また仕事を頼みたい人は、こうして生まれるのか……と知った日。上阪徹×佐藤友美「また頼まれる人になる」ための働き術トークイベントに、愛知から飛び込んだ日【イベントレポート】
7月18日(土)。芳林堂書店高田馬場店の8階イベントスペースで開催された、上阪徹さんと佐藤友美(さとゆみ)さんのトークショー&サイン本お渡し会に参加してきました。
また仕事を頼みたい人とは「話の続きを聞きたい人」なのだろうか?
上阪さんは、年収2000万円以上を20年間以上継続しているという誰もが認めるトップオブライターです。
佐藤友美さんは、『書く仕事がしたい』『本を出したい』の著者であり、これまで50冊以上の書籍に携わってきたことのある、まさにトップオブカリスマ。つまり、業界のツートップを一度にお目にかかれるわけです。
場所は東京。私の住所は愛知県。
そう、私は上阪さんと佐藤さんに会うためだけに、新幹線に乗って東京へ向かいました。
書くことへの情熱なのか、それとも狂気なのか。わかりません。気づけば前日に5歳の娘・夫と義実家の家に宿泊し、朝には義母に「娘をよろしく」と預けて、東京へ向かう私がいました。こういう母なので、娘は大変だと思います。
けれど、その娘は私の性格にすっかり慣れているのでしょう。東京へ向かう前に「いってくるね」と声をかけると、彼女は背中を向けたまま、片手だけをひょいと挙げました。小さな背中が「いってこい」と言ってくれているように感じました。
今回参加した理由は、「業界のトップはどんな思考で仕事をしているのか」を知りたかったからです。私の周囲には、編集者さんからライターさんまで、いろんなフリーランスの方がいます。その方達から
「二人は本当に素敵な方」
という評判を何度も聞いていて、一度お目にかかりたいと思っていました。以前、ライター研究所主催・上阪さんのトークイベントにも参加しました。その時に「なんて思い切りのいい人なんだろう」と感じ、もっと話の続きを聞きたくなりました。
ここまで書いて気づいたのですが、「また頼まれる人になる」というよりも、
「もっと話の続きを聞きたくなる人」
「周りから『素敵だ』と言われる人」
こそが、『会いたいと思われる人』なのだと感じました。
私はライターとして長く活動していますが、結局のところ、気持ちよくやりとりできる人とは自然と関係が続いていきます。
コミュニケーションの「定義」は人それぞれですが、私は人に気を遣うのが得意なタイプではありません。長くこの仕事をしていると、その部分が「致命的だな」と感じたことも、一度二度ではありませんでした。
お客様への質問が多いときは、何度もメッセージを送るより、箇条書きにしてまとめて聞くこともあります。これは正解なのか、わかりません。時には、文末が「引き続きよろしくお願いします。」だけの、淡泊なメッセージで終わってしまうこともしばしば……。
本当はもっと気の利いた一言が添えられるのではないか。
「何かあれば、いつでも連絡ください」とか、ちょっとした企画ネタを文末にさらりと添えるとか。そういう「ひと手間」を、私はあまりしてこなかったライター人生でした。それでいいのだろうかと自分を責めたことは、星の数ほどあります。たぶん、昔から得意ではないのです。
それでも、一度お仕事が始まると、長く続く方ではあるので、これでいいのかもしれない。でも、どうなんだろう。ひとりで長くやっていると、正解がわからなくなる瞬間があります。
はたして、トップオブトップのライターは、どんなふうにお客様とやりとりをしているのだろう。そんなことを考えていたタイミングで、ライター研究所主催・上阪さんのトークイベントに参加しました。
上阪さんは、原稿そのものに過度なこだわりを持たない一方で、「これはする」「これはしない」「余計なことは考えない」という明確な軸を持っている方でした。
シンプルイズベストの姿勢の奥に、強い思いと覚悟が宿っているという「お仕事への姿勢」に触れた瞬間、もっと話の続きを知りたいと思いました。
「仕事を頼みたい人」よりも、「また会いたい人」「話の続きを聞きたくなる人」は、どんな考え方で日々を過ごしているのか。
それを知りたい一心で、私は愛知から東京へ向かいました。さらに、日頃からお世話になっている編集者さんから「みくさんのロールモデルは、さとゆみさんかもしれない」と言っていただいたことも背中を押しました。(※恐縮です!!)
