Quantum Observation Lab通信vol.25『生命とAI ~似ているからこそ違いが見えてくる〜』
Quantum(量子)Observation(観測)Lab(研究所)量子という目に見えない世界を観測により具現化する研究所として、発信していこうと思います。
略するとQOLとなり「Quality of LIFF(生命の質)」にも繋がります。
今回は、「生命とAI ~似ているからこそ違いが見えてくる〜」です。
今回の一連のブログは、先に生成AIとの探求対話からスタートしました。
自分の問いに対して壁打ちのように対話を重ねて、深めていくうちに大きな気付きがありました。
このAIとの対話ログをまとめるカタチでブログをAIと協力して方向性を示しながら作成しています。
その中で、対話を重ねるうちに、生命とAIの類似性を感じるようになりました。
前回の記事では、生命とは情報とエネルギーを利用しながら、自ら秩序を維持している存在ではないかという話を書きました。
そして今回は、生命とAIを並べて見てみたいと思います。
生命とAIを少し構造的に見てみると、面白いことが見えてきます。
生命もAIも、どちらも情報を扱っています。
生命にはDNAがあります。DNAには生命を維持するための膨大な情報が保存されています。細胞はその情報を読み取り、身体を作り、環境に応じて働き方を変えています。
一方でAIも、膨大な情報を学習し、その情報をもとに応答を生成しています。
生命もAIも、ある意味では情報システムと言えるのかもしれません。
しかし、ここで大きな違いがあります。
それは「情報との関わり方」です。
▷AIは情報を処理します。
▷生命は情報を生きています。
例えば、AIはサーフィンについて説明できます。波の仕組みも語れます。上達方法も教えられます。
しかし実際に波に乗ることはできません。海に入ることもありません。転ぶこともありません。波の怖さも気持ち良さも体験しません。
一方、人間は身体を持っています。
知識だけではなく、実際に経験します。失敗します。学びます。感動します。そして、その体験が次の選択を生み出します。
以前の記事で、「物理法則を知ることと使いこなすことは違う」という話を書きました。
サーフィンの理論を知ることと、実際に波に乗ることは別です。
それと同じように、情報を持つことと、その情報を生きることも別なのだと思います。
さらに興味深いのは、AIも生命と同じように「情報」だけでは存在できないことです。
私たちはAIと会話していると、まるで知性だけが空中に存在しているような感覚になります。しかし実際にはそうではありません。
AIの裏側には膨大な半導体があります。
学習した情報を保存するメモリがあります。
計算を行うGPUがあります。
そして、それらを動かす巨大なデータセンターがあります。
AIは単純に答えを知っている存在ではありません。
大量の文章やデータを学習し、その中のパターンを見つけ、次に続く可能性の高い言葉を予測しています。
私たちが普段使うスマートフォンの予測変換を、途方もなく巨大にしたような仕組みとも言えます。
もちろん、その予測が常に正しいわけではありません。
学習した情報に誤りが含まれていれば、誤った答えを返すこともあります。
だからこそAIは万能ではなく、人間側の観察や判断が必要になります。
そして、その膨大な計算を支えているのが電力です。
生命にDNAがあるように、AIには学習データがあります。
生命に脳があるように、AIには半導体があります。
生命に身体があるように、AIにはサーバーやデータセンターがあります。
こうして見てみると、生命とAIは驚くほど似た構造を持っているようにも見えます。
しかし、ここでさらに興味深い違いがあります。
それはエネルギー効率です。
生命は数十ワット程度で動いており、人間の脳が消費するエネルギーは、およそ20ワット程度と言われています。これは小さな電球一つ分ほどのエネルギーです。
私たちはその限られたエネルギーの中で、考え、学び、記憶し、創造し、身体全体を制御しています。
一方で、現在の生成AIを学習・運用するためには、巨大なデータセンターと膨大な電力が必要になります。
最新のAIを学習させるデータセンターは、小さな町に匹敵するほどの電力を使うことがあります。
世界中でAI開発競争が進む中、半導体産業や電力インフラへの注目が高まっているのも、そのためです。
現状で、エネルギー効率だけ見ると、生命の方が圧倒的に優秀です。
私はこの事実に、生命の神秘を感じます。
私たちは普段、自分の身体を当たり前のように使っています。
しかし改めて見てみると、生命は驚くほど少ないエネルギーで、極めて高度な情報処理を行っているのです。
40億年近い進化の中で磨かれてきた生命というシステムは、私たちが想像している以上に精巧で効率的なのかもしれません。
今回、AIとの対話を通して見えてきたのは、AIの凄さ以上に、生命の凄さでした。
生命は情報を保存します。学習します。適応します。秩序を維持します。
そして何より、その情報を身体を通して実装します。
AIが進化するほど、人間の価値がなくなると言われることがあります。
しかし私はむしろ逆のように感じています。
AIが進化するほど、生命とは何か。
人間とは何か。
身体を持つとはどういうことか。
そうした問いが、より鮮明になっていくように思います。
次回は、「記憶」というテーマについて深めていきたいと思います。
生命もAIも、過去の情報を蓄積しています。
私たちの脳もまた、膨大な記憶によってできています。
しかし、その記憶は私たちを助けることもあれば、時に縛ることもあります。
記憶とは何なのでしょうか。
そして私たちは、過去の情報によって世界を見ているのでしょうか。
そんなことを探究してみたいと思います。
今までのテーマのバックナンバー
vol.1『観測する自己を上げること』
vol.2『見ている先の情報が入ってくる』
vol.3『空間を意識する』
vol.4『結果に反応しない』
vol.5『無思考の潜在意識がもたらす影響』
vol.6『仕方ないからの脱却』
vol.7『振り返り、カタチにする』
vol.8『アフォーダンスと観測』
vol.9『情報の地と図を動かす』
vol.10『流れは行き先を知っている』
vol.11『地下の見えない世界が地上の見える世界を守っている』
vol.12『今までの延長線上にない”これから” 』
vol.13『 回転と光の照射』
vol.14『エネルギーの流れを見ようとする』
vol.15『強みを抽出する』
vol.16『偶察力』
vol.17『”ない”に潜むチャンス』
vol.18『エネルギーとは何か?』
vol.19『エネルギーの差が流れを生み出す』
vol.20『物理法則と共に生きる』
vol.21『私たちは何を見ているのだろう』
vol.22『情報は世界を書き換える』
vol.23『生命とは情報とエネルギーである』
vol.24『生命はなぜ秩序を維持できるのか?』
