ベトナム・ゲアン省観光ガイド🇻🇳|おすすめスポット・モデルコース・行き方【2026年】
ゲアン省は、ベトナム北中部にある穴場の観光地です。この記事では、ヴィン、プーマット国立公園、クアロービーチ、タンチュオン茶畑、少数民族文化、モデルコース、行き方をまとめます。
ゲアン省とは? | ベトナム中部の“ベトナムの縮図”
💁♂️💁♀️「ベトナム旅行って、ハノイに着いたらハロン湾、サパ、ハザン、そしてニンビンあたりが黄金ルートでしょ?」
みなさん、その地図、ちょっとだけ下に伸ばしてみていただけませんか。

ゲアン省は、正直、観光地として“名前が先に出てこない”タイプの場所です。
ただご存じですか、実はゲアン省は 「ベトナムの縮図」と呼ばれています。2025年7月1日の省再編でベトナム3位の広さの省になりましたが、もとは圧倒的にでかい省でした。海あり、山あり、国立公園あり、タイ族・モン族などの少数民族あり、伝統文化あり、美味しいグルメあり、ベトナムを動かしてきた歴史上の英雄を数多く輩出し史跡も多数。つまり、ベトナムの“詰め合わせ”のようなところ、それがゲアン省です。
ただいかんせん、ハノイから少し距離があるんですよね…。それもあってか、訪問者が少なく、情報も少ない。地球の歩き方にも、観光雑誌にも、観光ウェブサイトにも載っておらず多くの人に魅力が届いていないのが現実。
なので、今回は実際にゲアンに住み、そして現地を旅して回ったゲアンLoverな私がゲアン省でできること3選をご紹介したいと思います。
定番が飽きた人、短期でも満足したい人、写真好きな人におすすめです。


ゲアン省観光の魅力①|山・海・国立公園など大自然を楽しめる
ゲアン省はベトナム最大級の生物多様性誇るプーマット国立公園、遠浅で穏やかな海であるクアロービーチ、湖に浮かぶ茶畑の島であるタインチュオン茶畑、ゲアンのサパと呼ばれ雲を見下ろす高原の村ムオンロンなど、自然をベースにした観光スポットが盛りだくさんです。移動は省都ヴィンを拠点にすれば日帰りも組めます。
プーマット国立公園|ゲアン省を代表する大自然スポット

プーマット国立公園(Vườn Quốc gia Pù Mát)は特に夏(4月〜9月)の時期に賑わいます。高さ150mから流れ落ちるケケム滝(Thác khe kèm)が見どころです。ケケム滝の滝壺にはドクターフィッシュが住んでおり、滝に素足で入るとワーっと寄ってきて足の角質をむしゃむしゃ食べてくれます。
プーマット国立公園の完全ガイドはこちら↓
プーマット国立公園トレッキングの体験談はこちら↓
クアロービーチ|海鮮と白い砂浜が楽しめるビーチリゾート

クアロービーチ(Bãi biển Cửa Lò)はゲアン省でも早くから観光開発が進んでいるビーチリゾートで宿も選びやすいです。遠浅でどこまでも続く白い砂浜が特徴。夏の時期は多くの地元観光客で賑わいます。海産物をはじめとしたグルメもオススメ!
個人的なオススメの海産物は、焼きサバ、イカ、カニ!
クアローのイカは活の良さからmục nháy(跳ねイカ)と呼ばれてます。
タインチュオン茶畑|湖に浮かぶ茶畑の島を巡る風景スポット

タインチュオン茶畑(Đảo trè thanh chương)も風光明媚なのでおすすめです。ここはかつて農業用ダム建設で沈んだ地域なのですが、小高い丘だけ湖から頭を出し、そこにお茶が植えられたことで、まるでお茶の島がポツポツと浮かんでいるような不思議な景観となった観光スポットです。ボートツアーで島巡りができます。島にある茶屋ではお茶が飲めますよ。
ムオンロン|“ゲアンのサパ”と呼ばれる霧に包まれた高原の村

変わり種は、ムオンロン(Mường Lống)!もはやラオスとも言える国境沿いにある、標高1500mにある高原の村です。ここに行くには、ゲアン省都のヴィン(Vinh)から山を越え谷を越え5時間!村は雲を見下ろせ、年中霧がかかっているので幻想的です。私が訪問した時も霧がかかってました。この村にはモン族が住んでおり、彼らがホームステイやリゾートを運営しています。現代的生活を取り込みながらも、昔ながらの風習を維持して彼らは生活しています。頻繁に闘牛大会もひらかれるらしいです。