もう、その話をきいて……会わずにはいられませんでした。
我ながら、ちょっと狂っていると思います。でも、その「狂い」が私を動かしたのも事実です。では、前置きが長くなりましたが、ここからイベントレポートを書いていきます。
イベント前に、作家よりみちさんと合流
イベント前には、作家仲間のよりみちさんと合流しました。

よりみちさんとは、同じ時期に書籍を発売した「同期」です。
当日は、いつもお世話になっており、心から同志と勝手に思っているみくまゆたんさんと合流した。
どうやら彼の話によれば、私はときどき「よりみちさん、最近noteの書き方わかってきたよね。いい感じだと思うよ」と、なかなか生意気なことをサラッと言っているらしいです。
自分ではまったく自覚がないので、そのたびに青ざめて「そんな生意気なことを言っていたんですね……すいません!!」と謝っています。
でも、よりみちさんは、そのたびに「ふふっ」と笑っています。きっと、「みくさんだから、仕方ない」と受け止めてくれているのでしょう。
そして当日は、カフェ代をごちそうになり、お土産までいただきました。よりみちさん、本当にありがとうございました。
トップオブライターの「自分の文章に興味がない。原稿がよくなれば、なんでも良い」の潔さを感じて
さあ、いよいよトークイベントへ。

2時間のトークの中には、金言とも呼べる言葉がいくつも散りばめられていました。なかでも印象的だったのが、上阪さんの
「自分の文章に興味がない。読者のためによくなるなら、いくらでも直す。原稿がよくなるなら、それでいい」
という潔い一言でした。
さとゆみさんも「赤字はラブレター。原稿がもっと良くなると思うと、嬉しくて仕方なくなるんです」と、ニコニコとした様子で話をされていました。二人の笑顔を見ていると、上阪さんとさとゆみさんの共通点がはっきりと浮かび上がります。
自分の文章へのこだわりよりも、原稿が少しでもよくなること。読者さんに、ほんの少しでも喜んでもらえるものを届けること。その姿勢を何より大切にしているのだと強く感じました。
ライター・作家の狭間で感じた「こだわり」を消すか、消さないかのはなし(※求められるスタンスは真逆)
ライターとして長く仕事をしていると、編集者さんの意見に合わせ、ブラッシュアップしたり、次の原稿に生かしていくというスタンスが「日常」になります。
一方で、noteで長く文章を書いていると、自分のこだわりが強く前に出てきます。
私は今年、一冊本を出しましたが、作家としての仕事では、むしろその「こだわり」が必要になる場面もありました。むしろ「こだわり」がないと書けない、そんな感覚さえありました。
同業者さんの中には、自著にはあまり興味がなく「ブックライティングならやりたい」という方も多いです。私自身は両方を(どっちも一冊だけですが)経験しているので、その気持ちはとてもよくわかります。逆に、全部経験するのも「面白いよ」と伝えられるけれど、書き分けの大変さも身にしみて感じています。(※私は経験してよかったと思っています)
今年は本を出しました!
エンタメコラムのような領域では「こだわり」が役に立つこともありますが、ビジネスの仕事では、逆にその「言葉の強さ」が邪魔になることもありました。
エンタメコラムも執筆しています。
作家業のあとにライターの仕事をするときは、いったん自分の中に生まれてしまった「こだわり」を押さえるよう努めていました。
そこで初めて気づいたのです。ライターと作家は、どちらも「書く」という行為は同じなのに、求められるスタンスはまるで真逆なのだと。
書く場所が変われば、求められるものも変わります。ただ、どちらの「書く」も仕事になると、必ず編集者さんのお直しが入ります。作家の仕事ではこだわりが必要な場面もありますが、実際に両方を経験してみると、どちらの道も最後には「原稿がよくなるのであれば、なんでも良い」という境地にたどり着くような気がしました。
上阪さんやさとゆみさんの話を聞いていると、自分にもどこか似ている部分がある(原稿がよくなるなら、ぶっちゃけなんでもいいと思っている)と感じました。
人は、自分に少し似ている人に興味を持つと言われます。もしかしたら私が「もっと話の続きを聞きたい」と思ったのは、相手の魅力もさることながら、「自分と考え方が少し似ていて、その先で活動している人だから」なのかもしれません。
つまり、自分の働き方が間違っていないかどうか──その「答え合わせ」をしたかったから、私は新幹線に乗って彼らに会いにいってしまったのではないかと感じました。
リアルで感じた「名刺」「アイコン」の重要性
イベントでは、さとゆみさん、上阪さん、さとゆみさんの編集のりりこさんとも挨拶しました。
名刺を渡したところ、なんとさとゆみさん、りりこさんより「あっ、このアイコン見たことあります」と話しかけていただきました。アイコンの威力と、名刺を作っておくこと。そして発信力を上げることの大切さをひしひしと感じました。
名刺の裏には、自著の書影を入れていました。(※名刺のデザインは作家仲間のよりみちさん)
りりこさん、さとゆみさんからも「あっ、本を出されているんですね」と声をかけていただけたので、このときにあらためて「本出してよかった」「名刺の裏に、書影を入れておいてよかった(話の種になるのかも?)」と思いました。
