シバ丸印の会社シミュ④――失敗させずに、失敗から学ばせることはできるのか?
前回。
シバ丸は、
GI(守護知能)が知識を持つ世界で、人間の脳は何を担うのか。
という話をしました。
そこで、
一つ、
嫌な問いを残しました。
「『答えが壊れる場所』を知る次の専門家は、どこで育つのでしょう。」
GIが、
失敗する前に止めてくれる。
危険になる前に教えてくれる。
過去事例も見せてくれる。
例外条件も整理してくれる。
それは、
とても良いことです。
事故は減ります。
炎上も減ります。
人も壊れにくくなる。
……。
でも。
それで、
本当に専門家は育つのでしょうか。
シバ丸。
首をかしげました。
「失敗しない世界で、失敗からしか得られなかった知恵は、どこから来るんだワン?」
わん。
また、
面倒くさいところを掘り始めました。
前回はこちら。
https://note.com/shibamaru_log/n/n1537f63234ae
昔のシバ丸は、経験値を稼ごうとしていました
以前、
シバ丸は、
経験しただけでは、
経験値にはならない。
みたいな話を書きました。
経験する。
振り返る。
言葉にする。
再利用する。
仕組みにする。
そうやって初めて、
経験は、
次にも使える経験値になる。
https://note.com/shibamaru_log/n/nfd5ea665c146
また別の日には、
仕事やキャリアを、
クエストみたいに考えたこともありました。
https://note.com/shibamaru_log/n/n9c4509024188
さらに、
資格は、
知識の地図を増やすものだ、
とも書きました。
https://note.com/shibamaru_log/n/nefde91a870a6
……。
シバ丸。
昔から、
だいたい同じところをグルグルしています。
わん。
でも今回は、
少し違います。
経験値へ変える方法は考えた。
では、その「経験」自体を作れないでしょうか。
本番案件が来るまで、
待つ必要、
ある?
10年に一度の経験を、10年待つ必要はあるのか
仕事には、
めったに起きないけど、
起きたら大変なことがあります。
大規模障害。
重大な契約問題。
セキュリティ事故。
顧客との重大な対立。
複数部門が同時に炎上。
経営判断が必要な案件。
こういうもの。
経験した人は、
強いです。
でも。
経験するために、
本当に事故を起こしてもらっては困る。
シバ丸。
「経験値ほしいから、ちょっと本番燃やしてくるワン」
GI。
「やめてください」
そりゃそうです。
では、
過去の事例を読めばいい?
もちろん、
それも大切。
でも、
事故が起きた後に、
原因。
対策。
再発防止策。
まで整理された資料を読むのと、
事故が起きる前の状態に立つこと
は、
少し違います。
答えを知った後なら、
「ここ確認するに決まってるじゃん」
と言えます。
でも当時の担当者は、
まだ答えを知りません。
情報も足りない。
納期も迫っている。
営業から急かされる。
顧客は待っている。
上司は、
「任せるよ」
と言っている。
自由という名の丸投げ。
はい。
嫌な匂いがします。
その中で、
何を見るか。
何を疑うか。
誰に聞くか。
どこで止めるか。
そこに、
経験があります。
ちなみに。
こういうシミュレーション訓練そのものは、
航空や医療などでは、
ずっと前から使われています。
シバ丸の発明ではありません。
わん。
シバ丸がやりたいのは、
それをもっと、
日常的な仕事の判断へ広げることです。
なら、事故の直前まで戻ればいい
シバ丸株式会社。
また、
変なものを作りました。
仮想案件。
です。
たとえば。
リリースまで3日。
テスト進捗90%。
軽微な不具合12件。
セキュリティレビュー未完。
顧客は予定通りの公開を希望。
営業も延期を嫌がっている。
担当者からは「たぶん大丈夫です」と報告あり。
シバ丸。
「その“たぶん”嫌いだワン」
GI。
「では、どうしますか?」
ここで、
答えは出ません。
まず、
自分で考える。
追加情報を取りに行く。
誰かに聞く。
エスカレーションする。
条件付きで進める。
止める。
いろいろ選べます。
そして、
選んだ結果、
世界が進む。
シバ丸、主人公の少し後ろに立つ
ただし。
いきなり、
自分自身が怒鳴られ、
自分自身が失敗し、
自分自身が責任追及される。
