2026年ワールドカップで活躍が期待されるドイツ代表のストライカー5選を紹介! FOKUS Bundesliga!!! #82
前書き

サッカードイツ代表は、直近2度のワールドカップでグループリーグ敗退という辛酸を嘗めた。しかし陣容だけみれば、ドイツ代表はグループリーグ突破に必要十分なタレントを擁したといえる。監督であったヨアヒム・レーヴとハンジ・フリックも、能力はもちろん、経験や実績のある最高峰の指導者だった。
では何が課題だったのか。個人的には、世界的なストライカーの不在が最大の問題だったのではないかと考える。顕著だったのは2018年大会で、グループステージ3試合でチームが決めたのは2得点。ストライカーのティモ・ヴェルナーとマリオ・ゴメスは、優秀な選手ではあったものの得点できなかった。
2022年大会ではグループステージ3試合で6得点したうえ、カイ・ハヴァーツとニクラス・フュルクルクそれぞれが2ゴールずつを挙げた。しかしハヴァーツはトップ下が本職なうえ、フュルクルクはブンデスリーガ1部での実績が圧倒的に不足していた。ワールドクラスのストライカーが不在だったのだ。
そんななか、来年にワールドカップ本大会を控えた2025年現在、ドイツで次世代のストライカーが育ちつつある。すでにユリアン・ナーゲルスマン監督率いるドイツ代表に招集されるなど、高い期待を寄せられる選手たち。本テキストでは、彼ら5人のプレースタイルを紹介していく。
Ⅰ. ティム・クラインディーンスト

Tim Kleindienst
所属クラブ:ボルシア・メンヘングラードバッハ
生年月日:1995年 8月31日(29歳)
出生地:ルッケンヴァルデ, ブランデンブルク州
身長:194cm 利き足:両足
2024/25シーズン成績:31試合 16ゴール7アシスト
現在のドイツ代表で最も期待を集めるストライカーを1人挙げるなら、それは間違いなくティム・クラインディーンストだ。「シュタイル・クラッチュ」を活かしたポストプレーや豊富な運動量を活かしたプレス、両足での正確なシュート能力を武器とする彼は最早、ナーゲルスマン監督率いる代表チームに不可欠な存在といっても過言ではない。
ネーションズリーグの準々決勝イタリア代表との2連戦では、2ゴールを挙げたうえ、最前線の中央で屈強な相手センターバックに競り勝つなど存在感を発揮。2022/23シーズンまでブンデスリーガ2部でプレーした選手と思えない活躍ぶりをみせている。万全な体調で望むことができるなら、クラインディーンストは2026年のワールドカップで先発を掴むことになるだろう。
Ⅱ. ニック・ヴォルテマーデ

Nick Woltemade
所属クラブ:VfBシュトゥットガルト
生年月日:2002年 2月14日(23歳)
出身:ブレーメン
身長:198cm 利き足:右足
2024/25シーズン成績:28試合 12ゴール2アシスト
2024/25シーズンのブンデスリーガ後半戦から、飛ぶ鳥を落とす勢いで評価を高める選手がいる。ニック・ヴォルテマーデだ。2024年にセバスティアン・ヘーネス監督率いるVfBシュトゥットガルトに加入したヴォルテマーデは、クラブで攻撃の要となり、とくにDFBポカールで5試合5得点を挙げて優勝に貢献するなど圧巻の活躍をみせた。
ヴォルテマーデの武器は、198cmの高身長と足元の技術を活かした多彩なフィニッシュワーク。長い手足を活かして懐にボールを収め、そこから反転して得点を狙うプレーは圧巻だ。また空中戦はもちろん、裏に抜け出すスピードもあるため、相手DFにとっては厄介な存在だろう。U21サッカードイツ代表でも敵を圧倒するヴォルテマーデ。2026年大会で重要な存在となるのは間違いない。
Ⅲ. ヨナタン・ブルカルト