さとゆみさんと岡本さんと岡本さん
さとゆみさんと対面した際には、緊張のあまり頭が真っ白になりました。どうしましょう。冷や汗が背中びっしょり。
さとゆみさんからは、普段どんなことを書かれているのですかとか、名刺の裏にのせていた本のことにも触れていただき、胸熱。
本当なら、ここでもっと自分を売り込むべきなのでしょう。ところが私は何を血迷ったのか、
「うちの担当編集の岡本さんを、よろしくお願いします!」
と言ってしまいました。すいません。また勝手に紹介してしまいました。一体、これで何度目でしょうか。
そもそも私は、自分を売り込むのが得意ではありません。なぜか、いつも周りの人を紹介してしまいます。いろいろと損な性格なのかもしれません。
そんな私ですが、人を紹介するときに、ひとつだけ決めていることがあります。それは「仲がいいから」という理由ではなく、紹介した相手が求めている人、または「紹介して喜んでもらえそうな人」を紹介することです。
自分よりも他の誰かを紹介したほうが、相手が喜んでくれるなら、そのほうがいいんです。目先の利益より、お世話になっている人や誰かの利益。むしろ、そのほうが経済は回るし、巡り巡って誰かに喜んでもらえることもあるのかも。ずっとそう考えて活動してきました。
ヒアリングと紹介と私
昨年のマーブルイベントでは、東洋経済の岡本さんにご挨拶したものの、自分の企画を持ち込むこともせず、「どんな企画を求めていますか」と質問だけしてしまいました。
東洋経済の記事は普段から目を通しているのですが、今までにない目新しいネタを求めているのか……そのあたりは「中の人」しかわからないので、思い切ってヒアリングしてみることにしました。
回答を聞いた瞬間、「これは私が書くより、誰かをつなげたほうがいい」と思いました。(たぶん、私のレベルでは難しそうだ……という気持ちもありました)
しばし狼狽えていると、隣にいたせたともきさんに「相棒(※後で確認したところ、インプレスの岡本さんのことらしい)どうしたの?」と聞かれて頭が真っ白になりました。
そこで、なにを血迷ったのか「うちの岡本をよろしくお願いします!」と、訳のわからないことを口走ってしまいました。もはや、困ったときの岡本さん状態です。
その一年後(それが理由ではないですが)、東洋経済オンラインで『書く人生のはじめかた』を紹介していただけたので、縁というのは巡り巡ってくるものなのだと、しみじみ思いました。
さとゆみさんとおそろいのブレスレットを自慢させてほしい
唐突ですが、ここで小さな自慢をさせてください。イベント会場のさとゆみさんの腕に、白いお花のブレスレットを発見。運命ともいうべきでしょうか。なんと私も、当日同じブレスレット(色違い)を身につけていたのです。
私はそのブレスレットを、数年前にリサイクルショップで10万円で購入。チェーンの部分を本店で組み替えなどしているので、修理を含めて15万円くらいかかっていますが、今では本体そのものが値上げして値段が倍以上になっています。
ジュエリーを迎えるときはいつも「○年後、このジュエリーが似合う歳の重ね方をしたい」と願って、少し背伸びしたものを選んでいます。意外と「私もおそろいを持っています」と声をかけられることも多いです。そんなご縁から、田畑さなえさんや占い師のトルタさんにも声をかけていただく機会がありました。
まさか、その日さとゆみさんが同じブレスレット(色違い)をつけているとは思わず、テンションが一気に上がってしまい──
「さとゆみさん!!実は私、さとゆみさんと今日同じブレスレットを身につけてきました!ブレスレット、おそろいなんです!!」
と、思わず変な絡み方をしてしまいました。私は、少しでも「爪痕」を残そうとしてしまうところがあるのですが、きっとその残し方がいつも少しだけ、人と微妙にズレています。あのときは、本当に申し訳ありませんでした。
記念撮影やサインもいただき、ありがとうございました。


すべて家宝にします。おそろいのブレスレットは、しばらくライター仲間に「さとゆみさんとおそろいなんだよ」と自慢する予定です。
おそらく、1年後には「同じブレスレットを身につけているライター」が爆増している可能性があります。
打ち上げとナンパと私
会場では、ライターのあさゆきさん、卯岡さん、よりみちさん、浜野タコさんをナンパ……いや、「一緒にご飯行きませんか」とお誘いして、最寄りの餃子店へ向かいました。


夫から「夕ご飯食べてきていいぞ」とLINEが届いたので、調子に乗って……いや。お言葉に甘えてゆっくりしようと思い、イベント会場で、思い切ってみなさんに声をかけてみました。
二次会は、まったりとした餃子会に。初対面同士の方がいるとは思えないほど話が盛り上がり、わいわいと楽しい時間になりました。こうして気軽に仲間ができるSNSって、本当に最高です。
(みなさんレポート早いです)
これからもツイッター廃人、そして noter として楽しんでいきますので、最後は月並みですが「引き続きよろしくお願いします」と締めさせていただきます。
【完】
創作大賞に応募しています。もしよろしければ、読んでいただけると嬉しいです。