そこまでやる必要はありません。
なので、
最初は少し距離を置く。
主人公は、
架空の社員。
たとえば、
シバ太郎。
です。
シバ丸は、
その少し後ろから、
シバ太郎の仕事を見ています。
シバ太郎。
「予定通りリリースしますか?」
画面。
A. 予定通り進める
B. リリース延期を提案する
C. 一部機能だけ止める
D. 追加確認を要求する
選ぶのは、
シバ丸。
でも、
怒られるのは、
シバ太郎。
シバ丸。
「便利だワン」
シバ太郎。
「ちょっと」
わん。
もちろん、
人を身代わりにして笑うためではありません。
本人そのものと、
失敗した判断を、
少しだけ離す。
自分がダメだった
ではなく、
この判断経路のどこが弱かったのか
を見るためです。
シバ丸印。
新しい原則。
痛みは薄く。経験は濃く。
ただし。
どれくらいなら、
「薄い」のか。
それを決めるのは、
訓練を作った側ではありません。
体験する本人です。
今日は観察だけ。
途中で止める。
没入度を下げる。
この題材は避ける。
そういう選択もできる。
任意訓練を断ったこと。
途中で止めたこと。
没入度を下げたこと。
それ自体を、
人事評価には使いません。
「自由に止められます」
と言いながら、
止めた人へ印を付けたら、
それは自由ではありません。
一方で、
安全。
法令。
セキュリティ。
など、
会社として必要な必須訓練は、
別物として扱います。
そして、
慣れてきたら、
少しずつ距離を縮める。
最後には。
シバ太郎。
いなくなります。
自分で怒られます。
シバ丸。
「戻ってこいワン」
フローチャートが生える
一度、
シナリオを終える。
すると、
一本のルートが残ります。
開始。
↓
追加確認せず進む。
↓
顧客へ公開。
↓
想定外のセキュリティ問題。
↓
緊急停止。
↓
顧客説明。
↓
契約条件にも抵触。
↓
GAME OVER。
シバ丸。
「やらかしたワン」
GI。
「訓練です」
シバ丸。
「分かってるワン」
そして、
フローチャートを見る。
自分が通った道。
通らなかった道。
途中の判断。
選択しなかった分岐。
未到達ルート。
全部見える。
知識には地図を。
経験にはフローチャートを。
これ、
かなり良くない?
ちなみに。
延期して事故を避けたルートでも、
全部うまくいくわけではありません。
納期は遅れた。
顧客は不満。
営業も困った。
でも、
重大事故は防いだ。
シバ丸。
「逃げ道ないワン」
GI。
「現実です」
ぐぬぬ。
いつでも、あの分岐へ戻れる
さらに。
フローチャート上の、
過去の分岐を選ぶ。
「ここから再挑戦しますか?」
できます。
ただし。
未来は隠します。
今の自分は、
もう結果を知っています。
だから、
単純に同じ案件へ戻ったら、
後知恵で簡単に解ける。
そこで、
当時見えていた情報だけを、
もう一度出します。
シバ丸。
「あれ?この時点だと、契約違反になるってまだ分からないワン」
GI。
「はい」
シバ丸。
「じゃあ昔の俺、そんなにアホでもない?」
GI。
「その時点では、合理的な判断だった可能性があります」
シバ丸。
「よかったワン」
後からなら、
なんとでも言えます。
いわゆる、
後知恵バイアス
というやつです。
大切なのは、
その瞬間に持っていた情報で、どう判断したか。
そこへ戻れる。
これは、
失敗事例集を読むのとは、
ちょっと違う。
フローチャートを見ただけでは、経験値にならない
ただし。
道が見えただけで、
経験値が入るわけではありません。
ここは、
昔のシバ丸が言っていたことと、
同じです。
経験した。
はい。
終わり。
ではない。
なぜ、
その判断を選んだのか。
何を見ていたのか。
何を見落としたのか。
何を怖がっていたのか。
誰の発言を重く見たのか。
その時点では、
何が合理的に見えたのか。
次に似た条件が来たら、
どこで立ち止まるのか。
そこまで、
振り返る。
いわゆる、
デブリーフィング。
です。
GI。
「なぜAを選びました?」
シバ丸。
「営業が怖かったワン」
GI。
「重要な情報です」
シバ丸。
「そこも拾うの?」
拾います。
正解発表ではなく、
判断経路の振り返り。
必要なら、
現場の専門家や、
先輩も加わる。
「その時点なら、僕もAを選んだと思う」
「ただし、この情報を見た時点で止める」
みたいな違いも見える。
間違えたこと。