ムオンロン観光ガイド↓
ゲアン省観光の魅力②|建国と革命の歴史を体感できる
歴史好きな皆さんお待たせしました、ベトナムの革命と言ったらゲアン省ですよね。
ゲアン省は夏はラオス風と言われる熱風が吹き、冬は寒いのでベトナムで最も過酷な気候の地域と言われています。そんな土地柄か、貧困ながらも忍耐強く上昇志向の強い人が多いと言われています。王朝時代には科挙の合格者を大量輩出(科挙って超絶難しいんですよ)、フランス植民地時代には抗仏運動に身を投じる民族主義者を多数輩出しています。
キムリエン村|ホーチミンの生家が残るゲアン省屈指の歴史スポット

やはりゲアン省が輩出した歴史上最も偉大な人物は、ベトナム建国の父、ホーチミン(Hồ Chí Minh)ではないでしょうか。
ホーチミンは1890年ゲアン省のキムリエン村(Kim Liên)で生まれました。貧しい幼少期を過ごし、素朴な藁葺き屋根の家に住んでました。この幼少期過ごした家は500.000VND紙幣の裏に印刷されています。

父グエン・シン・サックは貧しい儒学者だったので、その影響で幼い頃からホーチミンも家で論語など中国古典を学んだようです。
ゲアン省はフランス植民地政府の搾取や汚職がもっとも酷かった地域の一つでもあり、ホーチミンは幼少期から植民地支配への怒りと祖国独立への志を胸に刻むことになります。
キムリエン村にいくと、ホーチミンが生まれ育った村が丸ごと保存されています。資料館(Khu Di tích Kim Liên - Quê Nội Bác Hồ)もあるので歴史を学ぶのにぴったりです。
↓ホーチミンのあまり知られていない人生を振り返りつつ生家の観光ガイドを書いてみました。
ファン・ボイ・チャウ|日本と縁の深い革命家

さらに、ゲアン出身で、日本との関係性が深い人物としてはホーチミンの先輩革命家とも言えるファン・ボイ・チャウ(Phan Bội Châu)が挙げられます。
日本人で知っている方は少ないのですが、フランス植民地支配から独立するために、当時近代化に成功していた日本への留学運動「東遊運動(ドンズー運動)」を主導した人物です。1925年に上海でフランス当局に逮捕され、祖国へ強制送還された後はフエで終身の軟禁生活を送りました 。彼の著作『ベトナム亡国史』などは当時の知識人に大きな影響を与え、ベトナム民族意識を鼓舞しました。
ゲティン・ソビエト運動|ベトナム独立運動史の重要な事件

他にもゲアンは歴史をたくさん刻んでいます。たとえば1930年のゲティン・ソビエト運動(Nghệ Tĩnh Xô Viết)。フランス植民地支配の苛烈な搾取に耐えかねた、農民・労働者が一斉蜂起。現地傀儡政府を襲撃し機能不全に。そして一時的に民衆による自治を確立しました。教育や自衛の仕組みまで作ったようです。運動はフランス植民地政府により徹底的に弾圧され潰えますが、ベトナム独立運動の流れの中でも、先駆的な熱量を持つ出来事で世界的に有名になった運動です。
ヴィン市の古城跡と博物館|歴史好きなら外せない見学スポット

ゲティンソビエト運動のリーダーを始め、フランス植民地政府に捕まった政治犯はヴィン市のゲアン古城(Thành cổ Vinh)内の刑務所に収容されて拷問やきつい尋問などを受け、多くの方が亡くなったようです。


クアンチュン王とヴィン|ゲアンに残る英雄の記憶

少し歴史は遡りますが、18世紀後半に内戦で分裂したベトナムを立て直し、清軍などの外敵を撃退した英雄的指導者クアンチュン(光中帝/Nguyễn Huệ)は、ゲアン省の省都ヴィン市を首都にしようとしてました。結局、クアンチュンが亡くなったことで潰えましたが、今でもゲアン人の心にはクアンチュンの功績は響いており、ヴィン市にあるクエット山にはクアンチュンを祀る寺院(Đền Thờ Vua Quang Trung)があります。
歴史・史跡をめぐるヴィン市観光についてはこちら↓
ゲアン省観光の魅力③|少数民族文化と伝統文化に触れられる

ゲアン省には、今も多くの伝統文化、そして少数民族の暮らしが残っています。海辺ではココナッツボートに乗り漁に行く人々をよく見かけます。
山間部では、タイ族やモン族が昔ながらの生活を守りながら暮らしています。彼らの文化をぜひ「見るもの」ではなく、「触れるもの」として体験できるのもゲアンの魅力です。


