見出し画像

FIFAW杯2026 グループJ アルゼンチン代表 対 アルジェリア代表の戦術・試合展開を分析!『JAPAN ANALYZING FESTIVAL '26』


アルゼンチン代表 3-0 アルジェリア代表

得点者:リオネル・メッシ 17', 60', 76'

アルゼンチン代表🇦🇷 攻4-3-2-1→守4-4-2
アルジェリア代表
🇩🇿 攻4-2-3-1→守4-4-2




Ⅰ. カンザス・シティでの敗北

2026年6月16日、ミズーリ州に位置するカンザス・シティ・スタジアムで、グループJの第1試合アルゼンチン代表アルジェリア代表の試合が行われた。結果は先述の通り、3-0。ヴラディミル・ペトコヴィッチ監督率いるアルジェリア代表は、「GOATリオネル・メッシのハットトリックの下に散った。結果だけをみれば、誰もがアルゼンチン代表が試合を圧倒したと思うだろう。

しかし、アルジェリア代表は内容面で大きく劣ったわけではない。最終的なポゼッションは相手を4%上回る52%。枠内シュート0は課題だが、それでも7本のシュートを放った。反対に、アルゼンチン代表が放ったシュートは10本(枠内シュートは6本)、そのうちメッシは6本のシュートを放った(枠内シュートは4本)。では、アルジェリア代表はどのように戦ったのか、考察していく。


Ⅱ. 焦点となったアルジェリア代表の守備

まず、この試合で焦点となったのは、アルジェリア代表がメッシに対してどのような対策を施すかであった。メッシはバイタルエリア内で脅威となる反面、攻撃のスイッチ役であり、彼からボールを奪えばチャンスにつながる。結果としてアルジェリア代表が講じた策は、マンマークを付けるのではなく、ミドルブロックを形成し、バイタルを圧縮して奪う作戦だった。

ここで、アルゼンチン代表のビルドアップに触れたい。彼らは4-3-2-1を土台としつつ、インサイドハーフの1人がアンカーのアレクシス・マック・アリスターの脇に降り、もう1人が出口になる「振り子」のスタイルでプレーした。中盤の重厚な選手層を存分に活かせる戦い方だ。アルゼンチン代表の「4-3」のビルドアップに対し、アルジェリア代表は3列目以前の6人で守備を行った。

アルゼンチン代表の攻撃時、SBは高い位置を取りつつ、インサイドハーフが役割分担。
チアゴ・アルマダはより中央に位置し、メッシは降りる動きを混ぜてフリーに。
アルジェリア代表は「4+2」でプレスを掛ける。

Ⅲ. 中盤での攻防と興味深いマッチアップ

結果として試合中、幾つか興味深いマッチアップが生まれた。エンソ・フェルナンデスヒシャム・ブダウィマック・アリスターイブラヒム・マザなどである。質で上回る相手に対し、アルジェリア代表は運動量とテクニックを備えたMFを配することで抵抗しようとした。実際、17分に1失点目を喫するまでは、メッシへの守備と中盤での攻防は、多少の混乱はありながら機能した。

この試合において、メッシに次ぐ準MVPは誰かと問われれば、個人的にはマック・アリスターの名前を挙げたい。16:40、ロドリゴ・デ・パウルの縦パスから反転したメッシが決めた先制点の起点は、マック・アリスターのボールキープだった。その後も、彼が配給役に徹することでエンソとデ・パウルの良さを引き出した。ただ守備面には課題があり、とくに後半は存在感が消えた。

試合中、幾つかの地点でマッチアップが!
ブダウィ vs エンソは、エンソに軍配。
マック・アリスター vs マザは、両者拮抗。

Ⅳ. 主導権を握ったアルジェリア代表と「10番」

後半、アルゼンチン代表は立て続けに交代を行い、46分にはナウエル・モリーナ、55分にはフリアン・アルバレスニコ・ゴンサレスを投入するも、攻勢に出たのはアルジェリア代表だった。ラミ・ベンセバイニアイサ・マンディを中心に、後方からパスを繋ぐサッカーを展開。相手の5人のビルドアップに対して5人でプレスを仕掛けるなど、積極的なプレーで主導権を握りにかかった。

なかでもアルジェリア代表のキーマンとなったのは「10番」のファレス・シェイビで、前半の終わりから攻撃の中心となった。ただ、この試合におけるシェイビのプレーは些か精彩を欠いた。動き出しからフィニッシュへと繋げる動きは見事だったものの、肝心のシュートのクオリティーは低く、対戦したメッシが輝きを放ったのもあって、試合の明暗を分ける存在となってしまった。


Ⅴ. ヴラディミル・ペトコヴィッチの課題

アルゼンチン代表と主導権を奪い合い、拮抗した戦いをみせながらも、メッシの「個人技」3発に沈んだアルジェリア代表。とくにマザは、後方へと降りてプレーメイクに関わりつつ、機をみて前進し、シュートも放つなど輝いた。ただ、今のアルジェリア代表には課題がある。それはペトロヴィッチ監督の戦術だ。彼の戦術は、今のアルジェリア代表選手を活かすには保守的すぎる。

例えばこの試合、交代カードの切り方の違いに明確な違いがあった。すでに勝利している状態のリオネル・スカローニ監督が交代カードを切り、試合を好転させようとした。アルジェリア代表も64分にモハメド・アムーラリヤド・マフレズ、82分にラミズ・ゼルキが出場して試合は好転するも、時間が足りなかった。もう少し早く交代をすべきだったのではないかと考えてしまう。

何より、守備の戦術はたしかにチームに落とし込めているものの、肝心の攻撃は選手頼みで、連携からの崩しのようなプレーは感じない。セットプレーにしても、アイデア不足に陥っている感が否めない。まだ、絶対に勝たなければいけないヨルダン代表戦、決勝トーナメント進出を賭けたオーストリア代表との大一番が控えている。大会を通じてさらに改善することを願い、応援したい。


『JAPAN ANALYZING FESTIVAL '26』とは?


サッカーアルジェリア代表ってどんなチーム?


読了していただき、ありがとうございます!
そのほか
サッカーアルジェリア代表に関するおすすめ記事はこちら


いいなと思ったら応援しよう!