だけではなく、
なぜそれが正しそうに見えたのか
を残す。
後味が悪かった。
怖かった。
没入度が高すぎた。
そういう訓練そのものへの感想も、
次のシナリオ設計へ戻す。
そこで初めて、
失敗が、
次に使える経験へ変わります。
失敗を消すのではなく、セーブデータにする
本番では、
GIは黙りません。
危険を警告する。
根拠を見せる。
必要な専門家につなぐ。
権限を持つ人間へ上げる。
そして、
事前に決められた重大なレッドラインを越えた場合だけ、
一時的に隔離する。
最終的な判断と責任まで、
GIが奪うわけではありません。
本番では、事故へ向かう流れを放置しない。
それが、
守護知能です。
でも、
訓練モード。
本人が許可した範囲なら、
少しだけ黙ります。
シバ丸。
「リリースするワン」
GI。
「……。」
シバ丸。
「なんか言えワン」
GI。
「訓練なので」
シバ丸。
「性格悪くなってない?」
GI。
「教育です」
ぐぬぬ。
ただし。
GIが黙れるのは、
本番から切り離された訓練環境だけ。
顧客へ送れない。
契約できない。
公開できない。
本番データにも触れない。
画面には、
ずっと、
これは訓練です
と出ています。
黙るGIを、
本番へ連れていってはいけません。
ここで、
判断は失敗できます。
でも、
現実の顧客は怒りません。
現実の契約も壊れません。
本番の個人情報も、
持ち込みません。
会社も、
現実には燃えません。
判断は失敗させる。
損害は出さない。
つまり。
失敗を消すのではなく、セーブデータにする。
本番環境から、
安全な訓練環境へ、
失敗を移す。
です。
「正解ルート」だけではつまらない
初級シナリオなら、
正解。
不正解。
でもいい。
でも、
現実の仕事は、
そんなに親切ではありません。
延期する。
顧客が怒る。
予定通り出す。
品質リスクが上がる。
追加確認する。
納期が遅れる。
一部だけ出す。
運用が複雑になる。
どれも、
何かを守り、
何かを捨てています。
なので、
上級シナリオでは、
正解を当てるゲーム
から、
何を守って、何を諦めるかを決めるゲーム
へ変わる。
さらに。
良い判断をしたから、
必ず良い結果になる。
とも限りません。
確認した。
止めた。
エスカレーションした。
それでも、
事故が起きることはある。
逆に。
雑に進めたけど、
偶然、
何も起きなかった。
もあります。
良い結果が出たことと、
良い判断をしたことは、同じではない。
GIが見るのは、
結果だけではありません。
その時点の情報で、
どんな判断手順を踏んだのか。
運が良かっただけの成功を、
正解ルートにはしません。
シバ丸。
「全部取れないワン?」
GI。
「現実です」
シバ丸。
「ぐぬぬ」
こういうものこそ、
経験したい。
ベテランの「嫌な感じ」をプレイ可能にする
ベテラン。
「この案件、なんか嫌なんだよ」
若手。
「何がですか?」
ベテラン。
「分からん。でも嫌なんだ」
困ります。
でも、
実際には、
その「嫌な感じ」の裏に、
何十件もの経験があるかもしれない。
昔、
似た状況があった。
納期が近かった。
担当者が妙に楽観的だった。
責任分界が曖昧だった。
確認が一個抜けていた。
そして燃えた。
なら、
その経験を、
文章だけで残すのではなく、
プレイ可能なシナリオ
へ変える。
当時、
何が見えていたか。
何が見えていなかったか。
どんな圧力があったか。
誰が何を言ったか。
どこで判断が分かれたか。
未来だけ伏せる。
ただし。
実際の案件を、
そのまま教材へコピーするわけではありません。
顧客名。
社員名。
契約情報。
現在も使える脆弱性情報。
名前を消しただけでは、
誰の案件か分かってしまうこともあります。
必要なら、
複数の案件を混ぜて、
架空のシナリオへ作り替える。
シバ丸。
「誰が燃やしたか、は要らないワン」
GI。
「必要なのは、どんな条件で燃えたか、です」
再現するのは、
失敗した人ではありません。
判断が難しくなった条件です。
新人。
プレイ。
「……なんか嫌だな」
GI。
「どこがですか?」
新人。
「説明できないけど、この条件の組み合わせ」
少なくとも、
経験の手がかりは、
少しずつ移っていく。
ベテランが10年の間に一度踏んだ分岐を、
若手が今日、疑似的に通ることができる。
これは、
かなり大きい。
でも、そのシナリオは誰が作った?