たとえば少数民族は、今でも自分たちの言葉(タイ語・モン語)を日常の中で使い、文化を受け継いでいます。今でも高床式住居に住んでいたり、伝統的なお祭りを今も続けています。
食の面で言えば、色づけしたおこわや、竹筒で焼いて香りごと味わうお米料理、山の幸・川の幸を活かした素朴な料理が食卓に並びます。

手仕事も魅力的で、たとえば一部のタイ族の織り物には、動物の柄を織り込む伝統があります。手間がかかるため作り手は減っていますが、今でも一部の織り物の村では、その技術が静かに守られ続けています。

生活は少しずつ現代化も進み、ベトナムの主要民族であるキン族(Kinh)的なスタイルも取り入れながら、伝統と現代の間でバランスを取り続けています。
旅人にとっては発見の連続です。こうした文化に出会う一番の近道が、ホームステイです。タイ族やモン族の家庭に迎えられて過ごす時間には、観光地を巡るだけでは得られない「人の温度」があります。おもてなしの精神がとても濃く、旅が一段深くなる感覚があります。もう何度村で酔い潰れたことか。。。
モデルルートを考えたのでご共有します。
ゲアン省でおすすめの観光モデルコース
1泊2日|歴史+ビーチを楽しむコース
Day1
朝:ヴィン市→ キムリエン村(ホーチミン生家)
昼:ヴィン市で郷土料理(ヴィン市の楽しみ方・食事はこちらの記事にまとめてます)
昼~夜:クアロービーチに移動、海鮮と港町散歩
クアロービーチに一泊
※キムリエン村へはヴィン市からGrabやXanh SM Taxiを利用して向かえます。ただし、キムリエン村周辺ではGrabや流しのタクシーを捕まえるのが難しいため、行きに利用したドライバーにそのまま周辺で待機してもらうのが安心です。そのタクシーで母方または父方の生家にも立ち寄り、そのままヴィン市へ戻るとスムーズです。
※クアロビーチへはGrabやXanh SMタクシーなどを利用して移動できます。
Day2
朝:クアロービーチ散歩、市場散策(漁の風景も)
昼:ホングー島(Đảo Song Ngư)にケーブルカーで到着(時間があれば)
1泊2日|歴史+茶畑+国立公園を巡るコース
Day1
朝:ヴィン市 → キムリエン村(ホーチミン生家)
午前:キムリエン村(ホーチミン生家)
昼:タインチュオン茶畑でボートに乗る→昼食もタインチュオン付近で済ます
夕方~夜:プーマット国立公園のあるコンクオンに移動、タイ族ホームステイ泊(郷土料理・伝統芸能は要予約)。ホームステイではなく、普通のホテルが良い方はコンクオン泊(ムオンタインホテルなどあります)。
※ヴィン市→キムリエン村→タインチュオン茶畑→プーマット国立公園(コンクオン)まで移動するのはタクシーをチャーターをするのが楽です。
※プーマット国立公園のあるコンクオンへの行き方は以下にまとめてます。
Day2
他にもいろいろ組み方はあります!疑問点とか相談があればいつでもご連絡ください!
ゲアン省へのアクセス|ハノイ・ホーチミン市からの行き方
ハノイからゲアン省へ行く方法は、バス・電車・飛行機の3つがあります。ホーチミン市からはバスも電車もありますが時間がかなりかかるため飛行機が便利です。
飛行機
ハノイからヴィンまで飛行機で約40分、ホーチミン市からは約2時間で到着することができます。移動時間が短くて済むので週末旅行にぴったりです!
バス
ハノイからヴィン市へはバスがあり、約5~6時間で到着します。Vexereや12goなどの予約サイトを利用すると楽に予約できます。
電車
ハノイからヴィン市までは電車も便利です。所要時間はおよそ5時間半〜7時間半です。夜行列車を使えば、朝にヴィンへ到着できるので効率的です。
ゲアン省からラオス🇱🇦に抜けるルートも👀
ゲアン省からラオスに抜けるバスがあり、ヴィン市、コンクオン、ドールオンなどゲアン省の各地域から隣のラオス・シェンクワン県にいけます。
ラオス行きのバスは以下の写真の電話番号に電話するか、zaloで連絡を取って予約します。予約はベトナム語またはラオス語オンリーなので、ホテルの受付の方や知り合いのベトナム人またはラオス人にお願いするといいと思います🙆♂️🙆♀️。

バス以外でもよく自転車でラオスを経由してベトナムに来る欧米の方を見かけたりします。
おわりに
どうですか?ベトナムの面白さがまるっと詰まっている気がしませんか。ゲアン省に来てみたいと思ってもらえたら嬉しいです。でもいかんせんまだまだ情報が少ないのが現実。
旅行に関する疑問点などがありましたらいつでも連絡してください!
ではでは!