Jonathan Michael Burkardt
生年月日:2000年 7月11日(25歳)
所属クラブ:アイントラハト・フランクフルト
出身:ダルムシュタット, ヘッセン州
身長:181cm 利き足:右足
2024/25シーズン成績:29試合 18ゴール2アシスト
2024/25シーズンのブンデスリーガで、ドイツ人最多の18ゴールを挙げたのはヨナタン・ブルカルトだった。その事実からも、彼がどれほどのポテンシャルの持ち主かを知るのは容易だろう。前線で動き回りながら、ロングボールの落下点に素早く侵入してポストプレーをみせると、素早く反転して最前線でフィニッシャーとなる。カウンター時には、得意のドリブルから得点を挙げてみせた。
今季、絶好調だったFSVマインツ05の中心的存在であるブルカルトは、ポゼッション時でも、カウンター時でも相手の脅威となることができる。負傷しがちな点は玉に瑕だが、そこさえクリアできれば2026年のワールドカップで重要な役割を担うことのできるエース級の選手だ。ドイツ代表に新たな可能性をもたらす選手として期待したい。
Ⅳ. マクシミリアン・バイアー

Maximilian Beier
生年月日:2002年 10月17日(22歳)
所属クラブ:ボルシア・ドルトムント
出身地:ブランデンブルク
身長:183cm 利き足:右足
2024/25シーズン成績:29試合 8ゴール5アシスト
先述の3選手と比較して、ドイツ代表に、よりカウンターにおける鋭さをもたらすことができる選手がマクシミリアン・バイアーだ。長いストライドを活かしたスプリント能力を武器とする彼は、TSG1899ホッフェンハイム時代に単独での仕掛けから得点を量産した。カットインのような形からゴールを狙うこともできるため、サイドのポジションで起用することもできる。
またFCバイエルン・ミュンヘンとの「デア・クラシカー」での先制点に代表されるように、ヘディングでの得点もバイアーの魅力だ。2024/25シーズンのリーグ戦では、コーナーキックなどのセットプレーからも得点している。幅広いプレースタイルをもつバイアーは、他のストライカーとの併用も可能。リーグ戦の活躍次第では、代表に選出される可能性も高いだろう。活躍に期待したい。
Ⅴ. ネルソン・ヴァイパー

Nelson Felix Patrick Weiper
生年月日:2005年 3月17日(20歳)
所属クラブ:FSVマインツ05
出身地:マインツ
身長:191cm 利き足:右足
2024/25シーズン成績:23試合 3ゴール2アシスト
ネルソン・ヴァイパーがU21ユーロで魅せた活躍ぶりは、ドイツの次世代最高のタレントを持つストライカーの覚醒を予感させるものだった。1つ歳上の選手たちとともに大会へと参加し、ヴォルテマーデと二コロ・トレソルディの控えという立場であったにもかからず、ヴァイパーは6試合で4ゴールを挙げる活躍をみせたのだ。ボックス内で鋭いフィニッシャーとなることのできる才能は天性の物だろう。
長身を活かしたヘディングでの得点はもちろん、特異な動き出しからゴール前へと入り込む動きなど、ヴァイパーがゴール前にいることでチームは大きなアドバンテージを握ることができる。ヴォルテマーデとの2トップというオプションをみせたのも大きなプラスだろう。2026年、ナーゲルスマン監督率いるドイツ代表26名のリストにヴァイパーが名前を連ねても何の驚きもない。ドイツの「大器」は、その才能の片鱗を除かせつつある。
後書き

上記5人以外にも、ドイツ代表には、期待感を持たせるストライカーたちが揃っている。すでに実績を残しているニクラス・フュルクルク、新世代の長身FWマクシミリアン・メールシュテット、ジョーカーとなれる韋駄天ベネディクト・ホラーバッハなどは2025/26シーズンの活躍次第ではワールドカップのメンバーに名を連ねても何らおかしくない。それほどの実力者たちだ。
2列目のタレントに関しては、言及するまでもないかもしれない。カイ・ハヴァーツ、フロリアン・ヴィルツ、ジャマル・ムシアラに加えて、トム・ビショフやパウル・ネーベルなども台頭しつつある。ナーゲルスマン監督が期するのは、もちろん2026年ワールドカップでの優勝だ。これだけのタレントを、現ドイツ人最高のサッカー監督が率いるのだから当然ともいえる。
ドイツ代表を強くするのは、「勝利に基づく絶対的な自信」ではない。むしろドイツ代表を強くするのは、敗北後の「タイトルへの渇望」だ。1970年大会での敗北が、1974年決勝での最強チームをつくりあげた。1986年決勝での敗北が、1990年決勝でのチームをつくりあげた。2010年大会での敗北が、2014年大会決勝でのチームを作りあげたのだ。過去2大会での予選敗退からドイツ代表は復活し、より強靭なチームとなった。ナーゲルスマンのドイツ代表が2026年大会でどのような躍進を遂げるのか、楽しみでならない。
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