ここで。
また、
嫌な問いです。
その訓練シナリオ。
誰が作った?
ベテラン?
過去案件?
GI?
会社?
そして。
誰が「この判断が正しい」と決めた?
過去の結果を知った人がシナリオを書くと、
当時は見えていなかった情報を、
うっかり重要そうに配置してしまうかもしれない。
ベテランの思い込みが、
「正解」として残るかもしれない。
会社にとって都合のいい判断だけが、
高得点になるかもしれない。
それでは、
訓練ではありません。
調教です。
オムニママ。
会社全体のGI群と仕組みを見守る、
組織側の守護知能です。
見ます。
複数の専門家。
当時の資料。
別の立場。
現在のルール。
それらを突き合わせる。
そして、
プレイヤー自身も、
シナリオへ異議を出せる。
シバ丸。
「この選択肢、現場にはなかったワン」
GI。
「シナリオへの異議として記録します」
訓練する人だけが、
学ぶのではありません。
訓練そのものも、訂正されます。
そして、
古くなったシナリオ。
もう意味のないシナリオ。
似たものばかり増えたシナリオ。
それも、
定期的に捨てる。
善意で作った仕組みほど、
放っておくと太ります。
わん。
訓練は、賢くするためのものです。
従順にするためのものではありません。
経験値、ゲットだぜ……いやワン
シナリオ終了。
振り返り終了。
GI。
「今回の経験を整理します」
たとえば。
今回通った判断領域
品質判断
リスク判断
契約観点
エスカレーション
ステークホルダー調整
情報不足状態での判断
シバ丸。
「経験値ゲットだワン」
でも、
単純に、
品質 +10。
リスク +15。
で終わらせません。
数字だけだと、
簡単な問題を100回やって、
レベル99。
とかできます。
シバ丸。
スライムを10000匹倒しました。
魔王。
「よろしく」
シバ丸。
「帰るワン」
なので、
本当に見たいのは、
何回やったか。
より、
どんな条件下で、どんな判断を経験したか。
です。
たとえば。
経験済み
通常時
納期圧あり
契約との競合あり
顧客反対あり
まだ未経験
セキュリティ影響あり
複数ベンダーで責任分界不明
こんな感じ。
経験値は、回数ではなく、判断空間をどれだけ広げたか。
レベルは、
入口。
本体は、
経験マップです。
でも、経験マップは人事評価表ではない
ここで、
前回の話が戻ってきます。
家庭教師のノートを、
人事考課表にしない。
今回も、
基本は同じ。
何回失敗したか。
何回ヒントを使ったか。
どこで迷ったか。
どんな間違いをしたか。
これは、
本人の学習記録です。
一方で、
「セキュリティ重大事故の判断経験はまだない」
みたいな情報は、
業務上、
分かったほうが安全な場合もあります。
なので、
分けます。
どんな失敗をしたか。
と、
どんな領域を経験済みか。
は、
同じものではありません。
共有するなら、
必要な経験領域や、
履修した条件。
目的を明示して、
必要な範囲で。
もちろん、
本人は、
自分の経験マップを見られる。
シバ丸。
「そこ違うワン」
と言えます。
訂正もできる。
本人に見せられない成長地図を、
本人のための地図とは呼びません。
そして。
未経験は、能力不足という意味ではありません。
シミュレーション経験があるからといって、
直ちに実務能力が証明されたわけでもない。
正式な配置や資格認定が必要なら、
経験マップとは別に、
目的と基準を決めて確認します。
経験マップそのものは、
次にどこへ行くかを見るための地図。
人間の値段表ではありません。
足りない経験を、狙って稼ぐ
経験マップを見る。
シバ丸。
「セキュリティ絡み、スッカスカだワン」
GI。
「おすすめシナリオがあります」
シバ丸。
「やるワン」
これまでの会社では、
必要な経験が来るまで、
待つしかないことも多かった。
大規模障害案件。
来るかな。
海外案件。
来るかな。
契約交渉。
来るかな。
来ないまま、
10年。
もある。
でも、
シミュレーションなら、
足りない経験を、
狙って履修できます。
経験機会を、偶然から設計へ。
これが、
今回の大きなところです。
ただし。
ここでも、
シバ丸株式会社は、
自分で作った仕組みを、
自分で疑います。
経験マップ。
空白。
空白。
空白。
それを見て、
「全部埋めなきゃ」
となったら?
