞するヒロイン。
Q太郎はゲップマスターとして技術を教える伝道師。
ジャンボは声と表情でみんなを盛り上げるセコンド。
あかつはう大さんに触発されて成長する次点エース。

もしう大さんがいなかったら、酒井・チャンス・植田・あかつ辺りがひたすらにチャレンジするばかりの、酷く醜い絵面になっていたことが想像できる。こんなに綺麗にハマったのはう大さんが居たからである。

余談であるが、
最近、私は劇団チリというところで即興公演に出ている。
そのチリの主催であるアンさんは即興の出演者の組み合わせをサッカーのポジションに見立てて考えている。
アンさんによる、今度私が出る回のチームのポジションのイメージは以下の通りだ。

『題名のない即興会』22日18時の回メンバー

1トップには青木さん、守りに入らずガンガン裏抜けして、ゴール決めてほしい。守備は鉄壁の関口GKに、山川・津賀のセンターバックコンビ。
ボランチは金川で、守りながら攻撃の起点になってくれるはず。シャドーは初参加の忍翔さんと古市。発想力豊かなアイデアでチームを活性化してくれそう。ガンツさんは右サイドでじっくり張ってもらって、決めるときだけがんばって!逆の左サイドの中村くんは攻撃も守備もフル参加して初参加の大村さんはまだ未知数ですが、手堅くいい仕事してくれるはず。松下くんは相手も予想できないキラーパスで、敵も味方も混乱させてくれることを期待しております。 これはとても楽しみなチームができました。

ブラジリィー・アン・山田のXより

私は何となく、各人が自由に動き回ってやりたいようにやればええやん、みたいなノリで済まそうとするところが時折あるのだが、ポジションがハマって各人が自分がやるべきことをすることによって生まれる美しい結末というものもあることを、今回の水ダウで痛感したのだった。
もちろん、ポジションに囚われすぎてもいけないから、臨機応変に動けるようにはしないといけないが、自分はこう動けば良いんだ、と周りがはっきり思えるようなものを提示できる存在になりたいとつくづく思う。

そう、今回の企画が最終的に成功した時の形。
それまでずっとう大さんが先に成功してから誰かが2人目になろうとしていたけど、それじゃなくて、誰かが先に成功してからう大さんに決めてもらおうと最終的に決まるところ。それを提案するあかつ。受け入れるう大さん。
う大さんに渡す者、次点エースとして1人目の成功を決めるあかつ。
そしてそれを受けて、綺麗に決めるう大さん。

あまりにも、美しかった。美しいオナラとゲップだった。
そして成功して皆で肩を抱き合い跳ねる姿は最高だった。

今度の劇団チリでも、このように美しい結末を生み出したいと強く思う。


う大さんは3回か4回か今回の企画でオナラとゲップの同時出しに成功していたが、成功した直後の表情がやたらと精悍でセクシーだった。
スタンスが格好良いのはこれまで説明してきた通りだが、表情も格好良かった。これは、ゲップをすることで涙で目が少し潤んでいたからと思われる。

これからは格好良く写りたい時はこっそりゲップをするのが良いのかも知れない。


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