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素材がまとう時間の中へ

四国村ミウゼアムに集められた建物の

素材がまとう時間。質感、奥行き。造形の中を歩く。
石の凹凸、ざらつき。しっくいの壁の滑らかさ、
ひび割れ。連続するなまこ壁、継ぎ目、平面の瓦。
土壁と壁を保護する丸太。平たく並ぶひしゃぎ竹。



重なる緑に包まれた四国村に



素材が浮かぶ



連綿と続く文化の形



小豆島の醤油づくりの風景には


瀬戸内への旅の途中で訪れた場所



滑らかな曲線を描く石組のアーチ型橋は


別名で太鼓橋ともよばれ

アーチが二連となるのはいつかの眼鏡橋



旅の分岐点を進めば



なまこ壁が連続する御用蔵



連なる緑に映えるしっくい



四半のなまこ壁の風景が


旅から旅をつないでいく



建物が刻むリズムが


旅に重なっては層を帯びる



かつて港に面して建てられていた蔵には



4つの戸口から米俵が積み込まれたという



馴染むように増築された



屋根の下をくぐる


インフォメーションセンターとなる蔵の中には



四国村の全体模型。現在地はちょうど中央となる



資料館としても活用される空間で



展開される写真展


新津保建秀氏による「肌理と造形」というテーマに


素材の細部と、形の全体像を重ねる旅


空間の奥行きは


時を経ては今につながる


何気ない日々の造形に


旅の肌理に近づくように



素材がまとう時間に触れる



祖谷地方で受け継がれた隠居屋は



出入りがしやすいように敷居が低く作られる



板塀の前でのんびり過ごすご隠居猿



隠居屋の隣に建つ主屋。壁には蓑壁とよばれるひしゃぎ竹



囲炉裏に箪笥と、くらしの痕跡に目を留めながら



紡がれる糸と歴史の間を進む



隣に並ぶ納屋の三棟が



祖谷から移築され、四国村の緑に包まれる



茅葺きの水平線の向こうから



静かに時をつなぐ民家の間に


流れる水の音と



石とゆらめく水面の上に積み重ねられた土台石


素材の奥行き。軽やかさ、リズム。時代を越えて
移築、復元された建物に流れる時間。肌理と造形。
蔵の中で触れた写真家によって切り取られた空間
や手触り。緑の中で影が揺れ、水面に木々が映る。
四国村が生み出す空間を、体全体で味わうように。



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