会社から、
「まだ空いてますよね?」
と言われたら?
それは、
また違う。
経験マップが埋まっていないことは、罪ではありません。
足りない経験を、
狙って取りに行ける。
それと、
空白を全部埋める義務がある。
は、
別の話です。
経験マップは、
成長のナビ。
ノルマ表ではありません。
「全部埋めろ」
と迫る道具になったら。
オムニママ。
また、
痩せさせます。
そして、時間まで加速し始める
ここから先は、
今のところ、できません。
完全に、
強めの妄想です。
時間を長く感じることと、
その時間の中で、
何倍もの認知活動や学習ができることは、
同じではありません。
でも。
もし将来、
仮想環境の中だけ、
学習に使える主観時間そのものを、
増やせる技術ができたら?
シバ丸株式会社。
当然、
使いたがります。
たとえば。
仮に、
現実30分。
主観3時間。
そんな訓練ができるようになったら。
一日のうちに、
複数の判断ケースを体験できる。
シバ丸。
訓練終了。
GI。
「お疲れさまでした」
シバ丸。
「三徹した気分なんだが?」
GI。
「現実では28分です」
シバ丸。
「そういう問題じゃないワン」
はい。
そういう問題ではありません。
加速できるから、無限に働いてよいわけではない
悪い会社。
「主観時間を10倍にできるなら、80時間分働けますね」
オムニママ。
般若。
終了。
ちなみに。
会社が、
「やってください」
と求めた訓練は、
仕事です。
自己研鑽という名前を貼って、
勤務時間の外へ追い出したりはしません。
業務。
訓練。
会社が求める学習。
会社のために使った負荷は、
会社の側で数える。
さらに、
主観時間と、
現実の労働時間は、
別物です。
現実の時計を、
主観時間で上書きしない。
賃金や勤務時間を減らすためにも使わない。
主観負荷を見る目的は、
ただ一つ。
早く休ませるため。
です。
しかも。
技術自体が、
まだ存在しません。
当然、
安全な上限時間だって、
まだ分かりません。
だから、
「何時間まで使えるか」
から考えない。
「どこで止めるべきか」から考える。
ごく短い時間から始める。
本人の状態を見る。
医学。
安全衛生。
労使。
知見が増えれば、
また見直す。
目的は、
人間が働ける限界を探すことではありません。
休ませる地点を、早く見つけることです。
GI。
「今日は終わりです」
シバ丸。
「まだ現実では午前10時だワン」
GI。
「知りません」
シバ丸。
「あと一周」
オムニママ。
「だめです」
シバ丸。
耳ペタン。
疑似経験だけで専門家になれる?
ここで。
また自己反論。
シナリオを1000本やりました。
経験マップ。
真っ黒。
じゃあ、
実務ゼロでも専門家?
