めおんがつなぐ島から島へ
島での芸術祭は重ねられ
始まりの年に訪れた男木島を後にする。防波堤の
線上に重なる水平線に浮かぶ島。島々に誘われる
ようにして、瀬戸内への旅を続けている。島と島を
つなぐ船。赤と白をまとう船に揺られて次の島へ。

空と海との境界に

線を描く防波堤の先の

島でのひとときの時間を過ごす
島の魅力に吸い込まれるように

路地から路地へと坂を伝えば
連なる家々の見え方も変わってくる

港にふわりと置かれた文字は
多様な言語の形を持つもの

言葉にできない感情を

静かに時をつなぐ島の風景に重ねる

バトンを託された新たな船が出る

海に引かれた線に沿って
航路をつなぐ灯台をたどり

船はゆっくりと旋回しながら

猫とアートとたこつぼに包まれた島を後にする
島の北端にある灯台へもまたいつか

旅をつむぐ色や形は
らせんを帯びては折り重なる

赤と白の縞々をまとう
めおんに乗って次なる島へ

ゆっくりと男木島が離れていく

ふわりと雲が流れていく
重なる島影の間を縫うように

立体的な海の風景をゆく

光の向こうに揺らぐ高松の街
瀬戸内の風景を少しずつ角度を変えながら

旅は線を描いていく

島と島の間を抜け、しばらくすれば

港の風景が近づいてくる

旅の最初に寄港した島が

次なる旅の目的地

しましまのめおんがつなぐ島と島

ゆっくりと波をかき分けながら、港を離れる船は

アートの気配をまといながら

祝祭に輝く光を帯びて

島から島をつないでいく
芸術祭が重ねられる島をたどる旅。アートは風景
の一部となり、記憶を伝えるものとなる。見えない
航路に結ばれた島への旅を繰り返す。少しずつ視点
をずらし、今の風景を過去に重ね、未来へ置いて。