……。
たぶん、
違います。
まず。
シナリオには、
最初から、
「ここに問題があります」
と書いてあります。
現実は、
誰も教えてくれません。
そもそも、
問題があることに気づく。
そこから仕事です。
そして、
シナリオにあるのは、
基本的に、
誰かが、もう踏んだ分岐。
です。
本当に新しい壊れ方は、
まだ誰も書いていません。
さらに。
実際の仕事には、
シミュレーションへ完全には持ち込めないものがあります。
本当に顧客が困っている。
本当にお金が動いている。
本当に誰かの生活に影響する。
本当に責任がある。
本当に仲間との関係がある。
だから、
疑似経験は、
本物の経験を置き換えるものではありません。
むしろ、
本番へ近づくための足場。
最初は、
観察。
次に、
選択。
次に、
主人公の代理判断。
少し没入。
実務同行。
そして、
本番。
疑似経験で、本番経験を消すのではない。
本番経験へ入る前の地図を濃くする。
です。
経験年数から、経験密度へ
たとえば。
Aさん。
10年働きました。
でも、
同じ種類の仕事を、
ずっと繰り返していました。
Bさん。
5年働きました。
でも、
大量のケース。
複数の業界。
失敗シナリオ。
例外ケース。
実務同行。
振り返り。
を経験しています。
単純に、
10年だから上。
5年だから下。
とは、
言いにくくなります。
もちろん、
時間そのものからしか得られないものもあります。
長期的な人間関係。
長いプロジェクト。
組織の変化。
何年もかけて結果が出る判断。
そういうもの。
だから、
経験年数をゼロにはしない。
でも。
経験年数だけで、経験の厚みを測る必要もない。
という話です。
経験年数は、魔法みたいには縮められない。
でも、経験密度は上げられる。
シバ丸株式会社。
また、
変なところまで来ました。
失敗させずに、失敗したことがある人を育てる
GI。
本番では、
事故へ向かう流れを放置しない。
訓練では、
本人の同意のもと、
安全な場所で、
少し黙る。
シバ丸。
何度も間違える。
何度も戻る。
何度も別ルートへ行く。
そして、
そのたびに、
振り返る。
なぜ、
そう判断したのか。
どこで、
立ち止まれたのか。
次は、
何を見るのか。
少しずつ、
「この組み合わせ、嫌な匂いがするワン」
が増えていく。
それが、
本物の専門家の勘と、
完全に同じものなのか。
まだ分かりません。
わん。
でも。
少なくとも、
失敗事例を読んで、
「なるほど」
で終わるよりは、
少しだけ、
その場所へ近づける気がします。
本番では守る。
訓練では転ばせる。
振り返りで、次の判断へ持ち帰る。
そして。
失敗を防ぐことと、失敗から学ぶこと。
その二つは、同じ場所でやらなくてもいい。
シバ丸印。
また一個、
変な会社の機能が増えました。
ただ。
ここまで来ると、
また一つ、
変なことが起きます。
人によって、
「何ができるか」と、
「何を経験してきたか」が、
かなり細かく見えるようになる。
すると。
その人を、ずっと一つのプロジェクトへ固定しておく必要って、あるんでしょうか。
……。
また、
面倒くさいところが見えてきました。
わん。
なお。
本日のシバ丸。
仮想プロジェクトを、
3回炎上させました。
一回。
情報漏えい。
一回。
契約違反。
一回。
顧客激怒。
現実世界。
被害。
ゼロ。
GI。
「良い学習でした」
シバ丸。
「良い学習って言うなワン……」
オムニママ。
「今日はもう終わりです」
シバ丸。
「まだ経験値稼げるワン」
オムニママ。
般若。
シバ丸。
「寝ますワン」
わん。
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今回のシバ丸株式会社は、だいぶ昔から考えていたことを拾い集めながら育っています。
シバ丸印の会社シミュ①
守破離と「守護知能」で考える、AI時代の組織OS
役割、責任、判断基準、守破離、そしてGI。
今回の会社シミュの出発点です。
https://note.com/shibamaru_log/n/ndb380bf71a9c
シバ丸印の会社シミュ②
オムニママは見ている。守護知能を誰が守護するのか?
守ってくれるAIが、
守りすぎたり、
支配したりしないために。
GIを守る仕組みを考えました。
https://note.com/shibamaru_log/n/na21c420b4026
シバ丸印の会社シミュ③
首輪を付けた人間は、どう進化するのか?
知識をGIが持つ世界で、
人間の脳は何を担うのか。
「記憶力の人類から、意味接続力の人類へ。」
そして今回の問い、
「答えが壊れる場所を知る次の専門家は、どこで育つのか」
を残した回です。
https://note.com/shibamaru_log/n/n1537f63234ae
経験を、経験値へ変える話
経験しただけでは、
経験値にはならない。
振り返り、
言語化し、
再利用可能にする。
今回の「デブリーフィング」の祖先みたいな話です。
https://note.com/shibamaru_log/n/nfd5ea665c146
仕事とキャリアをクエストとして考えた話
仕事を、
ただ消化するタスクではなく、
経験を得るクエストとして見たらどうなるか。
今回の経験マップにもつながっています。
https://note.com/shibamaru_log/n/n9c4509024188
資格を「知識の地図」として考えた話
資格そのものより、
学んだ結果、
頭の中にどんな地図が増えたのか。
今回の、
知識には地図を。経験にはフローチャートを。
につながる話です。
